今週は安田記念。だが、残念なニュースから入りたい。前哨戦の読売マイラーズCを制したアドマイヤズーム(牡4・友道康夫厩舎、武豊騎乗予定)が、右前脚の爪を痛めて出走を回避した。楽しみが一つ減って気が抜けたが、気を取り直していこう。
JRAは「良馬場」と言いたい
今週は雨が多く、日曜は阪神が雨、東京も夕方から雨の予報だ。前提として押さえたいのは、JRAはできるだけ「良馬場」と発表したいということ。
「稍重」「重」と出ると馬券の買い控えが起き、売上に響くからだ。だから発表は鵜呑みにせず、ギリギリまで遅らせて「稍重」と出たときは、実際はかなり重いと読むべきだ。
馬場は「3層構造」で見る
馬場は表面だけでなく、複数の層に分かれている。表面のクッション値や中間の含水率だけでなく、立体(3D)の階層構造として総合的に捉えたい。
クッション値は、クレッグハンマーで2.25kgの重りを45cmの高さから自由落下させ、その反発力を数値化したものだ。
だが400〜500kgのサラブレッドが全力疾走する衝撃に対して、この軽い重りで何が分かるのか。あくまで「参考程度」と捉えるのが妥当だろう。
エクイターフと洋芝の違い
近年JRAが開発した野芝「エクイターフ」がすごい。洋芝の根が縦に伸びるのに対し、エクイターフは匍匐茎(ほふくけい)が横へ網の目状に広がる。
この絡み合いがトランポリンのようなクッション性を生み、走りやすさと高速化をもたらす。陸上競技で厚底シューズを履くとタイムが伸びるのと同じ理屈だ。
一方、冬場や札幌・函館で使う「洋芝」は見た目は美しいが、根が絡まないため雨ですぐ緩み、クッションが効きづらい。JRAが競馬場ごとに芝を変えるのは、多様な適性の馬に勝機を残すためだ。
エアレーションとシャタリング
メンテナンス技術も進化している。シート養生、こまめな散水、4コーナー〜直線の芝の張り替えに加え、鍵を握るのが「エアレーション」と「シャタリング」だ。
エアレーションは一定間隔で穴を開け、通気性とクッション性を高める作業。さらに柔らかくしたいときは、ナタ状の刃で切れ込みを入れるシャタリングを行う。実施直後は馬場が緩み、開催前半は時計がかかりやすい。JRA公式サイトに実施情報が掲載されるので、開催替わりは必ず確認したい。
高速馬場の「中身」を読む
同じ高速馬場でも中身が違う。今の「モダンな高速馬場」はクッションが効いて速く、バテにくいのでスピード型(差し馬)が有利になりやすい。対して「昔の高速馬場」はただ踏み固められて硬いだけで、後方の馬はスタミナを削られ前残り有利になる。なぜ速いのかを見極めたい。
数値の目安と使っている道具
クッション値の目安として、今の芝は「9〜10」程度。サッカー場(9)・野球場(10)が近く、人工芝は18、テニスコートは52、調教のウッドチップは4と非常に柔らかい。
調教では動くのに本番で走らない馬は、こうした柔らかい馬場が得意なのかもしれない。
馬場の速さは「馬場指数」も重要だ。昔は自分で計算していたが、今はnetkeibaやグリーンチャンネルの「先週の結果分析」、そしてTARGETの補正タイム(馬場の速さを含んだタイム)を主な基準にしている。
天気は「Windy」を愛用。海外モデルの「ECMWF」は気象庁より精度が高いと感じる。
まとめ
馬場の下層まで完璧に読むのは不可能だ。それでも、JRAの情報を丁寧に見て、馬場がどんな状態かを想像し、予想に織り込むことが大切になる。アドマイヤズーム不在の安田記念は、また金曜に予想したい。今日の資料もSubstackにアップするので、ぜひ見てほしい。
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