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2025-02-01 15:37

おじいさんの家 後編

0122 250201 小川未明 おじいさんの家 後編 朗読:田畑竜介
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おしゃべり本棚。 この時間は福岡のRKB毎日放送のアナウンサーによる朗読をお送りします。
小川美名作 おじいさんの家
後編。 みんなは相談をして、ボンを丁寧にお寺の墓地へ葬りました。
そうして坊さんに頼んでお経を読んでやりました。 そのとうざ、マサオはボンがいなくなったので寂しくてなりませんでした。
朝起きても、学校から帰ってきても、飛びついて自分を迎えてくれるものがなくなり、 また一緒に散歩をするものがなくなったと思うと、今までのように楽しみがなかったのであります。
こうして、はや幾日か経ってしまいました。 マサオはボンのことを今までほど思い出さなくなりました。
ある日のこと。 戸口から大をふりながら入ってきた犬があります。
何の気なしにその犬を見ますと、マサオは驚いて声をあげました。
「あっ、ボンが帰ってきた、ボンが帰ってきた。」 と続けざまに言いましたので、みんなはびっくりしてその方を見ますと。
なるほど、ボンが帰ってきたのでありました。
どうしてボンが帰ってきたろうと、お母さんは不思議がられました。
死んだボンがどうして生きてきたのでしょうね、 と姉さんもびっくりして言いました。
マサオはすぐさま戸口に走り出て、ボンを見ようとしました。 ボンはよろこんでマサオの足もとにすり寄ってきました。
マサオは夢中になってボンの頭や背中をなでたのであります。
しかし死んだ犬が生きてくるはずがないですね、お母さんと姉さんは言いました。 私もそう思うよ。
ああして死んでお寺に埋めてしまったのじゃないか。 それがどうして生きてきたんでしょうと、お母さんも不思議がっていられました。
けれどその形から毛の色からどこまでもボンと変わりがありませんでした。 マサオは確かにボンが帰ってきたのだと思いましたから。
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だってちっともボンと変わりがないじゃありませんか。 どうしてもこれはボンですとマサオは言い張りました。
ボンは後足に傷跡があったはずだから、 そんなら調べてみればわかるでしょう、と姉さんは言いました。
マサオは犬を抱くようにしてその犬の後足を調べていましたが、 急に大きな声を立てて、
これ、こんなに後足に傷跡があります、と叫びました。 お母さんも姉さんもみんなそばに来てそれを見てびっくりしました。
まあ、どうしてボンが生き返ってきたの、と不思議がありました。
とにかくボンが帰ってきたのだというので、 肉をやったりご飯をやったりお菓子をやったり、
ボンが好きであったものをやったりして、うちじゅうは急ににぎやかになったのでありました。 そうしてマサオは、またあすから朝早く起きて一緒に散歩をし、
学校から帰ってきても一緒に散歩することのできるのを喜んだのであります。 するとその日の晩方のことでありました。
白いひげの生えたおじいさんが戸口を入ってきて、 ああ、ここにうちの犬が来ていたか。
しゃあ、来い、来い、 と言ってボンを呼びました。
しますと、いままでマサオのそばによろこんでいた犬が急に立って、 おじいさんのほうへ走って行きました。
マサオはおどろいて、 あっ、この犬はぼくのうちの犬ですよ。
連れて行ってはいけません。 とマサオはおじいさんに向かって言いました。
はっはっはっはっ、この犬はわたしのうちの犬じゃ。 それはぼうの思い違いじゃ。
これ、このとおり、わたしについてくるじゃないか。 とおじいさんはわらって答えました。
いいえ、どうしてもそれはぼくのうちの犬ですから、 連れて行ってはいけません。 とマサオはあくまでもいいはりました。
はっはっはっ、こまったぼうだ。 とおじいさんはわらっていました。
そのときおかあさんはでてこられてマサオに向かい、 うちのボンはこのあいだしんだのじゃないか。
やはりこの犬はおじいさんのうちのですよ。 そんなききわけのないことをいうものでない。
と、しかられました。 マサオもなるほどと思いました。
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わたしは、なにまちなんばんちのだれというものじゃ。 こんどのにちようにでもぼうはあそびにおいで。
と、おじいさんはたちさるときにいいました。
そうしてつえをついてかどぐちをでますと、 ぼんはおじいさんのあとについてさっさといってしまったのであります。
みんなはふしぎにおもってそのうしろすがたをみおくりました。
マサオはねえさんといっしょに おじいさんのうちへたずねていってみようとはなしあいました。
やがてにちようびになりまして、 そのひのあさからよいおてんきでありましたから、
マサオはねえさんとおじいさんのうちへでかけました。
おじいさんのうちはまちのはしになっていまして、
そのへんははたけやにわがひろうございまして、 なんとなくいなかへいったようなおもむきがありました。
おじいさんのうちはちょっとわかりにくうございました。
ふたりはばんちをさがしてあちらでききこちらでききいたしました。
そうしてやっとそのうちをさがしあてることができたのです。
そのうちはめずらしいわらやでありました。
ひのひかりがほこほことあたたかそうに やねのうえにあたっていました。
にわとりがはたけでえをさがしてあるいていたり、 はとがじめんにおりてむらがってあそんでいたりしまして、
まことにのどかなけしきでありました。
まあほんとうにいいところですこととねえさんはかんしんしていいました。
ぼんはいるかしらとまさおはいってくちぶえをふいてみました。
けれどぼんはどこからもはしってきませんでした。
どこかへあそびにいっているのだろうと思って、 ふたりはそのうちのもんをはいりました。
ちょうどひあたりのいいえんがわにおばあさんがすわって、
したをむいてぷうぷうといとぐるまをまわしていとをつむいでいました。
ふたりはそのおとをきくと、たいへんにとおいいなかへでもいっているようなきがしたのであります。
おばあさんはみみがすこしとおいようでありました。
で、ふたりのはいってきたのをすこしもしりませんでした。
ここがおじいさんのうちだろうかとまさおはねえさんにむかっていいました。
おばあさんにたずねてみましょうとねえさんはいっておばあさんのそばへゆきました。
おばあさんははじめてひとのきたのにきがついたようすでありました。
ねえさんはおじいさんのせえとなとをいって、
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このうちでございますかとおばあさんにききますと、
おばあさんはいとぐるまをまわすてをやめてつくづくとねえさんとまさおのかおをながめながら、
おまえさんたちはどこからおいでになりました。
わたしはちっともみおぼえがないがとおばあさんはこたえました。
そこでふたりはせんじつおじいさんがいぬをつれてかえったことをおばあさんによくわかるようにしさいにかたりますと、
おばあさんはやはりふにおちぬようなかおつきをして、
たぶんそれはうちがちがいますよ。そんなはずがないからとおばあさんはいいました。
じょう、おなじばんちにこういうおじいさんはすんでいませんかとまさおはききますと、
そのおじいさんのうちならここです。そのひとはわたしのつれあいですが、
もうひとつきばかりまえになくなりましたとおばあさんはこたえました。
ふたりはおもわずかおをみあっておどろきました。
どうしたのだろうといっておおいにふしぎがありました。
よくおばあさんにきいてみますと、ぼんのしんだころとおじいさんのなくなったころとおなじでありました。
またせんじつまさおのうちへやってきたおじいさんとしんだおじいさんとはようすがそっくりにているのでありました。
そのときおばあさんはうなずきながらふたりにむかって、
わかりました。おじいさんはへいぜいいぬやねこやとりがだいすきであったから、
きっとそのいぬをつれていまごろはごくらくのみちをあるいていなさるのだ。
ぼっちゃんがいぬをかわいがっておやりだったからきっといぬがあのよからたずねてきたのですよ。
それをおじいさんがむかえにきてまたつれていったのです。
といいました。
まさおもねえさんもあるいはそうかと思いました。
やがておばあさんにわかれをつげてかえるみちすがら、ふたりはぼんのことをはなしあいました。
ぼんはこのよにいきていてにんじょうのないひとたちにいじめられるよりか、
かえってあのよにいってしんせつなおじいさんにかわいがられたほうがどれほどしあわせであるかしれないとかたりあったのであります。
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