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はだかの王様 前編
2024-05-04 15:23

はだかの王様 前編

084 240504 ハンスクリスチャンアンデルセン はだかの王様 前編 朗読:井口謙
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おしゃべり本棚。この時間は福岡のRKB毎日放送のアナウンサーによる朗読をお送りします。
ハンス・クリスチャン・アンデルセン作 オオクボユー役
裸の王様前編 昔々とある国のある城に王様が住んでいました
王様はピッカピカの新しい服が大好きで、服を買うことばかりにお金を使っていました。
王様の望むことといったら、いつもきれいな服を着て、みんなにいいなあと言われることでした。
戦いなんて嫌いだし、お芝居だって面白くありません。だって服を着られればそれでいいんですから。
新しい服だったらなおさらです。一時間ごとに服を着替えて、みんなに見せびらかすのでした。
普通、「召使いに王様はどこにいるのですか?」と聞くと、「王様は会議室にいらっしゃいます。」というものですが、ここの王様は違います。
王様は、「衣装部屋にいらっしゃいます。」というのです。城の周りには町が広がっていました。とても大きな町で、いつも活気に満ちていました。
世界中のあちこちから知らない人が毎日大勢やってきます。ある日、二人の詐欺師が町にやってきました。
二人は人々に、自分は布織職人だと嘘をつきました。それも世界で一番の布が作れると言い張り、人々に信じ込ませてしまいました。
とてもきれいな色合いと模様をしているのだけれど、この布は特別なのです、と詐欺師は言います。
自分にふさわしくない仕事をしている人と、バカな人には透明で見えない布なのです。その話を聞いた人々はたいそう驚きました。
大変な噂になって、たちまちこの珍しい布の話は王様の耳にも入りました。
そんな布があるのか、わくわくするわい、と服が大好きな王様は思いました。
03:07
もしわしがその布でできた服を着れば、家来の中から役立たずの人間やバカな人間が見つけられるだろう。
それで服が見える賢い者ばかり集めれば、この国ももっとにぎやかになるに違いない。
さっそくこの布で服を作らせよう、王様はお金をたくさん用意し、詐欺師に渡しました。
このお金ですぐにでも服を作ってくれと頼みました。
詐欺師はよろこんで引き受けました。
部屋に旗織機を二台並べて、すぐに仕事に取りかかりました。
でも旗織機には何もありませんでした。糸もありません。
それでも詐欺師は一生懸命布を織っていました。
いえ、違うのです。
本当は布なんてどこにもなくて、空の旗織機で織るふりをしているだけなのです。
時々材料がなくなったみたいに、一番値段の高い絹と金でできた糸をくださいと王様に言いました。
望みどおり材料をもらうと、旗織には使わず、また空のままで織るふりをし続けました。
夜遅くまで働いて、がんばっているふりをしました。
しばらくすると王様は、本当に仕事がはかどっているのか知りたくなってきました。
自分が見に行って確かめてもいいのですが、もし布が見えなかったらどうしようと思いました。
自分は馬鹿だということになるのですから。
でも王様は王様です。
何よりも強いのですから、こんな布に怖がることはありません。
でもやっぱり自分が行く気にはなれませんでした。
そこで王様は、自分が行く前に家来を誰か一人行かせることにしました。
家来に布がどうなっているかを教えてもらおうというのです。
このころには町の人はみんな、王様が作らせている布が珍しい布だということを知っていました。
だからみんなは近所の人がどんなに馬鹿なのかとても知りたくなっていました。
06:02
そこで王様は、家来の中でも正直者で通っている年寄りの大臣を向かわせることにしました。
この大臣はとても頭が良いので、布をきっと見ることができるだろうと思ったからです。
向かわせるのにこれほどぴったりの人はいません。
人の良い年寄りの大臣は、王様に言われて詐欺師の家へ向かいました。
詐欺師が空の旗織り機で仕事をしている部屋に入りました。
神様、助けてくださいと祈りながら、両目を大きく見開きました。
けれども何も見えません。旗織り機には何もないのです。
ど、どういうことじゃ?
と思わず口に出しそうになりましたが、しませんでした。
その時、大臣さんと詐欺師が声をかけました。
どうです?もっと近づいてよく見てください。
この模様、いろいろな技術が使われていてすごいですし、
この色合いだって美しくて、思わず唸ってしまいそうでしょう。
詐欺師はそう言って、空の旗織り機を指差しました。
大臣は何とかして布を見ようとしましたが、どうやっても見えません。
だってそこには本当に何もないんですから。
大変なことじゃと大臣は思いました。
自分は馬鹿なのだろうかと首をかしげました。
でもそう思いたくありませんでした。
大臣は周りを見回しました。
二人の詐欺師がいるだけです。
良いことに、まだ自分が布が見えないということを誰も気がついていません。
見えないと言わなければ誰も気づかないのですから。
あの、どうして何もおっしゃらないんですか?
と、詐欺師の片割れが尋ねました。
もう一人の詐欺師は空の旗織り機で一生懸命働くふりをしています。
急に言われて大臣は慌てました。
あ、ふむ、とてもきれいで、たいそう美しいもんじゃなあ。
大臣は眼鏡を動かして、何もない旗織り機をじっくり見ました。
09:00
なんと見事な柄じゃあ、それにこの色の鮮やかなこと。
このことを王様に言えば、王様もきっとお気に召すじゃろうなあ。
その言葉を聞けてありがたき幸せです。
二人の詐欺師が口をそろえて言いました。
えでは、王様にもっと知っていただくために、布について細かく説明いたしましょう。
詐欺師は空の旗織り機の前でしゃべり始めました。
色が濃いとか薄いとか、模様がうねうねしてるとか、まっすぐとか、こと細やかに言うのです。
大臣はその説明を一言も漏らさず聞き入っていました。
なぜなら、大臣は王様にもう一度同じことを間違えずに言わなければならないからです。
もしここで一言でも間違えようものなら、後で王様が本物を見たときに、大臣には布が見えなかったと気づいてしまいます。
だから大臣は聞いたことをそのまま王様に言いました。
大臣が帰るとき、詐欺師たちはもっと金の糸や絹が欲しいと言いました。
布を織るために必要だというので、すぐに持ってこさせました。
でもやはり、詐欺師たちは金の糸や絹を一本も使わないで、みんな自分のものにしてしまいました。
そして何もない空の旗織り機で、ずっと織るふりを続けました。
それから間もなく、王様はもう一人詐欺師のところに向かわせました。
これも根のまっすぐな役人でした。
役人の仕事は布のはかどり具合と完成する日にちを調べてくることでした。
しかし役人も大臣と同じように、見えたのは空っぽの旗織り機だけでした。
何度も何度も見ましたが、どうしても空っぽにしか見えませんでした。
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