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初めてMacを手にした感動は忘れられない。
ネットの声をご紹介します。
ハンドルネームDr.Rainさん。
何もかもスムーズで早くてビビった。
iPhoneとの連携も最高。
続いてMr.Incredible4883さん。
Appleシリコンのおかげでバッテリー切れのストレスから解放された。
初めてのMacでそう感じたそうです。
次はあなたが体験する番。
全く新しいMacBook Neo。
心躍るMacが嬉しいプライスで登場。
詳しくはApple公式サイトをご覧ください。
おしゃべり本棚。
この時間は福岡のRKB毎日放送のアナウンサーによる朗読をお送りします。
楠山雅雄作
浦島太郎
前編
昔々
丹後の国水之江の裏に浦島太郎という漁師がありました。
浦島太郎は毎日釣竿を担いでは海へ出かけて、
タイやカツオなどのお魚を釣ってお父さんお母さんを養っていました。
ある日浦島はいつもの通り海へ出て一日お魚を釣って帰ってきました。
途中子供が五六人往来に集まってガヤガヤ言っていました。
何かと思って浦島が覗いてみると
小さい亀の子を一匹捕まえて
棒でつついたり石で叩いたり散々にいじめているのです。
浦島は見かねて
まあそんなかわいそうなことをするものではないいい子だからと止めましたが
子供たちは聞き入れようともしないで
なんだいなんだい構うもんかいと言いながら
また亀の子を仰向けにひっくり返して
足で蹴ったり砂の中にうずめたりしました。
浦島はますますかわいそうに思って
じゃあおじさんがお足をあげるからその亀の子を売っておくれと言いますと
子供たちは
うんうんお足をくれるならやってもいいと言って手を出しました。
そこで浦島はお足をやって亀の子をもらい受けました。
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子供たちは
おじさんありがとうまた買っておくれよとわいわい言いながら行ってしまいました。
その後で浦島は甲羅からそっと出した亀の首を優しく撫でてやって
やれやれ危ないところだったさあもうお帰りお帰りと言って
わざわざ亀を海端まで持って行って離してやりました。
亀はさもうれしそうに首や手足を動かして
やがてぶくぶく泡を立てながら水の中に深く沈んで行ってしまいました。
それから2、3日たって浦島はまた船に乗って海へ釣りに出かけました。
遠い沖の方までも漕ぎ出して一生懸命お魚を釣っていますと
ふと後ろの方で浦島さん浦島さんと呼ぶ声がしました。
おやと思って振り返ってみますと誰も人の影は見えません。
その代わりいつの間にか一匹の亀が船のそばに来ていました。
浦島が不思議そうな顔をしていると私は先日助けていただいた亀でございます。
今日はちょっとそのお礼に参りました。
亀がこう言ったので浦島はびっくりしました。
まあそうかいわざわざ礼なんぞ言いに来るには及ばないのに。
でも本当にありがとうございました。
ときに浦島さんあなたは竜宮をご覧になったことがありますか。
いや話には聞いているがまだ見たことはないよ。
ではほんのお礼の印に私が竜宮を見せてあげたいと思いますがいかがでしょう。
へえそれは面白いね。
ぜひ行ってみたいがそれは何でも海の底にあるということではないか。
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どうして行くつもりだね。
私にはとてもそこまで泳いではいけないよ。
なあにわけはございません。
私の背中にお乗りください。
亀はこう言って背中を出しました。
浦島は半分気味悪く思いながら言われるままに亀の背中に乗りました。
亀はすぐに白い波を切って
ずんずん泳いで行きました。
ザーザーいう波の音がだんだん遠くなって
青い青い水の底へただもう夢のように運ばれて行きますと
ふとそこからがかっと明るくなって
白玉のようにきれいな砂の道が続いて
向こうに立派な門が見えました。
その奥にきらきら光って目のくらむような金銀のイラカが高くそびえていました。
さあ竜宮へ参りました。
亀はこう言って浦島を背中から下ろして
しばらくお待ちくださいと言ったまま門の中へ入って行きました。
まもなく亀はまた出てきて
さあこちらへと浦島を五天の中へ案内しました。
鯛やヒラメやカレーやいろいろなお魚が
もの珍しそうな目で見ている中を通って入って行きますと
乙姫様が大勢の腰もとを連れてお迎えに出てきました。
やがて乙姫様について浦島はずんずん奥へ通って行きました。
目のうの天井に珊瑚の柱
廊下には瑠璃が敷き詰めてありました。
こわごわその上を歩いて行きますと
どこからともなくいい匂いがして楽しい楽の音が聞こえてきました。
やがて水晶の壁にいろいろな宝石を散りばめた大広間に通りますと
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浦島さんようこそおいで下さいました。
先日は亀の命をお助け下さいまして誠にありがとうございます。
何にもおもてなしはございませんがどうぞゆっくりお遊び下さいまし。
と乙姫様は言って丁寧にお辞儀をしました。
やがて鯛を頭にカツオだのフグだのエビだのタコだの大小いろいろのお魚が
珍しい御馳走を山のように運んできてにぎやかなお酒盛りが始まりました。
きれいな腰元たちは歌を歌ったり踊りを踊ったりしました。
浦島はただもう夢の中で夢を見ているようでした。
御馳走が済むと浦島はまた乙姫様の案内で御殿の中を残らず見せてもらいました。
どのお部屋もどのお部屋も珍しい宝石で飾り立ててありますから
その美しさはとても口や言葉では言えないくらいでした。
一通り見てしまうと乙姫様は今度は四季の景色をお目にかけましょうと言って
まず東の塔をお分けになりました。
そこは春の景色で一面ぼーっと霞んだ中に桜の花が美しい絵のように咲き乱れていました。
青々とした柳の枝が風になびいてその中で小鳥が鳴いたり蝶が舞ったりしていました。
次に南の塔をお分けになりました。
そこは夏の景色で垣根には白い雲の花が咲いて
お庭の木の青葉の中ではセミやヒグラシが鳴いていました。
お池には赤と白の蓮の花が咲いてその葉の上には水晶の玉のように梅雨が溜まっていました。
お池の淵には綺麗なさざ波が立ってオシドリやカモが浮かんでいました。
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次に西の塔をお分けになりました。
そこは秋の景色で花壇の中にはキギク、シラギクが咲き乱れてプンといい香りを立てました。
向こうを見るとカッと燃え立つような紅葉の林の奥に白い霧が立ち込めていて鹿の鳴く声が悲しく聞こえました。
一番おしまいに北の塔をお分けになりました。
そこは冬の景色で野には散り残った枯葉の上に霜がキラキラ光っていました。
山から谷にかけて雪が真っ白に降りうずんだ中から芝をたく煙が細々と上がっていました。
浦島は何を見ても驚き呆れて目ばかり見張っていました。
そのうちだんだんぼーっとしてきてお酒に酔った人のようになって何もかも忘れてしまいました。
ご視聴ありがとうございました。