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おもかげ 第3回
2025-11-22 16:55

おもかげ 第3回

0161 251122 山本周五郎 おもかげ 第3回 朗読:武田伊央
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iPhone 17e 登場。早くてパワフルなA19チップを搭載。長持ちのバッテリーで心ゆくまでストリーミングを楽しめて、充電はUSB-CもしくはMagSafeアクセサリーで。
セラミックシールド2はこんなことや、こんなことから。画面をまわる。
48MPフュージョンカメラは2倍光学品質ズームに対応し、最小ストレージはiPhone16eの2倍に。
Apple Intelligentだって使える。あふれる魅力を手に入れやすく。新しいiPhone17eを今すぐ楽天モバイルで。
初めてMacを手にした感動は忘れられない。ネットの声をご紹介します。
ハンドルネームDr.Rainさん。何もかもスムーズで早くてビビった。iPhoneとの連携も最高。
続いてMr.Incredible4883さん。Appleシリコンのおかげでバッテリー切れのストレスから解放された。
初めてのMacでそう感じたそうです。
次はあなたが体験する番。全く新しいMacBook Neo。心躍るMacが嬉しいプライスで登場。
詳しくはApple公式サイトをご覧ください。
おしゃべり本棚。
この時間は福岡のRKB毎日放送のアナウンサーによる朗読をお送りします。
店長、ドラム式洗濯機。決算価格の値札に貼り替えておきました。
えっ、これ値下げしすぎじゃない?
決算ですから。勢いで赤字で書き換えちゃいました。
次、この4Kテレビも。
ちょ、やりすぎだって。
買うなら今しかない。山田の本気の本決算セール。
お買い上げありがとうございます。
山本修吾朗作。面影。第3回。
おばさまは秋山幸江という人のところへお嫁入りをするお約束があったのだ。
3年も前からのお約束だった。
けれど、お前の母が亡くなってから、お前が不憫で家を出る気になれなくなった。
それで半年一年とお約束を延ばしていた。
秋山家からは度々厳重な掛け合いが来て、おじいさまはずいぶんお困りになった。
そしてついに、お約束は破断になってしまったのだ。
こんなことはお前に言ってもよくわかるまいが、
おばさまは秋山家へお越し入れすることを本当は心から望んでいらしったのだよ。
03:08
けれどお前が不憫さに、母のないお前を育てるために、自分からその幸せをお捨てなすってしまった。
一生の幸せを捨てて、お前を立派に育てあげようとなすったのだ。
父上様、もうおっしゃらないでください。
よくわかりました。悪いございました。
正之助は腕で顔を押さえながら泣き出した。
本当にわかったのか。厳しくされるお前よりも厳しくなすったおばさまの方がどんなにつらかったかということがわかるか。
わかります。正之助は考えが足りませんでした。
おばさまに申し訳がないと存じます。
わかればそれでよい。
父は静かにうなずいて、それから少しは慰めるような調子でおっしゃった。
では、おじいさまの一周期が来るから、お前は父の代わりに鳥取へお帰り。
そして法事が済んだら、おばさまを江戸へお伴いして来るがよい。
花の旅とでも言おうか。
二人の友を連れて江戸をたってから、行く道の野に里に、梅が散り桃が笑っていた。
駿河の国には桜が咲きそめ、野には原芸が花むしろを敷いていた。
正之助はゆくゆく、きょうもまた花に暮らしつ春雨の、
梅雨の宿りをわれにかさなん、大阪の関の関谷のいたびさし、
まばらなればや、花のもるらん、などという、
近海衆の歌を口ずさみ、鎌倉のひいでた佳人の心をしのんだりした。
鳥取の城下へついたのは三月十日のことだった。
おばさまは一年前にお別れしたときよりもいくらかお太りになったようで、
お顔も明るく、目もさえざえとしていらした。
06:02
お年若なのに、遠い旅をよくご無事でいらっしゃいました。
そういっておほめになったので、思わず、
おばさまにほめていただけるのは、これがはじめてですね、
とお答えしてしまった。
おばさまがちょっと悲しそうな笑い方をなすったので、
城之助はいけないことを言ったと思い、すぐに座り直して、
おばさま、城之助をお許しください。
私は考えが足りませんでした。
おばさまが厳しく育ててくださるのを、ただつらいと思うだけで、
おばさまのお気持ちを少しも考えませんでした。
でも、今ではいろいろなことがよくわかりました。
おばさまには、本当にすまぬことばかりだったと思います。
どうぞ、お許しくださいまし。
そう言ってくださるのは、うれしゅうございます。
けれど、あなたはまだそのようなことを考えるには及びません。
ただ一心に勉強なすって、
お国の役に立つ立派な人になってくださればいいのです。
おばさまはそうおっしゃって、
城之助にそれ以上何もお言わせにならなかった。
でも、おうれしかったには違いなく、
お顔つきのどこやらに、
それからいつもほのかな微笑が浮かんでいるように思えた。
おじいさまのほうへが住んで、江戸へ戻る日が来た。
一緒に江戸へお供えするはずだったけれど、
お墓盛りをするものがなくては、とおっしゃって、
おばさまはやはり鳥取へお残りになることになった。
出発をする前の夜、
ふけるまでいろいろお話をして、
城之助が自分の部屋へ帰ると、
しばらくしておばさまがそっとおいでになった。
もう寝たものと思いになっていた様子で、
有明の灯火に城之助が振り返ると、
少しうろたえたような表情をなすって、
「狐が鳴いても、もう怖くはないでしょうね。」
などと笑いながらおっしゃった。
そして静かにお座りになったので、
城之助も有明の火をかきたてた。
09:02
「城之助さん、あなたはいつもおやすみになるとき、
お母さまおやすみなさいとお言いなすったでしょう?」
「ええ、そう申しました。」
「今でもそうお言いなさいますか?」
「ええ、そう申します。」
おばさまはそうというようにおうなずきになった。
それからすぐに続けて、
「でも、お顔やお姿はもうお忘れでしょうね。」
「いいえ、覚えています。
お美しいお串も優しいお顔も、
目をつむればすぐにありありと見えますよ。
ねえおばさま、
お母さまのお目はまたたきをなさると、
大変お美しくなったのをご存知ですか?」
「城之助さんはそれもお忘れではなかったの?」
「忘れませんとも。
亡くなったって城之助にはたった一人のお母さまですもの。
おばさまは急に
ありがとうと言ってお泣きなすった。
でもそれは悲しそうにではなく、
おうれしそうな泣き方だった。
本当のことをお話しいたしましょうね。」
やがておばさまは涙をふき、
静かにお顔を上げておっしゃった。
「わたくしは、
城之助さんのお母さまが大好きでした。
血を分けたお姉さまのようにも、
お慕い申していました。
そして、
あなたのお母さまも、
わたくしにはたいそう親しくしてくださったのです。
お亡くなりになるときは、
わたくしをお呼びになって、
あなたのことを繰り返し繰り返し、
お頼みなさいました。
お母さまには、
何よりもあなたがお心残りだったのです。
それでも、
わたくしがかたくお引き受けいたしますと、
いくらかご安心なすった様子で、
子供はずんずん育つものです。
亡くなった母のことなどは早く忘れて、
元気に成長してくれますようにと、
12:01
おっしゃいました。
おばさまは涙をふくために、
ちょっと言葉を途切らせ、
しばらくしてお続けなすった。
お母さまは、
死んだ母のことを忘れて、
早く元気に育つようにとおっしゃいました。
あなたのために、
そうお望みなすったのです。
これが、
本当の母親の愛情ですよ、
正之助さん。
死んでゆく身には、
いつまでも忘れずにいてほしいと思うのが認定です。
亡くなった者には、
絶えず思い出してあげることが、
何よりの供養だとも言います。
けれども、
それではあなたが、
強い子になれないと思いなすって、
一日も早く忘れてくれるようにと、
お望みなすったのです。
私には、
そのお心がよくわかりました。
と、
おばさまは言葉を継いだ。
それで、
あなたにお母さまを忘れさせたくなかったのです。
私が厳しすぎたのも、
何かにつけて辛くしたのも、
そうすれば、
あなたがお優しかったお母さまを思い出すからでした。
あなたの心にあるお母さまの姿を、
いつも思い出すようにと考えてのことだったんです。
正之助さん、
私のことは心配なさるには及びません。
これからも、
亡きお母さまをお忘れにならないで、
立派な武士になってください。
ああ、そうだったのかと思い、
母とおばと、
二人の愛情に包まれた幸せを、
正之助は今、
初めて自分の身にひしひしと感じた。
その夜半、
鳥取へ帰ってから初めて、
狐の鳴く声を聞いた。
15:18
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