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うどんのお化け お茶漬けの味
2025-01-18 17:00

うどんのお化け お茶漬けの味

0120 250118 古川緑波 うどんのお化け 北大路魯山人 お茶漬けの味 朗読:橋本由紀
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おしゃべり本棚 この時間は福岡のRKB毎日放送のアナウンサーによる朗読をお送りします。
うどんのお化け 古川六葉
もっか僕は毎日撮影所へ通って仕事をしている そして毎日昼にうどんを食っている
この撮影所はかなり偏比な土地にあるので食い物屋もろくにない だから一番安心して食えるのはうどんだと思って昼食には必ずうどん
そのせいか大変腹具合はいい 蕎麦も食いそうなものだが僕は蕎麦ってものは嫌い
嫌いというよりも蕎麦を食うとたちまち下痢をする 子供の頃はそんなことはなかったんだが20代からそうなった
だから江戸っこのくせに蕎麦が食えない したがって僕の食の話には蕎麦に関することはほとんど出てこないのである
さて うどんの話であるが撮影所の近くにある蕎麦屋へ毎日注文するとなると
さて何うどんにしようかと迷う おかめ
たまごとじ 鴨南蛮
鍋焼き と
昔風なのからカレーうどん 狐うどん
あるいはまたたぬきというものもある これは何かと思ったら揚げカスを乗っけたやつであった
それならつい先頃までハイカラうどんと称していたはずである ま
そんなところを毎日メニューを変えて注文しているうちに どうも当会場にもなると飽きちまって
カレーうどんに生卵を落としてくれと注文したり おかめと狐の合併したのを作ってくれと言ったりし始めた
ある日のこと またいろいろ考えた末に今日は一つ
おかめとたまごとじの合同うどんをこしらえてくれないかと注文した やがて出前持ちの青年がそれを持ってきたのでこんな妙な注文をする客は他にはない
03:15
だろうねと言ったら 出前持ちいわく
いいえ これは亀とじといってちょいちょい注文があります
えーと僕は驚いたが さらに驚いたのは出前持ちの次の言葉である
ずいぶんいろんなことを注文する方がありましてねー お化けっての知ってますか
僕はたちまち面白くなっちまって お化け
えーうどんにそんなのがあるのかい あるんです
何なんだい ええ
ネタを全部ぶち込んじゃうんです おかめも狐も狸も
ははーそれがお化けか なんとお化けとは
しかし僕はおかしくなっちまった うどん食いにも通あるもんだなぁと
でそのお化けを次の日早速試みたが こいつはまさにお化けで
味もへんてこなものであった うどんといえば
関西の鍋焼きうどんを思い出す 薄く切った牛肉が入っているのが
馬鹿に嬉しい 東京の鍋焼きとは全く趣をことにしている
蕎麦のことは知らずうどんそのものは 東京のが一番まずいんじゃないだろうか
名古屋の岸面 京都の大黒屋なんかのはだしよりうどんそのものがうまい
飯坂温泉で食ったうどんのかけが憎々しい ほど太かったのもよかった
戦時大洋食として焼きうどんなどというものを食わされた しかし焼きうどんてものを僕が生まれて初めて食ったのは関西で
それは戦争はるか以前のことだった うどんといっても確かひも皮だった
ひき肉をかけてチャーハンのように軽く炒めたものである これはこれでお値段から言って決して悪い食い物ではなかった
06:10
今でも焼きうどんを食わせる店は東京にもあるが 僕は
汁の中へ浸っているのよりこの方を愛す というところを見ても僕は江戸前のそばに関しては大きな口は聞けそうもない
そば屋ばかりじゃない 寿司屋についても僕は寿司通は並べられない
何しろマグロが食えないんだから トロも漬けもない
マグロを食えばたちまち陣魔神 赤身の魚は一切ダメ
寿司屋へ行ったって食えるものといったら小肌 穴子卵といったところ
それから関西風の生エビ いわゆる踊りというのは大好きだ
そして僕はシャリも江戸風の巣で黄色くなっているようなのより 関西風の巣の弱いシャリの方が好きというんだからますますもって江戸っこの顔汚しであろう
いいえ野暮な話だが大阪の押し寿司 蒸し寿司なんかも好きだ
魚ってもの貝ってものを食わないいや食えないんじゃ 日本食について語る資格は自分でもないと思っている
旅なんかして宿屋の食事には常に参っちまう 野菜ばっかりの方がずっといい
日本料理についてはからだめ その代わりちょいと脂っこいもののことになったらうるさいよ
次は お茶漬けの味
北王子ロサンジンお茶漬けの話に限らないが料理というものは 財力豊かな人のものと財力不自由な人のものとでは
常に天と地ほどの相違がある しかし財力豊かで刺身よかれ牛肉よかれとどんな材料でも手に入れることに少しも不自由のない人が贅沢料理に飽きて
簡単なうまいもので食事がしたいという場合がある これは体内にお医者様のいう栄養が満ち満ちて
生理上栄養が不必要になった時だ 通うな時茶漬けで飯が食いたいということになる
09:06
だがただの茶漬けという文には差し支えないが贅沢なものの 特に物好みして何かうまい茶漬けが食いたい意味で茶漬けを要求する場合は単に
鮭の切り身というわけにもいかないだろう 鮭の切り身といってもいろいろあるので本当のあら巻き鮭が手に入れば茶漬けも
鼻肌結構だ しかし近頃はそう特殊のあら巻きも手に入るまい
そこらへんの店先で手に入れるとなると鮭はうまいもの食いには承知ができず 他に何かということになってくる
たくあんのうまいのはないかひもののうまいのはないかと遷移立てすることになる あるいはたい茶漬けにしようかという具合に金のかかる方法も考えられる
そういった手は財力が豊かでなければ自由にならない ゆえに料理は貧富の差で様々な答えが出てくるといえよう
そこで私の語ろうとしているのは茶漬けに限らず 贅沢料理の話である
通の通たる人の喜ぶ話な 現行の若い人は金ばかり高くてそんなものというであろう
そこでもう一つ 料理は貧富の差のみではなく年齢の差で好みが変わることも考えてもらいたい
したがって人家族全部が関心するような料理はなかなかなく 年齢を分けて思考を合わせなくては満足がいくまいと思う
いわんや財力の乏しい人では値段の高い 普通聞き慣れない料理には賛成できないであろう
うまい料理は長年続けての習慣がつかなければうまいとわかるものではない それがわかるようになるためには相当の費用もかかる
しかしだからといって費用をかけたから食べ物のうまさが誰にもわかるとは限ら ない
食痛と言われる人でも手術の段階があるくらいだから 一般ではなおさらである
何にしても食べ物のことは自分の肉体や精神を作ってくれる根本問題であるから その根本義を考えてうまいものを食べれば良いのである
よくよく考えてみれば人の食べ物に対する要求は 結局肉体がその食べ物を要求しているので起こると言える
12:06
ところでその要求だが普段根の高い食べ物を食い慣れていなければ味を知らない ので高いものを要求しないが値段の高い食べ物で育ちつけた人はその方が体に合うところから
うまい高価なものを要求する 例えば東京ではマグロに高い金を出すが
食い道楽で有名な大阪の人たちはマグロに金を出さない これは
昔から大阪にマグロの一級品が運ばれないのでマグロの味を知らないからである また
食い物がうまいものだけ食えるかまずいものしか食えないとか言うのはその人の 育った環境のせいであるからこれをいたずらに曲げてはならない
文総合でなければならぬ もしそうでなければ食い物の話はできない
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