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初めてMacを手にした感動は忘れられない。
ネットの声をご紹介します。
ハンドルネームDr.Rainさん。
何もかもスムーズで早くてビビった。
iPhoneとの連携も最高。
続いてMr.Incredible4883さん。
Appleシリコンのおかげでバッテリー切れのストレスから解放された。
初めてのMacでそう感じたそうです。
次はあなたが体験する番。
全く新しいMacBook Neo。
心躍るMacが嬉しいプライスで登場。
詳しくはApple公式サイトをご覧ください。
iPhone17e登場。
早くてパワフルなA19チップを搭載。
長持ちのバッテリーで心ゆくまでストリーミングを楽しめて。
充電はUSB-CもしくはMagSafeアクセサリーで。
セラミックシールド2はこんなことやこんなことから。
画面をまわる。
48MPフュージョンカメラは2倍光学品質ズームに対応し、
最小ストレージはiPhone16eの2倍に。
Appleインテリジェンスがあって使える。
あふれる魅力を手に入れやすく。
新しいiPhone17eを今すぐソフトバンクで。
おしゃべり本棚。
この時間は福岡のRKB毎日放送のアナウンサーによる朗読をお送りします。
先ほどのスライディングの泥汚れをかなり気にしていますね。
夏目漱石。夢十夜。
第八夜。
床屋の敷居をまたいだら、
白い着物を着て固まっていた3、4人が一度に
「いらっしゃい。」と言った。
真ん中に立って見回すと四角な部屋である。
窓が二方に開いて、残る二方に鏡がかかっている。
鏡の数を勘定したら六つあった。
自分はその一つの前へ来て腰を下ろした。
すると、お尻がぶくりと言った。
よほど座り心地がよくできた椅子である。
鏡には自分の顔が立派に映った。
顔の後ろには窓が見えた。
それから長馬格子が端に見えた。
格子の中には人がいなかった。
窓の外を通る往来の人の腰から上がよく見えた。
03:01
正太郎が女を連れて通る。
正太郎はいつの間にかパナマの帽子を買ってかぶっている。
女もいつの間にこしらえたものやらちょっとわからない。
双方とも得意のようであった。
よく女の顔を見ようと思ううちに通りすぎてしまった。
豆腐屋がラッパを吹いて通った。
ラッパを口へあてがっているんで、
ほっぺたが鉢に刺されたようで膨れていた。
膨れたまんまで通り越したものだから気がかりでたまらない。
生涯鉢に刺されているように思う。
すると、白い着物を着た大きな男が自分の後ろへ来て、
はさみと櫛を持って自分の頭を眺め出した。
自分は薄いひげをひねって、
どうだろうものになるだろうかと尋ねた。
白い男は何も言わずに手に持った琥珀色の櫛で軽く自分の頭をたたいた。
さあ頭もだがどうだろうものになるだろうかと自分は白い男に聞いた。
白い男はやはり何も答えずにチャキチャキとはさみをならし始めた。
鏡に映る影を一つ残らず見るつもりで目を見張っていたが、
はさみのなるたんびに黒い毛が飛んでくるので恐ろしくなってやがて目を閉じた。
すると白い男がこう言った。
旦那は表の金魚売りをごらんなすったか。
自分は見ないと言った。
白い男はそれぎりでしきりとはさみをならしていた。
すると突然大きな声で危ねえと言ったものがある。
はっと目をあけると白い男の袖の下に自転車の輪が見えた。
人力の舵棒が見えた。
と思うと白い男が両手で自分の頭をおさえてうんと横へ向けた。
自転車と人力車はまるで見えなくなった。
はさみの音がチャキチャキする。
やがて白い男は自分の横へ回って耳のところをかり始めた。
毛が前のほうへ飛ばなくなったから安心して目をあけた。
自分はあるたけの視力で鏡の角をのぞき込むようにしてみた。
すると長馬格子のうちにいつのまにか一人の女が座っている。
色の浅黒いマミエの濃い大柄な女で髪をイチョウ返しにゆって
06:00
黒じゅすの半襟のかかった巣合わせでたて膝のまま札の勘定をしている。
札は十円札らしい。
女は長いまつげを伏せて薄い唇をむすんで一生懸命に札の数を読んでいるが
その読み方がいかにも早い。
しかも札の数はどこまで行っても尽きる様子がない。
膝の上にのっているのはたかだか百枚ぐらいだが
その百枚がいつまで勘定しても百枚である。
自分は呆然としてこの女の顔と十円札を見つめていた。
すると耳のもとで白い男が大きな声で洗いましょうと言った。
ちょうど上手い折だから椅子から立ち上がるや否や長刃格子の方を振り返ってみた。
けれども格子のうちには女も札も何も見えなかった。
台を払って表へ出ると角口の左側に小判なりの桶が五つばかり並べてあって
その中に赤い金魚や不入りの金魚や痩せた金魚や太った金魚がたくさん入れてあった。
そうして金魚売りがその後ろにいた。
金魚売りは自分の前に並べた金魚を見つめたまま頬杖をついてじっとしている。
騒がしい往来の活動にはほとんど心を止めていない。
自分はしばらく立ってこの金魚売りを眺めていた。
けれども自分が眺めている間金魚売りはちっとも動かなかった。
第十夜
翔太郎が女にさらわれてから七日目の晩にふらりと帰ってきて
急に熱が出てどっと床についていると言ってケンさんが知らせに来た。
翔太郎は町内一の好男子で至極善良な正直者である。
ただ一つの増落がある。
パナマの帽子をかぶって夕方になると水菓子屋の店先へ腰をかけて
往来の女の顔を眺めている。
そうしてしきりに感心している。
その他にはこれというほどの特色もない。
あまり女が通らないときは往来を見ないで水菓子を見ている。
水菓子にはいろいろある。
スイミツ糖やリンゴやビワやバナナをきれいにかごに持って
すぐ土産物に持っていけるように二列に並べてある。
翔太郎はこのかごを見てはきれいだと言っている。
商売をするなら水菓子屋に限ると言っている。
09:02
そのくせ自分はパナマの帽子をかぶってぶらぶら遊んでいる。
この色がいいと言って夏みかんなどの品評をすることもある。
けれどもかつて銭を出して水菓子を買ったことがない。
ただではむろん食わない。
色ばかり褒めている。
ある夕方一人の女がふいに店先に立った。
身分のある人と見えて立派な服装をしている。
その着物の色がひどく翔太郎の気に入った。
その上翔太郎はたいへん女の顔に感心してしまった。
そこで大事なパナマの帽子をとってていねいにあいさつをしたら
女はかご爪の一番大きいのをさしてこれをくださいと言うんで
翔太郎はすぐそのかごをとって渡した。
すると女はそれをちょっとさげてみてたいへん重いことと言った。
翔太郎は元来ひまじんの上にすこぶる気さくな男だから
ではお宅まで持ってまいりましょうと言って
女といっしょに水菓子屋を出た。
それぎりかえってこなかった。
いかな翔太郎でもあまりのんきすぎる。
ただごとじゃなかろうといって親類や友達がさわぎだしていると
七日目の晩になってふらりとかえってきた。
そこで大勢よってたかって
「翔さんどこへ行ってたんだい。」と聞くと
翔太郎は
「電車にのって山へ行ったんだ。」と答えた。
なんでもよほど長い電車にちがいない。
翔太郎のいうところによると
電車をおりるとすぐと原へ出たそうである。
非常にひろい原で
どこをみまわしても青い草ばかり生えていた。
女といっしょに草の上を歩いていくと
きゅうに霧岸のてっぺんに出た。
そのとき女が翔太郎に
「ここからとびこんでごらんなさい。」と言った。
そこをのぞいてみると
霧岸はみえるがそこはみえない。
翔太郎はまたパナマの帽子をぬいで
さいさんりたいした。
すると女が
「もしおもいきってとびこまなければ
豚になめられますがようございますか。」と聞いた。
翔太郎は豚とくもえもんがだいきらいだった。
けれどもいのちにはかえられないと思って
やはりとびこむのをみあわせていた。
ところへ豚がいっぴき鼻をならしてきた。
翔太郎はしかたなしに
もっていたほそいびんろうじゅのすてっきで
豚の鼻づらをぶった。
豚はぐうといいながらころりとひっくりかえって
12:00
ぜっぺきのしたへおちていった。
翔太郎はほっとひといきついていると
またいっぴきの豚が
おおきな鼻を翔太郎にすりつけにきた。
翔太郎はやむをえずまたすてっきをふりあげた。
豚はぐうっとないて
またまっさかさまにあなのそこへころげこんだ。
するとまたいっぴきあらわれた。
このとき翔太郎はふときがついてむこうをみると
はるかあおそうげんのつきるあたりから
いくまんびきかかぞいきれぬ豚が
むれをなしていっちょくせんに
このぜっぺきのうえにたっている翔太郎をめがけて
鼻をならしてくる。
翔太郎はしんからきょうしくした。
けれどもしかたがないから
ちかよってくる豚の鼻づらを
ひとつひとつていねいに
びんろうじのすてっきでぶっていった。
ふしぎなことに
すてっきが鼻へさわりさえすれば
豚はころりと谷のそこへおちていく。
のぞいてみるとそこのみえないぜっぺきを
さかさになった豚がりょうれつしておちていく。
じぶんがこのくらいおおくの豚を
谷へおとしたかと思うと
翔太郎はわれながらこわくなった。
けれども豚はぞくぞくくる。
こくうんにあしがはえて
あお草をふみわけるようないきよいで
むじんぞうに鼻をならしてくる。
翔太郎はひっしのゆうをふるって
豚のはなずらをなのかむばんたたいた。
けれどもとうとうせいこんがつきて
てがこんにゃくのようによわって
しまいに豚になめられてしまった。
そうしてきりぎしのうえにたおれた。
けんさんは翔太郎のはなしをここまでして
だからあんまり女をみるのはよくないよといった。
自分ももっともだと思った。
けれどもけんさんは翔太郎のパナマの
ぼうしがもらいたいといっていた。
翔太郎はたすかるまい。
パナマはけんさんのものだろう。
聞きたいラジオ番組なんにもない。
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