00:00
初めてMacを手にした感動は忘れられない。
ネットの声をご紹介します。
ハンドルネーム、ドクターレインさん。
何もかもスムーズで、早くてビビった。
iPhoneとの連携も最高。
続いて、Mr.Incredible488さん。
Appleシリコンのおかげで、バッテリー切れのストレスから解放された。
初めてのMacで、そう感じたそうです。
次はあなたが体験する番。
全く新しいMacBook Neo。
心躍るMacが、うれしいプライスで登場。
詳しくは、Apple公式サイトをご覧ください。
おしゃべり本棚。
この時間は、福岡のRKB毎日放送のアナウンサーによる朗読をお送りします。
宮沢賢治作。
月夜のけだもの。
前編。
十日の月が西のレンガベイに隠れるまで、もう一時間しかありませんでした。
その青白い月の明かりを浴びて、獅子は檻の中をのそのそ歩いておりましたが、
他のけだものどもは、頭を曲げて前足に乗せたり、横にごろっと寝転んだり、静かに眠っていました。
夜中まで檻の中をうろうろしていた狐さえ、おかしな顔をして眠っているようでした。
私は獅子の檻のところに戻ってきて、前のベンチに腰かけました。
するとそこらがぼーっと煙のようになって、私もその煙だか月の明かりだかわからなくなってしまいました。
いつの間にか、獅子が立派な黒いフロックコートを着て、肩を張って立って、
もうよかろうなと言いました。
すると奥さんの獅子が太い金のステッキをうやうやしく渡しました。
獅子は黙って受け取って脇に挟んで、のそり、のそりと今度は自分が見まわりに出ました。
そこらは水のころころ流れる夜の野原です。
日の木林の減りで獅子は立ち止まりました。
03:05
向こうから白いものが大変急いでこっちへ走ってくるのです。
獅子は眼鏡を直してきっとそれを見直しました。
それは白熊でした。
非常に慌ててやって来ます。
獅子が頭を一つ振って道にステッキを突き出して言いました。
どうしたのだひどく急いでいるではないか。
白熊がびっくりして立ち止まりました。
その月に向いた方の体はぼーっと林のように黄色にまた青白く光りました。
はい大王様でございますか。
結構なお晩でございます。
どこへ行くのだ。
少し尋ねるものがございまして。
誰だ。
向こうの名前をつい忘れまして。
どんなやつだ。
灰色のざらざらしたものではございますが、
目は小さくていつも笑っているよう。
頭には成人のような立派な小分が三つございます。
ははその代わり少し体が大きすぎるのだろう。
はいしかしごく大人しゅうございます。
ところがそいつの鼻ときたらひどいもんだ。
全体何の罰であんなに伸びたんだろう。
おまけに先をくるっと曲げるとまるで俺のステッキの絵のようになる。
はいそれは全く王政の通りでございます。
耳や足先なんかはガサガサして少し汚うございます。
そうだ汚いとも。
耳はぼろぼろの朝のハンカチあるいは焼いたスルメのようだ。
足先などはことに見られたものでない。
まるで乾いた牛のクソだ。
いやそうおっしゃってはあんまりでございます。
それでお名前を何と言われましたでございましょうか。
象だ。
今はどちらにおいででございましょうか。
俺は象の弟子でもなければ貴様の召使いでもないぞ。
はい失礼をいたしました。
それではこれで御免をこむります。
行け行け。
白クマは頭をかきながら一生懸命向こうへ走って行きました。
06:03
象は今頃どこかで赤い蛇の目の傘を広げているはずだがと私は思いました。
ところが獅子は白クマの後をじっと見送ってつぶやきました。
白クマめ象の弟子になろうと言うんだな。
頭の上の方がひらたくていい弟子になるだろうよ。
そしてまたのそのそっと歩き出しました。
月の青い煙の中に木の影がたくさん棒のようになって落ちました。
その真っ黒な林の中から狐が赤島の運動ズボンをはいて飛び出してきて
いきなり獅子の前を駆け抜けようとしました。
獅子は叫びました。
待て狐は電気をかけられたようにぶるるっとふるえて
体中から赤や青の火花をそこら中へパチパチ散らして
激しくゴロッペン回って止まりました。
なぜか口が横の方に引きつっていて意地悪そうに見えます。
獅子が落ち着いて腕組みをして言いました。
貴様はまだ悪いことをやめないな。
この前首筋の毛をみんな抜かれたのをもう忘れたのか。
狐がガタガタ震えながら言いました。
だ、大王様私は今はもう正直でございます。
歯がカチカチ言うたびに青い火花はそこらへ散らばりました。
火花を出すなどう臭くていかん。
こら嘘をつくなよ。
今へどこへ行くつもりだったのだ。
狐は少し落ち着きました。
マラソンの練習でございます。
本当だろうな。
鳥を盗みに行くところではなかろうな。
いえ確かにマラソンの方でございます。
獅子は叫びました。
それは嘘だ。
それに第一お前らにマラソンなどはいらん。
そんなことをしているからいつまでも立派にならんのだ。
09:01
今何を仕事にしている。
農民でございます。
それからマラソンの方と両方でございます。
嘘だ。
農民なら何を作っている。
泡と冷え。泡と冷えでございます。
それから豆でございます。
それからキャベツでございます。
お前は泡を食べるのか。
それは食べません。
何にするのだ。
鳥にやります。
鳥が泡を欲しいというのか。
それはよくそう申します。
嘘だ。
お前は嘘ばっかり言っている。
俺の方にはあちこちからたくさん訴えが来ている。
今日はお前の背中の毛をみんなむしらせるからそう思え。
キツネはすっかりしょげて首を垂れてしまいました。
これで改心しなければこの次はいっぺんに引き裂いてしまうぞ。
シシは大きく口を開いて一つどなりました。
キツネはすっかり肝がつぶれてしまって、
ただあきれたようにシシの喉の鈴の桃色に光るのを見ています。
聞きたいラジオ番組何にもない。
そんな時間はポッドキャストで過ごしませんか。
RKBでは毎週40本以上のポッドキャスト番組を配信しています。
あなたのお気に入りの声にきっと出会えるはず。
ラジコ、スポティファイ、アップルポッドキャスト、アマゾンミュージック、ユーチューブミュージックでRKBと検索してフォローしてください。
RKBオンラインのポッドキャストまとめサイトもチェック。