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おかめのはなし
2026-05-09 16:29

おかめのはなし

0188 260509 小泉八雲 おかめのはなし 朗読:武田早絵
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サマリー

この物語は、若くして病死した妻おかめと、彼女の死後も現れる夫八重門の悲劇を描いています。おかめは夫に二度と再婚しないと約束させ、死後も夫のもとに現れ続けます。夫の母は僧侶に相談し、おかめの墓を開けて供養することで、夫は健康を取り戻しますが、約束を守ったかは不明のままです。

おかめの病と夫への願い
この時間は、福岡のRKB毎日放送のアナウンサーによる朗読をお送りします。
世間の人は、嫉妬の深い女だろうと思った。しかし、男は嫉妬されるような原因を作ったこともなかった。それで二人の間には、嫌な言葉一つ交わされたこともなかった。
不幸にして、おかめは病死んであった。結婚後二年もならないうちに、当時土佐に流行していた病気にかかって、どんな名医もサジを投げるようになった。
この病気にかかる人は、食べることも飲むこともできない。ただ疲れてうとうとして、変な夢に悩まされているだけであった。
おかめは普段の看護を受けながら、毎日次第に弱っていって、とうとう自分でも助からぬことがわかってきた。そこで彼女は夫を呼んで行った。
私のこの嫌な病気中、あなたがどんなに親切にしてくださったか、口では言えません。こんなによくしてくださる方は、どこにだってありません。
私、あなたと別れるのが本当につらい。考えてください。私、まだ二十五にもなりません。その上、私の夫ほど良い人はこの世にはありません。それでも私は死んでいかねばならない。
いえ、だめだめ、気休めをおっしゃってもだめですよ。どんなお医者だって、どうにもならないものですもの。もう二三か月生きていたいと思いましたが、けさ鏡を見たら、きょうのうちに死んでいかねばならぬことがわかりました。
そう、ちょうどきょうです。それで、あなたにお願いがありますの。私が安心して死んでいけるように思ってくださるようなら、その願いを私にかなえさせてください。
ちょっと言ってごらん。なんだか、八重門は答えた。私の力でできることなら、どんなことでも喜んでしてあげる。それが、あなたのちっとも喜ばないことなんです。彼女は答えた。
まだ若いのですもの。こんなことをお願いすることは、なかなか、たいへん難しいことですわ。でも、その願いごとは、私の胸に燃えている火のようです。死ぬ前に言わせてください。どうぞ、ねえ。
夫の約束と八重門の衰弱
あなた、私が死んだら相番、皆であなたに奥様を持たせるでしょう。ねえ、あの、約束してくださいませんこと。もう二度と結婚はしないと。おいやですか。
なんだ、そんなことか。八重門は叫んだ。願いごとというのは、それだけのことなのか。それはなんでもない。よし、約束した。おまえのかわりは決してもらわない。
ああ、うれしい。
ああ、うれしい。
八重門の病気は普通のものではない。様子は何とも下しがたいが、何か心の異常の悩みから起こっているらしいとのことであった。両親はいろいろ尋ねてみたが、だめであった。彼の言うところでは、両親の知っている以外には、何ら悲嘆の原因はないとのことであった。両親は再婚をすすめた。
しかし、死人に対する約束はどうしても破ることはできないと言い張った。それからあと、八重門はやはりひましに衰えた。家族の人々はその生命を危ぶんだ。
母の告白とお寺への相談
ところがある日のこと。かねて何か心に隠していることを信じていた母が、熱心にその衰弱の理由を言ってくれるように激しく泣いて頼んだ。母の懇願には語れなくなった。
こんなことは、あなたにも、またどなたにも、まったく言いにくいことです。すっかり申し上げてみたところで、本当にはできますまい。実は、お亀はあの世で成仏ができないのです。それからいくら仏事を行おうとやりましても、だめのようです。
私も一緒にその迷路の旅に出てやらないと、どうしても成仏ができないようです。お亀は毎晩帰ってきて、私の脇に寝ます。葬式の日から毎晩、来ない晩はありません。それで、時々本当に死んだのではあるまいと思うことがあります。様子や行いは、生きていたときとまったく同じですから。
ただ、私に話をするとき、小さい声で物を言うだけです。それから、いつでも自分の来ることを誰にも言わないようにと申します。私にも死んでもらいたいのでしょう。私も、自分だけなら生きていたくはありません。
しかし、全く王政の通り、私の体は両親のもので、両親にまず大事に広告をしなければなりません。それで、本当のことを皆申し上げるのです。
はい、毎晩ちょうど眠りかけると参ります。それから、明け方までいます。鐘が聞こえると出て行きます。
八重門の母が、これを聞いてびっくりした。直ちに旦那寺へ急いで、次相に息子の告白の一切を話して助力を買った。高齢で経験の積んだ次相は、その話を聞いて驚く異論もなく、彼女に言った。
こういうことは時々あるものです。初めてではありません。それで、御子息も助けてあげられると思います。しかし、今たいそう危ういところです。
具装の見るところでは、お顔に思想が現れています。お亀さんがもう一度帰ってくれば、もうそれきりです。それで、即刻やるべきことをやらねばなりません。御子息に黙っていてください。大急ぎで双方の親戚を集めて、寺へ来るように言ってください。
おかめの墓を開けて供養
御子息のためにお亀さんの墓を開けねばなりません。そこで親戚はお寺に集まった。墓を開くことを一度承諾したので、相は一度お墓地へ案内した。
そこで、その指図に従って、お亀の墓石は脇へやられ、墓は開かれ、棺は挙げられた。棺の蓋が取られたとき、居合した人は肝を寒くした。
それは、お亀は病気の前と同じくきれいに、顔に微笑を浮かべて一堂の前に座って、彼女には何らしの跡はなかったから。しかし、相は棺の中から死人を取り出すことを人々に命じたとき、驚きは恐怖となった。
それは、長い間正座の形をとっていたにもかかわらず、その死体は触ると生きているように温かく、しなやかであったから。それを葬場へ運んで、相は筆をとって、額と胸と手足に何か清いくどくのある梵字を書いた。
それからその屍を元の場所へ葬る前に、お亀のためにせがきを行った。彼女は再び夫のところへ来なかった。八重門は次第に健康と力を回復した。しかし彼はいつまでもその約束を守ったかどうか、それは日本の作者は書いていない。
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