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宿命・附録・散文詩自註・橋-萩原作太郎
日本の橋は、最もリリカルの夢を表彰している。
哀れな、頼りのない、木造の侘しい橋は、現実のシャバ世界から、三田の浄土へ行くための、時間の過渡期的経過を表彰し、水を隔てて空間の上に架けられている。
それゆえに、川の向こうは彼岸、霊界であり、川のこっちは死岸、現実界である。