00:01
こんにちは、72才 薬膳&料理研究家の木下賀律子です。
前回は薬膳とは、中国の医学理論に基づいたものであるとお話ししました。
今回はその中国の医学理論、つまり中医学についての特徴を3つに分けて紹介します。
では特徴その1、中医学は体全体を関連づけてみる医学です。
その2、中医学は季節との関係を大切にします。
その3、中医学は一人一人の個人に合わせた提案ができます。
ちょっと難しいですね。
それでは一つずつ簡単に説明していきましょう。
その1、体全体を見る医学です、という部分ですね。
中医学は、中国の数千年にわたる膨大な経験の蓄積によって構築された医学で、古代哲学の影響を受けている学問です。
中医学の考え方は、人体の臓器や体の部分すべてが関連を持ち、つながっていると考えます。
例えば、皮膚の病気を例にとると、皮膚がかゆい、ただれるなどの症状が現れているとしましょう。
そこに軟膏やクリームをつけてよし、ではなく、体の中で皮膚とつながりのある臓器の肺を治療することが必要であると考えるわけです。
その2、季節との関連を大切にします。
中医学では、人体は外の自然界とつながっていて、人間の生存、成長、病気に至るまで、すべて自然環境の影響を受けていると考えています。
つまり、養生の知恵としての学びがここにあります。
今は11月の下旬です。
24世紀の小読の上では、11月7日に立冬を迎え、22日に小さな雪と書いて小説を迎えました。
北国では、雪が降ったという話も聞く頃となり、冬本番はもうすぐです。
冬の季節の特徴は、寒くて乾燥するというものです。
寒さは、気や、つまりエネルギーを消耗しやすい。
それから、寒いと縮こまるというように、人体の各部分が収縮し、血の巡りが悪くなったりして、
結果、頭痛、体のあちらこちらが痛い、胃痛・腹痛、女性では生理痛がよりひどく起こりやすくなることもあるでしょう。
03:00
ですから、とにかく温かくして過ごすことを、この季節は第一に考えたいものです。
特徴その3、一人一人に合わせた提案ができます。
例えばどういうことかというと、肩こりで悩んでいるとしましょう。
皆さん生活背景が違うわけなので、肩こりにはこれを食べれば良いとは決めません。
ある人にとっては、寒さからその肩こりが来ているかも分かりません。
またある人は、血の巡りが悪いことから来ていることもあるでしょう。
過労によって肩こりが起こることもあります。
それぞれの原因を聞き、体が発するサインをトータルに考え、分析して始めて、
どのような食べ物を摂取した方が良いのか、あるいは避けた方が良いのかを判断していくわけです。
今回は、中医学の3つの特徴についてお話ししてきました。
考えてみれば、我が国でも江戸時代までは、中医学の考えを一部取り入れた漢方医が病気治療の中心でした。
ですから、これらの考えは馴染み深いものがあるような気がいたします。
最後までお聞きいただき、ありがとうございました。