エジプトの香りの歴史
おはようございます。蜜のあじ子です。そろそろ夏休みも終わり、お盆もお仕事だったよ、という方、お疲れ様です。
ここ数日、雷が鳴って、夕立がザーッと降ったり、
夜になると、コオロギやキリギリスが鳴いて、
秋をちょっとだけ感じてます。今回のテーマは、リクエストにお応えして、
エジプトの香り軟膏。そうそう、エジプトの話はしなくっちゃね、と、
ずっと思ってたので、きっかけをくださった、黒柳林檎さん。
ありがとうございます。香りの歴史を勉強するときに、
エジプトの壁画の絵を持ち出すことがあります。
アロマの学校に本は寄贈してしまったので、私の手元にはないんですが、
古代エジプト人が、円錐形の帽子をかぶったような壁画の絵、
この帽子、ヘッドコーンと呼ばれて、香りのついた脂を頭の上にのせて、
頭の熱で溶け出た香りを楽しむもの、
いわゆる香り軟膏。古代エジプトでは香水ではなくて、
軟膏に香りをつけて、それを体に塗って楽しんでいたと言われてます。
アルコールを香水に使うようになったのは、10世紀以降なので、
それまでは、こういう軟膏、植物や樹脂を粉末にしたもの、
それらを体に塗りつけてました。
では、古代エジプトで使われていた香料とは、
何度もお話ししてきたフランキンセンスやミルラが代表的なものです。
そして、重要な香料が、キフィと呼ばれる、
ブレンドした香り、紀元前1550年頃に書かれた、
エーベルスパピルス医学書なんですけど、
これにもキフィの古いレシピが記されてます。
キフィとは、聖なる煙の意味を持っていて、
いくつかレシピはあるようなんですが、代表的なものとしては、
ショウブ、シナモン、ペパーミント、没薬、レモングラス、ジュニパー、
あとはレーズンやワイン、ハチミツ、オレンジやバラなんかも入っていたようです。
香料というよりも、薬のように使われていたとも考えられてます。
アロマテラピー検定テキストにも、精油バージョンのレシピが載ってます。
そこには、フランキンセンス、ミルラ、カルダモン、ガルバナム、サンダルウッド、ジュニパーベリー、
ペパーミント、ベンゾイン、レモングラス、そしてローズ。
うーん、ちょっと想像したところ、樹脂が多いので、濃厚ですっきりとして、
ローズがどうアクセントとして効いてるかな、というような、かなり複雑な香りです。
これらの香料を、ナツメヤシの油や動物の油に染み込ませたものが、香り軟膏と呼ばれるものです。
そう、冒頭に話した、ヘッドコーンと呼ばれる、円錐形の頭に乗せているやつ。
以前は、香油を固めたものと考えられていて、
かつらの上に乗せて、頭の熱で溶かしながら、香りを楽しむ、アロマ的な何かと言われてました。
私もそう教えてました。
香料の役割と影響
ただ、2019年に発表された論文で、この円錐が発掘されたんです。
ナショナルジオグラフィックの中でやってました。
ある墓地で発掘された人骨の頭に、帽子っぽいのがかぶせてあったんだそうです。
そして、それがどうも布のようなものでできている、ということがわかったんですって。
だからといって、あの壁画のものと、この見つかった頭に乗っかっていたものが、同一かどうかは、まだわかっていないようです。
エジプトといえば、もう一つ、ミイラ。
ミイラの語源は、あのミルラ、そう、没薬。
エジプトでは、ミイラ作りの際に、防腐処理のために、この没薬が使われてました。
そこから、ミルラが変化して、ミイラと呼ばれるようになったんです。
宗教儀式から、日常的なたしなみまで、古代エジプトでは、香りがとても大切に扱われてきたことがわかります。
香りの起源の話をする時には、必ずエジプトがスタートなんです。
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林檎さん、ありがとうございました。
お相手は蜜のあじ子でした。
エジプト神話もずっと勉強したいと思ってるんですが、神様可愛いですよね。
おすすめの本や資料、あったら教えてください。
