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毎週木曜日のこの時間は三好剛平のブラッシュアップです。 さあ三好さん、これは先週に続くシリーズ。
最後でございます。先週に続きまして、今ですね、KBCシネマでイランのジャファル・パナヒという監督と、バナー・パナヒ監督の親子監督がですね、それぞれ立て続けに上映されるよというタイミングですので、
今日はですね、そのイラン映画特集後編としてですね、お父さんであるジャファル・パナヒ、そしてKBCシネマでは9月22日からですね、来週からですね、上映されるイラン映画、クマはいないというですね、映画についてもご紹介をしていきたいと思います。
この監督は巨匠と言われている。 こいつはですね、すごいですよ。こいつはすごいというところをね、まずちょっと前半でお伝えしたいと思いますけれども。
はい、えっと、まあね、あのイラン映画を見るにあたって、そのイランの社会背景を知っておくとやっぱり深く楽しめるよということを、まあ先週お届けしました。
詳しくはね、あの先週の配信文、あの先週お話した内容があのポッドキャストとかでもね、配信聞けるので、ぜひちょっとおさらいしていただけるとなお嬉しいんですけど、あの軽くですね、まあ今日また改めてそれをおさらいすると、まずイランっていうのが正式にはイランイスラム共和国と呼ばれる国でございまして、1979年にそれまでの政治のあり方みたいなのを根本から変える大きな革命としてイスラム革命というものが起きたと。
で、まあそれによって国自体がイスラムの教えに基づく政治体制、イスラム共和制の国家になったというところがあります。
で、えっとそれ以降、まあその本当に独自の文化、政治路線をまあ選んでいくことになるわけですけど、これはまあ、えっとその政治とか文化ということだけではなくて、映画においても、あのそれが影響してきます。
で、その1979年のやっぱイスラム革命以降、映画の分野でもイスラム共和国のその文化省によって、あの映画への国家検閲みたいなのが非常に強化されていくわけですね。
一時的にはもう本当に国内の映画産業そのものが停滞するほどのまあ非常に厳しい状況を迎えたりしながらやっていくわけですけど、えっとその中でまあその思いのある映画作家たちは何とかその国家による厳しい検閲の目を飼いくぐるための映画制作の手法を発明していくわけですね。
で、それの一つが、えっとその一見穏やかな映画と見せかけて、まあ児童映画なんかがね、よくそれに選ばれますけど、その子供の映画と見せかけて、実はその先に政治とか社会に対するストレートなメッセージを裏書きするような、まあそのイラン独自の映画文法みたいなものを発明していくわけですね。
だとまあ、えっとそのフィクションとドキュメンタリーをですね、ハイブリッドに織り混ぜたような独自の映画文法みたいなのを本当やっぱり独創的に発明していくことで、90年代以降になるといよいよカンヌとかベルリンとか各国の国際映画祭でももう本当最高賞級のですね、あの賞をじゃんじゃん受賞していくような、まあその高い評価を集めていくようになっていくというようなのが背景としてあります。
でまあそうした背景の中で、まあ今回ご紹介するのがこのジャファルパナヒというですね、あのもう御年60、70くらいの監督なんですけれども、この人あの紛れもなく今多分世界で一番と言ってもいいと思いますけど、国家による映画検閲っていうものと真っ向から戦っているもう不屈の映画作家でございます。
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でもうこの人本当に経歴がすごいんですけど、まず95年に長編デビューしますと。でまあイランの資生の人々の日常を通して社会に現存する様々な障壁とか理不尽な慣習とか習慣とかですね、まあその規制だったりとかそういうものが浮かび上がってくるような映画作品をコンスタントに発表してたわけですけれども、それで世界的にも本当に映画賞でじゃんじゃん評価されていくような流れを作ってたんですけれども、
当然イランの国家からそんなことやってたら目つけられるわけで、国内での上映禁止はもちろんのこと、2009年にはお前は反体制的なプロバガンダ活動を行ったねということで逮捕されちゃうんですよ。
長役6年と20年間の映画制作禁止。もうこれキャリア終わったじゃんって話じゃないですか。ところがここで折れないのがね我らがパナヒなんですね。
映画制作禁じられて自宅軟禁ですよっていうことでそれを課せられるわけですけれども、その期間中監督何やったかというと、映画じゃなかったら何作ってもいいんだろうっていうことで、軟禁中の自宅で自分の1日をビデオで撮影し始めるんですよ。
で床の絨毯にテープ貼ってなんとなくその舞台を作って自分が今度作ろうと思ってた制作予定だった映画の脚本をそこで読み上げたりして、映画を擬似的に立ち上げようとしたりするわけですね。
自宅で自分に起こる、不意に起こるお客さんがやってきたとか、イグアナが飼ってるんですけどそのイグアナの動きを撮っていくとなんか映画っぽくなってくるみたいなことで、なんか不意に映画が立ち起こる瞬間を記録していくわけですね。でそれを結果的に作品にするんです。でその作品こそズバリこれは映画ではないっていう映画なんですよ。
ああ上手い。なるほどね。 This is not a film っていうですね。そういうタイトルで映画を作るんですね。これもうトンチみたいなエピソードに聞こえるかもしれないんですけど、とはいえこれ実は映画作家としては本気の戦いなんですよこれ。でやっぱりそういう風にして作り上げたものをじゃあ今度どうやって上映するかってことなわけですけど、これ作品データをですねUSBメモリに保存してケーキの中に隠してイランから持ち出してカンヌ映画祭に出品したんです。
なんかスパイの。 スパイ映画ですよこれほんとね。で結果やっぱりこの映画ね高い評価を集めまして、本当にカンヌでも特別賞みたいなものを受賞したりだったりとかするんですけど、あと個人的にも僕この映画は本当にその人がなぜ映画を撮るのかっていうことだったりとか、映画ってそもそもなんだっけっていうことを問う意味でも一番の歴史的な大傑作だと思ってます。本当にすごい映画ですこれ。
そういうような状況を受けて2010年の3月ぐらいからスピルバーグとかスコセッシとかデニーロとか世界有数の映画制作者たちがイラン政府にパナヒを解放しやってくれよという探案書が出たりとか、カンヌ映画祭でもその解放の声明発表とかが行われて、ひとまず監督は釈放こそされるわけですけれども、とはいえ以降も映画制作に関わることは禁止。国外への渡航も許しませんっていう状況がなんと今も続いているという状況なんですね。
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なんですけど監督は平然と、平然とというかめちゃくちゃ格闘しながら2015年には人生タクシーという映画を撮って、ベルリン映画祭で最高賞を取って、2018年にはある女優の不在という作品を発表して、カンヌ映画祭で脚本賞を取ってという、ちょっと異例の回帰を続けている状況なんですね。
それは監督を取り巻く状況、バックグラウンドがまさしくそういう特殊な状況であるっていうことで、下駄履かせてんじゃないのっていうふうに思うんだったらこれ大違いで、単純に映画としてめちゃくちゃ面白い映画作る人ですよ。すごいんです本当に。めちゃくちゃ映画が上手い人なわけですね。
そんなことで今日紹介する映画が9月22日からKBCシネマで、クマはいないという映画でその作品上映されるわけですけども、この映画またねこれがもうね現実とフィクションが入れ込みになっちゃっててなかなかわかりづらいんですけど、簡単にあらすじ紹介しますと、映画は監督ご自身が映画監督役でまず出てますと。
イランとトルコの国境地帯にあるある村田舎の村に滞在しているという設定で監督がすぐ隣のトルコでリモートでつないで映画を撮っているという設定から始まるわけです。
その撮っている映画っていうのが偽造パスポートを使って国外逃亡しようとしている男女カップルのドキュメンタリーを撮っているという設定なんですね。
この映画が、映画の中で劇中劇というかの制作が進んでいくのと同時進行で監督が滞在している村では村に残っている古い監修によって愛し合うことが許されない恋人たちのトラブルが発生するわけですね。
それにどういうわけか監督自身も巻き込まれていってしまって、2つのような映画制作とその街のトラブルの合間に監督がどうしていくのかみたいなことになっていくわけですね。
とにかくそういうふうに現実とフィクションが盛り込まれている上に、映画の中で撮影を進めている防衛を試みるカップルのドキュメンタリーと村での古い監修によって結ばれないカップルの現実みたいなものの2つの出来事の一番最初のきっかけは監督が被写体に向けてカメラを向けてしまったことから始まるというふうなことになっていくわけです。
で、これが明らかになっていくとやっぱりこの映画はどこまで行ってもパナヒが今置かれている現実の中でカメラを向けること、映画を撮ることっていうのがどういうことをもたらしてしまうのかっていうことを結構グイッと踏み込んでいくような作品にどんどんなっていくわけですね。
で、後半に向けていくともうだんだんちょっとね見てる側がたじろいでしまうぐらいの気迫に満ちたこれめっちゃ怒っとるやんけみたいな映画になっていくわけですけど。
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自分の本心が出てるのかもしれませんね。
結果そういう映画作っちゃったのでまたイラン当局から収監されちゃうわけですけど。
なんですけどこの映画、昨年のベネチュア国際映画祭で銀グマ賞という審査員特別賞ですね。
あの受賞しましてこれ実はのつい先日浜口龍介監督が撮ったあの賞と同じ賞ですね。
その1年前に撮ったのがこの作品であるということですね。
でまぁちょっと最後にこのあのパナヒの映画を見ることがどういうことなのかということを一応ちょっとお伝えして締めたいなと思うんですけど。
この映画監督がその映画を巡る闘争を今ずっと続けているというのがとても僕は他人事じゃないなというふうに思ったわけです。
例えばこの中頃で紹介したこれは映画ではないという作品の中で電話口の映画仲間がパナヒ監督にお話しするシーンがあって。
イランの映画仲間たちがパナヒが逮捕されたことで少しずつ落ち着き始めているよということを言って政府は些細な事実を挙げつらって誰にも関わる大問題みたいに大きく騒ぎ立てて。
みんなそれがいつの間にか普通だと思い込まされていくようになっているよということ言うわけですね。
ということだったりとかあるいは今回紹介するこの映画熊はいないの映画の主題でもある熊っていうのが何を意味するのかということですよみたいなことですね。
だから私たちが日常生活で自覚できないような形で当たり前にさせられてしまっていること自分たちのしていいこととかしてはいけないことみたいに何となく内在化してしまっているルールとか規制みたいなものっていうのは実はすごく不条理なものだったりとか。
もっと言えば修学で幼稚なものだったりする場合もあるのにも関わらずなんか内側にいると声を上げる発想すら持てなくなってしまうようなことがやっぱあるわけですよね。
さっきの話とかもちょっと繋がるかもしれないんですけどみたいなことを考えるとパナヒの映画を今見るということがイランの海の向こうのイランのことをなんかちょっと思うということとは全く別次元でこれ俺たちのことやんというぐらいの切実さを持って見ることが十分できる本当に見逃すべきではないもう大傑作だと思いますね。
見てほしい改めて公開が9月22日 kbc シネマで熊はいないでございます。
福津の精神でね作り上げてる作品ぜひ皆さんも触れていただきたいと思いますはいここまで三好豪平のブラッシュアップをお送りしました皆さんありがとうございましたありがとうございました。
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