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映画「聖なるイチジクの種」
2025-02-20 13:48

映画「聖なるイチジクの種」

クリエイティブプロデューサー 三好剛平
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この時間は、日替わりコメンテーターが独自の切り口で、多様な視点を提案するCatch Up。
木曜日は、クリエイティブプロデューサーの三好剛平さんです。
今日は、リモートでの出演です。
三好さん、おはようございます。 おはようございます。
おはようございます。
さあ、今日はどんなものを紹介してくれるんでしょうか?
はい、今日はですね、福岡では、キノシネマ展示、KBCシネマ、他で、
先週末から上映中のイラン映画で、
「聖なるイチジクの種」という作品をご紹介させていただきます。
すごく気になっています。
もう、先週末、見に行こうと思っていましたけど、行けなかった。
水木さんの勘は大正解です。
これ、めちゃくちゃいい映画です。面白い映画です。
で、来る3月に発表されるアカデミー賞でも、
これ、国際長編映画賞にもノミネートされている注目作でございまして、
その社会性も去ることながら、映画としてかけねなしに面白い映画にもなっているので、
ここからその魅力をご紹介していきたいと思います。
まずは映画のあらすじからご紹介します。
この映画なんですけれども、イランに暮らす夫と妻、そして2人姉妹というですね、
その4人家族に起こる物語になっていきます。
まず、20年間もの間、国家の公務に従事してきた一家の主、夫ですね。
イマンという男がいるんですけれども、その人がその勤勉さと愛国心を変われ、
この度、夢にまで見ていた裁判所の調査官という役職に昇進することが決まり、
国からご信用として一丁の銃が支給されるんですね。
そんなさなか、街ではある若い女性の不審死をめぐる反政府抗議デモが開始して、
これがわずか数日の間に国家を揺るがすほどの一大デモへ発展していきます。
そんなある日、家庭内からイマンの銃がですね、そのご信用にもらったイマンの銃がなくなっちゃうんです。
で、初めはイマンが言ったら、あら、なんかどっかに忘れたかなって言ってなくしたかなとか思ったんですけど、
次第にその疑いの目が彼の奥さん、そして2人の娘たちへと向けられていきます。
誰が何のためにその銃を盗んだのか、捜索が進むにつれて、
互いへの疑心暗鬼が家庭を支配し始め、やがて誰も予測もしていなかった事態へと発展していくっていう映画ですね。
ちょっと結末気になりますよね。
これ実はですね、撮った監督がまずやっぱりちょっとすごい人で、
毎回このコーナーでイランの映画紹介するとだいたい監督すごい人なんですけど、
例に漏れずこの人もすごい人で、監督がモハマド・ラスロフというですね、イラン生まれの監督さんです。
元々2002年に映画監督デビューを飾って、即座に国際映画賞で賞を獲得するような有能な映画作家になるわけですけれども、
何せ国家による映画の検閲が法的に行われてしまうこのイランでは、やっぱりその問題に直面していくことになるんですね。
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2010年代以降はカンヌ国際映画祭のある支店部門というところで、いろんな賞をどんどんですね、作品発表するごとに受賞を重ねていくんですけど、
2017年にはその部門でついに最高賞を受賞します。
さらには2020年にはイランの死刑制度をテーマにした作品を発表して、これがベルリン国際映画祭では今度最高賞の金クマ賞まで受賞しちゃうわけですね。
なんですけど、当然そうした活動をすることに対してイラン政府から目をつけられまして、国家安全保障に危険をきたす罪、
あと政府に反するプロパガンダを広めているというその罪でですね、政府からパスポートをまず募集されて海外渡航禁止されたりとか、
さらには2022年にはついに刑務所に7ヶ月収監されたりしてしまうわけですね。
さらにその後起きるのがこの作品にも関わることなんですけど、2024年です。
今回紹介するこの聖なる一軸の種っていう作品がその年のカンヌ国際映画祭で上映されることが決まると、
政府はですね、それを妨害するためにラスロフ監督にムチ打ち、死罪募集、禁錮8年の実刑を下すんですね。
で、彼はもう収監されてしまうか、あるいはもうイランを脱出するかというですね、もう一大決心を迫られることになって、
もう悔しいところではあるんだけども国を出ることを決意します。
で、というのがこれ割と結構単なるあの武勇伝レベルではなくて、同じくイランでその反政府的な表現をした罪に問われたあるミュージシャンがいるんですけど、
この人に至っては死刑を宣告されてるんですよ。
みたいなことからすると、国を捨てって言ったら映画祭に出すっていうレベルではなくて、
本当に決死の覚悟、死さえも覚悟してやっぱり映画祭への出品を刊行したということになるわけですね。
で、この映画なんですけども、その関羽国際映画祭で上映されると、結果的には12分にも及ぶスタンディングオベーションで迎えられて審査員特別賞を受賞しましたということです。
そして3月に発表されるこのアカデミー賞でも国際長編映画賞にノミネートされているんですけれども、
こういう事情からも、実はこの映画、イラン映画としてそのアカデミー賞にノミネートされているわけではなくて、
共同制作に名を連ねたドイツ映画として選出されてるんですよ。
もう抜け穴をこねすり抜けるみたいな感じなんですけど、
で、そんな命がけの覚悟で制作発表されたのがこの聖なる一軸の種っていう作品になるんですけれども、
冒頭にも申し上げた通り、とにかく断言したい。
作品が暴くイラン社会の真実を見届けるっていうだけでも、圧倒的な一本であることに加えて、
これ本当にテーマ的にも、語弊を恐れずに言いたいんですけど、
この映画本当にかけなしにめちゃくちゃ面白い映画になっちゃってるんですよ。
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映画ならではの手法で様々な現実を暗示する批評性みたいな部分と、先の読めないスリリングな物語。
さらには一本の映画の中で違和感なくジャンルをまたいだりもしながら、
観客を感傷中ずっと飽きさせない、演出主は本当に文句なしです。
すごい映画だと思います。
めちゃくちゃ面白い映画としてお勧めできるかなと思ってます。
ここからそんな本作を鑑賞する前に、知っておくとより深く楽しめる豆知識を一つだけお伝えしておきたいと思います。
先ほど冒頭にあらすじ紹介したんですけど、その中で後に国家を揺るがすことになる、
ある一人の女性の不審死をめぐる反政府抗議デモっていう、その中で展開される物語だということを触れたんですけども、
この抗議デモなんですけど、実は2022年にイランで実際に起きた抗議デモなんですね。
これについてちょっと紹介しておきます。
2022年9月に首都テヘランで起きた一つの事件がきっかけで起きたものです。
これイスラム教国家であるこのイランでは、1979年イラン革命っていうのがあったんですけど、
それ以降、女性が外出する際にはヒジャブと呼ばれる頭とか体を覆う布を着用することが義務付けられてるんです。
なんですけど、その当時22歳だったマサ・アミニという女性がおりまして、
この女性が駅で着用が不適切だっていうことで、現地の風紀警察に逮捕されるんですね。
その後、その彼女が警察署に連行されるわけですけれども、どういうわけか救急車で搬送されて死亡したことが明らかになっていくんですよ。
警察当局はその彼女の死因を心臓発作が原因ということで主張はするんですけれども、
家族も含めてそれまで彼女にそうした健康上の問題は一切なく、警察による暴行疑惑っていうのが浮上していくわけですね。
この事件をきっかけに町では抗議運動が勃発していくわけですね。
これがデモ参加者の多くが女性が閉めていて、頭部を隠すことなく、もう何だってその抗議ですから、
もう頭部を隠すことなくその場に晒して、さらにはヒジャブに火をつけるなどのアクションを見せながら、
徐々に女性、命、自由っていうこのキーワードをスローガンにした抗議活動として、
みるみるイラン全土へと拡大していったんですね。
当然それに対して政府当局は弾圧方向で、力で弾圧していくことになるわけで、
デモ隊への発砲とか銃撃、拘束などをどんどん激化していって、
ついには死者数200人以上、拘束者数は何と2万人近くとも言われるほどの一大闘争へと発展していっちゃうわけですね。
映画ではその抗議でも当時の実際の映像も数多く取り入れられながら、
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その劇中で物語として展開されるフィクションとイラン社会の現実の境界を巧みに橋渡ししながらですね、
物語の中心となるこの4人の家族、その価値観に実は大きく作用している社会全体の影響の大きさというのを、
刻々と暴いていくような映画になっていくわけですね。
ここで考えていくとなると、そもそも女性たちに義務付けられていたヒジャブっていうのは一体何だったのかということになるわけですね。
ヒジャブっていうのは一体何を象徴していて、イランの女性たちはそれによって何を奪われてきたのか。
それは当然やっぱりただの布の着用以下の問題を超えて、
イラン社会全体が長らく女性たちに強いてきた物事っていうのを、
芋づる式にどんどん引き当てていく契機になっていく。
それこそがアミニさんの抗議運動であり、また本作の根底にある問題意識であるということになるわけですね。
いうような予備知識を得て、この映画を見るとですね、ものすごい理解が深まると思います。
この映画、ポスターとかチラシでもこういう風に、こういうビジュアルで打ち出されてたりするんですけど、
女性たちがですね、
ヒジャブをかぶってないですよね。
そうなんですよ。
ヒジャブをかぶってない女性の姿としてメインカットで使われてるんですけど、
これ自体が実はとんでもなく驚くべきことなんですよ。
イラン映画としてこれ画的なことなんです。
みたいなことも含めて、やっぱりヒジャブにまつわる2022年のデモ抗議運動が、
一つのこの映画の大きな契機になっていたということをちょっと知っておくと、この映画がものすごく楽しめます。
そしてこれがアカデミー賞を受賞したりすると、また作家へのメッセージとしても大きく発信されそうですね。
ですけども、またそれがイラン社会をどう動かすのか、ちょっと注目のところですね。
ということで準備は万端でございます。
あとは映画を見るだけです。
何度も言いますけども、これイラン社会へ向けた命がけの批評性と、
映画としての面白さが麹に達成された必見の一本だと思います。
聖なる一軸の種は、福岡ではキノシネマ展示、KBCシネマ、そしてユナイテッドシネマ仲間16にて公開中です。
ということで、くれぐれもお見逃しなくご覧くださいというご紹介でございました。
そして来週27日のこの時間は、三好さんとお送りするリスナー名作劇場ということで、今回のテーマは
あなたが大好きなアカデミー賞受賞作品は?
いっぱいありますけれども、部門もね。
いくつかあげていただいてもいいかもしれない。
あまり複数あげると三好さんの大変になるから。
自覚にしもって。
全然喜んでです。一本と言わず気に入ったやつとか大好きなやつ全部送ってください。
自分で言ったからね。
ということで、ぜひあなたが大好きなアカデミー賞受賞作品を教えてください。
メールはgu!rkbr.jp、ファックスは092844-8844まで送ってください。
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また、田畑隆介グロウアップのXでもお待ちしております。23日日曜日までに送ってください。お待ちしております。
ここまで三好合併のキャッチアップでした。三好さんありがとうございました。
ありがとうございました。
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