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この時間は、日替わりコメンテーターが独自の切り口で、多様な視点を提案するCatch Upのコーナーです。
木曜日は、クリエイティブプロデューサーの三好剛平さんです。三好さん、おはようございます。おはようございます。
さあ、今日はどんな作品を紹介してくれるんでしょうか。はい、今週はですね、9月6日金曜日からKBCシネマで公開。
そして、ロードステッドっていうですね、新しいオンラインプラットフォームがあるんですけれども、こちらで実はですね、もう実はオンラインでレンタルで見ることもできる
黒沢清氏監督の中編映画、「Chime」という映画をご紹介します。短編でも長編でもなく。そうそう、45分なんです、これ上映時間がね。
で、この映画なんですけど、今年ね、2024年っていうこの年が、実はですね、黒沢清氏監督の映画がなんと3本も劇場公開される
異例の黒沢清イヤーになっているということでございましたですね。別にその前編後編とかそういう映画じゃないんですよね。そういうことじゃなくて、
それぞれ別々の映画が。独立した映画が3本?そうなんですよ。さらにね、このね、Chimeっていうこの45分の中編がめちゃくちゃ素晴らしいので、その魅力をご紹介していきたいということです。
はい、まず黒沢清氏監督についてですけれども、1955年兵庫県生まれの映画監督で、現在69歳ですね。
多作でも知られておりまして、本当にたくさんの映画をこれまで手がけてらっしゃいますけど、大学、在学中より8ミリ映画を撮り始めて、83年に商業映画デビュー。
Vシネ監督として、まず非常に活躍してたんですけど、その時期にも独自の映画表現を探求してらっしゃいまして、その後ですね、97年に役所康二さんと萩原雅人さんが主演されたサイコスリラーの9話という作品ですね。
これめちゃくちゃ怖い映画なんですけど、これを発表して世界的に注目を集めるきっかけになります。
それ以降はもう本当にカンヌ、ベルリン、ベネチア、この3大映画祭を中心に、とにかく国際映画祭の常連監督となった、もう一大名監督ですね。
例えばこのカンヌ国際映画祭でも本当にすごくて、2001年にカイロという映画で国際映画批評家連名賞、そして明るい未来という2002年の作品ではメインのコンペティション部門に出品されまして、
東京ソナタという2008年の映画、これではある視点部門という部門の中で審査員賞受賞、そして岸辺の旅という2014年の浅野忠信さんが主演された映画ですけれども、
こちらではいよいよメインコンペの方の部門で監督賞受賞というような会長が続くということ。
それ以外にもいろんな国際映画祭で本当にたくさんの賞も受賞されてあるんですけれども、さらには2016年にはフランスの制作チームとダゲレオタイプの女という映画を完成させるなどして、
もう本当に国際的に活躍をキャリアを積んでいるような第一線の映画監督ですね。
さらには東京芸大の大学院で教鞭を取られていらっしゃって、後続の育成にも力をかけていらっしゃる。
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その卒業生にはなんとあの浜口隆介監督をはじめ、数多くの映画人を配置していらっしゃるということですね。
そういうことです。そんな黒沢清監督なんですけれども、冒頭に申し上げた通り今年2024年が異例の黒沢清イヤーとなっておりまして、この1年の間になんと3本もの映画が劇場公開になっているということです。
まず1本目が6月に公開されたばっかりですけれども、柴崎幸さん主演の蛇の道という映画がありました。
これもともと1998年にご自身がVシネ時代に監督された同名映画があるんですね。同じ名前の映画がありまして、これもセルフリメイクされたというような形のちょっと珍しい形態の作品になっています。
柴崎幸さんが主演になって舞台をフランスに移して撮り直した作品ということで、
これが本当になかなかの出来前で流石だねという感じの1本でした。
その続いて公開されるのが今日ご紹介するこのという作品です。
これは上映時間わずか45分の2編というサイズの作品になるんですけれども、この映画も今年のベルリン国際映画祭で上映されまして、高い評価を集めていますということ。
そして9月27日金曜日からはさらにもう1本公開を控えているのが、須田優樹さん主演のクラウドという作品があります。
これはテンバイヤーを須田優樹さんが演じておりまして、そのテンバイヤーがやがてネットでエスカレートしていく集団狂気にさらされていくというめちゃくちゃ怖そうな映画なんですけれども、
この映画もベネチア国際映画祭に出品もされていて、満を持しての2本公開が控えているというような状態ですね。
いうことで、今年マジでもう2024年もどうしたって黒崎をシーアーなんです。
なので、そこに乗り遅れないためにも、この今からご紹介するチャイムチェックいただきたいなということでございます。
ここからチャイムのご紹介なんですけれども、まずあらすじからご紹介していきます。
料理教室の講師として働いている料理人の松岡という男がおります。
この松岡という男の料理教室で、ある日レッスン中に生徒の一人である田代という男性がチャイムのような音で誰かがメッセージを送ってきているんですというふうに、不思議なことを口にし始めるわけですね。
ちょっとヤバいですね。
そんな場面から少しずつで、松岡という男の周囲で次々と恐ろしい異変が起こり始めるというような作品なんです。
怖いね。
怖いんですね、これね。
黒沢旧司監督の映画といえば、ホラーもど真ん中だったりとか厄材映画だったりとか、あるいはホームドラマみたいな映画も撮るんですけど、とにかくどんなジャンルの映画を撮ってもやっぱりどこかちょっと怖いんですよ。
怖い映画なんですよ。
これもうちょっと言い換えると、この世界の不穏さだったりとか取り返しのつかなさみたいなものを画面に映し取るということでいえば、黒沢さんの右に出るものはいないんじゃないかというくらい名手なんですね。
今回この作品、このチャイムという作品は45分という短い上映時間のフォーマットで作られたということもあって、通常の長編映画だったら説明を加えそうな登場人物の設定だったりとか、場面の説明ももう際際までそぎ落とされた構成になってるんですよ。45分だからね。
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ということで、その際際までそぎ落とされたことによって、これがこうそうしましてですね。45分の上映時間中、ずっと不穏でずっと超怖いんですよ。もうね、めっちゃ怖いの。
耐えられるかな?
そうそうそう。すごいんですよ。
おまけに、黒沢圭佑監督というよりは、なんたってもうね、巧みの技って言ってもいいぐらい、とにかく映画を撮るのがクソ上手い人でもあるんです。
いうこともあって、そういう映画術が手際よくふんだんに盛り込まれてもいるということで、不穏な恐怖と映画体験そのものを煮しめて結晶にしたような仕上がりになってまして、もうこれお手本みたいな大傑作だと思ってます。めちゃくちゃ上手いですね。
で、ここでちょっとお二人に質問です。まあこれ怖い映画って言ったわけですけれども、お二人にとって怖い映画ってどういう映画だと思います?
パッて浮かんだのは13日の金曜日みたいな。
ああ、なるほどね。
ゲンって。
突然現れてとか、カーテンパッて開けたら、おお、いるみたいな。
ああ、ありますね。
怖いよね。
やつはかむらのような。
ああ、ちょっとね。
ひたひたこうね。
ひたひたひたひた。
振り向くと何かいるんじゃないかっていうような。
ああ、でもそれもありますね。
だからやっぱり見る人によっても、もちろんその怖さの種類だったりとか、ホラー映画に求めるものだったりっていうのは違うと思うんですけど、黒澤金吉監督ご自身は、ある講演の中でご自身にとってのホラー映画、そして映画っていうのがどういうものかっていうことをわりと明確に言語化されてましてですね。
これがまさしくそのまま今回のチャイムっていう映画のうまさというか、見事さを見事に言い当ててるので、ちょっとそこ少し引用してご紹介したいと思います。
その講演の中で黒澤金吉監督は1990年の映画、羊たちの沈黙、あれを例にとりながら捜査官クラリスが連続殺人鬼レクターを前にして、ついに映画の終盤になっていく中で、
この世界のルールにレクターっていう男が全く当てはまらない存在であるっていうことを痛感し、ついに恐れおののくっていう場面を引きながらですね、黒澤金吉監督はこう言います。
これこそがホラー映画だと僕は思いますと。
すなわち世界には絶対に理解できないものが存在するとわかった瞬間の恐怖、あるいはどうやら世界はそれまで自分が信じてきたものとは全く違うようだと知った瞬間の逃げ場のない、
安坦たる気分、そういった人間の感情を描くのがホラーであると僕は考えますというわけですね。
足元からすべてが崩れていくような。
世界認識がもうガラッと変わっちゃうような恐ろしさですね。
確かに怖い。
さらにこの講演で黒澤監督の映画論にも移っていくんですけど、ここもちょっと引用します。
監督は映画というメディアを基本的には世界を描くための技術だと捉えています。
カメラは文字通りその世界をただ四角く切り取って映す装置なんだというふうにまず言うわけですね。
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そこに映された映像というのはもちろん撮影された時点のものであるわけですから、
これ言い換えるとすなわち過去の世界を映したものであるということを言うわけですね。
これは一見当たり前にも聞こえるかもしれませんけれども、改めて映画鑑賞として考えたときに、
そうである以上、私たち観客がスクリーン上で目撃するものというのは、
いつでもすでに起こってしまってもう取り返しのつかない出来事を目撃するしかないというふうに言うわけですね。
ここにこそわりと恐怖の源泉があるんじゃないかというふうになっていくわけです。
それを踏まえて改めてこのチャイムという作品を思い返すと、これが完璧に言ったことに当てはまっていくわけですね。
もはや一体いつ、どこから登場人物たちがこの恐ろしい世界に飲み込まれてしまっていったかがわかんない。
もっと言えば、映画が始まった時点から実はもうこの世界って狂ってしまってたのかもしれないというようなこと。
で、観客はそういう自分が信じる世界の約束ごとが全く通用しない世界の様子をなす術もなく、
ただ目撃するしかできないという、この恐ろしい経験を劇場で体験できることで、
9月6日からこのチャイムっていう映画は必見ですぞというようなですね、そういうご紹介でございました。
ぜひ黒沢清いやという2024年、その作品に触れてみてください。
皆さんありがとうございました。
ガールズパンチ×少女隊の×ラジオ隊。
×少女隊の春の木綱と青いリロマです。
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