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毎週木曜日のこの時間は三好剛平のCatch Up、クリエイティブプロデューサーの三好剛平さんです。おはようございます。
おはようございます。
さあ、今日はどんなものを紹介してくれるんでしょうか。
はい、今週はですね、10月20日からもうすでにKBCシネマで公開中の映画なんですけれども、
ヨーロッパ新世紀という映画をご紹介します。
これは2007年に観音映画祭でもパルムドール最高賞も受賞しているルーマニアの若き巨匠、クリスティアン・ムンジューという監督がおりますけれども、
このクリスティアン・ムンジュー監督の最新作でございまして、題材としては外国人労働者を迎え入れたルーマニアのある村で起きた実際の事件を元にした映画でございます。
ルーマニアの映画なんですけど、割と結構今本当この瞬間にこの世界のあらゆる人々、そして何より私たち日本人も結構これ他人事とできないぞっていう切迫した現実を描いた映画ということでご紹介をしたいと思います。
まずですね、今日はですね、お二人に三つの質問をしていきます。
はい、まず一つ目です。はい、いきますよ。
自分の国では不況が続き、いくら働いても収入は最低賃金レベルを超えることなく、生活はいよいよ困窮しています。
しかし近隣の国に目を移すと経済水準も自国より高い様子で、自分にももう少し高い賃金を稼ぐことができる仕事が見つけられそうです。
さあここで一つ目。あなたはそれでも自分の国で働き続けますか?どうか。
移住します。
早いね。
僕はそれでも残るかな。
残ります。最低賃金レベルですよ。大変ですよ。
みたいなのが一つあります。
二つ目。あなたの国は歴史的に数百年もの間ずっと隣接する様々な国や民族との対立にさらされては、何度も自分たちの国を奪われそうになってきました。
その恐怖心が今も国民感情として根強く残る最中に、また新たな民族が自分たちの街にやってくることになりました。
あなたは彼らを無条件に歓迎することができますか?
いやーこれ難しいな。
疑念としてはしたいけれども。
無条件に歓迎。
やっぱ怖いっていうところがどっかで発動しちゃうんじゃないかってことですね。
みたいなことがあります。
三つ目。あなたは日々暮らしていく中で他人から見下され、差別的な言葉を浴びせられています。
それに加え、かつて社会に教え込まれてきた規範意識が時代の価値観の変化によって刻々と塗り替えられる中、その変化に追いつけず、心のどこかに強い孤立感を抱いています。
あなたはそんな状態であっても決して怒りに任せず、どんな人にも優しく寛容であり続けることができますか?
自信がない。
いやーできない。
それはちょっと難しいことだもん。
渋いんです。
ここで投げかけた3つの質問なんですけど、これがいずれも映画の中に登場するルーマニアで暮らす労働者の人々の現状にまつわるものなんですね。
ルーマニアの国の歴史なんですけど、紹介し始めると実はものすごい複雑で、かなり難しいものでもあるため、
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今日もこの番組の中で触れようがないんですけども、
簡単に言うと、現在ルーマニアでは国の中にルーマニア人、ハンガリー人、ドイツ人、そして200年ほど前から奴隷や素人としてやってきた、かつてジプシーと呼ばれたようなロマ民族の人々なんかも混在している。
非常に多民族共生国家なんですね。
同じ国内で複数の言語であったりとか複数の宗教が混在していて、地域によってはハンガリー人の方がルーマニアなのにハンガリー人の方が多いエリアとかいうのもあったりするわけですね。
国の経済においても切実な格差と直面もしていまして、海外のデカセキ労働者を迎え入れないと社会が回っていかないような状況もあるということ。
このようなルーマニアということで、一見すると多民族が共生する社会でもあり、かつグローバル経済の中で機能している国家のようでもあるのだが、一方で今申し上げたような様々な火種を内包している国でもあるということで、
監督はこのようなルーマニアをヨーロッパのミニチュアであるというふうに答えるわけですね。
そういう中で今回ご紹介する映画、ヨーロッパ新世紀という映画なんですけども、まずあらすじをご紹介します。
これ舞台はルーマニアで、デカセキ先のドイツで暴力沙汰を起こした主人公のマティアスという男性がいます。
彼がトランシルバニアというルーマニアのある地方の小さな村に戻ってくるところから映画が始まります。
なんですが、マティアスとは冷めきった関係にある奥さんであったりとか、森で遭遇したある出来事をきっかけに口が聞けなくなってしまっている小さなお子さんであったりとか、
病気で衰弱してしまったお父さんなんかと向き合いながら接し方に迷う彼はですね、
その行き場のない思いをですね、元恋人である不倫相手シーラさんという女性に心の安らぎを求めているような日々が続いているわけですね。
ところがそのシーラさんが責任者を務める地元のパン工場がEUの経済援助の下、ツリランカからの外国人労働者を迎え入れるということを決めます。
このことをきっかけに、よそ者を遺嘆しする村人たちとの間に不穏な空気が村中に流れ出すわけですね。
その些細な諍いが最終的には村全体を揺るがすかなり激しい対立へと発展していって、
マティアスであったりとかその家族、そしてシーラさんの人生を一変させていくみたいな映画になるわけですね。
この映画、冒頭にも触れた通り、2020年にルーマニアで起きた実際の事件、外国人排斥の事件が元になっていて、
劇中では登場人物同士の何気ない会話の中に、この村の人々が置かれている現状であったりとか、そこに潜む差別意識みたいなものが徐々に描き出されていく前半があって、
その後ツリランカからの外国人労働者がやってきて、それを排斥に向かっていってしまう、一気に傾いていく後半へと流れ込んでいくわけですね。
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中でもこの映画の最大の見どころとなるのが、これは予告とかでも言ってるので明かしいと思うんですけど、村人全員が外国人労働者を受け入れるか否かについて、
村人全員で合議する会議が起きるんですけど、これがなんと17分間ものワンショットで捉えられるという、かなり弾力のある圧巻の場面がやってきます。
ここでは根拠のない感情論であったりとか、聞くに絶えない差別的な発言なんかもジャンジャン飛び交う中で、村民の排斥感情がどんどん加速的に燃え上がっていく、
そういうような場面になっていって、いよいよ手が付けられないぐらいに膨れ上がっていくまでを、17分間息もつかせず、本当のワンショットで目撃させられるわけですよ。
本当にお客さんとしては会議に放り込まれてしまったような感覚になって、なんとか彼らに見ている側からとしても、
いやいやでもそうじゃないはずだろって、そんなことじゃないはずじゃんっていうことを言いたいんですけど、
ただやっぱりその前までの見ている場面とかの中で、やっぱり彼らの現実も見てしまっているから、
やっぱりEUとか、もっと言えば私たちの社会が掲げる理念みたいなものだけでは、
彼らの切迫した現実には全然届く言葉になっていかないっていうことを、観客自らもその17分間とともに突きつけられるんですよ。
これどうすりゃいいんだよじゃって思いながら、もう手が止められない、どんどん進んでいくっていうのが現実になっていくわけですね。
こういうふうにして、劇中の外国人排斥だったりとか、もっと言えば社会的な、今政治的な、あらゆる悲劇みたいなものっていうのは、
その瞬間に突発的に起こるように見えるんだけど、実際はそうではなくて、それより以前の、
時には数百年もの、やっぱりそういう国が積み上げてきた歴史だったりとか、そういうものを根拠にして、
すでに私たちの内面とか、社会の奥底でくすぶっているものが、火種として着火して起きてしまうっていうことですよね。
これは例えば本当に今のイスラエル・パレスチナとかっていうのはまさしくそういうものだし、
本当にだからなんかこれはまず他人事じゃないなっていうことはやっぱり、
さらにはやっぱり今、日本という国が最低賃金が国際標準を下回って、海外からの外国人労働者を本当に迎え入れないことには、
本当に社会が回っていかないっていう少子高齢化のこの日本においても、この映画で起きるその天末っていうのが、
もう一切他人事じゃないんですね。
めちゃくちゃヒヤヒヤしながら見届けるしかない映画なんですけど、
まあでも本当、早晩日本のどこかで起きるかもしれないこの出来事を、
少しでも先回りして、それに抗うために向き合い備えておくためにも、
この映画っていうのは今見ておくべき映画だなっていうことで、ちょっと今日はこの映画をご紹介しました。
ヨーロッパのミニチュアっていう表現もできましたけど、
そのタイトルがルーマニアなんたらじゃなくて、ヨーロッパ新世紀ってしてるところが、
やっぱりそのビジョン対極観というか、監督の視点がやっぱすごいですね。
そうなんです。本当にだからやっぱりそのEUのある種の苦しいところが吹き黙ってしまっている現状っていうのと、
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しかしそれで回ってしまっているっていうところも含めて、非常に苦いな。
で、こんなか新世紀ってこんなかっていう苦しさとともに、
でもまあね向き合いながら、やっぱねそれに任せててもしょうがないので、
なんとかそれに抗う言葉を僕らも持っておかなきゃいけないという意味でも、
本当見ておくべき映画だなというふうに思います。
KBCシネマで現在公開中ということですね。
公開期限が多分そんなに長くないと思うので、
ちょっとぜひチェックいただければと思います。
お早めにお願いします。
はい、ヨーロッパ新世紀です。
はい、この時間は三好豪平のキャッチアップをお送りしました。
三好さんありがとうございました。
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