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毎週木曜日のこの時間は、三好剛平のCatch Up、クリエイティブプロデューサーの三好剛平さんです。三好さん、おはようございます。
三好 おはようございます。
さあ、毎回熱いプレゼントおなじみの三好さんが、今日は何を紹介してくれるんでしょう。
三好 はい。本日はですね、今週末が連休ということもありますので、県外まで足伸ばしてみるのもいいんじゃないかなということで、
熊本市現代美術館で開催中の遠距離現在、ユニバーサルリモートという展覧会をご紹介したいと思います。
遠距離現在?
三好 遠距離現在。
見に行くの大変ですね。
三好 そうそうそう遠距離現在なんです。で、僕実はこの展覧会ですね、開幕は10月だったんですけど、見に行って1ヶ月ぐらい経つんですけど、
僕もう会う人会う人に、あの展覧会は行った方がいいということをですね、熱弁しまくっていて、今日も正直喋るのに準備してる原稿を余裕でちょっと1時間以上喋れる、準備してるんですけど、とはいえそうもいかないので、なんですけど、でもそれぐらいいいと。
本当にね、日常にですね、浸食してしまったような感じ、なんか見終わった後にずっとその展覧会のことを考えちゃうような、結構すごい展覧会になってるので、ちょっと順に紹介していきたい。
余韻がまだ残ってる。
いやもう未だに余韻の中にあります。というかね、これ余韻から抜けれるのかっていうぐらいに結構ありますんで、ちょっと順に紹介していきます。
で、遠距離現在、このユニバーサルリモートっていう副題もついてるんですけど、この展覧会、今熊本市現代美術館で開催中の展覧会です。
場所的にはあれですね、鶴屋デパートの向かいにある、建物の中にある、都心の真ん中に現代美術館がある、とっても素敵な町熊本なわけですけど。
これですね、国立新美術館という東京の美術館の特定研究員ということをやってらっしゃる、ユン・ジヘさんという方が企画をされて、現在開催中のまず熊本市現代美術館が風切りになったんですけど、
その後東京の国立新美術館、あと広島市現代美術館へと巡回していくことが予定されている展覧会です。
展示の内容についてちょっとご紹介すると、これユンさんが図6に寄せられたお言葉も借りながらちょっとご紹介するんですけど、
本点は、コロナのパンデミックが始まった2020年から現在まで、この3年間が私たちにとってどのような時期だったのか、社会はいかにして今の姿に至ったのか、
今後の私たちはどこに向かうべきかを、現代美術を通して考える展覧会であるというふうにおっしゃってるわけですね。
もう少しちょっと展覧会の内容を紹介すると、展覧会はパンデミックっていうじゃないですか、
このパンデミックの窃盗語、頭についているパンっていう言葉、これパンアメリカとかね、すべてあまねくみたいな意味のパンって意味ですけど、
これを使ってまず一つ目のテーマとしてパンの規模で拡大し続ける社会っていうのを一つ置いてます。
もう一つは遠隔とか非対面みたいなことを意味するリモートということからリモート化していく、リモート化する個人というこの2つの軸を構成しているわけですね。
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8名1組の合計だから9組のアーティストたちによる現代美術作品を通じて、コロナ禍が明らかにした個人と社会の距離感みたいなものを観測していくというような内容になるわけですね。
って言われてもちょっと抽象的じゃないですか。ここでお二人に毎回恒例になっておりますが、お二人にご質問です。
お二人は2019年末から世界でコロナ禍を拡大しましたけれども、およびそこからですね、それに伴って社会とか価値観、テクノロジーがたくさん変化していったと思うんですけれども、
その変化によって自分と他人との距離感、および世界との距離感っていうのは近くなったと思いますか?それとも遠くなったと思いますか?
これ難しいなぁ。遠くなったんですよ最初は。だけど近くなる必要性というか大事さに気づかされたんですよね。
それはありますよね。近づかなきゃいけない、近くないといけないっていうことに気づいた。
距離取れって言われれば言われるほどね。
本当にあの結構今パッと考えるだけでもどっちもだみたいなショックをするじゃないですか。
リモートツールでつながるようになって近くなったようにも感じるんだけど本当にそれ近くなったって言えるのかっていうことだったりとか、
今本当に田畑さんがおっしゃったみたいにそのみんながもう世界で一つになって、ある目標に向かって行かなきゃいけないって心理的距離がめちゃくちゃ近くなったはずなのに、
そこからやられた施策っていうのはむしろ国境線とかあるいは自分と他人っていうものの境界線をめちゃくちゃ強くして感染しないようにしましょう、距離を取りましょうっていうことになったじゃないですか。
これ近くなったのか遠くなったのかみたいなことじゃないですか。みたいなことが出てくるということでしょうね。
こんな感じでですね、コロナ禍によって明らかになった私とか社会っていうものの距離感を見つめ直していくっていうのは今回の展覧会になっていくわけですけど、
これ真剣に考えていくと実は国境を飛び越えて拡大し続ける社会であったりとか、物理的な距離だけではなくていろんな形で孤立化させられていく個人みたいなのっていうのは、
実はコロナより以前から進行していたグローバル資本主義とかグローバル社会だったりとか、デジタル化社会とかそういうものが水面下で進行していたものが、
実はコロナ禍っていうこのタイミングを得て実は形を成して現れたものでもないかっていうことが見えてくるわけですね。
というのも実際ここに今回展覧会に展示されている作品の多くが実は2020年よりも前の、コロナより前の時点で作られている作品なんですけど、
この文脈の中にこの作品たちを置いていくと、不思議と、うわ、これコロナのこと言ってんじゃんっていうことになってくるんですよ、みたいな面白さがある。
でもここからね、1個1個じゃあどういう作品があるのっていうことをですね、本当に紹介したい。紹介したいんだけどさすがに時間が2時間いっちゃうので、
今日は涙をこらえて1個だけの作品にちょっと絞って紹介をしたいと思います。
私とあなたの距離っていうのを探っていくような作品ですけど、
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一つ、シュ・ビンというですね中国人の作家がおりまして、この方もキャリアも3、40年くらいになるくらいもう本当に大御所の作家さんなんですけど、
この作家さんが作ったとんぼの目というですね作品を紹介します。
これは81分の映像作品で、作品自体は2017年に作られた映像作品なんですけど、
まずこれとんぼの目って言いますけど、とんぼの目って実は2万8千個の目が集まってできている複眼という工法で作られていて、
1秒に4万回瞬きすると言われてるんですね。
この作品がどういう作品かというと、中国各地に設置された様々な監視カメラで撮影された実際の記録映像のフッテージをなんと1万1000時間分集めるんです。
それを材料として、ある男と女を主人公としたラブストーリーを捏造する、編み上げるっていうような、そういう実験的な作品なんですね。
これ語られる物語としては、ある男が片思いする女がいて、それを追いかけていくうちに女の人が失踪しちゃうと、
自分を成形して形まで変えちゃうみたいな、それを男自身はとにかく入れ込んで何とか捕まえようとするんだけど、
そうしていくうちにだんだん自分も見失っていって、自分自身を見失っていって、ところが自分自身の姿も変わっていってしまうみたいな、
そういうようなフィクションのラブストーリーが走るんですけど、その映像として使われるものはどこまで行っても一つ一つ実際に起きた、
中国で監視カメラの映像として撮られた映像のフッテージを積み上げていって、その物語に見えるようにしていくっていうことなんですよ。
で、その映像フッテージ一つ一つは異なる場所で撮影された脈絡のないものであるはずなのに、不思議とその物語の上に乗せちゃうと、
目ではわかるんですよ。目ではその映像が違う映像であるってことはわかってるのに、なんかその物語のように見えてきちゃうんです。
脳がつなげていくんでしょうね。
そうなんです。そうなんです。で、感情移入とかまでしちゃうんですよ。怖ってまずなるわけですよね。
で、さらに一方ででもやっぱりその映像一つ一つっていうのはどこまで行っても事実の記録でもあるわけですよね。
その物語の中身ではないんだけど事実の記録であるっていうことなので、これって言ったらドキュメンタリーとかニュースっていうものがやっていることと実は同じじゃないかっていうことにもなんとなく気づいてきてしまうわけですね。
自分たちが事実とか真実とか言って言われてるものを、実は結構これ早いものなんじゃねえかっていうことに気づかせてくれたりする。
おまけに一個一個の映像フッテージは本当に映画では絶対に再現できないような危ない場面とか本当に衝撃の場面とかっていうのもガンガン入れられていくので、不思議とやっぱりスペクタクルとして目が奪われてしまうんですよ。
入れ込んでしまうっていうようなこともある。怖っていうのがまたどんどん暴かれていく。
さらにやっぱりここで一番怖いのはやっぱりその監視システムの恐ろしさってことですよね。
すでにコロナ以前に定着していたものもそうですし、コロナ以降オンライン打ち合わせとかするじゃないですか。
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これアーカイブとして記録したいんでって言って撮るじゃないですか。
これインターネットサーバー上に自分の記録が残っちゃうわけですよね。
っていうことだったりとか、どこかに施設に入管するときに検温でって言って映像撮ってるじゃないですか。
あれも自分のそこにいたっていうものがインターネットサーバー上にどんどん残っていくみたいなことで。
とにかく僕らは無自覚なままにインターネット空間にどんどん膨大な自分の痕跡っていうものをある企業とかある個人に明け渡していってるっていうことがやっぱり明らかになっていくわけですね。
そういうこととかっていうことでやっぱりその自分と、まず物語が教えるところの個人とあなたみたいな。
私とあなたの距離っていうこともあるし、この映像全体が教えていく私と社会の距離っていうことだったりとか。
もっと言えば私と事実真実との距離みたいなものっていうのが見る見る玉ねぎの皮剥いていくみたいに明らかになっていくんですね。
怖いんだとにかく怖いんだ。
でも本当にそれが見たことのない映像の流れで81分の作品としてドスンとやられたときに本当言葉がないですもんこれ。
こんなことできてしまうのかっていうことの恐ろしさがある。
なのでもうこれちょっと是非見ていただきたい。
正直僕はこの一本見るだけでも熊本まで行く価値全然あると思ってます。
この作品なんですけど開館時間中の10時50分、13時50分、15時50分、17時50分っていう4回の上映開始時間が決まって流れるようになっているので。
できればもうその時間を狙っていくのが絶対賢いなと。
80分以上ありますからね。
途中から見ちゃうとね。それはそれで実は面白い体験なんですけど。
それ以外もですねこの展覧会映像作品が割と多くてその一本一本も10分から40分ぐらいの長さがある映像作品だったりもするので。
できれば3時間ぐらいのですねお時間をもって来ていただくとよろしい。
なんだけどそれはもう間違いなくその価値はある展覧会なので熊本市現代美術館のこの遠距離現在どうか見ていただきたいという熱弁でございました。
いやーもう左じゃなくて一泊ぐらいするつもりだ。
それぐらいしたいなと思いました。
ここまで三好豪平のキャッチアップをお送りしました。
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