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語ぶるいジャーナルep.8「第174回芥川賞の候補作を掲載誌で読んだ 前編」
2026-05-24 21:21

語ぶるいジャーナルep.8「第174回芥川賞の候補作を掲載誌で読んだ 前編」

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内容

なぜ芥川賞候補作を掲載誌で読んでいるのか/久栖博季 「貝殻航路」(文學界 2025年12月号)/奥野紗世子「この人の知らない戦争」/阿部あみ「処暑」/映画の対談/坂崎かおる「へび」(「文學界 2025年10月号)/三木三奈「わずらい」/筒井康隆「蒲鉾と高下駄」と水中、それは苦しい/中村拓哉「日本語ラップ・ビーフ小史」と山本浩貴(いぬのせなか座)「ささやかな「本当らしさ」からこの世界そのものの「フィクション」へ」から「生活史」と「令和エッセイブーム」へ/

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サマリー

本放送では、第174回芥川賞候補作を掲載誌で読んだ感想を語る前編として、まず芥川賞の概要と、候補作を掲載誌で読む理由について解説。その後、候補作の中から「貝殻航路」「この人の知らない戦争」「処暑」の3作品について、それぞれのあらすじと感想を述べた。特に「処暑」は、日常に潜むカルトの影という不穏な要素が興味深いと評価。また、文学界12月号には映画対談やノーベル文学賞作家の論考など、小説以外の読みどころも多いことを紹介した。

芥川賞の概要と掲載誌で読む理由
特殊カルチャープログラム NOIZ NOIZ NOIZ FM 暗黒編集者の Jun Okuboです。
本日は、語ぶるいジャーナルの第何回なんだっけ? 7回だか8回だか、そのくらいをお送りします。
語ぶるいジャーナルは、私 Okuboが主に一人でお送りしている 本の話を中心としたカルチャートーク番組です。
本日は、芥川賞の候補作を掲載誌で読んだ という話をしたいと思います。
2、3回前くらいから、芥川賞の候補作が発表になると、 それをもともと掲載されていた雑誌で読むということをしています。
なぜ、芥川賞の候補作を掲載しているのか?
芥川賞というのは、よく芥川賞と芥川賞と言われているけれど、 どういうものなのか、よくわからない人もいるかもしれないので、
その説明からしてみると、基本的には芥川賞というのは、 純文学の新人に与えられる短編の賞です。
同時に直樹賞というのがありまして、 芥川賞というのは正確には芥川龍之介賞、
直樹賞というのは正確には直樹三十五賞というわけなんですが、
直樹賞の方は、いわゆるエンターテイメントの長編を対象にした賞で、
こっちはね、割と中堅からベテランまでかな、
ちょっとそろそろ中堅どころくらいの感じの作家が取っているという感じなんじゃないですかね。
その辺ちょっと規定が、直樹賞の方はあまりよく知らないんですけど、
芥川賞に関しては、
まずその委員会がありましてですね、
その委員会がある程度、その半年間に文芸師といわれる、
古代文芸師というのがありまして、
新庁舎から出ている新庁、文芸春秋から出ている文芸、
それから川出処方針社から出て、
あ、あれ、今、文芸春秋から出ているのは文学界ですね。
あと川出処方針社から出ている文芸、
それから高壇社から出ている群蔵、
あと周永社から出ているすばる、
この5つの雑誌を中心に、
たまにね、いわゆる早稲田賞築、
早稲田賞築じゃないよ、さっきから今日は言い間違いが多いですね。
早稲田文学掲載の短編とかそういうのが対象になる場合とかもあるんですけど、
基本的にはこの5つの雑誌に載ったものというのが先行の対象になります。
なので、まずいったん何かの雑誌に掲載されているわけなんですね。
その掲載されている雑誌を、
候補作だけじゃなくて、その雑誌一冊丸ごと読むということをやっています。
文芸史というのは文芸だけ期間3ヶ月に1回なんですが、
あとは基本的に月刊誌で毎月出ているんですけど、
仕事でもないのに文芸史を毎月読むのも大変なんで、
アクター側賞候補が載っているときくらいはその5を丸ごと一冊読もうかなみたいな感じということですね。
なんでそんなことをしているのかというと、
昔はアクター側賞というのは受賞作よりも受賞を逃したそれ以外の候補作の方に面白いものが多いみたいなことを言われた時期がありまして、
これも20年以上前の話になるんですけど、
豊崎由美さんと本森臨さんが文学賞めった切りっていう連載なんかをしていて、
その中でもよく選票なんかに対して批判をしていたことがあったわけなんですけど、
そういう意味では近年のアクター側賞は比較的その頃に比べると納得感が高いみたいなことも言われたりはしているんですけど、
選票に批判が入るみたいなことはちょいちょいなくもないんですけど、
昔ほど頓珍感なものは近年は割となくなっているんじゃないかという気はします。
そういう意味では受賞作だけ読んでいてもいいのかなという気もするんですけど、
そうは言っても候補に上がるくらいのものはそれなりに注目作ということではあるんだろうなということで、
一応読んでおくかみたいな感じで読んでいるという感じです。
掲載紙で読むと他の作品だったり小説以外にもいろいろ載っているわけなので、
そういうのも読んで気づくこともあるので、今回は実際読んでどうだったかみたいな話をしていきたいと思います。
第174回芥川賞候補作紹介(前編)
福田川賞の候補作は今年の頭くらいに発表になったものなので、
もう5ヶ月くらいかかっちゃっているんですけど、全部読むまでに。
第174回福田川賞。
これが大体昨年の秋冬くらいの、昨年後半のものですね。
発表されたものから選ばれているわけなんですけど、
候補作としては文学界の2025年12月号に掲載された「くずひろき貝殻航路」、
それから文学界2025年10月号に発表された「坂崎カオル蛇」、
それから文芸の2025年冬号に掲載された「坂本湾ボックスボックスボックスボックス」、
そして群蔵2025年8月号に掲載された「鳥山誠時の家」、
それから新潮2025年12月号に掲載された「畑山牛尾叫び」。
この5作が候補作に上がっています。
第173回、その前の回というのが受賞作なしだったので、
それはそれで結構批判されたわけなんですけど、
今回は2作品受賞。「時の声」と「叫び」が受賞しています。
前回も候補作全部読んだんですけど、
前回受賞作なしで、今回2作受賞というのも、
そんなに著しく差があるだろうかというと、
そんなでもないような気もするので、
それはそれでまたすっきりしないというか、
もやっとするところはあるんですけど、
とにかく実際に掲載紙で読んでみたという話をしていきたいと思います。
まず、「くずひろき・貝殻航路 文学会2025年12月号掲載」というものです。
こちらは北海道を舞台にした小説で、
女性が主人公で、夫は愛の出身のミュージシャンなんだけど、
これがフラッと姿を消してしまいます。
一方、父親というのが元漁師なんですけど、
かつてロシア兵に捕まったことがあって、
それがトラウマになっていて、
それによってアルコール依存症みたいな感じになっていた上に、
最近では認知症にも突入しているというような状況にある。
そんな中で、父親が亡くなったというので、
遺骨を車に積んで元実家を訪ねるという展開をしていくんですけど、
一緒に行く友人の女性とのシスターフッド要素みたいなのもあるような、
そういう感じの小説だったかと思います。
ちょっとそれ以上のことはあまり印象に残っていないというか、
焦点が定まっていない感じはするかなという気がする小説ではありました。
この文学会25年12月号には、その他に小説画一作、
奥の左横、この人の知らない戦争というのが載っていまして、
こちらは女性が主人公で、
単価の会に参加している女性というのが主人公です。
この人が単価の会で知り合った男と付き合い始めるんですけど、
その男が付き合い始めたら、
彼女のことを歌に読んで、それによって注目されるということになって、
それに対して、そもそも好き好きみたいな感じで付き合っているわけでも、
ないみたいなのもありまして、
そういうような相手が自分のことを歌に読んで、
注目されていくみたいなことに関して、
作詞されているような思いを抱いていったりみたいな感じですね。
これも、その男との関係というのも一方であるんですけど、
それ以上にそれにまつわるシスタフット的な要素というのが、
強い作品だったかなという気がしまして、
シスタフットつながりみたいなところがあるのかなという感じがしました。
あとは掲載作というかですね、
文学界は時々、
同人誌に掲載された作品の中から優秀作というのを選んで、
掲載している号というのがありまして、
この号にはそういうのが載っていてですね、
これが安倍亜美さんという方の書書というのかな、
これもやはり女性主人公なんですけど、
離婚した後も夫と同じ家に住んでいて、
元夫からは公家さんとか呼ばれているという女性が、
母親からはその関係気持ち悪いみたいに言われているんだけど、
その母親自身は宗教をやっている、
さらに言うとその主人公は仕事先の同僚からボランティアと呼ばれたりしているんだけど、
それもまたどうも宗教団体が関わっているらしいみたいな感じでですね、
日常の中にカルトの影が見え隠れするみたいな感じでですね、
ちょっと変わった日常みたいな元夫との関係みたいなところと、
カルトの影が見え隠れする不穏な感じみたいな、
そういうバランスがなかなか面白いものでした。
この後載っていた小説、3作ともそこそこ面白かったかなという、
正直この、
古田川諸候補作になった貝殻航路よりも、
それ以外の2作の方が面白かったんじゃないかなという気がします。
で、文芸誌って他にもいろんな記事がありまして、
文学界12月号のその他の掲載内容
筒井康隆が自伝の観光記念のインタビューというのを受けていて、
文学で笑いがやれるみたいなことが、
自分としてはすごい発見だったみたいな話をしているものだったり、
あとはですね、
三宅翔監督の旅と日々というのがちょうど公開されたタイミングで出たら
ゴーだったみたいなので、
ここで監督本人と小説家の柴崎智子さんの対談が載っていたりとか、
あとはですね、
ワンバトルアフターアナザーがアカデミー賞を割と接見した
ポール・トーマス・アンダーソン監督の最新作ですけれども、
こちらをめぐって大谷明さんとセメント・シングさんという方たちが対談しています。
映画の記事というとですね、
後男社の群蔵では過去の映画関係の記事を集めて、
群蔵シネマというのを出していたんですけど、
文学界でもひょっとしたらそういうのが出たりするのかなということも思ったりしました。
あとは、この後にはノーベル文学賞を昨年受賞した
クラスナ・ホルカイ・ラースローについての作家論みたいなものが載っていて、
これもあんまり日本で紹介されていない作家だったので、
結構貴重な内容だったんじゃないかなと思います。
みたいな感じで、なかなか読みどころの多い語だったのではないかと思います。
第174回芥川賞候補作紹介(後編へ続く)
続けて、同じく文学界2025年10月号掲載の
坂崎香るヘビーについていってみたいと思います。
これはですね、あなたはというので始まるので、
いわゆる二人称小説なのかなと思ったんですけど、
途中まで読んでいくと語り手としてボグというのが出てくるんですね。
喋っているボグというのはヘビのぬいぐるみなんです。
なのでヘビというタイトルなわけなんですけど、
このヘビのぬいぐるみというのが、
あなたというのは男性なんですけど、
あなたを含む一つの家族を観察しているという形で書かれている小説です。
あなたという人の子の息子が、
一人息子がちょっと発達特性を思わせる感じで、
結構周囲とトラブルなんかも多かったりみたいなことのある子で、
その息子をめぐってちょっと夫婦間でも対立とかしがちだったんですけども、
それがある時期から妻が人形になってしまったと。
これ人形になってしまったというのが、
比喩的な話をしているのか本当に人形になっちゃったのかみたいなところは、
はっきり書かれていないというものです。
そういうような状態、状況で始まってまして、
学校の先生の勧めで息子が野球チームに入って、
そっちでまた何か展開をしていくみたいなもので、
いわゆるマイクラが子ども同士のコミュニケーション手段をして出てくるみたいなところもちょっと面白いなみたいな感じなのと、
あと文章の途中にスラッシュを入れて、
かっこ書きみたいな話をスラッシュを入れて挟んでくるみたいな、
あなたは…みたいなのを含めて語りの手法がなかなか面白い小説です。
これね、前にも北川賞候補にやった海岸通りっていう小説もなかなか面白かったんですけど、
今回のほうがより良かったんじゃないかなと思います。
あとこの坂崎薫さんというのはもともと政府畑出身の人で、
嘘つき姫という短編集が出ていて、これもすごく良かったですね。
SFと人文学と両方書くタイプの方ということなので、
これは引き続き注目していきたいなというふうに思いました。
経済作としては他に、わずらいという短編がありまして、
こちらもちょっと発達属性があるのかなみたいな感じの子どもたちが出てくる、
やはり学校を舞台にした小説です。
主人公は音読ができないという主人公ですね。
ちょっとこの旧友だったり、旧友と恋バナになったりとかですね。
すごい恋愛能みたいなうざい感じの同級生が出てきたり、
カタカナが読めてないんだけどそれを隠しながら学校に通っている同級生がいたりとかですね。
途中で大学生の彼氏が出てきたりとかですね。
いろいろとそれぞれに個性があるというかね。
そういう短編で、こちらも面白かったです。
あとはですね、筒井康隆。
先ほど次伝を出してインタビューを受けていたというのをお話ししましたが、
筒井康隆が「かまぼことたかげた」という小編ですね。
2ページとかのやつを書いてまして、
これは言葉遊びのつるべ打ち的な感じの小編がありまして、
水中それは苦しいというロックバンドがギャグを畳みかけてくる感じみたいなのにちょっと似てるなというふうに思いました。
特集としては、和田やりさの新作「激しくきらめく短い命」というのの観光記念特集というのが組まれてまして、
こちらも長いインタビューと書評が2本、作品論が2本掲載されていたりみたいな感じなんですけど、
これについては作品を読んでいないのでなんともという感じです。
勝手に震えてろくらいまでは和田やりさについて読んでいたんですけど、
気がつくと結構たくさん読めていない小説があるので、いずれまとめて読みたいなという気がします。
あとは、批評が2本載っていて、これがどちらもまたテーマにつながりのあるもので、
中村拓也による日本語ラップビーフ少子というのと、犬の背中座の山本ひろき、
ささやかな本当らしさからこの世界そのもののフィクションへ、日記ホラーブームと恐怖進展、魔法少女山田という長いタイトルの論考、
この2本の批評が載ってまして、これが日本語ラップにおけるビーフというやつですね。
こういう名詞を入れてくることだったり、どういう風に勝ち負けというのができていくのかみたいな話だったり、
あとはアンダーグラウンドというものがどのように商用されているのかみたいな話だったり、
この辺りでもラップの世界というのはすごくリアリティというものを重視する世界であるという話になっているとは思うんですけど、
それでいうと、山本ひろきさんの日記ブームとホラーブームについての話というのも、
これもやはりいずれも、特にホラーの中でも、いわゆる近年非常に強くなってきているモキュメンタリーホラーと言われるものですね。
この2つのブームには通定するものがあると。
それというのは、小さい話の中で本当らしさというものを見せていくみたいな、そういうものをめぐっている話で。
本当らしさ、身近であるということによる本当らしさみたいなものって、
たこつぼ的なというか、エコチェンバー的なものに陥っていくという危険性みたいなことも含めて指摘しているというような評論でして。
ここ数日、岸正彦さんのいわゆる生活史というものについて議論がSNSでも起こっていまして、
さらに言うと、それと合わせて昨今のエッセイブームの話みたいなものにもつながるような議論がSNSで、
一瞬盛り上がったような盛り上がってないような感じになっているようなんですけど、
ちょっとそのあたりの話ともつながる内容なのではないかなと思いました。
昨年出た評論ですが、今このタイミングで読んでみても面白いんじゃないかと思います。
番組の締めと次回予告
というような感じで、すでに結構長くしゃべってきておりますが、
あと3作あるんですが、ちょっとこの辺で前編は終了みたいな感じにしまして、
次章作を踏め、続きはまた次回後編という形でお送りしていきたいと思います。
ということで、今回のご意見・ご感想などありましたら、
番組の概要欄にお便りフォームを載せておきますので、
ご意見・ご感想・質問・リクエストなどなど、どしどしお送りいただければと思います。
ということで、本日は芥川賞第174回芥川龍之介賞候補作を掲載紙で全部読むの前編でございました。
ということで、また次回をお楽しみに。
21:21

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