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2026/03/16 ちょっと深掘り“考古楽”#12
2026-03-21 37:58

2026/03/16 ちょっと深掘り“考古楽”#12

 突然変異による人類の進化

感想

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サマリー

このエピソードでは、人類の進化における突然変異、自然選択、地理的隔離の役割について掘り下げています。特に、遺伝子のコピーミスによる突然変異が、肌の色や目の色といった外見の変化にどのように影響したかが、イギリスへの移住を例に説明されています。また、食生活や生活習慣の変化も、身長や骨格といった身体的特徴に短期間で影響を与えることが、戦前と戦後の日本人の比較から示唆されています。 さらに、人類の進化における火の使用の重要性が強調されています。火の使用は、調理による栄養摂取の向上、寒冷地への進出、捕食者からの防御を可能にし、特に脳の発達に大きく寄与したと考えられています。火を起こす技術の獲得は、ネアンデルタール人の時代まで遡るとされ、食料の調理だけでなく、環境改変(焼き畑など)にも利用されるようになったことが語られています。火は、神話や伝説においても重要な役割を果たしており、その恩恵と恐ろしさの両面が、人類にとっての火の重要性を示しています。 最後に、現代人の脳が過去のホモ・サピエンスと比較して小さくなっているという研究結果が紹介されています。その原因として、氷河期における体温調節、文字の発明による記憶負担の軽減、農耕社会への移行による生活環境の変化、そして平和主義的な社会構造への移行などが挙げられています。脳の大きさだけでなく、神経回路の複雑な繋がりが重要であり、現代人は記憶力では劣るものの、抽象的な思考能力に長けているという見解が示されています。また、人類の歴史の大部分を占める狩猟採集生活についても触れられ、現代社会との繋がりが考察されています。

人類の進化と外見の変化:突然変異と環境適応
FM八ヶ岳 デインライフ ちょっと深掘り考古楽の時間です。
人類発生から600万年、21世紀の現代までの長い長い人類の歩み。
北都市在住の考古学者、かやがたけ歴史文化研究所主任調査員の佐野隆さんに、優しく楽しくお話しいただきます。
聞き手は、柴山博子です。
佐野さん、前回は人類の人種の話でしたよね。
元は同じ、それが何で変わっていったんだろうというような話をしていましたよね。
確か前回の最後では、人類といっても生き物なんですよね。
生き物というのは、変化に対して非常に適応力があるというか、柔軟性が高いというかね。
そういうことだろうと思うんですが、生活習慣とか食生活とかそういうものの変化によって
体の仕組みですよね。特に見た目ですよね。
それが大きく変わるんだというお話をしたと思うんですね。
そもそも生物が変化していく、これを進化と言いますけれども
進化というのは遺伝子が突然変異を起こす。
正確に遺伝子を、遺伝情報をコピーできずに、ミスコピーが必ずできる。
それが蓄積して時にある身体的な変化を起こすということがありますよね。
あとは自然環境が変化していく中で、その環境変化に適応できた生物とできない生物、
片方は絶滅し、片方は生きながら。そういう自然選択というのもありますよね。
もう一つは、元は同じだったんだけど、遠い地域に別々に暮らすことで
それぞれ独自に突然変異を蓄積していって、だんだん見た目も含めて変わっていく。
ガラパゴス島で見られたような生物の違い、地理的な隔絶。
それによっても進化というのは起きるわけですね。
先ほどのかつて人種と言われた、私たち原生人類の見た目の違い。
これがなぜそんなにはっきり出てくるのか。短い期間でそんな風になってくるのか。
私も不思議だったんですけど、いろいろ遺伝学の勉強をしてみると、
生まれてくる子供、赤ん坊というのは基本的に父親と母親からそれぞれの遺伝子を一組ずつもらって、
48の染色体の組み合わせで生まれてくるわけなんですが、にもかかわらず、
人間の遺伝子ってそもそも膨大な量があります。膨大な量があるんですが、
生まれてくる赤ん坊は平均すると60個とか70個の突然変異があるんだそうです。
コピーする遺伝情報が膨大なので、お父さんから遺伝子情報をコピーしてもらってくる。
お母さんから遺伝子情報をコピーしてもらってくると。ですがミスコピーが必ずある。
それが60とか70ある。意外にたくさんあるんだ。
そんなにたくさんあるのか。
そのたくさんある突然変異というのがほとんどは無意味な、ただのミスコピーで害もないというものなんですが、
中にはそれが重大な意味を持っているものもあったりしてですね。
例えば、2万年前にブリテンとイギリスに行った人たちが、おそらくアフリカからずっと行ってきた人たちなので、
肌が黒くて、髪の毛もちょっと縮れた感じでね。最初は目もおそらく茶化色、黒かったと思うんですが、
生まれてくる赤ん坊の中にそのメラニン色素をあまり作らない、そんな突然変異を持った個体がいたりしたんです。
アフリカでもしその子が生まれたら、おそらく強烈な日の光、紫外線に目をやられて、視力が低下しちゃったりして、長生きできない。あるいは子孫を残せない。いなくなっちゃうんです。
イギリスだと高緯度帯なので、目が青くても何も問題がなかった。やがてその目が青いという遺伝子を持った子どもが、また子どもを設ける。
そういうふうにして、青い目の遺伝子が増えていって、やがてそれがむしろ多くなった。そんなふうな変化があったんだろうと思うんですね。
意外に遺伝子というのは突然変異が多いんだというのが分かりました。面白いですね。
あと生活習慣なんかでも、それこそ日本の戦前と戦後の比べてみただけでも、外見的なものはずいぶん変わったなって。
そうですよね。
背の高さが今の子とその当時の人たちとでは全然違うでしょう。
栄養状態も違うし、それから畳で生活するというのから、テーブルと椅子というのになって、それによって下半身、特に膝から下の骨の発育がずいぶん変わるらしいんですよね。
なるほどね。
それで背が高くなって。
そうですね。
戦前や明治時代の日本人の写真と現代の私たちを見比べるとずいぶん雰囲気が違いますよね。
そうですよね。姿勢というのかな。それからして骨格が違ったのかなという感じがしますよね。
かつての多くの日本人のように大変な農作業をしなくなったとか、いろんな理由でも体つき変わってくると思いますしね。
そうですね。だから外見の差というのは、すごい長い時間をかけてではなくて、意外と短くでも変わり得るということですよね。
そうですよね。そんなことで、人種というのは生物学的には否定されているけど、確かに見た目は違うよね。
ただ、その見た目の違いというのを、あまり事さらに誇張してしまうのはあまり良くないんだろうね。
そうですね。
ということですね。
もともとはみんな一緒なんだよって。
そうなんですよね。
それを常に意識していると、だいぶ違ってくるんじゃないのかなという気がしますね。
だと思いますね。
もう一つ、人類が進化していった過程で見過ごしてはいけない重要な点が、火を使うということですね。
ああ、はい。
他の野生動物で火を使う動物っていない?
ですね。
人間だけです。なので、火を使うというのは非常に人類の進化にとって大きなインパクトを持っていたんですね。
私ちょっと思ったのは、二足歩行になりましたよね、人間が。
結局、他の動物は四歩で動いているから、手が発達するということはなかったんじゃないかと思うんですよ。
二足歩行で歩くのには足を使い、手は別の目的で使えるようになったから、火も使えるようになったのかな、なんて気がするんですけど。
そうですよね。チンパンジーやゴリラはかなり前足、腕を大きいように使いますが、それでもとても人のようにはいかないわけなんですね。
なので、火を使うというのは、二足歩行をするということとも大いに関係があったと思うんですけれども、
いつから人類が火を使っていたのかというのは、はっきりとは分かっていないんですが、200万年前くらい、ホモエレクトスですね、原人の段階ですね。
ユーラシア大陸までは進出した原人たち。この頃にはすでに火は使っていたと言われています。
200万年前。
おそらく自然に山火事とか伸びとか、自然に落雷とかで起きた火を見て、おそらく大草原で自然に生じた伸び、火災が起きて逃げ遅れた動物がいて、それを食べてみたらこんがり焼けておいしかった。
これは良い。生肉って意外に消化が悪いんですよね。なんだけど、焼くことで人類の火を罠一応でも消化ができるようになるわけですけれども、そうやって、火って意外に便利だというのを発見していくわけですね。
いつの頃から人類が自分で自由に、ライターはないわけですけれども、火を起こすという技術を身につけたのか。
これも40万年くらい前には火を起こせたんじゃないかと言われていますね。これも遺跡の調査から推測されていることなんですけれども。
40万年前というとちょうどネアンデルタール人とかデニソワ人とか旧人段階ですね。
ホモエレクツスが人為的に火を起こせたかどうかはわからないんですが、ネアンデルタール人たちはそれが確実にできただろうというふうに言われていますね。
火の使用:人類進化の転換点
火を使うことで何が良かったか。いろいろ思いつきますよね。焚き火ができることで暖かい、寒い地域まで進出できるとか。
あとは火を使うことで動脳な動物を追い払って身を守ることができるとか、いろんな理由があるんですが。
おそらく人類の進化の中で火を使うというのが一番インパクトが大きかったのは、やはり食生活だろうと思いますね。
先ほどもお話ししましたが、生肉というのは消化が悪いんですが、焼いて食べることで非常に消化が良い、高カロリーの食べ物になった。
肉をたくさん食べられるようになったということで脳がより大きく発達できる。脳は非常にエネルギーを消費する臓器ですので、脳を大きくするためには高カロリー、高品質な食べ物をたくさん食べなければいけない。
火を使うことでそれが可能になったということですよね。
もう一つは植物質の食料ですよね。
例えば私たち今お米を食べたりパンを食べたりしていますが、生の米や生の小麦を食べても、澱粉をちゃんと消化吸収できないんですよね。
加熱してアルファ化することで澱粉って消化できるんですよね。
なので植物質の食料も火を使う、加熱調理をすることで人類が消化して食料として活用できるようになったということでもあるんですよね。
なるほどね。やっぱり火を使えるようになったというのはものすごく大きなことなんですね。
しかも加熱調理すると、あともう一つ大事なのは殺菌作用がある。
寄生虫を殺したり、感染症の原因になる細菌やウイルスが焼くことで死滅したりということで、そうすると健康状態、栄養状態だけじゃなくて健康状態も改善していく。
そういう食生活面でまず火を使うというのは非常に重要な人類の一場面であったわけですよね。
そうですね。ここで音楽を一曲おかけしたいんですが。
はい。今回もチェコの国民楽派の作曲家、レオ・ヤナーチェクの組曲第1週から第4番の曲ですね。
フリーデクの聖母マリアという小曲ですが、お聴きください。
FMSがたけデイライフをお送りしております。
この火を使えるようになったということは、ものすごく人類が発展していくというか、ものすごい大きなきっかけになったんじゃないかなという感じがしますね。
全くそうなんですよね。火を使うことで暖が取れる。それから明るくできる。暗いところを明るくできる。それから食べ物の調理ができる。
そういうメリットがあったわけですが、もう一つ忘れてはいけないのは、火を使って人類が草原や森を焼く。焼き払う。
今度は人為的にね。今までは自然でそこから火というものをわかったんだけれど、今度は自分たちが火を起こせるようになれば、逆にそれを利用しようということになるわけですね。
例えば偶然、自然の落雷によって森が焼けて草原になっちゃった。
そうしたら草原になったらそこに草食動物、シカとかが餌を求めてたくさん集まってくるようになった。
人類はそれを見ていて、森を焼いたらかえって食べ物が増えるんだと。狩りの獲物がたくさん増えたと。そんなことを発見するわけですね。
あるいは森を焼いたら草原になってそこにわらびとかゼンマイとか植物がたくさん生えてきた。
食べられるものがたくさん生えた。それを経験的に学ぶわけですよ。
今度は人類がシカの餌場を作るために、あるいはわらびをたくさん生やすために、今度は人類が自ら火をつけていくわけですね。
そうやって火を使って自然環境を人間の意思によって変化させていく。
そういうことだ。
今につながる開発行為、あるいは自然破壊が火の使用とともに始まっていくわけですよね。
なるほどね。そういうことですね。
そんなことも環境への影響というのも非常に大きいですよね。火を使うというのがね。
生活の利便だけじゃなくてね。そういうことですね。
人類にとって火がどのくらい大事だったのかというのはですね。
世界のいろんな日本人も含めてですね。世界のいろんな民族のですね。
昔話や伝説神話の中で、火がどんな役割を果たしているかというのを見るとですね。分かるんですよね。
イギリスの神話学者、社会人類学者、ジェームズ・フレーザーという有名な人がいましてね。
ご存知の方もいるかもしれません。金氏編なんていう本で有名な人なんですが。
彼が火の起源の神話なんていう本も書いていてですね。
その中で、世界中のいろんな民族がどうやって火を得たかなんていうのを物語っているんですよね。
有名なところでは、ギリシャ神話のプロメテウスという神様がいますね。
人間のために火を盗んできて、人間に火を。これが火だよと分けてあげた。
その代わりにプロメテウスは罰を受けて、断崖絶壁に縛り付けられて、毎日ワシが来ては肝臓を食べていくと。
いくら食べても神様だから死なない。そうやってずっと苦しんでいる。
そんな神話があって、これご存知の方多いですよね。
日本だと古事記なんかに、イザナギとイザナミが結婚して神々を生み、日本という国土を生んでいくわけです。
その中で家具土という火の神を生んで、それが原因でイザナギは死んでしまうわけですけどね。
そんなふうにして火の神が生まれる。
その家具土が生まれたことでイザナギが死んでしまう。
それを嘆き悲しんだ夫のイザナギが家具土を殺しちゃうんですね。
殺すんですが、家具土の死体からたくさんの神々が生まれていく。
それというのは、火を使うことでいろんなものが生み出せるということの象徴なんだと思うんですね。
そんなのがやはり日本の神話の中にも描かれているわけですよね。
愛の民族の中にはいろんなカムイ、精霊や神々がいるんですが、火の神様というのはアペフチといってですね。
アペというのは、フチというのはおばあさんという意味なんです。
家を守るおばあさんの神様、それが火の神だということなんですね。
愛のの人たちもそうなんですが、世界中のいろんな民族が火の神様というのは非常に大事な偉い神様なんだと。
その火の神が人間と他の神々や精霊の媒介、仲介役を果たしてくれる。
そういう大事な存在なんだという信仰を持っているんですよね。
そのくらい人類にとって火というのは大事だったということなんですね。
火を使える、今でもね。
今ちょうど冬の時間に収録しているんですけれども、あちらこちらで山林火災があってね。
今でも人間がコントロールはなかなか難しいですよね。
その当時の人たち、火を使い始めた人たちはどういうふうに火をコントロールしていたんだろうなんて。
コントロールできなかったんですよね。
そうかそうか、逆にね。
なのでその火は便利だと。
人間にたくさんの恩恵をもたらしてくれる。
一方で、一旦火がついてしまうとコントロールできない。
そういう恐ろしいものでもあるっていうね。
両面を持った存在として火というのが考えられて、
それゆえに非常に重要な神様としても崇められる。
そういうことなんだろうと思うんですよね。
はい、わかりました。
じゃあここでまた音楽を一曲おかけしたいと思うんですが。
はい、じゃあヤナーチェックの続きでですね。
組曲第1週から第5番目。
「ツバベのようににぎやかに」という曲をお願いします。
FM安畑、デインライフをお送りしております。
火の話をしていて、火って怖いし、
使えると便利ではあるけれども、
気をつけて使っていかないと、
私たちの今でもやっぱり注意していかないといけませんよね。
そうですね。
いろりの火とか暖炉の火とか、
不思議と火を見ていると心が安らいどり落ち着いたり。
そうなんですよね。
焚火なんかもいいですけどね。
なので、火というのは人類の進化をしてきた私たち、
人類の脳の中に何か一定の作用をするような存在として、
脳の中に認識されているような気がしますよね。
なるほどね、そうですね。
人類の進化と拡散の最後の話題で、
もう一度改めて脳のお話をしたいと思うんですけど、
実はですね、
2万年前あるいは7万年前のホモサピエンスに比べると、
私たち現代人の脳って小さくなっているらしいんですよね。
え?
小さくなっている。
小さくなっているっていうことは?
我々現代人は進化の最前線にいると思っているんですが、
実は脳は小さくなっている。
そういう研究成果があるんですね。
脳の容量は小さくなっている。
脳の大きさが小さくなっている。
2万年前の旧石器時代の人たちの脳の大きさに比べると、
1割以上、13%くらい縮んでいるらしい。
それって頭蓋骨か何かで分かるのかしら?
現代人の脳はCTとかMRIで分かりますけど、
旧石器時代の人の脳は頭蓋骨の中の容量でかなり正確に分かるんですよね。
そうすると小さくなっている。
さらに言うとネアンデルタール人の脳みそって結構大きいんですよ。
あの人たち、頭は大きかったのに脳も大きいんですよ。
孔徳が発達していたんじゃなかったっけ?
そうですよね。
そういう人たちに比べると現代人の脳は小さくなっている。
じゃあ現代人って実は頭が悪くなっているのか。
そう思っちゃいますけど。
そう思っちゃいますが、実はそうでもないようなんですね。
まだ脳の大きさがなぜ小さくなったかというのは、
原因ははっきり分からないらしいんですが、
いくつか有力な説というのはあるようです。
その一つは、旧石時代の人たちって寒い氷河期に生きてたんですよね。
脳というのは、知恵熱なんていう言葉があるじゃないですか。
頭使うと熱が出たり。
脳というのは非常にエネルギーを消費する器官、臓器なので、
やはり頭使うと発熱するらしいんです。
あまり脳が大きくて、いっぱい頭使って発熱すると、
自分の熱でタンパク質がおかしくなってしまう。
旧石時代の人たちって氷河時代に生きていて、
寒い時代に生きていたから、
いくら頭使ってもそんなに脳が熱くならない。
だから脳が大きくても大丈夫だったんだという説が一つ。
でもアフリカにいた頃の人類は、
熱かったからどうなんだろうって思いますよね。
これも一つの説ですね。
二つ目の説は、今から7000年くらい前、6000年くらい前ですね。
エジプトやメソポタミアで古代文明が発達して、
やがて文字が発明されて。
今までは記憶に頼るしかなかったのが、
文字という記号で情報を書き留めておける、
一種の外部記憶装置ですよね。
なるほど、文字はね。
文字という外部記憶装置が発達したおかげで、
脳が記憶する必要が少なくなった。
なので脳というのは非常にエネルギーを消費する器官ですから、
必要がなければ小さくしようと。
なるほど。
小さくして省エネにしようと。
そうやって脳が小さくなったという説が別な説ですよね。
三つ目の説は、人類というのは長らく狩猟採集で、
あちこち移動しながら暮らしていた。
特にホモエレクトゥスもそうですし、
ホモサピエンスもアフリカから出て、
未知の世界に拡散していったわけですよね。
それってすごい冒険ですよね。
そうですよね。
地図もない。
先が何があるかもわからない。
未知の世界に行くわけですよね。
そういう世界に冒険に出た人たちというのは、
脳の機能を駆使して、どうやれば危険から逃れられるかとか、
どうやれば食べ物を探せるか、
どうやれば今夜、安全に快適に寝られるか、
いつも頭使って考えているわけです。
ところが、農耕を始めて人類が停住するようになって、
そうすると毎日同じ環境の中で暮らしているわけなので、
ぬくぬくしちゃうわけね。
そう、冒険はしなくて済むわけですよね。
そうすると、やはり必要ない脳の機能は省エネ方向に進んで、脳が小さくなっていくとかですね。
さらに、農耕を始めて、穀物、澱粉質の食料、炭水化物中心の食料になったことで、
脳にとっては、脳ってタンパク質を非常に消費するので、やっぱり肉が大事なんですよね。
子どもが肉が好きな理由は、それですよね。
脳を発達させなきゃいけないから、肉を食べたいんです、子どもってね。
なんだけど、農耕を始めて植物質の、穀物中心の食生活になって、
栄養が偏ってくるので、脳が大きくなれなかったという説もあります。
なるほど。
もう一つはですね、人口が増えていく中でですね、野生動物、特にオスはですね、
オスの野生動物っていうのは喧嘩っぱいなんですよね。オス同士で喧嘩すると。
確かにそうですね。
ところが人類というのは、オス同士が協力し合うことで、ひ弱な人間が野生動物と対峙して生きていく。
そういう仕組みを作り出してきたわけですね。
現代人の脳の変化と狩猟採集生活
その過程で、喧嘩っ早い暴力的な個体っていうのはどんどん淘汰されていって、
非常に温和な、平和な、平和主義的な個体が増えていって、
人類って割と平和主義的な生き物なんだと。
そうすることでよってですね、
やっぱり喧嘩するっていうのは相手を出し抜いて、命がけの喧嘩の場合にはね、
相手を出し抜いて勝たなきゃいけないんで、結構いろんな頭を使うらしいんですよ。
そういう場面が減ったので、脳が小さくなったんだと。そんな説もありますよね。
今話を伺っててね、今、要するに記憶のところで思ったんですけど、
今はほとんど電子機器を使ってね、
例えばの話すると、電話番号なんか、昔は全部頭に入ってたでしょ。
ところが今はもうスマホでぺっと。
覚えてないんですよね。
覚えてないんですよ。だからやっぱり脳が小さくなったのかなって。
これからの人たちはもうちょっともっと、私たちよりももっと小さくなる可能性があるのかななんて思いました。
漢字書けなくなっちゃったとかね、ありますよね。
最近だと人工知能、AI技術が発達してきて、
ちょっと質問する、検索するともう膨大な答えが返ってくる。
そうなんです。次から次へと質問できるしね。
そうするともう人間自分で考えなくなっちゃう。
そういう危険性を指摘する人もいますよね。
そうなんですか。あと例えば1世紀後ぐらいになってね、100年後ぐらいになって、
人間の脳はもうちょっと小さくなってますよなんてなるのかななんて。
可能性ありますよね。
ただね、脳生理学の研究によるとですね、必ずしも脳って大きさだけが大事なんじゃないと。
そうではなくて、その脳の中で神経回路がどんなふうに複雑につながり合っているかっていう。
その神経回路のつながり具合が大事なんだって、そういう説があるんですね。
なるほどね。
ネアンデルタル人は脳が大きかったんだけど、ホモサピエンスとの生存競争に負けて絶滅してしまった。
それはその神経回路のつながり方がホモサピエンスと違ったんじゃないか。
そういう研究成果もあります。
なるほどね。
今のところですね、どうも脳生理学者みんなが共通して言っているのは、確かに現代人の脳は小さくなったんだけど、
頭が悪くなったかっていうとそうとも言えない。
おそらく縄文時代の人や旧石器時代の人間に比べると脳の使い方が変わっているんだろうと。
なるほどね。
脳の使い方が変わったことによって神経回路のつながり方が変わってきた。
なので脳は小さくなったけど、現代人は縄文時代の人ほど記憶力は高くないかもしれない。
でも縄文時代の人よりも複雑な抽象的な記号を操って、
例えば数学の計算をするとか、そういう抽象的な記号を論理的に操る能力は遥かに長けているとかね。
そういう違いがあるんじゃないか。
これもまた先ほどの人種の話で言っていますけど、生活環境とかそういうものの変化によって脳もまた変わってくる。
そんなお話が最近はわかってきたっていうことですよね。
なるほどね。じゃあ悲観することないですね。
だと思います。
じゃあここでまた音楽をおかけしたいんですが。
次の曲は同じくヤナーチェクの組曲第1週から第6番目ですね。
言葉もなくという曲です。
人種の話とかね、それから脳の容量の話、とても楽しく話してたんですけれども、
人間の人類が発展するのには欠かせない狩猟採集、これはもう欠かせませんよね。
そうですね。人類はアフリカで誕生した時から狩猟採集で生きてきたんですよね。
キンパンジーも狩猟採集しているわけですよね。
要するに物は違うけれどっていうやつね。
そうなんですよね。狩猟採集という生き方が人類の歴史のほとんどを占めている。
そういうことですね。
人類が狩猟採集をしなくなって生きられるようになったのは、
自ら食料を生産する、農耕を始めた1万年くらい前以降のことですよね。
そうですね。
人類が誕生して600万年とか700万年とか言われていますね。
そのうちのほとんどが狩猟採集民ですね。
そうですね。1万年になっていたら600万年に比べたらほんの鉛筆の先くらいですよね。
そうですね。今回改めて人間って何だろうっていうシリーズで考えているわけですけれども、
狩猟採集っていう生活スタイル。人類の歴史のほとんどを占めているにもかかわらず、
現代の私たちからするとどんな生き方なんだろうっていうのがピンとこなくなっていますよね。
そうですね。結局、生きるってか食べることと離れちゃってるんですよね。今の私たちの生活がね。
あまりにも便利な豊かな社会に生きているので、狩猟採集という生き方がどんなんだろうというのがちょっと分かりにくくなっている。
改めてそんなことを考えてみたいと思うんですね。
狩猟採集民って何だろうと、端的に言えばですね、生きるために必要な物資、食べるものも、あるいは道具の素材も、
すべてを自然の中から得てくる。そういう生活をしている人たちが狩猟採集民ってことですよね。
必要な物資っていうのは食べるもの、食料でもそうですし、例えば寒い地域に行くには服が必要だ。
毛皮は動物を狩猟して得る。あるいは服であれば植物の繊維から糸を作って布を織って服にする。
道具であれば土器を作るなら粘土を取ってくる。石器を作るなら適した石を見つけて割って作るとかですね。
骨格器、骨や角の道具なら動物の角や骨で作る。あるいは家を作る。
私たちは現代日本人の家もかなり日本の家は木材を使っています。木材っていうのは植林をしたりもしてますけど、
やはり木という自然環境の中で作られるもの、素材を使って家を作っているわけですよね。
それから例えば装身具、指輪をしたりとか身を飾る道具なんかもこれもやはり金、黄金とかダイヤモンドとかプラチナとか
これも全部自然の中から得てくるわけですよね。
なのであらゆる有形無形のあらゆる道具素材っていうのは実は自然から得てきているわけですよね。
そういうことですよね。だからそういう身の回りのもの全てを手作りというか、そうですよね、手作りですよね。
そういう人たち、狩猟採集民ともこれから話していきたいと思います。
はい、ありがとうございました。
FMSがたけデインライフ、ちょっと深掘り考古学を終わります。
聞き手は柴山博子でした。
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