1. 映画の話したすぎるラジオ
  2. 第28回(1)『サマーフィルムに..
2021-10-04 45:13

第28回(1)『サマーフィルムにのって』映画を裏切り、「映画」を飛び出せ

急きょ予定を変更し、「サマーフィルムにのって」と「ドライブ・マイ・カー」の話をしました。

前編は 「サマーフィルムにのって」 、この映画のラストの是非について特に熱く話しています。

■映画の話したすぎるBAR店長メンバー

・山口

・原口

・マリオン

■映画の話したすぎるBAR次回開催:2021年10月16日(土) OPEN~ CLOSE(l.o.) ※アルコール提供あり ・詳しくは下記ページより

■お便り受け付け始めました 番組へのお便りの受け付けを始めました。以下のいずれかから、番組や取り上げた作品の感想などお送りください。

・ブログのお便りフォームから https://virtualeigabar.com/contact

・メールから mail@virtualeigabar.com

・TwitterアカウントへのDMから https://twitter.com/virtual_eigabar

00:12
はい、始まりました。映画の話したすぎるラジオリニューアル第28回になります。
この番組は、大阪の南森町にある日替わりイベント型カフェバー、週刊曲がりにて、
みんなで映画の話をするトークバー、映画の話したすぎるBARを月1ペースで開催している店長メンバーが、映画について雑談をするラジオとなっております。
私、映画の話したすぎるBAR店長の山口です。
はい、関西の映画シーンを伝えるサイト、キネ坊主を運営しています代表の原口です。
マリオンです。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
えっとですね、今回本来空白の話をする予定だったんですけれども、ちょっと前田さんが急遽3日お休みになりましたので、
一旦空白の話は置いておいて、ちょっと前田さんが見ていなかった映画の話をこの機会にしようかなと思いまして、
ちょっと前の映画になるんですけれども、サマーフィルムに乗ってとドライブマイカーの話をしたいなと思っております。
はい、えっと、じゃあちょっと近況のお話だけしときましょうか。原口さんの最近いかがされてました?
ちょいちょいと週末に映画を見だしてますね。レミイニセンスを見たり。
見ましたね、なるほど。
で、あと来週かな?あ、今週からネットフレックスで公開されるジェイク・ゲイホールのリメイクによるGUILTY。
で、あと、君は永遠にそいつらより若いとかを見てます。
気になってます。なんかこれっていうのはありますか?これぞというものは。
なんかね、あーでも、君は永遠にそいつらより若いは結構良かったかな。
自動福祉師になる女の子が、大学卒業前のモラトリアムでいろんな子をUGと知られてて、
最後の青春を謳歌するという作品。
そこはやっぱりなおさんが絵感じに、脇役ですね、なおさんってだから。いろんな作品を脇役にやってるんですけど、いい味出してます。
タイトルがいいですよね。
だからもともとは大阪出身の嗣永キックフックさんという小説家さんのデビュー作やってんけど。
割とね、なんか結構カルチャー雑誌とかで結構良く良い好評を書いている作家さんだったんで気にはなってたんですけど。
このタイトルの意味が何に示すか、見たらわかる感じで味わい深い作品ですね。
マリオさんはいかがされてました?
僕もジェイク・ギデンホール版のGUILTYを見たりしたのと、あとCALAMITYを早速もう見に行きましたね。
03:00
あと死者なんですけど、ケリー・ライカートっていう映画監督の特集上映が、もう出待ち座ではもうやってて、
これからシネヌーボとかでも確かやるんじゃないかなっていうのがあるんですけど、
それの4作品ほどちょっと視野の方で見させてもらったりとかいう風な感じで過ごしてました。
なるほど。これっていうのはありますか?
僕やっぱCALAMITYはやっぱいいなーって思いましたね。
ちょっとロングウェイ・ロースよりもすごくシンプルに見やすくなったような、普通にシンプルな冒険談として面白い映画になってたので、
しかもまた風景とか絵がやっぱもう絵画のように美しいし、
そしてまたドタバタなアクションみたいなのもすごく宮崎駿の映画を見てるような感じの躍動感が増えるアニメーションとかが随所にシーンとして出てて、
やっぱいいアニメはこういうことやなっていうのを改めて実感するようないい映画でしたね。
僕もCALAMITY見てて、作品としてはロングウェイ・ロースの方がより好きだったかなっていう感じはあったんですけど、
イズムはやっぱり継承されてて、輪郭のない線で描かれてるキャラクター、
キャラクターっていう言葉ちょっとこの作品にふさわしくないんじゃないかなって思ってるんですけど、
本当に1枚絵が動いてるって感じなんですよね。
僕見てて、人物と世界に境界線を設けないっていうのをすごいロングウェイ・ロースの時も思ったんですけど、
だから自分と世界は等価であると、自分と他者も等価であるとっていう広がりのある世界観というか、
アニメーションって命を与えるっていうのが語源になってるわけですけど、
キャラクターとかじゃなくて世界そのものに命を与えるっていうイズムがあるなって思うんですよね。
監督の作品って。
あと今回ロングウェイ・ロースの時より色彩が豊かになって、より強調されて思った部分なんですけど、
色彩が常に決まってない感じがあるんですよね。
だから結構アニメってキャラクターの色彩設定っていうのがあって、
キャラの基本の色はこれみたいなのが決まってたりすると思うんですけど、
そういう感じがあんまないんですよね。
こういう光の中ではキャラクターはこういう色になるし、
夜の闇の中ではこういう色になるっていう基準となる色があるじゃなくて、
常に世界の在り方によって表現されるものは異なるっていうのが、
常に移ろってる感じがあって、
なんかその表現してるものの奥行きがすごいなって思うんですよ。
なんかその例えばキャラクターの形を設定として決めてしまうとか、
キャラクターの色彩を設定として決めてしまうことって、
06:00
ある意味でなんかすごい無限の可能性があるものを、
実は縛り付けてることなんじゃないかなって思ったりもするんですよね。
そこをしないようにしてるのかなっていうふうに感じたりはして、
話はもう本当に世界名作劇場のドタバタ劇みたいな感じなんですけど、
その表現手法自体がすごいメッセージを帯びてるというか、
強いですよね。アニメーションとして。
このアニメーションを見たらもうそれはいいよねとしか言えないというか、
美しいですとしか言えないというかね。
カラミティ・ジェーンの物語っていうのも、
すごく今の時代にふさわしい物語になってると思うんですよね。
女性はこうあるべきだとか、男性はこうあるべきだみたいなのが、
根強く残ってる西部開拓時代で、
自分の道を切り開いていくカラミティ・ジェーンの姿っていうのは、
見てるこちらもすごく勇気がもらえるし、
本当に子供に見てもらいたいなって思える素晴らしい映画だったんですね。
僕もそう思います。
僕もそう思います。
できれば今週末見ようと思ってて、
でも吹き替えと字幕どっちで見張ったんですか?
僕は字幕の方でした。時間的に字幕だけだったんですけど、
僕も字幕です。
どっちもいいなって思うんですよね。
吹き替えで見たら世界名作劇場みたいに見えるし、
字幕で見たら外国のアートアニメっていう風に見えるんですよね。
そうですね、確かに。アートアニメって感じめっちゃします。
今週末メタで見ようと思ったら吹き替えだけやって、
吹き替えしかないんですか?
それだったら吹き替えの方がいいかもしれないですね。
画面の情報量が多いんで、
字幕に集中力使うのもちょっとだけもったいないかなって気もするんですよね。
だから言語処理は耳に任せて、
目は映像に集中するっていう感じの切り分けするんだったら
吹き替えの方がいいかもしれないなと思いますけど。
はい、じゃあそんな感じでテーマの方入っていきましょうか。
ではまずはサマーフィルムに乗ってから入っていこうかなと思います。
映画ドットコムより解説を読ませていただきます。
元乃木坂46の伊藤真理香が主演を務め、
時代劇オタクの女子高生が映画制作に挑む姿を
SF要素を盛り混ぜながら描いた精神ストーリー。
同じく伊藤主演のテレビドラマガールはフレンドを手掛けた松本宗司監督が
伊藤と再タッグを組み長編映画初メガホンを撮った。
高校3年生羽田氏は時代劇映画が大好きだが
所属する映画部で作るのはキラキラとした青春映画ばかり。
09:02
自分の撮りたい時代劇がなかなか作れずくすぶっていた羽田氏の前に
武士役にぴったりの理想的な男子林太郎が現れる。
彼との出会いに運命を感じた羽田氏は幼なじみのビートバンとブルーハワイを巻き込み、
個性豊かなスタッフを集めて映画制作に乗り出す。
文化祭での上映を目指して順調に制作を進めていく羽田氏たちだったが、
実は林太郎の正体は未来からタイムトラベルしてきた未来人で、
主人公羽田氏を伊藤が演じるほか、林太郎に金子大地、ビートバンに川井ゆみ、
ブルーハワイに井森キララとフレッシュなキャストが揃ったと。
えーと、じゃあちょっとね、我々見たの少し前なんで
思い出しながらになっちゃうかもしれないんですけど
話したいと思ってた作品だったので
はい、じゃあまず沢井の感想から入っていこうかと思うんですが
原口さんは本作どのようにご覧になられました?
そう、確かこれ予告編にも出たんだけども
映像系みたいな感じの青春に恋愛に
ディストピアSFに在劇っていうまさにその通りなんですけど
最後まで見るとやっぱエモいなーっていう感じで
たまらん感じでこの映画大好きな感じで見終えたなーっていうのが
最初の感想ですかね
マリオさんはいかがですか?
僕は普通に映画作りに青春を捧げる高校生たちの話
そこに恋とかちょっとSFな要素とかも入ってっていう
いろんなジャンルをミックスしながら
王道な青春映画みたいになってて
そういう過程を見るのもすごく楽しくて
最後クライマックスに向けて映画の上映をするぞってなってたんですけど
クライマックスで僕はものすごくこの映画に冷めてしまったという状態になったんですよね
もうこの展開はないなって思ってしまったんですけど
ただこれ本当最後の最後で最高のラストを迎えるっていう
これちょっとこの感情の振り幅に関しては
ちょっと今年忘れられないぐらいの振り幅があった映画なんじゃないかなって僕は思ってますね
僕はですね感情の波の形はマリオンさんに近いかなと思います
全体としてはそんなに好きなタイプの作りの映画ではないんですよね
終盤に至るまではふんふんふんぐらいの
すごく好きな感じではないぐらいの温度感で見てて
来るかな来るかなと思ったら正直裏切られたとさえ思うぐらいのきっつい
この思想はアーンっていうのが最後の最後に待ってるんですけど
その先にもう全部を問い越えた瞬間がありましたね
本当にラストの好きさは今年ベストというか
12:01
全体としては正直自分の感性的にはいい映画とは言いにくいんですけど
ラスト込みで今年ベスト級に好きな映画なんですよね
なんかすごいいびつな感情を持ってますねこの作品に関しては
じゃあ具体的な話入っていこうかと思います
もしネタバレ気にされる方いらっしゃったら
ここから先は見てから聞いていただけたら嬉しいかなと思います
はいでは具体的に話していこうと思うんですけれども
ラストの話はちょっと置いときましょうか
本作のやっぱり
ちょっと僕がずっと気になってたのが
あだ名問題なんですよね本作の
主人公が時代劇マニアの裸足で
科学部なんですかね天文部でしたっけ
天文部のビート版と剣道部でラブコメ好きのブルーハワイっていうのが3人なんですよね
ちょっとあだ名の設定とっぴすぎないですか
わかるんですよちょっととっぴなあだ名で呼び合うフィクションって楽しいなっていうのはわかるんですけど
実写だとちょっとリアリティの感触が僕的に飲み込みにくい感じになってて
高校生がそのあだ名で呼ぶかなっていう
わかりますよなんかビート版でなんかあったんやろうなとか
ブルーハワイ好きとかなんかそういうエピソードあるんやろうなって思うんですけど
高校生ってすごい自意識過敏な時期だと思うんですけど
人前でそのあだ名でビート版とか裸足とかブルーハワイとか
女子高生が人のこと呼べるかなと思って
なんかそのそういう無邪気なあだ名で呼び合う女子高生っていうファンタジーの話だなっていう風に見たんですよね
そのあだ名の設定がされている時点で
だからそのリアルなものにするつもりはないっていう宣言として僕は取って
僕はそこでちょっともう一歩距離を引いたって感じで見てたんですよ
なんかそこにリアルな距離感でがっぷり4つでそのテーマに取り組む映画ではないんだなっていう風に
線引きして見てたので
映画作りの情熱とかっていうものもちょっと
一目盛り熱量を下げながら見てたって感じはあったんですよ
あくまでファンタジーとして見てて
作中の登場人物のやりとりのリアリティラインもファンタジーだったと思うんですよね
協力してくれる男子生徒たちのキャラ立ち
漫画的なキャラ立ちでその素直な善人さっていうのはやっぱりファンタジーだなと思うんですよね
15:04
前回も桐島でゴリゴリにそのあたりの話は知ったんで
やっぱり僕その青春っていうものにあんまりファンタジーを預けたくない気持ちがあって
もうその知恵堂にまみれてほしいっていう思いがあるんですよね
聞いてしまうまま映画作りの話なわけですけど
あれは本当に周りが優しくない世界で映画を作るっていうことの話だったわけですけど
周りが優しい世界で映画を作るっていうことっていうのは
ちょっと僕の舌が受け入れやすい味付けの映画ではなかったっていう印象では見てたんですよね
それがわりと終盤に入るぐらいまでの本作の温度感だなと思って僕は見てた感じでした
なるほど
僕は結構このゆるさとか生ぬるさ込みで好きな映画だったんですよね
僕的にはこういうタイプのって
一種のアイドル映画みたいなところも文脈としてあると思うんですけど
映画のクオリティ的にちょっとゆるくても許されるみたいなところって
青春映画ってあると思うんですよねアイドル映画とか
そういうちょっとゆるいところも含めて愛おしいっていうところですかね僕的には
あとリアルじゃないちょっとファンタジーな部分っていうのも
もちろん僕キリシマも大好きですけど地平道をはくようなリアルな青春も好きですけど
やっぱこう概念としての輝かしい青春っていうのも僕は同時にめちゃくちゃ大好きなんですよね
で結構なんかキリシマ部活辞めるっていうのが一世を風靡して何年か経って
結構そういう概念としてのキラキラした青春映画って結構増えたんじゃないかなって個人的に思ってるというか
なんかその地平道をはくようなリアルさだけが青春じゃないというか
もっと良い青春の良さみたいなところをちゃんと描いたりしてもいいんじゃないかなっていう
多分それは去年とかのノボル・コデラさんとかの編からもすごく僕は感じてたんですけど
サマーフィルムに乗っても僕はそういうタイプの映画なんじゃないかなっていうふうには思いますね
そうですねおっしゃられてることはやっぱ去年が顕著だった感じありましたよねアルプススタンドの橋の方とか
そうですね
それは思いますなんかそれも系譜だなとも思いますね
本作の好きなところ小っちゃいところですけど好きなところなんですけどライバルの監督がいるじゃないですか
カリンかな
恋愛映画キラキラ恋愛映画ばっか撮ってるっていう監督がその映画部のいけすかないライバルとして存在してるじゃないですか
裸足の立ち位置ってニッチでマニアックなオタクの代表として本作にいるとは思うんですよね
18:04
そのジャンルとして時代劇っていうのが与えられてて現在のエンタメにおいてマジョリティではない側なわけじゃないですか
そのマイノリティからの意思向けてやろうっていう投資が本作の原動力だと思うんですけど
それに対するアンチとしてキラキラ恋愛映画を撮ってるキャラがカッコつきの仇役として存在してるわけですよね
まああのちょっとそのひねたオタク的な立ち位置からしたらやっぱりなんかフンってなっちゃう感じのキャラクターではあるし
ちょっとその取り巻きと楽しそうにワイワイやってるのに対して
こっちは本当にやりたいことをやるんだっていうのが中盤までの話し運びかと思うんですけど
中盤入ったタイミングでカリンでよかったと思うんですけど
そのライバルの側が手伝ってくれるんですよね
そうですね
そっからの展開が僕結構好きで
ていうかあのねカリンって結構ヤバい才能を持ち主やなって思いながらずっと思ってて
やっぱそうですよね僕もそれは思います
まずあの人身掌握力がめちゃくちゃ高いんですよね
ちゃんと能力のある映画部のメンバーをみんなで楽しく動いて
ちゃんとその自分でやりたいことを成し遂げていくのって
正直裸足以上に映画の才能あるだろうとずっと思ってて見てて
人間できすぎですよねあれは本当
そうなんですよその能力のある人間がみんなで楽しく回る現場作りって最強なんですよ
ものづくりの最強の才能ですよねあれ
正直それさえあれば自分自身のそのクリエイティビティって究極なくても
イモってできるじゃできると思うんですよね
そうですね
ただそのカリンって強烈な作家性があって
ビターエンドなんて許さないっていうその物語を歪めてまでハッピーエンドに持っていくみたいな
そのめっちゃ強烈な作家性を持ってて
こいつ裸足よりヤバい奴やんけって思いながら見てて
いやそこがね僕すごい好きで
結局そのキラキラ恋愛映画を作ってる人も情熱とか才能を持ってものを作ってるし
それを楽しんでる人もやっぱり大切な映画の客なんですよね
そこを排除してないのが僕この映画のバランスとしてすごい好きで
なんかそのキラキラ恋愛映画を見ているあいつらそして大衆と
そうじゃない本当にいいものを信じている俺たちみたいな構図になってないのはすごくいいところだなと思ってて
逆に霧島にはそれがあるんですよね
21:00
そのあいつらと本当にいいものを信じている俺たちっていう構図はやっぱり
逆にちょっと霧島の古さというか不寛容さだなとも思うんですよね
なんかいやあいつらもすげーぜって言い合えるって
やっぱ今そうはどうしいなって思うんですよね物語が語るメッセージって
そこはやっぱり霧島が古くなっているところだし
霧島からまだ物語は前に進むって僕が信じられるところとして
そこはねすごい好きなところではありました本作の
そうですねなんかこうどっちのジャンルがいいのかみたいな
ちょっと対立じゃないところにやっぱ話を持っていくっていうのはやっぱいいですよね
結局どっちも愛だよともう愛ですよこれは好きなものに対する愛の強さが求められているだけの話なので
でもあと僕ちょっとそのキラキラ恋愛映画を撮ってるあのかりんちゃんですか
なんかちょっと僕あのアバンギャルドな作風とあのキラキラ恋愛映画的なこうモチーフで言うと
僕結構おとぎ話みたいの大和勇気みたいだなって思ってて
あの人めっちゃくせ強いじゃないですか
ちょっと話ずれますけどあのおぼれるナイフを初めて映画館で見たときに
なんだこれはって思って
ただの少女漫画の映画家じゃないんじゃないかみたいな変な映画で強烈だった思い出があって
多分かりんちゃんもそうなるんじゃないかなっていう気がしますね
あんな好きだけで構成された映画なかなかないぞって
アバンギャルド
いやそれに比べたらむしろ裸足ってオーソドックスな物好きじゃないですか
時代劇っていう文脈の中では
あいつの方がやばいぞって
作家性云々で語るんであれば間違いないかりんちゃんやばい人っていう
あとブルーハワイもやばいやつですよねあいつ
何が起きても甘酸っぱい青春として消費できちゃうっていう
何が起きても最強やなってこいつ
いやもう幸せだなーって思いますよ人生ほんと
自分が映画の役者として登場するシーンの彼女の多幸感素晴らしいなーと思って
めっちゃ演技うまいやんみたいになるのがめっちゃ面白いですよね
井上きらちゃん結構大阪出身で結構長くやってるんで
初期のドレッシングアップから見てて
重い役が多い子なんですね
だからこんだけ明るい飛び抜けた役は結構久しぶり
初めてぐらいに
なんか血の気の濃い役が多い子なんで
ひねプレモの暗い子が多かったんで
24:00
こんな明るい役をできるんだこの子はみたいな
去年インタビューもしたことあるので余計思ってます
やっぱ青春映画に出てくる若手の俳優さんって
新しい扉をその映画で開いてくれるというか
なんかすごい魅力をやっぱ放ってくれますよね
なんか今回のやっぱ主人公3人もすごく魅力的だったし
男子高校生たちもなんかもう忘れ難いような
愛着のあるキャラクターばっかりだったし
なんかそういう印象に残るキャラクターと役者の演技が見れる
っていう意味でもここはこの映画好きなところですね
そうですね
あの裸足の伊藤麻里香さん
確かに映像研には手を出すなの
あれ名前忘れちゃった
あの見た目が見た目の感じがすごい
ちょっとちっちゃい感じでショートヘアでっていうところは
確かにちょっと雰囲気に似てますよね
似てるんですよね
ちょっとねチンチクリンな感じがすごくいい感じでしたね
多分そのメイクとか衣装の当て方で全然印象変わると思うんですけど
あのチンチクリン感がすごくハマってたなとは思いましたね
これちょっとその言い方難しいなと思って
言おうかどうか迷ってた部分やったんですけど
あの時代劇っていう
ちょっとこれ言い方気づけんとダメな言い方なんですけど
男の趣味じゃないですか
カッコつきの男の趣味だと思うんですけど時代劇って
それを女子高生にやらせるっていうのって
ちょっとどこまでうのみにしていいのかなっていう
思いが少しあるじゃあるんですよね
その男性が主にたしなんでる趣味を
女子高生にやらせることで仕上げるエンタメって結構あるじゃないですか
うんあります
なんかそれの何だろう
言葉選び難しいんですけど
都合の良さってそっくりそのままキャッチしちゃっていいのかなって思いは少しあるんですよね
ただその時代劇好きな女性もいますよっていう
真っ当な反論もあって
時代劇が好きな女の子いっても当然いいよねっていうことを言ってるんですけど
見ててすごい僕アンビバレントな気持ちになってたんですよね
男性から見て都合の良いファンタジーとしての
かっこつぎの男の趣味を好きな女子高生っていうものと
かっこつぎの男性の趣味が好きな女子高生いても
当然それはいいよねっていうのが
結構今そういうのって過渡期やと思うんですよね
いやもうそんな性別とかあらゆる条件関係なく
好きなものは好きでいいじゃないかっていう風になっていこうとしてる
過渡期やと思うんですけど
そこでどっち側からも感じちゃうというか
27:00
言いたいこと伝わりますかねこれ
わかります
結構何でもかんでも女子高生に託しすぎなんじゃないか問題っていうのは
これ映画にかけらずあると思うんですよね
広告のポスターに女子高生みたいなとかっていうのも
そういうのを消費してる感じっていうのはどうしてもあるし
青春のアイコンとしての女子高生をパッケージとして消費してるんじゃないかなっていう
ちょっとその後ろめたさというか疑念みたいなのはありつつ
いやでもいいじゃんっていうのも同時にあって
そこはねちょっと飲み込み方は結構いろいろ考えちゃいましたね
別にこの作品のそれが悪いとかっていうことではなくて
今後自分がそういうコンテンツに触れていく時に
消費する側にとって都合のいい女子高生というパッケージを
どこまでそれをただ飲み込んでいいのかどうかっていうのは
改めて考えましたねこれ見てて
時代劇は男のもんだからそういうことが言いたいわけではなくてですよ
ちょっとこれがうまく伝わらなかったら
すごいちょっと嫌なんで
なんかすごい言葉探り探り喋ってるんですけど
俺が子供の時やと時代劇って
親父あるいはちゃんばら好きのじいちゃんが見るようなイメージのが
昭和な考え方やとそういうとこがあるかないうのがあって
それが今作ることでブラッシュアップで次の世代に託しての託し方かな
ちょっとずれてるか
いや大きくはずれてないと思います
そういう先入観があってのこの扱い方かな
女子高生にいろんなもの託しすぎ問題は結構自分に刺さるんですよね
そういう青春映画をめっちゃ見て面白いって言っちゃう方だし
アニメとかもね女子高生のアニメとかめちゃくちゃ多いし
そういうの見てたりする自分ってどうなんっていう問題意識というか
それはやっぱちょっとどうしてもあるのはあります
本作はそこに関しては最終的には良い方向に働いてたかなと思ってて
女の子が時代劇好きでもいいでしょっていうのが
最終的な画面から伝わってきたなと思って
一応本作SFでタイムトラベルものなわけですよね
未来ではその映画その長編映画も見られなくなっているというので
時代劇に限らず長編映画っていうもの自体が
もう好まれない時代になっているものに対しての反逆みたいなかと思うんですけど
30:00
その時代にそぐわないものだから2021年の現在において
時代劇を好む女子高生っていうのがもしいるとしたら
少数派ではあると思うんですけど
それと未来における長編映画を信じるものっていうのの存在の
少数派性みたいなものがちょっと重ねられてて
そこをラストで主人公がそこを突き破っていくっていうのは
画面としてやってたので
やっぱりそこは最終的なところとしては収まり良かったと思って
男子高校生がチャンバラすぎって言っても
まあなんかそういうこともあるであろうっていうのは
そんなに違和感はないと思うし
やっぱりその違和感がないと
ラストの爆発力は生まれなかったよなともやっぱ思うので
本作においてはその時代劇が好きな女子高生っていうのは
ハマってたのかなというふうには思いました
で、まあラストですよね
もうラスト言っちゃう?
いやもうラストですよもう
概要から言うと学園祭で映画の上映を目指して
もともとずっと映画を作ってたわけですよね
途中で裸足がスランプになって
もともと血統で締める映画として撮ってて
元が座藤一物語っていう
座藤一の一作目のやつですよね
で、あれがもう男と男の血統でしか結ばれない
絆の物語なわけですよね
それを撮りたいってなってたけど
いや切り合いじゃないんじゃないかと
っていうふうになって
その切り合いで終わらない物語として撮ったわけですよね
それでそういう映画にしよって決心をすることで裸足がスランプを脱するわけですけど
最後もう学園祭で上映するってなった時に
これじゃないって言って上映を止めちゃうわけですよね
どうすか?
いやもう
いやダメでしょってやっぱなってしまいますよね
本当に
あ、俺正直そっち行くの?って思ったんだけどね
あ、そっちっていうのはどういう意味合いでのそっちってこと?
あ、そこへ止めていきなりそこへ撮ろうとするみたいな
その展開で行くのかっていうのが素直に思った
ある時はそれなんか
実写の方の映像研の展開も近いものがあるなと思ってて
そうなんですね
僕実写の映像研見てないんでちょっと分からなかったんですけど
そういうのがあったから
こんな急展開な斜め上の展開になっていくんやなみたいな
僕が感じた感想としては
観客をほったらかしにすんなと
もうこの日に上映しますと言って観客が席に着いたのだから
映画はその時に上映されるべきなんですよ
それをしなければ作り手が勝手に作っただけの映像なんです
映画なんて
映画じゃないんですよ
観客をないがしろにした映画なんて
33:00
ただの記録映像でしかないんですよ
ふざけんなと思って本当に
途中で止めるってどういう神経してんのって
一観客として思うというか
その後リアルタイムで撮るみたいな感じなことをするわけじゃないですか
それって映画じゃないじゃんってなってしまうじゃないですか
一観客として見てるような気持ちで見てると
それは何というかライブアクションというか
その舞台みたいなものにしかならなくて
いや本当なんかこの作り手たちは
本当に映画に対しての愛とかってあるのかみたいな
そういう疑心暗鬼に陥るというか
怒りにやっぱり転じてしまいますよね
あの展開って
そこはね
怒ったというより困惑したっていうのが大きかったかもしれないですね
それをやっちゃったらおしまいじゃんっていう
もっと言うならあの裸足って厄介なオタクですよね
うるせえオタクですよ
例えばですけどジョージ・ルーカスがスターウォーズのエピソード4をどんどん改訂していって
劇場公開時のスターウォーズエピソード4ってもう見れないわけじゃないですか
いやそれと同じじゃないのかと思って
仮にも上映しようとしたものを否定して見れないようにしますって
あなたそういうことするクリエイターのこと嫌いでしょ裸足さんあなたって思って
作ったものに対して責任を持たないっていうのは
少なくともものづくり論を語る作品として良くないメッセージだとは思うんですよね
作ったものに対する責任のないものづくり論なんてありえないじゃないですか
途中まではね
そうそうそう
途中まではなんですよこの困惑とか怒りは
その先にやっぱりね全部突き破る瞬間が来るんですよね
まずその場で盾をやり始めるわけですよね裸足と凛太郎が
正直この本作の中で裸足が撮ってた映画の盾って
まあ頑張ってはいるけどどこか拙さのある感じ
学生が頑張って撮ったものとして十分に良いとは思えるけど
すごく圧倒的って感じのものには仕上がってなかったという風には
僕は見てたんですよね
ただラストの盾は体育館の中にある掃除道具とか使ってやる盾なんですけど
やっぱ決まってるわけなんですよバリッバリに
素晴らしい動きするんですよね
いつそんな練習したんとかそういう細かいことを飛び越えて
やっぱあそこの盾ってすごい良いなと思って
あれを見て僕やっぱ本作好きになったんですよね
裸足が作ってた映画で
劇中劇としての映画作品を作ってたわけですけど
あの瞬間に裸足が作ったのが
このサマーフィルムに乗ってって映画であるかのように見えたんですよね
36:00
その劇中劇としての映画であることを
一個レイヤーを突き破って
サマーフィルムに乗ってって映画が
あそこで観客の前に突き出されるというか
体育館の中で裸足の作品を見ようとしてた観客は
あの瞬間に我々になるんですよね
今裸足が今ここでやってる盾
この瞬間描こうとしてる物語が
それこそが映画であるとっていう
その観客は今見ている僕たちなんだなっていうのが
すごくてあそこは
あんまり映画見てて
ああいう感情を味わったことなかったですね僕は
リアリティの壁を一個破ってきたなと思って
劇中ない映画を見てたと思ったら
映画を見てたんだなと
最初はなんてありえないことをするんだって思ったけど
それはものすごい飛躍だったんだっていう風になっていくんですよね
盾を取る中で色々感情がとろされていくし
その主人公たちの未来があそこで文字通り目の前で
切り開かれていく瞬間を目撃するわけじゃないですか
これは未来を切り開く青春映画なんだっていう
着地に持っていくっていうところに
僕はすごく感動的だったというか
やっぱり映画って
今回SF設定で
未来には映画がないよみたいな話で
結末が分かってると
未来という結末が分かってるし
映画っていうのも結末が分かってるものですよね
必ず終わりが来るもの
監督という存在は映画の結末をもちろん当然知っていると
作る人が側なのだから
その監督が結末の決まっている映画を
あの場で切り返して切り開いていくっていうことに
なんてこれはすごいんだっていうのを
その飛躍に文字通り震えるっていう感じだったんですよね
この感動ってちょっと僕の主観ですけど
途中までが緩い映画だったからこそかなと思って
メリハリというか
時間と緊張の振れ幅かなと思って
正直途中までは結構な
ふわっとしたリアリティラインで進む
なんか緩めの映画みたいなノリで進んでいくし
もうそのラストの手前直前のところでは
映画というものに対する
大きな裏切りのような展開を見せるわけなんですけど
その後に待っているものがやっぱり
バリバリに決まっている盾で
これで映画を切り開いてやるっていう
ものすごいソリッドな展開が来るっていうので
途中までの緩さに対する急加速というか
あそこだけすごい締まっていることはやっぱり
このラストのパンチ力って増してたと思うんですよね
なんか緊張感のある
映画としてここまで撮ってたら
あの展開にはそもそもできなかったと思いますし
やっぱりある程度緩い映画だからこそ
39:00
ああいうちょっと裏切りを入れれたっていうのもあると思いますし
緩かったからこそラストシュッと決めたところが
破壊力が増したかなっていうのも思ったんですよね
本当に軽裕な体験をしましたこの映画に関しては
映画って最後で全てが決まるみたいなのって
たまにありますけど
よく聞くか結構聞くようなことですけど
こういうことかっていうか
本当最後が良ければ何でも良いみたいな
本当こういう映画のことやなっていうふうに思いました
でもあのラストの展開もし分かっててやってたとしたら
相当勇気がないとできないことだと思うんですよね
あのラストが決まるっていう
ちゃんと信じてやれなかったら
単に裏切ってだけ終わった映画になってた可能性も
あったと思うんですよね
それをやってここでこのメリハリを聞かせたら
ちゃんと観客には刺さるって思ってやったって
なかなかすごいことなんじゃないかなと思って
そうですね
いやすごいすごいですよ本当に
なんか二人の見てる時の感情の入れ幅のが
すげーな思うんやけど
そういうものを聞いてると
ジェットコースターですよ
そっかよくそこ
裏切られた後からガー行くやろ
すげーなと思いながら
絶対こっから挽回無理やろと思いました
ラスト15分ぐらいでいきなりめっちゃ裏切られて
いやもうこっから挽回する時間も残ってないんですけど
って思ったら
もうこれはダメだってね
そっからもうクルーンって
全部オセロみたいにパパパパパってひっくり返りましたからね
全てが
なんか序盤までのノリも
そこまで好きなノリじゃないなと思ってたのも
全部あそこで意味は持ったんですよ
僕の中で
いやーすごかったですよ本当に
途中から結局未来の映画の姿を見て
そんな未来を得だっていう
映画好きの少年の気持ちを保ったままずっと見てたから
そんな未来を得だっていうのが
だからね結局コロナ禍で
映画館が大変な状態
ファスト映画なんてものが出来上がっての
社会の状態の後あった中で
そんな未来の一つを見せられたら
やだーっていう感情がすごくて俺は
本当なんか
本当なんか映画好き少年の気持ちで見ててた
なんか正直言うと
なるほど
映画の力をちょっと信じたくなるみたいな
映画としてやっぱ見てたわけですね
結構その気持ちが結構強かったな
だからお前ら頑張れみたいな感じが非常に
そうだから結局監督のフィルモグラフィーを
辿るためにそこまで過去までやっていくっていうのが
なんか非常に分かるみたいな
そうだから俺は結局
コンプリート力は結構強いので
その辺が非常に分かるかなっていう
なるほどね
42:00
そこだけは言いたかった
あのあたりのタイムトラベル描写はかなり
ゆるいっちゃゆるかったですね
大味と言うか
でもまあ
あのラストは細田版
時をかける少女ですよね
未来で待ってるですよね
そうそうそうそう
そうですね
わからないなぁ時かけの様子もあるよね
この題材でタイムトラベルやるんだったら
時かけは意識はするでしょそれは
しないわけにはいかないですね
どうせもねします
あとそうだこれ
ちょっと余談ではあるんですけど
あのパンフレットにこの映画の
ゴジスターみたいな漫画がついてるんですよ
これがまた結構
いい爽やかな漫画になってまして
ほんとこれもやっぱ
時かけ的な部分もあるし
結構まあ映画単体で
もちろん関係しても全然問題ないんですけど
まあ結構いい
ゴジスターの漫画がついてましたよ
っていうのはちょっと言っとこうかな
ちょっとどうでもいい話なんですけど
あのカリン
あのアバンギャルド恋愛
映画監督の彼女は
多分長編映画が
無くなった時代でも結構な
恋愛映像作品撮るだろうなって
もうなんかその
TikTokとかでもちゃんと
やっていけそうじゃないですか彼女
10秒映画の中でも
恋愛映画聞けるみたいなこと
彼女やれそうじゃないですか
どんなスキーの
表現をするか
だからあの裸足は
消えた巨匠で
未来になってるかもしんないけど
カリンはもう現在進行形の
ねえ
恋愛映像作品作家かもしんないですよね
未来で
たしかにな
ほんとあの彼女が作ってるが
マジでちょっとすごいんだよな
やばいですよね
そのなんかオチのない
恋愛映画を揶揄した表現
なのかもしんないけど
むしろアバンギャルドですよね
あと
実際に
キラキラ恋愛映画みたいなのって
監督ってやっぱ
男性ばっかりじゃないですか
やっぱああいう
本来の脚相である
女子高生というか
若いティーンが
これこそが私たちのみたいな本当の
キラキラ恋愛映画だって言って
作ってるみたいなのって
もっとどんどん
これあっていいんじゃないかなっていうか
そういう映画作ってる子とかも
本当はいるんじゃないかなって
思ったりしたんですよね
そういう人がどんどん
キャリアを積んでいって本当に
素晴らしいキラキラ恋愛映画を
作ってくれたりとか
全然そういう未来があったら
いいなって個人的には僕は思いましたね
それこそ
大和幸を師匠とするような
女性監督が今後出てきたら
いるだろうけど
いるだろうけど
大和幸をさらに表してきたら
本当にいると思います
45:00
はい
じゃあそんなとこで
いいですかね
45:13

コメント

スクロール