1. 映画の話したすぎるラジオ
  2. 第34回(2)『最後の決闘裁判』..
2021-11-11 1:20:57

第34回(2)『最後の決闘裁判』前編 「アンフェア」について頑張って考えてみる

リドリー・スコット監督作品『最後の決闘裁判』の話をしました。録音環境の問題で山口の音声だけ音質が悪いです。

三人がそれぞれ「正しさ」や「公正さ」についていろいろ考えながら話しています。

※後編(第3パート)にて「プロミシング・ヤング・ウーマン」「テルマ&ルイーズ」のネタバレがあります。

■メンバー ・山口 ・まえだ ・マリオン

■映画の話したすぎるBARのお知らせ 2021年11月27日(土) OPEN~ CLOSE ※アルコール提供あり

■お便り受け付け始めました 番組へのお便りの受け付けを始めました。以下のいずれかから、番組や取り上げた作品の感想などお送りください。

・ブログのお便りフォームから https://virtualeigabar.com/contact

・メールから mail@virtualeigabar.com

・TwitterアカウントへのDMから https://twitter.com/virtual_eigabar

00:00
では本日のテーマ、最後の決闘裁判の話に入っていきたいと思います。
映画ドットコムより解説を読ませていただきます。
巨匠リドリー・スコット監督がアカデミー脚本賞受賞作
グッドウィルハンティング 旅立ち以来のタッグとなるマット・デイモンとベン・アフレックによる脚本を映画化した歴史ミステリー
1386年、百年戦争さなかの中世フランスを舞台に実際に取り行われたフランス史上最後の決闘裁判を基にした物語を描く
騎士カルージュの妻マルグリッドが夫の旧友ル・グリに乱暴されたと訴えるが、目撃者もおらずル・グリは無実を主張
真実の行方はカルージュとル・グリによる生死をかけた決闘裁判に委ねられる
勝者は正義と栄光を手に入れ敗者は罪人として死罪にある
そして、もし夫が負ければマルグリッドも偽証の罪で火炙りの刑を受けることになる
人々はカルージュとル・グリどちらが裁かれるべきかを巡り、真っ二つに分かれる
キリングイブでエミー主演女優賞を受賞したジョディ・カマーが女性が声を上げることのできなかった時代に立ち上がり
裁判で戦うことを決意する女性マルグリッドにフンス・サフがカルージュをマット・デイモ、ル・グリをアダム・ドライバー
カルージュとル・グリの運命を揺さぶる主君ピエール・ハクをベン・アフレックがそれぞれ演じた
では、沢居の感想をそれぞれ伺っていこうかと思うんですけれども
前田さん本作いかがご覧になられましたか
私実はこの作品意外とそんなに重たく受け止めずに楽しめたというか
結構前評判で重たいテーマだっていうのを聞いてたんですけど
個人的にはそんなにそこまでの重たさはなくて
でもリドリー・スコットはどんなテーマでも面白くしてくるなぁ天才やって思いましたね
前田さんいかがご覧になられましたか
僕は一回キャンディーマンの時でしたっけ
オープニングトークの時にもちょっと見ましたって話をしてたんですけど
その時もめちゃくちゃ良かったっていうふうに
結構子供ばがしどろもどろになりながら良かったっていうのを言ったんですけど
その気持ちは今も変わらないんですけど
公開後にいろいろいろんな人の意見とかを聞いたりとか見たりすると
なんかちょっと自分ちゃんとそういうところまで気づいて見てたんかな
そういう自分の楽しんだ気持ちって本当に良かったんかなみたいなのも
すごい考えるような感じにちょっとなって
結構自分の中でこの作品のことどういう感じで
受け入れていったらいいのかなっていうのはちょっとまだ迷ってはいるんですけど
ただ映画としてはめちゃくちゃ面白いし
03:00
やっぱりリドリー・スコットのある種のドライさとか
あと編集とかそういうビジュアル面のかっこよさとか本当最高なので
本当にすごい映画だったなっていうのは思いました
僕はですね
見た直後とその後ちょっと他の方の感想に触れて
ある程度相対化した状態の意見と2つに分けて話したいんですけど
見た直後は本当傑作だなと思ったんですよね
すごいなとは思ってて
ただその後は他の方の意見に触れる中で
なるほどとその配慮って言ったらあれなんですけど
この作品がどう捉えられるかっていうことに対する
きちんとしたスタンスというかみたいなのは
もしかしたら伝わりにくい作品だったのかなと思って
そこに関しては大手を振って傑作って言いづらさが
自分の中に生まれたのもそうだなとは思ってますね
あと作品として女性のための映画なのかって言われると
多分そうじゃないかなと思って
社会全体に対する視線で撮ってる映画かなと思うし
むしろ女性よりはどっちかというと
男性に向けた映画なのかなっていう風な見方を
最終的にはしました
結果的にその視線が女性に向いてない部分が
あってしまうかなっていう風な気もしてます
今はってな感じですね
ではここから具体的な話をしていこうと思うんですけれども
内容にしっかりと触れていきますので
ネタバレ気にされる方はご覧になられてから
聞きいただけたらなと思います
内容に対して自分がどう思うかって
一旦自分の意見として持っておく価値のある映画だなと思うので
人の意見一回返さずに
一旦自分の意見持った上で人の意見に触れるっていう手順で
見てみる価値のある映画なのかなと思うので
ぜひ見てから聞いていただけたらなとは思います
ではここから具体的な話していこうと思うんですけれども
どっから行きますかね
そうですね
まず話の構造自体のラッシュオーモン形式いわゆる
その登場人物それぞれの視点で
06:00
山脈構成になっているっていうことに対する
是非と言いますか
是非というかそれがどうだったかっていう部分とかって
初めに触れておいていいかなとは思ったんですけど
初め僕が以前のちょっとだけ触れた時も言ったんですけど
この三者それぞれの視点で物語られる山脈構成っていうのが
被害者が声を上げたことを相対化することで
被害者の意見を全部飲みにしちゃダメだよねっていうことだけが
先走る映画になるとしたら
結構危険なんじゃないかなっていうふうに思ってたんですよね
そこに関しては
僕はそこの懸念は心配してた部分はなかったかなとは思ってて
マルグリッドがルグリに乱暴されるまでの前後っていうものが
それぞれの視点から描かれるわけですけど
それぞれの立場から
何て言ったらいいのかな
チューニングされてるんですよね
カルージュとルグリの視点は
自分が悪くないっていうチューニングをされてるんですよね
自分は悪くないっていうチューニングが極端にされてると
結局
乱暴した立場の俺悪くないとか
乱暴した立場の男性悪くないみたいな視点の話になってしまうのって
すごい危険だなと思ってたけど
なんかそうは僕見なくって
確かに実際に性暴力を行ったルグリの視点から見た
第2幕とかは実際にその暴力のシーンが描かれるわけですけど
確かに暴力的なニュアンスが削られてるんですよね
第3幕のマルグリットの視点から比べて
でも結局暴力じゃんっていうふうに見たんですよ
男側の言い分で
いや女性側も誘ってたんですよっていうふうな
言い分の認識の違いみたいな要素が入ったとしても
いやでも総合的に見ても圧倒的に
ただの暴力でしょっていうふうにしか見えなかったので
なんかそこが懸念してた部分は
言い分かれてなかったかなというか
なんて言ったらいいかな
現実においても
しかしいことって実際あってしまうと思うんですよね
例えばそのお酒飲んでって
09:00
その後性的な乱暴が行われたっていう状態で
いやもうあれは同意されてましたとかっていう
その言い分ってしばしば聞くと思うんですよ
あれはもう同意が取れてたんですよっていうのを
よく言い分として聞こえてくると思うんですけど
いやでもその状況って
どっちの言い分の範疇だろうが
暴力ですよねっていうふうに見えるようになってたと
僕は思ったんで
そこはよかったなと思って
もっと根本的に
例えばルグリの視点が完全に
マルグリットが誘ってましたみたいな話に
完全にすげ変わってたりしたら
めちゃめちゃ危険な話だったかなと思うんですよ
でもちゃんとその客観的事実ってものが存在してて
それぞれを自分が悪くないって
チューニングする程度の差になってたので
それを見た誰しもが基本的には
いやでも悪いじゃんって
それが普通に性暴力じゃないですかって
見えるようになってたっていうのは
そこの危険性がちょっとちゃんと
省かれてたつもりになってたのかなとは思って
僕が進化した点はなかった作品にはなってましたね
そうですね
やっぱりその3人の視点で
それぞれ描くっていうので
やっぱり少しずつ視点が変わると
見え方も感じ方も違うっていうのが
まあまず映画として面白いですよねっていうのがあって
でやっぱりある種その3つの視点っていうのを
中立的に描くみたいなので
確かに悪いけどこの人こういう一面もあるよねみたいな
ちょっと中立的な視点みたいなのが
付与されると思うんですけど
やっぱり最後3幕目で
明らかにやっぱり真実って言葉が残るんですよね
やっぱりそこのそれによって
これが真実というか
そういうある種その3人の視点による
ある種の客観視するための物語じゃなくて
いやここに真実があるっていうのに
ここに変わるっていうところが
また映画としてのツイストにもなってるというか
まあこういう中立
客観的にそうだよねそうだよねって
言ってるような観客に対する
まあそこで蹴りが入るというか
いや違うぞっていうのはやっぱあって
でやっぱその3幕目で描かれる内容っていうのも
やっぱり完全にその歪んだ男性たちによる社会によって
そこに犠牲とか何か強いたげられている
女性がいれっていうのが
ありありとそっから浮かび上がるっていう
そこを完全に超ドライに描いてしまうっていうのが
まあやっぱすごく見てるこちらとしても
こういろいろ映画としてすごく面白かったですね
12:00
はいそうですね
私本作においてちょっと出現後自分がしないか不安ね
あの我々全員不安ですね
そこは結構プロミシングヤングーマンの時
割と過激なこと言ってたなっていう自覚があるんですよ
本当にあの言い方でよかったのかって
すごい思いっかけしてる回なんですよね
プロミシングヤングーマンの回って
今回あの作品にも通ずるところがあるというか
かなり似てる2作ですよね
でもなんか私プロミシングヤングーマンの時は
それこそ女性の話やなって思ったんですけど
本作はさっき山口さんもおっしゃってましたけど
私これ完全に男の人の話やんと思って見てたんですよ
だからある意味重たさがなかったっていうか
なんか前提としてちょっと男性女性の2択で
本来あんまり分けて話すべきではないとは思うんですけど
便宜上その言葉を使わせてもらうと
そういう意味では女性として
なんて言うんですかね
安心して見れたというかある意味
こっち側の問題ではないんでっていうスタンスですよね
もうそちら側の問題なんでっていうスタンスで見れたんですけど
だからこそそのなんていうんですかね
1幕目と2幕目がメインぐらいの持ってて
そこに対するある意味の答え合わせじゃないですけど
こちらから見たらこうですよっていう
オチになってる話だと思うんですよね
もっと言ったらこの話って
私あんまりその
ちょっとこれ後からもっといろいろ話になっていくと思うんですけど
まずあの時代
時代性もありますし
それを今の価値観でひもと置いてるわけなので
だから男性側が悪い話になってますけど
あんまり本来それってすべきじゃないと思ってるんですよ
その歴史に対して今の価値観だけでジャッジは下せないし
そのもっと言ったら真実なんて誰にも本当はわからないと思うんですよ
だから人がその真実を知るとか
なんて言うんですかね
人をそれで裁くっていうこと自体が本来おこがましいことやなと思ってて
ただ事実は絶対あると事実があって
それが誰にも見えない当事者以外わからない時に
ああいう決着のつけ方をするっていうのが
まず一つ面白い
15:00
単純に面白いなっていうところではあったんですよね
現代とは全然違う
でも現代でも本当のことって法廷で真実を追求する場所じゃないじゃないですか
法廷って
そうですね
あくまでも何て言うんですかね
弁護士がついてお互いの言い分を戦わせて
それが真実かどうかなんてわからないじゃないですか
負けたからといって正しくなかったというわけでもないですし
っていうのを含めると本作の作りが前提からして
今の価値観の正しさを答えとして用意している作品なので
そういう意味では最大限配慮されてると思うんですよ
最初から
それは思います
なので私としてはそういう理由で
あまりざわつきはなかったですね
心の
そうですね
それに関しては僕もそう思ってて
中世っていう舞台を借りているわけなんですけど
今の話をしている映画というか
今って中世だよねっていうための映画なと思ってるんですよね
それを男性に見せつけるための映画だとは思ってて
前田さんのおっしゃる通り
中世の価値観を今の我々がどこまで裁く権利があるのかって
難しいところだとは思うんですよね
もちろん中世の価値観が良くないと思いながら
我々歴史を歩んできて
今の価値観にたどり着いてるわけなんですけど
じゃあ6、7世紀分一瞬で遡って
700年のアドバンテージを持った状態で
じゃああいつらは正しくないって
どこまで言っていいのかっていう
難しさはあると思うんです
ただやっぱり
あれは正しくなかったと思いながら
今の時点があるっていうのもそうだなと思ってて
じゃあ何でこの映画がそれを言っていいのかって言ったら
やっぱり現在を映してるから
あれは正しくないって言える映画になってるなとは思うんですよね
結局一緒じゃん
全部一緒じゃんっていうところに行き着くと思うんですよね
この話って
全部今の何かに重ねられるようにできてるなとは思って
まず第一幕のカルージュは
無骨者で素やな不賢主義的な男性
18:02
妻のことはアクセサリー兼後継ぎを生ませるための機械というか
装置として捉えてるっていう感じの人
まあ今もいるよねっていう感じもあるし
ルグリはある程度世間慣れしてて
世渡り上手で仕事ができるタイプであると
かつ高職家で女の人にガンガン手を出してるタイプ
で何だったらうまいこと口実をつけて
人の妻を襲ってもいいと思ってる人
まああそこまで作中で描かれてたほど
直接的な暴力って感じにはならないとしても
うまいこと自分のペースで持っていって
女の人とどうしようと思ってる人も現実でいるとは思うんですよね
そいつらの視線がどういうふうに歪んでいるかっていうのを
自分の目で見てくださいよと
男性型っていうのが第一幕第二幕だなとは思うんですよね
僕は本作見た時に同じ劇場にずっと喋ってるおじさんがいたんですよ
女の人を連れてて
何しに来てるんですかね
わかんないですけどね
その人ずっと一緒についてきてる女の人に喋りかけてて
本編始まったらそんなに喋らなくなったんですけど
予告段階もずっと喋ってたんですよね
結構ガサツーな感じがバンバン伝わってくるし
あなたこの映画見に来て大丈夫な人なのかって
僕ちょっと逆に心配しながら喋ってるのを鬱陶しく思ってたんですけど
その人第一幕と第二幕は見てたんですよずっと
たまに連れてる女の人に喋りかけてたんですけど
第三幕始まったらしばらくして出ていったんですよね劇場を
それ単に飽きただけの可能性もあると思うんですけど
第一幕第二幕はある程度思って見てたけど
第三幕で嫌になっちゃったんじゃないかなって思って
正直聞こえてきた同じ劇場にいた範囲内での
ある程度偏った見方かもしんないんですけど
本作の中でマルブリッドのことをすごく悪く言ってた
大衆とかってこういう人なんじゃないかなと思って
そういう資料が浅くてガサツな人間こそ
まさにこの本作の中で裁かれてるような
21:01
資料の浅い男性像なんじゃないかなと思ったら
あなたこの映画見に来て本当によかったんですかっていう思いもありつつ
あなたこそ見るべきだったなと思うし
できれば第三幕最後まで付き合って欲しかったなって思いもあるんですよね
そうですね
でも私あの
さっき男性の映画っていう話がちょっとチラチラ出たんですけど
それって結構なかなか暴力的というか
僕は第三幕目であそこで真実って出るっていうところに
ある種の意義深さというか
ある種の公平性を保ったような描き方をしていながら
あそこで一気に真実っていうところに引き寄せるっていうのに
僕は追ってなった意味なんですけど
そこでやっぱり男性のためのみたいなところに
みたいな感想みたいなのもわかるんですけど
それで言っちゃうと結局
当事者となる女性とかの話は結構
そこで既にないがしろにされてるんじゃないかなみたいな意見とかも見たときに
それはすごく自分の中では納得がいくというか
うんそうだよなって思って
一方的に男性側がそういうの悪いよねみたいなのを男性が受け取って
満足して帰るみたいなのってなかなか結構グロテスクな構造っていうか
そもそも映画っていうのがそもそも何か見て帰るっていう
消費するっていうそういう構造を持ってはいるんですけど
そういうのをまざまざと改めて感じてしまう映画だったなっていうのも
ちょっとあるんじゃないかなと思ってますね
なるほどそうですね
女性の話で言うと
私は結構そのポイントになってくるのが
ギボとマルグリットの友達だった
その名前わかんないんですけど
はいいましたね
はいちょっとものすごいタイミングが悪い時に報告してきた人ですね
あの2人がすごいポイントだと思ってて
その友達も最終的にはマルグリットに対して側方向くというか
だじゃないですか
それってあのなんて言うんですかね
あの2人の女性っていうのは
当時のルールに忠実に生きている人たちであり
その中で自分たちが守られていることもわかっている人たちだと思うんですよ
24:03
あの話の中でそのマルグリットもそうですし
ギボとか友達とかもそうですけど
メインで出てくる人たちって基本的に恵まれてる人たちなんですよね
もちろんそうですね
平民ってなんかそのなんて言うんですか
こう気が苦しんで
治めるものも治められないみたいな状態だったわけじゃないですか
でその一方で男の人たちもその当時のわけわからん
こう戦というか頻繁に起こる戦争に巻き込まれて
しょっちゅう借り出されて
むしろそれでしかお金が稼げなかったりして
命を落としに行くわけじゃないですか
その中である意味マルグリットの立場ってすごく恵まれてるんですよね
その代償ってどこで払うのっていう話なんですよね
それは無視できないと思ってて
だからこそその当時の価値観を今の価値観で測るべきじゃないって思う理由がそこなんですけど
そういうのも含めて全部ダメだよねってなって今になってると思うんですよ
今も完璧じゃないですけど今徐々にその方向に来ようとしてるのって
確かに女性は産む機会じゃないしそれでそういうことを目的に結婚されたくないけど
じゃあ他の人が苦しんでる中あなたは何をするんですかっていうところを当時の人はみんなわかってるから
その価値観の中で自分たちは生きてるんだっていうのが2人の女性だったと思うんですよね
そういう意味ではその女性の話にするんだったら私そこももうちょっと不可
そうなっちゃうとちょっとごちゃごちゃしすぎちゃうんですけど
その2人の女性は結構そういう意味で大事な登場人物だったなと思ってて
もちろん前提としてだからといって乱暴なことをするっていうのは今後同談なんですけど
それ以外の部分当時の女性の扱われ方に関していうのはちょっとそこまで踏み込むのは
なんかルール違反な気がするなと思いますね
そうですねそれに関しては僕も思うところがあって
マルグリットって強要がある女性なんですよね
当時としては非常に珍しいし当時としては非常に珍しい強要があって
能力もあるんですよね彼女って
カルージュに代わって領地を運営させたら見事に領地経営が上手っていうのが描かれてたと思うんですよ
思ったのがマルグリットって強要があって理性的で進歩的で能力がある女性でっていうので
27:02
彼女の言い分だったら正しいよねって現代の主体から我々が思えるようになっているというふうに思ったんですよ
それに比べて高職で狡猾なルグリであるとか
粗暴で寒慮なカルージュっていうのに比べたら
マルグリットの方の言い分の方がきっと正しいよねって見てる方が思えるようになってたのかなと思うんですけど
強要がある女性っていうマルグリットに我々が肩入れしやすくしやすい話になってたのかなと思ったんですよ
それってマルグリットに肩入れするにはすごくしやすいんですけど危険だなと思う文化って
じゃあ強要がなくてあんまり能力もない女性が同じ訴えをした時に
同じようにこの話を飲み込めたんですかって言われたら
微妙に同じように受け取れなかったんじゃないかなと思ったんですよね
でもそれってめっちゃ危険じゃないですか
マルグリットが強要だって有能だから正しいこと言ってるって思える
でも誰が言っても性暴力に対する訴えって等しいですねって
思える話にはなってなかったんじゃないかなと思って
それにこの話のマルグリットの有能さであるとか
強要の確かさっていうものがちょっとだけそういうふうに見える部分って
あるんじゃないかなとは思ったりしたんですよ
ただそもそも実話だからどうしてもないんですけどねそこって
ただ見え方としてなんかそう見えるなと思ったとこがあったんですよ
ちゃんと伝えられてるかわかんないです
ちょっとうまく言えてなかったっていう自覚があるんですけどね今
当時の価値観としてそういうものって思ってる女性たちが
義母だとか友人って話 前田さんおっしゃってたじゃないですか
今もそうだなって思うんですよ
例えば痴漢にあったとか何なら合間を受けたとかでも
性暴力は犬に噛まれたと思えみたいな言い分も存在してると思うんですよね
要はそれって例えば周囲の人であるとか親とかが
自分に性暴力の存在を是正する力がないし
周囲もそういうものがあること前提で動いてるから
違いに受けたことを相手が悪いと思うよりは
単に運が悪かっただけって思ってしまった方が
手っ取り早いっていう価値観って存在してると思うんですよ
なんか
30:00
すいません
どうぞ
なんかその性暴力という話になると
結構そのなんて言うんですかね
最悪の一番なんて言うんですか
最悪のパターンの話なんで
ちょっとその簡単に言いづらいですけど
もっとライトなところで言うと
例えば夫婦別姓の話で
いろいろな事情とか理由とか思いがあって
夫婦別姓望んでる人に対して
いや私は好きな人と同じ名字になりたいけどな
っていうような人が義母やと思うんです
義母とか友達
なんて言うんやろ
別に自分は今の価値観で困ってないし
なんならその中で幸せを感じている
だからそこに意義を唱える人を排除したい
っていうのが一番ライトな例やと思うんですよね
ちょっと性暴力の話になると
議論の余地がないので
この話に突っ込みにくくはなっちゃうんですけど
その価値観の守りたい人たちっていうのは
そういう感じかなと思いますね
そこに強い意思があって反論してるというよりは
今の自分の現状を守りたい
今のルールで生きていきたい
っていうのが近しいのかなと思いますね
そうですね
今のあり方とかルールというか
社会が当たり前と思ってるものに
意義を唱えるってなかなか難しい
そこから多分何も義母とか友人とかも
多分何も考えてないんだろうなっていう
世間体を気にするって
要は社会に同化するって話だと思うので
でも結局その社会っていうのが
そもそもちょっとおかしいよね
みたいな話になってるあたりが
この話救いようがないというか
話構造なんだなっていうのは
すごくありありと出てるなと思いますよね
しかも当時で言ったら
義母とかってそういう生き方じゃないと
生きていけないじゃないですか
最初その旦那さんが死んで路頭に迷う
みたいな話も出てましたけど
やっぱりそれが自分のそういうセリフありましたけど
その見返りというか
そういう生き方の見返りとして
自分が生きてるっていうこと
そうじゃないと生きられない人というか
生きられない時代だったっていう側面もあると思うんですよね
33:03
だから私はあんまりその義母とか
あんまりそんなに嫌なキャラには思えなかったというか
それは僕も思いますけどね
マルグリッドにとっては敵対する人になってはいますけど
別にそういう時代社会で生きてたら
そういうことになるよねっていう人の象徴というか
それが当たり前だと思ってる人たちの話なので
それはそうなるし
だからその人たちが悪いというよりも
そもそも時代とか社会がおかしかったでしょっていう話だから
友人とかもああだったらマルグリッドを悪く言わないと
自分の立場が悪くなるんだろうなっていうのはあると思うんですね
自分が仲良かったわけだから
マルグリッドと仲良かったあんたも
良くない人間なんじゃないかみたいなものになる可能性あると思うんですよね
それを避けるためには徹底的に
あの時点からマルグリッドを悪く言うしかないし
何だったらそのマルグリッドの立場を悪くするような証言をしないといけないっていう
脅迫観念はあったと思うんですよ
ただ僕もギボと友人の映画方は特に不満はないんですけど
見方によっては典型的な女性からのペカンドレイプをする立場としての
ある種のステレオタイプみたいに見えないこともないかなと思ったんですよ
僕は必要な役割だったかなとは僕は思いましたね
ああいうのを見て女性の敵は女性だよねみたいな
安易なこと言う男性とかも多分いるんだろうなっていう
そうなんです
そういうのは本当やめろっていうか何を見てんだって感じですけど本当に
僕が一番嫌いなことは女の敵は女って言うのが一番嫌い
本当そういう感じの感想をチラッと見てしまった時は
なかなか絶望的な気持ちにはなりましたけど
そういう見方する人やっぱいるんだとは思っちゃいますよね
ひどいなと思いますけど本当に
あとマリオンさんがおっしゃられてた第3幕が真実として描かれてることに対して
僕なりの捉え方として聞いてもらえたらと思うんですけど
その第3幕を真実っていう親切さこそ本作が男性をより意識して作られた映画の
36:04
表れなのかなと思ってて
あそこで真実って作り手の視点神の視点から言われないと
わかんないんでしょっていうことだなって思って
そういうのもある
だからその3者がそれぞれ違う視点から証言したものを映像化した
証言VTRみたいなもんですと捉えたら全部相対化して
結局何が本当かわかんないから誰が悪いとか言いにくいよねみたいなのに捉えかねないと
男どもは男どもはそう捉えかないから
我輩イドリー・スコットが教えてやるとこれが真実だと
という悲憎というか悪意というかねっていう
ただカッコじってよく見ろこれが真実だと
ここまで親切にしてあげないとわかんないんでしょって
普通に3者さん用の証言としてフラットに描かれたら
すぐ相対化して男の責任の肘を軽くするんでしょと
丁寧に通り道の砂利の意思を取り除かれてるような親切さこそ
今の世の中の男どもがわかってないっていうことの表れだし
そのやりすぎな親切さこそ
この映画が男性に向けられてるっていうことなのかなって僕は思ったんですよ
別にそこまでやらなくてもどう考えてもルグリの性暴力だし
オッド・カルージュからの性暴力の話ですよねって
第1幕第2幕でわかるでしょって
でもわかんないんでしょ
だったら教えてあげますよっていうことなんだなって僕は思ったんですよ
そこまでしているのにも関わらずな感想が流れてくるっていうのも
またなかなかなっていうね
なかなかつらいよねっていう
逆にやりすぎたなと思うけどやっとダメだったなと思って
そうじゃないとこれが正解ですって言ってないとわからないことがあると
そういう人がいると
もしかしたら僕と同じ劇場に行った途中で帰った人も
あのトゥルースっていう字幕が入らなかったら
まあ嫁が適当言っとくかもしらんしなみたいな感じで見てたかもしんないんですよ
最後まで見てたかもしんないんですよ
そういう余地が出てしまってたかもしれないね
まあでもあそこまでされても何が真実かわからないよねっていうみたいな感想を見たときは本当に
何を見たんだろうみたいな何を見てたんだっていう気持ちになっちゃうというか
なんかその何て言うんですかね
私さっきちょっと山口さんのお話ちょっと戻っちゃうんですけど
39:00
あの私カルージュとヌグリのことそこまで悪く見てなくて
あの普通に第一幕の時とか
まあその時からちょっとカルージュの筋肉バカというかなんかこう
戦うことしか能がない感は出てたんですけど
でもなんかこう何やろそれは彼の視点からではあるものの
あのそれなりに奥さんのことを大事にしたり
何かにこうまっすぐというか厚いというかっていう部分はいいなというか
と思いながら見てて
実際そのドレス作れよみたいなのとかもなんか優しいなと思いながら見てたんですよ
で実際そういう面もあると思うんですよ
ただなんかその一番ちょっと顕著に面白かったのが
あの性暴力を受けたって報告した時に
あのカルージュの時の視点とマルグリッドの時の視点で全然セリフが違ったじゃないですか
全然印象すら変わるぐらいで違いましたねあれはね
最初なんか一幕目の時カルージュめっちゃいいやってたんと思ったのに
何やねんこいつって思って
それってやっぱりその何ていうのかなどこの部分が印象に残ったか
あのカルージュがそのセリフを言ってなかったとかじゃなくて
言ったと思うんですよ実際に気遣う言葉も
でもそれが一番最初では多分なかったんです
一番最初にかけてほしい言葉をかけなかったんですよね彼は
であのそういうある意味何て言うんだろう
セリフ言葉会話の部分に関しては
あのお互いの誇張があるかなと思ったんですよね
自分の誇張もあるし相手の誇張もあるしっていうのはすごい面白いなと思って
でそのルグリに関しては
私なんか本当にマルグリットのこと結構好きだったんじゃないかなと思ってて
それはそうだと思ってます僕も
でもなんかその彼は結構そのコンプレックスが強い人間なのかなと思ってて
あのピエールでしたっけ
ジェナフレックのようになりたかったんでしょうね
でもやっぱりその元々が違うからなれない
生まれがねっていう
そう生まれもそうやしこう生まれながらにした
ヨウキャとヨウキャに憧れてるインキャみたいな感じじゃないでしょうか
違うんだと全く同じことをしてても
だから結局そのピエールはある意味では誰のことも傷つけない器用さはあるというか
それはねうんうんうん
42:02
それがすごい皮肉なところだと思うんですけど
それをでも真似しきることができなかったルグリが本当に人を好きになった時に
その愛情表現の仕方すらわからないっていう
そういうなんか悲しさがあるなと思って
それに関してはただ結局その社会的なパワーも直接的な腕力も
最終的に男性の方が強いっていうアンバランスが
そこで暴力として現れやすいっていうのはあるとは思うんですよね
実際にもうとりあえず行為だけ膨れ上がってて
もうこの思いを相手が受け止めるとかどうか関係なくぶつけたいとなった時に
男性の方が社会的な立場強いことが比較的多いし
何だったら直接的な腕力になったら何とでもできるっていうのはあると思うんですよね
そうなったらもうその世の中に余ったあるそういう機械の中で
そういう暴力が発揮されることは起きやすいとは思うんですよ
そこが危険なとこだなと思ってはいるんですけど
なんか私すごい個人的に男女にまつわること
恋愛であってもそうじゃなくても
男女にまつわることって男性も女性も基本的に変わらないと思ってるんですよ
だからあんまり女性が何かあった時に可哀想って思われるのが正直嫌だったりもするんですよ
例えば男女が一夜を共にしてそれだけで終わった時に
なんか女性の方が可哀想みたいな風潮あるじゃないですか
なんかそういうのがすごい嫌なんですよ
でもおっしゃる通り実際に何かあった時に
身体的なリスクを背負うやすい女性なので
そういう意味では弱いと言わざるを得ないんですけど
相手のことを傷つけたり相手のことを存在に扱ったりするのは
男性も女性も変わらないと思うんですよ
だから私こういう話になったらいつも女性ばっかりが悪くないやんっていう話に論調になっちゃうんですけど
実際何かあった時にはなーっていうジレーマーはあるんですけどね
だからなんか話こんがらがっちゃったんですけど
アダムドライバーのことそんなに悪くは思われへんかったなっていうとこはありました
45:07
正直当時としては多分割と普通の人たちなんだろうなって気はしてるんですよ
出てくる人たちみんな極端な極悪人とかじゃなくって
ある程度当時の倫理観の範疇でできることをやってる人たちなんだろうなと思うんですよね
いや悪いんですよ悪いことしてるんですけど
やっぱ個人の話というより構造の話だなと思ってるんですよね
だからやっぱその構造自体をちょっとずつ良くしていかないと
こういうのは何百年経っても残っちゃいますよっていうことを言ってる話なのかなとは思ってて
でもむずいですよね
なんか構造が変わっても人間とか男女の恋愛の部分ってそんなシステマチックにはできないと思うんで
こういうことは起こり得るとは思うんですよね
こういうことって言ったらちょっとあれですけど難しいですね
それをどこまで突き詰めてあれなんかな
そんなことないですね
そうなんですけどもうちょっとちゃんといろんなことに動揺をとることが当たり前な価値観になってたら防げるのかな
ちょっと難しい難しすぎる
少なくとも何か乱暴なことがあったら声を上げてるしそれに対して相互の言い分聞いてもやっぱり普通に考えてこっちが悪いよねっていう風になるように是正していくっていうのはしないといけないと思うんですよね
もちろん人と人のことだし何らかの感情の爆発が暴力として生じることってあると思うんですよ
あると思うというかあってしまうことはあり得ると思うんですよね
それに対して世間がそれをどう捉えるかっていう部分はせめて変えていかないと
やっぱフェアじゃないのが一番嫌なんですよね僕としては
やっぱり本作で描かれてることってフェアじゃないじゃんって思うので
うまいなと思ったのがアダムドライバーって言ってもらってるけど
アダムドライバーって言ったらいいですよ
アダムドライバーの印象が悪くなっちゃうんでルグリにしときましょう
48:03
ルグリの2幕の時にピエールと裸の女の子をはべらかして遊んでるじゃないですか
その時にそれこそ逃げる女の子を捕まえてっていう遊びをするじゃないですか
だから彼は本当に最後まで嫌がってたことがわからなかったんじゃないかなと思うんですよね
そのマルグリットが
そういうふうにしか女性との関わりがなかったから
いざ人対人として向き合うっていう経験が乏しかったんじゃないかなと
だから同じようなシーンだったと思うんですよ
テーブルを囲んで逃げて捕まえて
それは彼が普段そうやって女の子と遊んでるから
それがその方法が間違ってると思ってない
なんだかんだ楽しんでるんだって思ってるんじゃないかなと相手も
そう思わないとやってられない部分もあると思いますし
失恋とかってことに対して耐えられないと思うんで
そういう本当に恋愛をした経験が乏しかったからこそ
最後まで彼自身は彼の無罪を信じてたと思うんですよ
でも彼がことに及んだ次の場面って確か
罪の告白をしてましたよね
だからもしかしたらそういう女性と遊んだ時には必ずやってるのか
それともマルグリッドとことに及んだ時には
そういうふうに何かした罪の意識があってああいうことをしたのかっていうのは
どちらかは分かりませんけど
でもなんかそういう何て言ったらいいのかな
罪悪感みたいなのは何かしらあったんじゃないかなという気はちょっとしてて
そこで何を言えばダメなものはダメっていうのは変わりはないんですけども
なんかその罪の懺悔のシーンのところって
なんか私不倫したことに対してかなと思ったんですよね
もともと親友だった人の奥さんだからっていうところ
なんか彼の中で引っかかったのってそこなんじゃないかなって
個人的には見てたんですけどあのシーンは
ていうかそもそも恋愛って概念そこまでない時代じゃないかなと思うんですよね
だから女性に対する矢印は基本的に性衝動なんじゃないかなとは思って
51:02
そんなことありますか
でもどうなんだろう
いやもしそうだとしたら女性から男性に対する思いも性衝動しかないですよ
そうなんですか
だって別に人は変わらないのでそこは
女性だけが恋心抱くとかはないですよ絶対
もしそんな概念がない世界だったらね
でもなんかそんなの寂しすぎませんか
この映画だけ見てるとそんな感じはない恋愛感じはないよ
性衝動だけだよみたいに見えるけど多分それは違うよね実際はっていう感じじゃないですか
ちょっと今のは僕ダメでしたね
いやいやいや
いやもう本当にね今回3人ともかなり頑張って喋ってるんですよね本当に
本当に言いたいことと違うことを言ってしまって
あるいは伝えたいことと違う伝わり方が押してしまって
ある種なんか押し付け的に捉えられるのがめちゃくちゃ怖いんですよね今回本当に
本当はねこれ直接聞く人と喋りながら話すべき映画だなと思ってるんですよ
ポッドキャストっていう一方的に
こっちが喋ったことを押し続ける媒体でやるのめちゃめちゃ危険な映画だなと思ってて
なんかいやちょっと違うと思いますよってその場で言い返してほしいんですよね本当は
そうですよね
やっぱそうしないとなんかうまく自分の中でも咀嚼しきれない気がしてて
怖い怖いですね
自分ってあれやなって思い知らされてしまうような気がして
逆に言ったら性に関する部分がなければみんな良い人ちゃいます?
そうですね
そうなのか
そんな悪くなかったと私は思ってますけどね
せめて良いか悪いかは判別つかない複雑な人間性を持った人たちっていうのはわかりますけど
良いか悪いかではむずいな
それで言ったらマルグリッドだけ完璧な描かれ方してるのもおかしいと思うんですよ
そうなんですよそこがね危険なんですよね
マルグリッドが完璧じゃなくてもマルグリッドの言い分を飲み込めないといけないんですよ僕たちが
マルグリッド別に正しい人間じゃないけどこの訴えは畜っていう態度を普通に見て普通にそう思えるってならないと
マルグリッドが正しい人間だからこのマルグリッドの言い分は正しいって
観客側が思ってるうちは全然正しくはないんですよね
54:00
っていう風に思ってはいるんですけど
ごめんなさい
わかるんですけど原に今そこで何かどういう人であれ訴えてる人の言葉に耳を傾けるっていう姿勢は大事だと思ってて
そういう姿勢からはちょっとそういう態度はちょっと離れるというか
それもそれでちょっとどうなのかなってちょっと個人的に思っちゃうというか
もちろんその被害を訴えてる方が嘘ついてますみたいなことももちろんあると思うんですけど
けどなんかまずそこで何かまず訴えて被害を訴えてる人に対する意見をまず聞かないとまず始まらないんじゃないかなっていうのがすごく個人的に思うことで
あんまりそこでそういうちょっとなんていうか公平性が修理性がっていうともちろん大切だけど
まずそこはまず最初はその訴えてる側に寄り添う姿勢が大切なんじゃないかなと僕は思うんですけどそこは
逆に言うとルグリとカルージュがもっと完璧な人間だったらこの話ってどうだったのかなって思うんですよ
あの二人だけそんな人間性もなんかあかんみたいな描かれ方されてますけどそんな完璧な人間もいないわけじゃないですか
この映画に登場してる中でマルグリットだけ完璧じゃないですか
それは本当に答えありっきな映画なのは仕方ないんですけど
マルグリットどういう人間だから意見を変えるとかじゃなくて逆に言ったら加害者側の人間性がすっごい良くてもこの話信じられたかって思うと
そっちの方に悪意を持たせすぎてる感じはするんですよね
こういうことをする人間ってこうだよね普段からこうだよね乱暴だよねとか
なんかそれがちょっとこうそのバイアスはかなりかけられてるようなと思いますね
加害者被害者の人間性に
というかステレオタイプかっていうところですかね
ある程度中小化されてる話になってると思うんですよね
実際の史実というか現実の話に比べると
だからその武骨な過不調性主義のカルージュと
その狡猾なルグリット正しいマルグリットみたいな三者の話としてされてると思うんですよね
57:04
だから公平に裁く話というよりやっぱこういう人間って良くないですよねっていうための話だなと思うんですよね僕としては
カルージュのこういうところって現実こういう人言っていますよねこういう人やっぱちょっと正しくないですよね
ルグリってこういう人現実って言いますよねこういう人ってやっぱちょっと正しくないですよねっていうための話かなと思うので
そんなにあえてフェアにしてないフェアにしてないというかどういう言い方が正しいかわかんないんですけど
そもそもめっちゃ悪いことしてる話だから フェアもクソもないんですけど
ある程度誇張というか
ステロタイプにある程度してる話かなとは思うし
ごめんなさい うまく言い切れないです
むずいな
例えばなんですけど 現実で夫妻で友人男性がいて
友人男性が妻に乱暴しましたっていう シチュエーションというか状況だけ聞いて
じゃあそれを客観的に判断できますかってなったら
自分はどうなんだろうなって思うんですよね
本作を見たら妻がきっと被害者でたし
あーなんか良くない方向に行こうとしてる今自分の発言が
私は結構保温しそうと言ってる気がしました
そこで本当にフラットにその妻の声に耳を傾けれるのかと
あなたはっていう話かなと思うんですよね
合ってるというかそれでいいのかな
そもそもこの作品で実際に起こったことが真実かどうかっていうよりも
あの時代に声を上げたっていうところが着地点じゃないですか
実際にそれを身近な人に例えていくと
人間関係とかそれこそ人間性でジャッジすると思います
あいつならしかねへんなとか
あの人がそんなこと絶対するはずないとか
それは個人個人それこそわからないことであると思うので
そういう意味では自分たちにできることって
安易に軽々しくそういう噂話をしたりしないぐらいのことしか思いつかないんですけど
1:00:01
そうやって真実がわからないからこそ神に決めてもらおうみたいな
それ結構すごい野蛮やけど面白いなあと思って
ある意味命をかけて証明をするっていうのは
今回の場合マルグリッドは勝手に命かけられちゃってたんですけど
でも当時の考え方ってすごく面白いなって思いましたね
ある種の合理性があるなと思うんですよ
絶対に解き明かせない真実っていうものに対して
とりあえず納得はすると
本当の意味でどっちが正しいことを言ってる
どっちが嘘をついてるとかって
本当はみんなどうでもいいというか
そこはわかんないねってわかってるけど
とりあえず神様のおぼし飯ってことにしようっていう
コンセンサスを取ってるっていう状況
合理的だと思うしめちゃくちゃ怖い
あの仕組みって
しかもだいたいリドリー・スコットの作品って
神様なんているわけねえだろみたいなスタンスじゃないですか
基本的に
プロメテウスとか神様なんているわけねえだろっていう感じの冒頭だったし
神の名にかけてとかっていう宣言とか
今作いっぱい出てきてその中で裁判してますけど
別にそこに神様の意思みたいなのがちゃんと
マルグリッドに対して寄与してるかっていうのは全然してないし
なんならあの裁判で
所詮男同士のプライドのぶつかり合いなだけっていう
ものすごく不気味というか
ひどいありさまというか
途中王様
いたじゃないですか王様の妻のお姫様とかも
すっごい顔してましたからね
夫が決闘でうーって興奮してるとき
お姫様の顔すっごいどんびきした顔してたし
あまりにも神の名の下に
審判が下るぞみたいな場面であっても
結局そこに神なんていないし
なんならちゃんとその
妻の尊厳みたいなのもそこにはないし
あるのはただの男のプライドだけっていう
ものすごくひどいありさまというか
もうすごく絶望的だな
この場所はっていうのがすごく出てて
あそこはちょっと打ちのめされましたね
あそこもすごい
その決闘っていう形で
聖後、禅学を決定するっていう
仕組みもすごい野蛮なんですけど
じゃあ今がそこまで違うのかって言われたら
そんなに変わんないんじゃないかなと
ちょっと思って
例えば今の現実の際は
さっき前田さんもおっしゃられてたんですけど
1:03:03
神っていう代わりに
法治っていう概念
法で治めるっていう概念を
お題目にして
やってることは結局パワーゲームでしかない
っていう側面あると思うんですよね
裁判とかって
別に真実を明かすわけじゃなくて
法律っていうルールにのっとって
そのルールに寄せた勝利をどうやるかっていう
ゲームなわけじゃないですか
裁判ってある意味
しかもお金で強さ変わるし
そうなんですよ
マリッジストーリーの時の裁判
醜い酷い裁判のことを思い出しましたけど
お互いけなし合ってるだけみたいな裁判を思い出しましたけど
実際例えば裁判の動向を見てる人って
そこで正義とか真実が成し遂げられるとかじゃなくて
単にゴシップとして楽しんでる人もいるわけじゃないですか
あの決闘を見てる聴衆、観客と
そこまで違うのかなって思ったりするし
ちょっとこれ変にうがった聞き方してほしくないんですけど
例えば選挙とかもそういう側面って
あるんじゃないかなと思うんですよね
民主主義っていうすごい崇高なお台まくに
のっとってるふうにしてるけど
実際それって単にイストリゲームというか
それもパワーゲームでしかない側面ってあるし
それを見てる国民とかも
単なる政党ごとのパワーゲームをどうやるかっていう
スポーツの試合を見るのと同じような見方してる側面って
あるんじゃないかなと思うんですよね
でも最終的な結果は
崇高な民主主義による結果ですって
言っちゃったりするわけじゃないですか
決闘でどっちかが喧嘩で勝った負けたしただけのことを
神の意思によるものですって言ってるのは
そこまで違うのかなって思ったりすることがあるんですよね
もちろん真実とは何か我々はわからないので
何かお台まくを借りないといけないんですけど
そのお台まくの精度を上げたいじゃないですか
少なくとも二人の男の決闘で決まるものであってほしいとは思わないし
もっと今のやり方が
そこまでベターですらないんじゃないかなって
思ったりはするんですよね
確かに今やったら
アダムドライバー買ってたんちゃいますよ裁判で
しょうもないですからね
賢いしお金もあるから
現代のルールやったら多分買ってると思う
私あの時代ですら
聖職者裁判とか使って
罪を軽くするというのはないけど
聖職者は裁かれないみたいな仕組みを使おうとするぐらいですから
1:06:01
やっぱり頭はいいので
司法取引ですよね
そういうことですもんね
結局ゲームじゃんっていう
ゲームなんですよ真実っていうものがあるふりした
しかも正直私あの時代やったら絶対見に行くし
今多分行けますよね
ギロチンの処刑台とかめちゃくちゃ見に行ったと思いますけど
当時の人間だったら
我々ホラー映画とか見に行ってるわけだから
正直近しいものを期待して行っちゃうんだろうなとは思うんですよね
人間って不思議ですね
人が死ぬところを見たい生き物なんですかね
死んだことないですからね
死んだことないから
しかも今回の決闘シーンめちゃくちゃよくできてるというか
最後まで本当に結末がわからないっていう感じで
めちゃくちゃハラハラドキドキしながら見てしまうぐらいじゃないですか
もう本当すごいこの構造に対してアウンたる思いをしているのに
リロリー・スコッターなんて面白い決闘シーンを作るんだっていう
もうなんだこれっていう
最高だ最低だみたいな気持ちの揺れ動きというか
シーンに迫ったグダグダの喧嘩感がすごい良かったなと思って
本当に整ったことできなくなって
本当にドロドロなんですよね戦いが
なりふり構わなくならざるを得ない感じがすごい
命をかけてる感じがあるなと思って
だからこそ真実がどうこうとはほど遠いんですよね
ドロドロに這い回って手に入れる勝利でしかないっていう感じが
すごく出てたなと
だって民衆に称えられている
カルージュの後ろを歩くマルグリッドの表情とかも
何とも言えない表情するじゃないですか
もう絶望ですよね
結局自分の訴えとかも
男の栄光にすり替えられてしまってるっていうのもあるし
結構いろんな思いで詰まってるシーンだなと思うんですけど
結局その暴力エンターテイメントに自分が加担してしまったっていう
絶望はあるように思うし
結局誰も真実なんて求めてなくて
残虐症でしかなかったっていう
すごいいろいろなもの込みでの絶望だなとは思うんですよね
この映画
私いつも映画見て思うんですけど
馬ってかわいそうやなって思いません?
1:09:03
馬っていつも人間の歴史で戦いとかに巻き込まれて
今回どうやって撮影したのかなと思って
オスの馬がベスの馬を襲うシーンとかもありましたけど
何か刺されたり
どうやって馬演技してるん?と思って
CGですか?何ですかあれ?
馬が偉すぎる
山口さんが1曲歌うターンきましたね
ちょっと待ってくださいね
延長するんで
山口さんはカラオケで収録をしているので
ちょっとこの辺で1曲挟んでいただこうかなと思います
楽しみだな
正直私
どうぞ
私これ自分一人で見てたら
そんな深いことを考えずに見てたと思います
普通に時代劇として面白いし
なんていうのかな
例えば性暴力がダメなんていう話って
分かりきってることなので
そこを問う映画ではないと思うので
そういう意味ではやっぱり
お互い認識のずれとか歪みがあるっていう部分
そこに関しては正直面白かったです
単純に
そうですね
一番やっぱ
3人が初めて一緒になるシーンがあるじゃないですか
ちょっと仲違いしてた2人が
許そうみたいな場面になって
妻が起訴するみたいな
パーティーというか結婚祝い
あそこはどの視点でも絶対ある場面じゃないですか
やっぱあの場面は本当に
見え方が全然違っているぞみたいな
あからさまに分かるようになってるじゃないですか
どっちの方が大人だったかっていう
どっちから切り出したかみたいなので
ささやかなプライドを満足させるような
認識の違いがあるっていう面白いですよね
あるし
マルグリッドからすると
こいつ最初からちょっとどうかと思うみたいな
こいつあんま良くねえ感じのやつだなみたいな
分かってそうな感じするなみたいな
だともしてるし
しかもそれが何とも言えない視線とか
ほんの一瞬見せる表情とかでちょっと分かるみたいな
なんかうまいなというか
そこへ視点が変わることの面白さっていうのが
1:12:01
生きてくるなと思いますよね
あとね見てて思ってたことがあって
このマルグリッドに対する暴力
マルグリッドに対する乱暴の話が
交じれなかったら結構な
ブロマンスの話だなと思うんですよね
それは思いますね
その武骨な騎士と
器用な
獣騎士でしたっけ
騎士に
獣者が2人が
かつて友情に結ばれてたけど
立場の違いからだんだんすれ違いって
最終的に決闘するって
結構流れ的には
ブロマンスとか
BLとかっていう見方
できる構造自体を持ってると思うんですよね
でも
そこに性暴力っていうのが交わる瞬間に
一気にそこの味わいって吹き飛んで
爽やかに見えなくなるっていうのが
あ、そうなんだなってちょっと
思ったことがあって
僕このブロマンスモノ
としてすごく好きな映画で
何度か言ってるけど
献血対組織暴力っていう映画があるんですよね
警察と
暴力団
警察とヤクザの男が
かつて
友に
なりあがろう
みたいな思いがあって
癒着して
一緒にこれまでやってきたけど
警察側に現れた
女子によってその中が引き裂かれていくっていう話なんですよ
ある意味ちょっと近しい部分はあるかなと思うんですけど
ただ
警察側も乱暴な警察で
半分ヤクザみたいな存在だし
ヤクザ側もそのものなんで
めちゃめちゃ女性の扱い酷いんですよ
でも一応その映画の中では
結構ブロマンスとして見れちゃうんですけど
実際に彼らが女性に乱暴してるシーンを
もっと見せられてたら
そんな風には見れなかったんだろうなと思って
もちろんその作中でも扱い酷いんですよ
女性の扱い
でももっと直接的に
合間とかしてるシーン出てきたら
もうなんかこれちょっとなーって
なるんだなーと思ったら
ブロマンスって結構その詩的な描写によって成り立ってる
すごい繊細なものなんだと思って
結局男同士の絆っていうことは
女性を排除してるのは間違いないと思うんですよ
そこって
じゃあそいつらが
例えばその成らず者みたいなんだったら
当然女性には乱暴してますよねって
でも描かれないから
結構男同士の絆って楽しめてるけど
それ女性側の視点混じった瞬間
1:15:01
単なるこいつら性暴力の犯罪者になるってなったら
なんかそこのエモーションって吹き飛ぶなーと思ったら
なんかすごい
何なんだろうと思って
すごい不思議だなと思ったんですよね
実際のその
例えば戦国武将同士の話とかでも
なんかライバル関係でとかって言ってるけど
めちゃめちゃひどいことしてるわけじゃないですか
現実では
その側面を見てないから
なんか消費できるんですけど
いやいや実際にやってること
戦場で
兵士たちが略奪とか強姦とかしてるし
何だったら戦略結婚で
単にその女性たちを産む装置として扱ってますよね
っていうのを言わないから
楽しめてるだけなんですよね
当たり前のことなんですけど
みんなわかってることだと思うんですけど
なんかそれを言われたような気がして
第一章第二章だけ見て
かつマルリッドのくだりだけなかったら
めちゃくちゃいい
プロマンスものだと思うんですよね
例えばですけど
T-34レジェンドオブウォーっていう映画があって
ナチスの将校とソ連側の戦車兵との話なんですけど
めちゃくちゃエモいんですよね
ナチスの将校側からの
ソ連の戦車兵に対する思いが
めちゃくちゃエモい話なんですけど
いやでも
ソ連側の一般女性捉えたりしてて
そもそもナチス兵とかも
めちゃくちゃひどいことしてると思うんですけど
なんかそこに目つぶっちゃってるんですよね
でもでもでもでも
よく考えてくださいよと
戦争なんで悲惨なんですよ
男同士のエモーションとか
見る場合じゃないですよねみたいなの
気づいてみたいな
なんか言われた気がして
いやなんか僕が今まで楽しんでた
男同士の絆って
ものすごい都合のいい視点で
見れたんじゃないかなとかちょっと思ったんですよ
ごめんなさいなんか
めっちゃ話ずれちゃってますけど
いやいや
いやでもそれは
確かになと思って
そこまでなんていうんですか
なんやろ
だからその良い側面もあれば悪い側面もあるっていうだけの話だと思うんで
難しいですよね
確かにアダムドライバーが
もうちょっと丁寧に手順踏んでたら
恋愛成就してた可能性もありますからね
普通のなんか不倫劇みたいな感じになってただけ
なのかもしれないですけど
なんか今までちょっと話変わっちゃうんですけど
1:18:01
アダムドライバーって結構
癖のある顔やなと思ってたんですよ
癖ある顔やなと思うんですけど
今回私アダムドライバー史上一番かっこよかったなと思って
なんかこう
それって役作りというか見せ方なのか
それすごいなと思います
なんかちゃんと魅力的にやっぱ映るので
それがちょっと面白かったですね
でも私はPL派ですね
PL僕めっちゃ顔が好きなんですよ
ベイクフリーめっちゃ痩せましたね
痩せたんですかね
違うのかな痩せたなと思ったんですけど
ヒゲとかもそうですかね
バットマンとかのイメージがちょっと最近強いから
ちょっとやっぱ太ましいというか
筋肉リュウリュウみたいな感じがやっぱ強かったから
それと比べるとちょっと痩せて見えます
僕アダムドライバーの体型が好きなんですよね
スターウォーズのカイロレンで上半身脱いだ時とかの体型
独特なんですよ
分かります?
細マッチョでもないしゴリゴリのマッチョでもなくて
四角いんですよねパースが
例え方が面白い
スマートに立ち回るとかじゃなくて
普通にケンカが強そうって感じだなと思って
幹の太い木みたいだなと思って
マッチョじゃないのに骨格がリカイなって思って
最後のシーン負けて服とか脱がされて
裸で引きずられていくシーンあるじゃないですか
吊るされるあれがすごいなと思いましたね
あそこだけ沈黙かなと思いました
沈黙またね
そうか沈黙出てましたもんね
沈黙出てますからね
確かに沈黙も同じような死に方してましたもんね
ほんとガリガリに痩せてって感じでしたよね
本作は目こそぎ語っておかないと怖いっていう思いがあって
中途半端でこそぎ語った
なんか怖いなっていう
でもこんなもんかな
01:20:57

コメント

スクロール