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最後に紹介したいのが、アリス・スウィート・アリスですね。現在進行形で公開している映画でもないので、多分これ見れる人あんまりいない映画にはなっちゃうんですけど、良かったので紹介したいなと思います。
映画ドットコムの解説。建築家ライブ監督に転向したという異色の経歴を持つアルフレッド・ソウルが手掛け、1970年代スラッシュアイガンの隠れた名作とも言われる一作。
教会で清算式の最中に一人の少女が殺され、12歳のアリスに疑惑の目が向けられる。そしてその疑いが晴れないまま次々と殺傷事件が起きる。事件の発端となる最初の犠牲者を少女時代のブルック・シールズが演じており、彼女のデビュー作としても知られる。
1976年に制作され、当時日本で劇場は未公開。その後、マスターなどの喪失により長らく幻の作品と言ったが、2019年にオリジナルネガが発見され、2Kスキャンでデジタル収穫された。それにより2020年8月に日本で初の劇場公開が実現。
この作は関西では塚口さんさん焼き場という映画館で公開された。塚口さんさん焼き場は関西の人ならご存知だと思いますが、すごくいい映画館で応援上映をよくやっていて、ファンを育てることに欲的な映画館です。
応援のドラえもん映画とかクレヨンしんちゃんとか、ちゃんと収益の稼げるタイプの映画もやりつつ、こういう本当にゴリッゴリのマニア向けの映画も1週間限定で拾ってきたりして、塚口さんさん焼き場で用意される映画を拾っていくだけで、その1年の映画の重なったところを抑えれるっていうぐらい、セレクトショップみたいな味わいもあるって言ったらいいんですかね。
そこをかけてるだけで、わりと映画ファンとして面白いことを体験できるぜみたいなね、すごいいい映画館なんですよ。関西の人なら絶対ご存知ですよね。知らない人いないぐらい、最近ここ5年ぐらいで一気に有名になった映画館ですね。
入ってみたんですけど、すごい好きなタイプのホラー映画だったんですよ。僕が好きなタイプのホラー映画って、びっくりさせる系はあんま好きじゃないと。あと派手なのもそこまで好きじゃない。派手なのが好きじゃないって言ったらあれかな。都市伝説の盛り上がりを見せるタイプのホラー映画ってあんま好きじゃないのって言ったらいいのかな。パラノーマルアクティビティみたいなタイプの映画はそこまで好きじゃないんですよね。
高校生が盛り上がりそうなホラー映画はあんま好きじゃないんですよ。嫌な言い方。この言い方はダメだ。ちょっとひねてるホラー映画が好きなんですよ。悪趣味さを見るって言ったらいいのかな。ちょっと言語化できないです。ただね、本当に好みはドンピシャでしたね。
まず、カチューの人となるアリスなんですけど、役者さんポーラ・シェパードさん。すっげー感じ悪いんですよね。これ撮影した当時、19歳ぐらいって言ってたかな。12歳じゃなかったみたいなんですけど、雰囲気はね、変な12歳に見えるようになってる。また妹、初めに殺されるのが妹のカレンか。ウルック・シールズ。ちょっとごめんなさい。僕詳しくないな。わからないな。ウルック・シールズさん。めっちゃ美人ですよ。12歳にして。
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妹に嫉妬してる姉なんですね。姉が何かプレゼントをもらったりして、カトリックなんですけど、十字架をもらうんですよ。教会で。それで姉のアリスがそれにめちゃめちゃ嫉妬すると。結構ね、このアリスを演じたポーラ・シェパードさんがウルック・シールズに比べると、ちょっと整った感じではないんですよ。
あと体型もちょっとボテッとしてる感じはあって、ウルック・シールズさんのシュッとしてる感じ。シュッとしてる大阪人ですよね。出身大阪じゃないんですけどね。大阪の人の言葉遣いって感じですよね。シュッとしてるのに比べると、ちょっとボテッとした体型をしてるので、嫉妬してるというか、妹に対してちょっと複雑な心境を覚える姉っていうのが、なんとなく伝わりやすいようになってるんですよ。
で、妹にゴリッゴリにきつく当たるんで、これ絶対こいつが殺すんだわなんとなく見てて思うわけですよね。で、その教会の中で聖三式。聖三式?ちょっとなんとなくイメージではわかってるけど、どういうものかって厳密に言おうとしたらわからないな。
コンビニオンと呼ばれるもので、聖三、聖体配慮、死の晩餐、聖三式、ミサ、接待礼儀においてキリストの体と血となったパンと葡萄酒を与えること。いわゆるおせんぺんみたいなものを儀式を受ける人たちの口に入れていくんですよね、神父さんが。
で、それがキリストの体と申したものとして扱われていると。で、ここで妹のカレンだったかな。カレンが聖体配慮を受けるのを直前で殺しちゃうんですよ、殺人鬼が。で、殺し方あんまり派手じゃないんですよね。本作結構全体的に殺し方派手じゃないです。割と地味に殺すって感じですね。
びっくりさせる感じがないのも、ちょっとその物足りなく感じる人はいるとは思うんですけど、僕はこのバランスが好きなんですよ。気味が悪いのが好きなので、びっくりしたりするのはそこまで好きじゃないんですよ。そこで妹が死んじゃいましたと、どこを語るかと言われると結構どこを語るかってあんまりないな、思いつかないな。
今日はアリスがどんどん疑われていくわけなんですね。妹を殺したんじゃないかっていう。見てる方としては明らかにアリスが殺したように見えるんですよ。どんどんアリスが疑われていくわけなんですけど、実際その正式な病気みたいなのも診断されるんですよね。病院に隔離されちゃったりするんですけど、このアリスの行動がすごいんですよ。住んでる家の管理人さんがすごい太ってるんですよ。
めっちゃ不潔なんですよね。ズボンの股間ずっと汚れてるみたいな。ずっとビール飲んでてすさまじく太ってて部屋から出られないんじゃないかっていう感じなんですけど、アリスはそいつが嫌いなわけですよ。そうっすよね。女の子であそこまで不潔な人間を許容できる人もそうはいないと思うんですけど。
これ本当にダメな人引いたと思うんですけど、そいつの部屋に入っていたずらするのにゴキブリをそいつの体の上に置いてするんですよ。で、ゴキブリが出てきてびっくりみたいな。許容できないですよね。いたずらする中でゴキブリだけは使っちゃダメ。ケガすることとゴキブリだけはダメでしょ。もしかしたらケガよりダメかもゴキブリは。
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アリスは精神的に何か異常がある子供として描かれ続けるわけなんですよ。ゴキブリを自分で飼ってるんですよね。地下室の宝箱みたいなのの中に。ゴキブリを入れてる入れ物の中に火をつけたりするんですよ。あ、こいつあれだわ。見てて思うわけなんですよね。
そこでもう完全に見てる方としても中の登場人物もアリスを疑ってるんですよ。ただ母親と母親と別れた父親だけはずっとアリスのこと、アリスが犯人っていうのを否定し続けるんですよね。これがね見てておいってなるんですよ。やめろって。早く早く解決しろって。足手問題になるんじゃないってなるんですけど。ただそういうもんかな。そういうもんかもしれないです。こうやって。
で、まあ出てくる殺人鬼がすごい印象的なんですけど、ちょっと化粧をした、険しい見た目をした女性のお面で黄色い雨ガッパを着てるんですよね。すごい印象に残りますね。これその雨ガッパはアリスと妹のカレンが着てたものだし、そのお面はアリスが持ってるものなんですよ。
だから完全にアリスとしてその殺人鬼は描かれてるんですよね。で、話がちょっとぐちゃってなっちゃいましたけど、その中でアリスは精神的な病気を疑われて隔離されると。ただその間も殺人は続くわけなんですよね。この辺りの謎解きみたいなのも対して重要視はされてない映画なんですよ。
殺人シーンもそこまでド派手じゃないし、謎解きもそこまでって感じなんですけど、どこが面白いかっていうと、真犯人ですよね。真犯人がわかるわけなんですけど、真犯人が誰かっていうと、その家族が行ってた教会のお手伝いをしてるおばさん?住み込んで働いてるおばさんか何かなのかな?なんですけど、この人が真犯人なんですよ。
細身の女性なんで子供サイズの天葉っぱも着れるのかな?とは思わなくはないんですけど、なんですよ。その人がね、なんかよくわかんないけど、カレンを殺して、あとアリスとカレンのおばさんの足を刺して、その後アリスの父親を殺して、最後にその太ってる犯人を殺すんですけど、なんでアリスに罪をなりつけようとするわけですよね。
なんでかって言ったら嫉妬なんですよね。そのアリスの母親は今離婚して母親のみで2人を育ててるんですよね。その教会の神父さんと結構仲がいいわけなんですよ。それに嫉妬してるということがなんとなく推察されるんですよ。
ここでね、結局カトリックなんで、いろいろ規律に対して幻覚だと思うんですけど、たぶんその入りに抑圧されてきた女の人なんだろうな、なんとなくわかるんですけど、すごい神経質で、一番初めに床掃除とかしてるんですけど、石鹸でガシガシガシガシ磨いてる感じなんですね。そこにアリスがちょっかいかけに行って、それを憎々しく見てるんですよ。
アリスは本当にすごい嫌な感じの子供なので、そういう真面目な人からしたらあんまり言うこと聞かない嫌な感じの子供って神経質な大人からしたらすごい嫌なものだと思うんですけど、それに対してアリスに対してすごいきつく当たるんですよね。その母親は神父さんと仲がいいわけですよ。
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それに対する嫉妬みたいなのがなんとなく見え隠れするんですけど、要はずっと抑圧されてきて、その抑圧されてきた感情ですごい屈折した内面になってるわけなんですよ。神父さんに恋愛感情っていうものかわからないけど、執着心をすさまじく持ってるわけなんですよね。
すさまじいなと思ったシーンが、そのアリスたちの一家の写真だったかなを持ってて、ベッドに寝て、お腹の上にそれを置くんですよ。そのベッドの側には神父さんの写真を入れたついた手があるんですね。神父さんの写真があって、アリスたちの一家の写真があって、その母親とかも写ってるんですね。それをお腹の上に置いて、なんかじーっと何かを考えてるんですよ。
それで要は妊娠をイメージしてるんだと思うんですよ。神父さんの子供を。で、仲良くしてるのはそのアリスたちの母親だから、自分がその母親の代わり、神父さんと仲良くしてる母親の代わりになって、神父さんの子供を産みたいっていうのを想像してるんじゃないかなってなんとなく思わせるシーンがあって、めちゃめちゃ屈折してるんですよ。
しかもその人が被るお面が、なんか険しい化粧をした女の人のお面なんですよ。その人のずっと押さえつけてた願望が現れてるようにも見えるんですよね。さらにその黄色い雨ガッパを着てるのが、アリスたちの着ているものなんですよ。だからめちゃめちゃ屈折してるんですけど、神父さんとの子供を作りたいと思いつつ、神父さんの子供になりたいっていう感情も抱えてるんじゃないかなっていうふうに見えるんですよ。
しかも被っているお面は化粧してる女の人。だから性的に砲塔な女性であるっていうふうな意味合いが多少込められてるのかなと思うんですけど、ずっと押さえつけてきてた性的欲求に対する反動みたいなものが嫉妬であるとか、独占欲になって、神父さんの周りにいる人たちを殺してるように見えると。
そういう意味は、最も自分が不愉快に思っているアリスになりすぎるとしてるわけですよね。アリスは憎い存在なわけですよ。神父さんと仲良くしてる母親、自分が好きになれない母親が生んだ子供であると。妹の方のカレンは神父さんに可愛がられてるんですよね。しかもすごい12歳にして、12歳じゃないか、年下だから、美人であると。
自分に対する憎悪みたいなものも込められてて、殺人に至っているのかなっていうのがなんとなく感じられるっていうね、すごい醜悪なものを見せられて、ちゃんと整合性があるんですよね。最後がめちゃくちゃいい。結局割とずさんの犯罪計画なので、あっさり見つかっちゃうんですよね。
ただ、刺激すると以下の子供をもっと殺しちゃうかもしれないから、私に任せてくださいって、その神父さんが言って、もう一度整体配慮のシーンになるんですよね。儀式を受けてる人たちの口におせんべいみたいなのを入れていて、そこにアリスも並んでたのかな?アリスとお母さんも並んでたのかな?
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そこの口に多分整体って言っていいと思うんだけど、入れようとするのを遮って自分がその整体を受けようとするわけですよ。殺人鬼のおばさんが。これ、嫉妬っていうのはあると思うんですけど。あとね、おそらくこの整体配慮自体に性的な解釈を入れてきてるんですよ。
一番初めのシーンで、カレンが殺されて代わりにアリスが出てきてその整体を受けるんですけど、ものすごい下品な感じに口を開いて舌を突き出してそれを受けるんですよ。それがね、ちょっと性的なニュアンスを感じるんですよね。
だから、アリスの性差って言うのかな?親婚に対して不敬な部分っていうものを表しつつ、アリスがそういうものとして神父さんと関わろうとしていると。だからあれなんですね。きっと同族嫉妬なんだな、あれは。アリスも神父さんに対してちょっと横縞な感情をおそらく抱いていると。だから性的なニュアンスを込めた整体配慮の仕方をするわけだと思うんですよね。おそらく。
それを最後のシーンでは殺人犬のおばさんはそれを止めて自分が受けようとするわけですよ。ただ神父さんはそれを与えずに警察に行きましょうって言うんですよね。ここでそのおばさんは裏切られたって思うわけだと思うんですよ。私がこの家族から必死の思いで奪い取ったあなたから与えられる何かをあなたは与えてくれないのかと。裏切りですよね、本人からしたら。
ここまでやったのに、人まで殺してここまでやったのに、あなたはそれでも与えてくれないのかっていう。ここで神父さんは神っていう意味も持ってますね。おそらく。だからファーザーですよ、神父だからずっとファーザーって呼ばれて。ファーザーっていうことは神父であると同時にキリスト教における神そのものですよね。
それと同時にアリスの一家は父親が離婚しているのでお父さんがいない家庭になっているんですよ。カレンが死んでその一家に来るくらいの関係性ではあるんですけど、実際の父親の欠落と信仰心とそれに対する欲張られた性から来る反発みたいなのが3つの意味がついているものに込められているわけなんですよ。
すごいですよ、あそこの意味の重なり方は。で、自分はそれを与えられないわけですよ。父親からの愛、神父さんからの愛、神からの愛ですよね。3つ同時に与えられないことになっちゃうんですよね。凄まじい裏切りですよね、本人からしたら。
で、殺すんですよ、神父さんを。首に包丁を突き刺して。そのシーンがね、なんでみたいな感じの神父さんの目がいいんですけど、ただ分かりますよね。本人はなんでって思ってるけど、殺したおばさんの気持ち、僕は分かりますね。お前はやっちゃいけないことをやったって本人は思うと思うんですよ。
だってもう、信仰と性的な抑圧から来る反発と恋愛感情のような何か。違いますね、独占欲ですね、おそらく。父というものに対する独占欲ですね、総合している。父というものを独占したかったのにそれをさせてくれなかった、殺してやるってことですよね。そこがね、いいんですよ。
たぶん、全体的に女性の内面のグロテスクさを描いている映画なんですよね。女が女を殺していくっていう映画で。ただ根っこにあるのはたぶんキリスト教的な抑圧に対する反発もある映画かなと僕は見てて思って、そこが良かったんですよね。
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ラストもいい。その神父さんをおばさんは殺しちゃうわけなんですけど、もう包丁は手放しちゃうんですよね、実謀然として。その包丁をアリスが手に取って教会から出ていくわけなんですよ。ここの意味どう捉えたらいいかなっていうのは結構考えたんですけど、一つはまず、もともとアリスは王徳的なことをするタイプの子供なので、その王徳的な魂の持ち主でしたっていうことを表しているラストにも見える。
要はおばさんは信仰心の裏返しで殺人を繰り返したわけですけど、アリス自体はもともと王徳的なんですよね。そもそも神など信じてなかった王徳的な存在だから、その包丁を持って教会を出ていっていうふうにも見えると。
もう別の見方をするとしたら、おばさんは死んだけど結局アリスも神父さんに対する執着心のようなものは持ってたのかな?ちょっと違う見方しちゃってるかもしれないですけど、おばさんの凶器はアリスが受け継いだっていうふうに見える。違うな。おばさんは死んだけどアリスはまだ残ってるよなってことですよね。おばさんと同室のものがまだ残っていると。
ちょっと僕が1個目に言った方とちょっと違うんですよね、意味合いが。1個目の方はおばさんは敬虔な神父であるからこその反発でそうなったけど、アリスはもともと王徳的な、つまり悪魔的な存在ですよね。もともと信仰心など持てなかった悪魔的な存在であって、その人間が包丁を持って教会から出ていくっていう恐るべきシーンにも見えるし、別の解釈をするならおばさんと同室のものがまだ残っているっていうふうにも見えると。
ちょっと違うんですよね、多分それぞれの解釈の仕方が。逆のものなのか同室のものなのか。まあ多分そんな厳密に象徴性を持たせているものじゃなくて、どっちの意味合いも持っているものなのかなと思うんですけど、その人間の入り組んだ内面性、屈折してしまった人間の内面っていうものをホラーっていう形で表現しているのがすごい良くて、いいっすね、めちゃくちゃ。大好きだな。
殺人シーンもね、殺人自体の描き方はあっさりしてるんですけど、しんしん聖母マリア像とかキリスト像っていうのが出てくるんですよ。特にクレイスが殺されるところは、キリストとマリアがずっとそれを見てるっていうふうに表現するんですよね。恐るべきですよね、これ。しかもその殺してる本人は敬虔な神徒であるおばさんなわけですよ。結構きついシーンですよね、あれ。
単に悪趣味で面白いシーンとしても見れるし、宗教的な挫折を見せられるシーンとしても恐るべきシーンだなと思いますし、結構何かするたびにキリスト像とかマリア像とかキリスト教のモチーフが出てくるんですよ。
ずっと見られてるんですよね、キリスト教に。それがずっと見られてる息苦しさがおばさんをああしてしまったというふうに見るのか、悪いことしたらちゃんと神が見てて咎めてるぜっていうふうな反射として見るかっていうのもどっちとしても見れるのかなっていうふうに思って、結構解釈したら面白い映画ですね、アリス・スウィート・アリス。
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一番初めの現代がコミュニオンなんで、ズバリ生態配慮、生産なんですよ。テーマ性はそこにあるんですよね。もともとのテーマは宗教的なんですよ。後でブロックシールズさんが売れてからアリス・スウィート・アリスっていうデビュー作っていう体で売り出されて、その時にアリス・スウィート・アリスっていう名前になったみたいなんですけどね。
その時は少女の残酷さみたいなのが前に出てる感じですよね。アリス、愛しのアリスみたいな感じ。確かに少女の残酷さみたいな話としても見えるんですけど、どっちかというと、現代では宗教的な側面が出てるとは、メインはそっちだった話っぽいんですよね。
いいですよ。派手さを求めるとあんまりですけど、結構味わい深い映画で僕大好きでしたね。ちょっと中盤退屈しました。正直。足りないなーみたいな思ってしまったんですけど、おばさんの正体がわかってからはめちゃめちゃ面白かったですね。
あとこの映画って中でヒッチコックのサイコーがモチーフとして出てくるんですよ。だから舞台が1960年ぐらいで、ちょうどサイコーが上映されたぐらいなのかな。サイコーのポスターが街中に貼ってるぐらいなんですよね。
サイコーのすごいモチーフとして使われてて、包丁で人を殺しに来る殺人鬼っていうの自体がサイコーだし、アリスの精神性っていうものが、ノンマンペイズの精神性みたいなものは多分アリスに重ねる意味でモチーフとして選ばれてるんですよね。
あとね、あの赤い影っていうニコラス・ローグ監督の赤い影っていう映画。ニコラス・ローグ監督はアラビア・ノルウェスの撮影をしてた監督ですね。この人が撮った映画で、ホラーなんですけど、恐ろしいホラーというより幻想的なんですよね。
赤い影、めっちゃいい映画なんでぜひ見てもらいたいですね。赤い影が子供が死ぬ話なんですよ。水難事故で子供が死んじゃったのがトラウマになっているお父さんの話なんですけど、その子供がずっと赤いカッパを着てるんですよね。赤いカッパを着てる子供の幻影に追いかけられるっていう感じの話なんですけど。
子供が派手なカッパを着ているホラーに使われるモチーフの系譜ってありますよね。赤い影が一番初めなのかな。僕が知ってる限り赤い影が初めなんですよ。73年の岩なんで、アリス・スイートアリスが78年だからこっちの方が赤い影の方が先ですね。
アリス・スイートアリスは赤い影の影響を受けているので、子供が派手なカッパを着ているのって結構怖いんですよ。派手なカッパって何かあった時に見つけやすいためのものなんですよね。だからそれ自体が子供が死ぬものを難受させるような構造を持ってホラーのモチーフとしてすごい優秀なんですよ。
ヒットでもそうですよね。ヒットでもジョージが黄色いカッパを着て排水溝に行ったらペニー・ワイズがいたっていう形だから、ヒットでも使われているモチーフだし、僕は見ていない映画なんですけど、ほのぐらい水の底から雨カッパを着ている子供の幽霊みたいなのが出てきますよね。
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だからやっぱり雨カッパ着ている子供ってそのまま子供の死を暗示させるモチーフとしてすごい使いやすいんだなと思って。やっぱり子供が死ぬってめちゃめちゃ怖いんですよね。一応僕は子供いるのでわかるんですけど、子供が死ぬのってめちゃめちゃ怖いですよ、想像したら本当に。子供が死ぬニュースとか見たら本気で落ちますからね。
それはホラーのモチーフとして有効だし、単に人が死んでやったぜ楽しいぜって感じのホラーにはならないんですよ、子供が死んだら絶対に。僕はホラー映画はそういうものを見たいなと思って、見たくないものを咀嚼するために見てるみたいなところがあるんですよね。子供が死ぬっていうことの絶望感みたいなのを飲み込むために見てるみたいなところがあるなと思って。
赤い影はそれがめっちゃ悪いかなし、アリス・スイートアリスもね。アリス・スイートアリスはそこまでだな。子供が死ぬ怖さはそこまでなんだよな意外と。カレン死んだ後結構、カレンが死んだことよりアリスが疑われてること自体の方が問題になってきますからね。ちょっとその子供の死が怖いという意味ではね、ちょっとアリス・スイートアリスは微妙に外れてるところはあるけど、やっぱりモチーフとしてはめちゃめちゃ怖いしね。
しかもそれがね、派手な化粧の女の女をつけてるっていうのはね、アンディ・バレットここらへんですよ。ホラー映画のモンスターの中でもアリス・スイートアリスの殺人鬼のデザインってかなり強烈な方なのかって気がするなぁ。一回見たら忘れないビジュアルですよね、あれ。めっちゃ長くなりましたけど、アリス・スイートアリス。一番見る手段が限られてる映画を長く語るとどうなのって。ありますけどそんな感じでした。
アリス・スイートアリス僕はめっちゃ好きです。見れる人見てください。見た人めっちゃ語りましょう。アリス・スイートアリスの話めっちゃしたい。はい、以上最近見た映画3本でした。
ここから後日収録したアリス・スイートアリスに関する補足というか、衛生ですね。殺人犯のおばさんが寝てる時にアリスの一家の写真をお腹の上に置いて自分の妊娠を想像してたっていうことを言ってたんですけど、ここどうやら思い違いだったみたいで、このおばさんっていうのが自分の子供を過去になくしてるっていうのが終盤でわかるんですよね。
その子供の写真をお腹に乗せてたみたいなんですよ。完全記憶違いしてたんですけど、それのせいでこの作品全体の解釈が微妙にずれてるんですよね。
後でそれをして、うわぁ、めっちゃずれたこと言ってるわと思う。ただもう1回目に見た時はそういう感想を覚えてしまったんで、それは消さずにあくまで追加という形でちょっと修正したいなと思います。
このおばさんが自分の子供の写真をお腹に置いてて、その神父さんの写真が隣に付いたてじゃなくて写真立てで置いてたんですけど、ここはやっぱりその神父さんとの子供の妊娠を想像してたんだろうなと思うんですよね。
ただそれは自分のかつていた子供をもう一度妊娠するっていう。その相手はその神父さんっていうのを想像してたのかなと思ったんですよね。
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ここで神父さんっていうのはキリスト教における神とファーザーって意味合いで掛け合わされているので、実際のセックスを経てずに妊娠するっていう。
それこそ自分にセブンマリアを重ねるような想像もしてたんじゃないかなと思うんですよね。
だからちょっとその解釈の中で、おばさんが性欲を抑えられてて、それの反発でみたいな言い方をしてたんですけど、ちょっとそのニュアンスは弱いんですよね、その解釈でいくと。
どっちかというと、もう本当に自分がセブンマリアみたいになりたいで、その相手は神父さんであってほしいし、キリスト教の神そのものであってほしいっていう思いが入っているんですよ。
だから性的な抑圧が完全にあったとは思うんですけど、それが完全に宗教的にあっち側に行っちゃってるっていうところに消化されちゃってるっぽいんですよね、みたいな感じ。
結構解釈違いしてたなと思って。
それでいくと、アリスを憎く思ってたのは、要するにうちの子供は死んでしまったのになんでこんなクソガキが生きてるのかっていう像ってことになりますよね。
で、そのアリスの母親に対しては、自分が本来結ばれるべき神父さんと仲良くしてる相手っていう風になるし、カレンを殺したのもいい娘がいるっていうことに対する像ですよね。
だから母親を憎っている時点で、出来の良い子供も出来の悪い子供もどっちも憎いんですよ。
出来の良い子供がいたら、なんでこんな出来の良い子供がいるんだって憎むし、出来の悪い子供がいたら、こんな出来の悪い子供が生きてるのに私の子供ってなっちゃうから、もう完全に自分の中で完結しちゃってるんですよね、おばさんの像って。
そういう話だったのかなっていう。
ただ、アリスが持ってる仮面をおばさんが被ることで、罪をなっすりつけるっていうことに、おばさんが抱えてた性的欲圧っていうのがあったかなと思うんですよ。
だからこそ、その神父さんへの執着心っていうものが、神父さんをケイスト教の神に例えて、自分をセブンマリアに例えるっていう形で、
肉体的な汚しさを絶えずに結ばれるっていうところに消化させるように、根邪魔だって解釈しようとしてるのかなっていうふうに思うんですよね。
これね、ここまで言っといて、一回見た時、事実勘違いしてて、見当違いを解釈してたってことなんですよね。
何気に今さらって感じで。
これを恥ずかしがってたら、そもそも映画って見れないですよね。
映画って正解を求めるために見るわけじゃないから。
正解だったから私の解釈が正しいとかじゃなくて、感じたことをそのまま出すべきだと思うので、
僕が一回目に考えたことが間違いだとは思わないんですよ。
自分が受けたものに対しては。
ただ、人に伝えに当たって間違ってましたっていうのは言っとかないとダメだよなと思って、今回この追加の収録をさせてもらってます。
いや、恥ずかしいですね。恥ずかしかったらダメですけどね。
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はい、って感じでした。
はい、ではポップキャスト吉野映画酒場第4回、これにて終わりたいと思います。
お知らせなんですけれども、この前大阪の方でやらせてもらった、
映画の話ししたすぎるバーっていう、曲がりできるカフェバー、週刊曲がりっていう大阪の南森町にあるカフェバーで、
映画の話をするためのバーを開くっていう、一日店長っていうやつをやったんですよ。
で、今回10月もそれをやろうと思ってて日付決めました。
10月24日土曜日です。
今回は連休の中日じゃなくて普通の土日の土曜日なんですよね。
だから前はすごい精一杯だったんです。
30人弱くらいお客さん来てくれたんですけど、ちょっと今回もしかしたらそこまで来てもらいやすくはならないかもしれないです。
前回はね、テネットでめちゃめちゃ盛り上がったんで、逆に今回はしっぽり映画の話できたらいいかなと思います。
10月は誰しもが見る、招待食みたいなのがあんまないんで、味わい深い映画の話をしっぽりって感じの、
ちょっと小さめの回になるかなと思うんですけど、逆に深く掘り下げて話できるかなと思って、
もし関西圏の方、よかったら来ていただけたらと思います。
10月24日、7時オープン、11時クローズ、大阪南森町週刊まがりっていうお店です。
またツイッターとかでもお知らせすると思うので、フォローしていただけたら嬉しいですね。
はい、そんな感じで終わりたいと思います。
アティアさんとマキシムとガチョウコの夜の話のあっさり具合に比べて、アリス・スイートアリスの熱のこもり方はちょっとワンバランスでしたね。
みんなが見れるやつの話しろよっていう感じですね。
まあいいか、アリス・スイートアリス好きだったんで、映画の話したすぎる場に来て、アリス・スイートアリスの話しましょう。
めっちゃ話したいです。
はい、それでは聞いてくれてありがとうございました。
それではまたお会いしましょう。さよなら。