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2020-10-05 12:11

旧第4回「最近観た映画②」鵞鳥湖の夜

こちらのパートでは「鵞鳥湖の夜」について話しています。

※10/11 音質が悪すぎたため、可能な限りで音質改善しました。(でも全然音悪いです。)

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では、ちょっと次行きたいなと思います。次はですね、鵞鳥湖の夜ですね。映画ドットコムの解説を読ませていただきます。
白標の殺人で、第64回ベルリン国際映画最近駒賞を受賞した中国の鬼影、ディアオ・イーナン監督が、中国社会の底辺で生きる人たちの現実を鮮烈な映像で描いたノワールサスペンス。
2012年中国南部、最下位発から取り残された鵞鳥湖周辺の地区で、ヤングたちのナーバル争いが激化していた。
刑務所を出て、フルスのバイク窃盗団に戻った男、張は、対立組織との争いに巻き込まれ、逃走中に誤って警官を射殺してしまう。
全国に指名手配された彼は、自身にかけられた報償金30万元を妻子に残すべく画作。そんな彼の前に見知らぬ女、アイアイが妻の代理としてやってくる。
画帳庫の水辺で、娼婦として生きる彼女を共にする張だったが、警察や報償金強奪を狙う窃盗団に追われ、後戻りのできない袋工事へと追い詰められていく。
1911の風吾郷が主演を務め、白標の殺人のグイ・ルンメイ、ヤオ・ファンが共演。
1019年、第72回観音国際アサイコンビニション部の主演。
ノアルはフランス語で黒と呼ばれている。
本作は、黒の中に浮かび上がるネオンが下品でいいんですよ。
この画帳庫というのが、結構過去にある程度栄えていた湖水浴ですよね。
湖の横で水浴びする観光地として栄えていた場所で、すごい古い過去の観光地の名残が残っているんですけど、
今はもう開発から取り残されて、売られた町になっていると。
ただその過去の華やかさみたいなの、かけらだけは残っていて、下品な快楽街だけは残っているんですよ。
あの感じね、日本の昭和の観光地とかでもめちゃめちゃありますよね。
と下品、汚いんですよ。
ちょっと離れたところは本当に廃墟ばっかりで、
住んでいる人たちも貧民街みたいな感じで、すごい汚い住宅に住んでいたりとか、
本当にもうちょっと昔に僕たちがイメージとして持ってた中国の地方って感じですよね。
そこで繰り広げられる暴力っていうのがね、本当にドライでいいんですよ。
ボンって人が死ぬって感じでね。
全体的に暴力の感じが、ゴロンって前にお出し出されるって感じって言ったらいいのかな。
なんか自然とあるんですよね。
あんまり派手にしないんですよ。
ボンって死んじゃったみたいな。
その冷淡な感じのワールって感じでよかったですね。
またその2012年っていう年代、ちょっと僕曖昧な記憶で語っちゃうんですけど、
今ってもう中国の経済発展って凄まじくて、
アメリカと世界の覇権を競ってるような段階ですけど、
2012年ってまだそこまでだったと思うんですよ。
これから登っていこうとしている段階ですよね、きっと。
そこで取り残されなった街を舞台っていうのが凄い良いなと思って、
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結局中国が凄まじい発展をしていく中で、
いろんなものを切り捨ててきたはずなんですよ。
中国に限らずあらゆる国でそうですけどね。
いろんな過去の遺物っていうものを切り捨てながら発展したものだと思うんですけど、
その切り捨てられた人たちが切り捨てられていく過程のタイミングみたいに僕は見てて、
2020年、今撮ってたらもう完全にその切り捨てられた後の物語って見てたと思うんですけど、
2012年舞台っていうのが中国がもの凄い距離で発展しているタイミングと、
その中でちょうど切り捨てられていく人たちの話だなと思ったんですよ。
主人公の蝶と謎の女アイアイっていう、あんまりフィチュアして見てなくて、
街全体が主役、この座っていく街全体が主役みたいな感じ。
その雰囲気がいいんですよね。
ケバい、汚い、間違いない。
取り残された人間の必死に足掻くエネルギーみたいなのが街全体に溢れてるんですよね。
そこが凄い良くて、全体的にドライな暴力でありつつ、
派手なシーンは急に派手になるんですよ。
首チョンパとかありますからね。
首チョンパを言われるとちょっとお得な気持ち、お得感がある。
頭部切断を表現として選ぶ映画ってなかなかないので、
なかなかないっていうのは、映画全体で見たら少ないわけじゃないですか。
レーティングとかあるし。
その中でそれをやるっていうのは、首チョンパで描きたいものがあるっていう意志が伝わってくるわけですよ。
あ、そっか。首チョンパ伝わるよ、エナジーみたいな感じでね。好きなんですよね。
またその首チョンパした人間って本当に物として倒れるって感じ。
作品のドライさんに寄与してくれるのがいいですよね。
あとジンギス館、繁華街の真ん中で、なんかよくわかんない光る靴を履いてダサい踊りを踊っている人たちが街の中でいるシーンがあるんですけど、
あのシーンもすごいっすね。
ナイキのエアマックスのエアの部分が光るようになって、
多分日本でもあったのかな?詳しくないですけど、
それで踊っている姿がめちゃめちゃダサくていいんですよ。
だから今の中国ってめちゃめちゃセンス良くなってるんですよね、現代的に精錬されて。
でも昔の経済派遣しきる前の中国ってああいうケバくてダサいものがいっぱいあったのかなって思うんですよ。
それが残っている街なんですよね。
その感じがね、うわ、ダッセー、いいなーって思って。
しかもその後ね、蝶の追跡をやる中で結構な騒ぎが生まれるんですけど、
その騒ぎが生まれる直前にね、ジンギス館が流れるんですよ。
あれっすよ、ジン、ジン、ジン、ジンギス館ってやつですよね。
そこのシーンがね、急にジンギス館来るから、
ちょっと笑っちゃってね、すごい変なシーンになって、
ジンギス館が流れてるけど警官がだんだんいろんなことを追い詰めようとしててみたいなので、
蝶の部下が蝶の奥さんですよね、お金を渡そうとしている蝶の奥さんを誘導しようとしてたりとか、
で、謎のあいあいがそこにいてとかっていうね、
様々な思う句が入り組んで緊張感が高まる中のジンギス館みたいなのがね、
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このバランスを持ち込んでくるんだみたいなのがめっちゃ良かったですね。
すごい良いのが、ここまで結構ドライな暴力感を見つめてきた映画の中で、
いきなりね、突飛な暴力がボンって出てくるんですよ。
傘ね、傘のシーン、見た人わかると思うんですけど、傘のシーンやばくないです、あれ。
具体的に何するかっていうと、追い詰められた蝶が、
要は敵対してたグループ、自分がトラブルを起こして、
後でそいつらから追われるわけですよ。
で、追われた結果警官を殺しちゃうんですけど、
その追ってきた奴らは、蝶に検証金が付いてるからって、
蝶を、検証金を取るに来るわけですよね。
で、捕まると、捕まった中で、
もうお前、後殺されるだけだから諦めろよって言う頃で、
最後の抵抗した中で、傘を取って、追い詰めてた奴の一人にぶっ刺して、
貫通させて、貫通させた先で傘が開くんですよ、ボンって。
そしたら、腹側から突き刺された傘が背中に突き刺したところから吹き出る血が、
傘の内側に溜まるんですね、ブシャーって。
今まであんな泥臭い暴力描いてきたのに、
いきなりなんでそんな派手なゴアバイオレンスみたいなのぶち込んでくるのって、
なんか、そこでね、目が覚めるんですよ。
すごい良いんですけど、やっぱ地味に嫌な展開がずっと続いてたから、
そこでね、その傘の暴力がボンって出てくることでね、
なんか変にテンション上がっちゃうわけですよ。
え、こんな、今まで渋いノワールずっと見せてくれてたのに、
いきなりこんな、なんか唐揚げみたいなものまで食べていいの?みたいな。
なんかね、バランス崩れしてるシーンにも見えるっちゃ見えないんですけど、
逆に僕、お得感を感じて、渋い中にいきなり派手なものが来て、
アンブランスは逆に良いよね、みたいなのがね、
あの、好き、あの、伝わる。
良かったです、本当に。
あとね、アイアイを演じたね、クイーン・ルンメイさん、
僕初めて見たんですよ。
白編殺人も見てなくて、すごい良いですよね、これ。
運命を狂わしていく女としての、その怪しい雰囲気。
その怪しさっていうのは、いわゆるクケティッシュって言ったらいいのかな、
怖悪的な女性、いわゆるザ・怪しい悪女みたいな感じが煮詰めた感じではなくて、
どっちかというとボーイッシュな。
幼い雰囲気があると。
幼い雰囲気で中性的なのに、何なん言ったらあるのかな。
だからこそいいみたいな側面もあるかもしれないですけど、
勝負をやってるんですよね。
またこの勝負の表現が独特で面白いんですよ。
湖の中にその相手と入って、するわけですよ。
で、湖の中だからわかんないっていう。
どうなの?あれ?そんなの臭そうだなって。
湖の3つって絶対臭いでしょ。
そんなのいいのかなって思うんですけど、
なんかその、そうやって勝負やってるんですよね。
そこが面白いなっていうのがあるんですけど、話それましたね。
その勝負なのが、ボーイッシュで幼い雰囲気がある勝負っていうのが、
すごい独特の雰囲気で、
またその雰囲気に飲まれていくって言ったらいいのかな。
結局、あいあいがめっちゃ悪い女なのかどうかもわかんないんですよね。
騙し気満々で絡んできたのかもどうかわかんなくて、
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あいあい自身も生活環境というか、生まれとかの環境にどうしても
飲み込まれてそういう状況にいるのかなっていうのは、
なんとなく推察されるんですけど、
どうしようもなくそうやるしかなかったのか、
積極的に騙す側に回ろうとしたのかわからないんですけど、
そこがいいんですよね。
あいあいが何考えてたのかよくわからないっていう、
この巨大な空白みたいなのがいいんですよ。
フィルムノワールってやっぱり基本的に男目線の話なのかなと思うんですけど、
女性に対する理解できなさみたいなのが根本にあるなと思うんですよね。
そこを今時全力で見たっていうのが良かったなと思って。
あいあいがすごい悪いのかどうかもわかんないから、
誰を憎むこともできないんですよね。
なんかどんどん悪い方向行っちゃってるな、
誰が悪いかわかんないけどみたいな感じで僕は見てたんですよ。
もちろんギャングの奴らが悪いんですよ。
バイクとか盗んでるし、すぐガッとなって殺し合いとかするし、
ただその人たちはもうそのルールの中で生きてきたわけだから、
全員そのルールの中で生きてる人たちですよ、基本的に。
その中であいあいだけが何かを選択できる立場にあったってことは全然ないから、
全員が全員生きようとしてはなりましたって感じですよね。
ただザ・フィルムノワール的な女に運命を狂わされる話みたいな感じもありつつ、
最後がすごいなと思ったのが、ごりっくりのネタバレしますけど、
その蝶の奥さんに最後、あいあいはお金を渡しに行くわけですよね。
結局あいあいが蝶を警察に突き出した形になって、
保証金をもらうわけですよ。
で、その下ろしたお金を持って蝶の奥さんに会いに行くんですよね。
なんかそこがいいなと思って、結構犯罪映画に出てくる悪女って、
女の敵は女みたいなのに着地させられること多いのかなって思うんですよ。
で、女の敵は女って好きな人多いじゃないですか。
やっぱ女は怖いねみたいなのを言うために、
女の敵は女ってしたい人って多いと思うんですけど、
そうしなかったのが良かったのかなっていう、独特の良さがありましたね。
結局男同士は殺し合って、男は女を利用しようとするし、
女は男を騙そうとする。
けど、女同士はちょっと肩を寄せ合ったみたいな結論が、
その犯罪ものでずっと書かれてきた、
女の敵は女みたいな構図だけは否定して終わるみたいなのがね、
ちょっと独特の良さがありました。
あいあいが何かを長の奥さんに重ねてたのかなと思うんですよね。
それが何かはちょっと僕は分からなかったです。
自分が見てる限りは。
ガチョウコの夜、いいっすよ。おすすめですね。
傘のシーンだけでも見てほしい。
ジンギスカンと傘のシーンだけでも見てほしい。
あれはいいですよ。あれはいいものですよ。
こうやって話したくなるもの。
絶対ガチョウコの夜見た人と話しするってなったら、
ジンギスカンのシーンと傘のシーンいいですよって語りますもん。
めっちゃいいよあれは。
ああいうシーンがあると、映画見たなっていう満足感があります。
時代によって切り離されていく人間たちの最後の足掻きみたいな文脈でも見れるし、
なんかそういう変な味のある映画としてもいいし、
女的は女とは限らないよねみたいな、最後に出してくる。
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そういうのもいい映画だなと思って。
全体的に良かったですね。
地味ですけどね正直。
フィーリングがマッチすればもうバッチリみたいな感じの映画です。
12:11

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