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2021-12-23 38:12

第42回『ラストナイト・イン・ソーホー』おぞましくて愛しいあの夜へ行こう

『ラストナイト・イン・ソーホー』の話をしました。女性に関するテーマ映画か、それとも楽しいジャンル映画か、答えはあの夜のロンドンにある?

■メンバー ・山口 ・原口 ・まえだ ・マリオン

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00:12
はい、始まりました。映画の話したすぎるラジオ第42回になります。
この番組は、大阪の南森町にある日刈店長によるイベント型カフェバー、週刊マガニンで映画トークバーイベント、映画の話したすぎるBARを月1ペースで開催している店長メンバーによる映画トーク番組です。
私、映画の話したすぎるBAR店長の山口です。
はい、関西の映画シーンを伝えるサイトキネボーズを運営しています、代表の原口です。
前田です。
マリオンです。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
はい、前回から続けて収録しておりまして、ここから前田さんが参加して、ラストナイト・イン・ソーホーの話をしていきたいなと思います。
では原口さん、解説お願いしてもいいですか?
はい、映画ドットコムより拝借します。
ベイビードライバーのエドガー・ライト監督によるタイムリープホラー。
ファッションデザイナーを夢見てロンドンのソーホーにあるデザイン専門学校に入学したエロイーズは、寮生活に馴染めずアパートで一人暮らしを始める。
ある時、夢の中できらびやかな1960年代のソーホーで歌手を目指す美しい女性サンディに出会い、その姿に魅了されたエロイーズは、夜ごと夢の中でサンディを追いかけるようになる。
次第に体も感覚もサンディとシンクロし、夢の中での体験が現実世界にも影響を与え、充実した毎日を送れるようになったエロイーズ。
夢の中で何度も60年代ソーホーに繰り出すようになった彼女だったが、ある日、夢の中でサンディが殺されるところを目撃してしまう。
さらに現実では謎の亡霊が出演し、エロイーズは徐々に精神を蝕まれていく。
エロイーズ役をジュジュラビット、オールのトーマス・マッケンジ、サンディ役をネットフリックスの大ヒットシリーズ、クイーンズ・ギャンビットのアニア・テイラー・ジョイがそれぞれ演じる。
といった内容となっております。
はい、ありがとうございます。では、沢井の感想を伺っていこうかと思います。
原口さん、どのようにご覧になられましたか?
正直、最初は試写で見ながら、ジャンルと監督の作風で結構混乱しました。
純粋にタイムリープなの?と思いながら、ホラーというかサスペンスというか青春もありながら、いろんなジャンルが入りじまっているようなと感じています。
エドガー・ライト監督は、サイモンペックがよく出ているようなコメディをよく作っていて、メイビードライバーでかっこいい作品を撮って、今回こういうのが来たので、「なんだこの作品は?」というのが正直な感想で、今日どこまで話せるかなというのが本音です。
03:09
前田さんいかがですか?
いや、私も今年ベスト3入るなっていうぐらい面白くて。
なんかもうあんまりここがこうだからっていうよりも、圧倒的な映像美だったり、視覚的にすごく楽しめたし、お話の段級もすごく良くて、大好きでしたね私は。
いいですね。
マリオンさんいかがでした?
僕は結構面白かったんですけど、すごくいびつな作品だなとはちょっと思ってて、エドガー・ライトってやっぱ映画オタクで、どんな映画撮ってもいろんな映画のオマージュとかもいっぱいあって、そういった映画の愛っていうのが溢れ出ちゃう監督だと思うんですけど、
今回もそういう多分どちらかというとクラシカルなサイコスリラーとかの系譜ですよね、今回って。
そういうこんなの見たことあるみたいな感じのオマージュがいっぱいあって、60年代のロンドンとかの愛とかもめちゃくちゃあって、そういう愛がダダ漏れなんだけど、なんかちょっとそういうところから一歩距離も置きたいよね、自分みたいなのも今回ちょっと見えてるなっていうのがあって。
いわゆる女性同士の話っていうのに、女性の置かれてた強豪みたいなのがちゃんと入ってると、そういう映画愛だけではちょっと一歩引いた要素とかも入れるようにしてるんだけど、結局なんか映画愛には勝てなかったねみたいな感じの、いろいろその試行錯誤が見えてるのがこの映画面白いなっていうか、僕も普通単純にこういうサイコスリラーとして普通に面白かったし、そういう試行錯誤の過程が見えてる映画だなっていう意味でも面白かったです。
はい。僕はですね、結構今年何回かよく見たテーマがある作品かなと思うんですよね。この番組でも何回か取り上げてるテーマの映画なんですけど、ちょっとそのテーマで拾おうとすると、なんかうまく咀嚼できないなみたいなところがちょこちょことある映画だったんですけど、最終的にこの映画どう捉えようかなと思ったときに、
自分の好きなもののルーツの中に正しくなさが含まれてたときに、それとどう向き合うかみたいな話かなと思ったんですよね。
それはエドワーライトにとってのロンドンという街であり、映画であり、それと今の自分がどう向き合うかみたいな話かなと思ったりはしましたね。
はい、てな感じです。
はい、じゃあここからネタバレを触れていこうと思いますので、まだご覧になってない方でネタバレ気にされる方は是非ご覧になってからお聞きください。
はい、じゃあ具体的に触れていこうと思うんですけれども、まず主演2人を、この2人をキャストするかっていうところが、本作の一番の見どころと言っていいのではないかなと思ってるんですけど、
アニャ・テイラー・ジョイとトマシン・マッケンジですよ。もう現在進行形のミューズ2人って感じだなぁと僕は思ってたんですけどね。
06:08
旬の女優揃えてますよねって感じの、そりゃこの2人出てたらもうそれだけで面白いというか、いいよねこの映画ってやっぱりなりますよね。
やっぱちょっと2人とも美人だけど癖のある美人だなと思うんですよね。多数の人の平均を取った顔って美人になるって言うけど、それとは違う顔だと思うんですよね、2人とも。
そこにある作り手側にも観客側にも何か奥行きを感じさせる部分があるんじゃないかなと思って。
やっぱねなんかちょっとね独特のニュアンスがある話になってたなぁと思うんですよね。彼女ら2人をキャスティングすることで。
なんかもうそれ自体がこの映画肉だし、もう価値でしょっていうふうに思いました。
前田さんもあれですか、話を置いといても映像がって感じですか。
もちろんその主演の2人含めた部分もあるんですけど、何ですかね、なんかこう純粋に怖かったですし、
結構すごく追い詰めてくる感じというか。
なんかそれがストーリーとしてはそこまでひねりがあるわけじゃないと思うんですけど、
なんかその演出であそこまでハラハラさせられたり追い詰めてくるっていうのは結構すごいなぁと思って。
なんかどういうジャンルに分けられるかちょっとわかんないんですけど、私はホラー映画として結構見ている部分があって、
今年のホラーの中で結構私の中でぶっちぎりに良かったですね。
おお、すごい。
なんかパンチあるなというか。
僕は完全にサイコスリラーの文脈で見てて、
サイコスリラーって精神的にやっぱりおかしくなっちゃう話じゃないですか。
夢か現実かもわかんなくなるみたいなのって、
僕なんかやっぱ大好きな映画、例えばコンサトシのパーフェクトブルーとか、
ダーレン・アロンスキーのブラックスワンとか超大好きなので、
やっぱりその系譜をどうしても感じてしまうというか。
しかもやっぱり今回のラストナイト演奏法はすごくクラシカルな方向で見せてくるっていうか、
例えば幻想、精神がちょっと病んで幻想を見ている時の、
サンディの顔が6つぐらい横に並んで見えるみたいなのってすごく昔っぽい感じもするし、
あとサンディが殺されているイメージを見る時に包丁にその顔が映るとか、
すごいクラシカルでいいなって思いましたね、本当に。
そういう演出の部分もそうだし、なんかそれ以外の撮り方も、
すごい古いスリラ映画引用してるんだろうなっていうところめっちゃあったんですよね。
で、僕やっぱその辺り明るくないんであんまり拾えないんですけど、
多分ね、オマージュを求めめちゃくちゃあるんだろうなと思うんですよ。
09:01
大雑把に見るんだったら、僕が分かる範囲だったら、
ヒッチコック引用してるよねみたいな、なんとなくは分かりますけど、
多分もっともっとあるとは思うんですよね。
ね、本当あるんやろうなっていう感じですよね。
だからやっぱその60年代のロンドンと現代のロンドン、
2つを舞台にした話ですけど、やっぱ60年代のスリラ、サスペンス映画とかを撮ってきてるとは思うんですよね。
やっぱその雰囲気も良かったですよね。
あとなんか夢と現実がシンクロしていって、だんだんエロイーズもサンディの格好を真似るようになっていくじゃないですか。
ああいうのがすごいパーフェクトブルーっぽくていいなって思いながら見てたんですけど、
やっぱもう同化していっちゃうみたいなのって、
サイコースリラーのモチーフとしてすごく自分という境界がどんどんなくなっていくみたいな恐怖とか不安感みたいにも感じるし、
やっぱそういうところの不気味さというか精神がすり減っていく感じっていうのは本当大好きですね。
金髪にした瞬間めちゃめちゃ可愛いなってなりましたもんね。
最初から可愛かったけど、すごい垢抜けるなと思って。
金髪も似合うなっていう。
始め、なんかもう現代の話と思ってなかったですよ、田舎にいた時。
始まり方もすごくなんかちょっとオシャレというか、ちょっとミュージカルっぽい感じの。
しかも彼女の部屋もすごく60年代ロンドンのカルチャーがいっぱい貼り付けられたような部屋だったので、やっぱちょっと今っぽくは見えないですよね。
いきなりね、ロンドンに向かう列車に乗った中でビーツのヘッドホンつけてるから、
あ、ゲンダーやったんやここ!と思って。
そこでわかるっていうね。
イヤホンでわかるっていうね。
60年代カルチャーの中で生きてきてたっていう、でも現代なんですっていうのが、彼女のどっぷりぐらいがよくわかるというか。
本当、エドガーライト本人って感じなんでしょうね。
ああいう昔のカルチャーにどっぷり使って大好きでっていうのって。
なんだろうなってね。
でもやっぱそういうのってあるじゃないですか。
なんか自分の生まれてない時代のカルチャーに惹かれるってやっぱ結構あると思うんですけど。
そういうのをやっぱちょっと無邪気に楽しんでいる自分がいて、
けどそれって本当に無邪気に楽しんでいいことなの?みたいなのにちょっと踏み込んだ作品ではありましたよね、今回って。
自分の大好きだったあの時代には実はこんなちょっとダークな一面があってみたいなのに触れるみたいな話。
なんかそこがちょっとこう、無邪気に昔のカルチャーいいよねっていう、
はしゃいでる自分に対するちょっと自戒みたいなのがちょっと込められてるような気がしましたね。
あのエロイズが60年代ロンドンの幻想の中にどんどん入っていくわけなんですけど、
初めてその幻想の中にドンと入って、その大通りを抜けて、
12:02
ああいうその、なんて言ったらいいのかな、歌謡バーじゃないけど、
なんて言うんですかね、ああいうお店って。
華やかな舞台のあるお店に入っていって、あのシーン素晴らしかったですよね。
あそこの一連の流れ。
自分の夢にまで見た世界が広がってるって感じで本当ね、
この時代はサンダーボール作戦が公開されてるのかとか、ちょっと思いながら見たりとか。
いわゆる本来の意味のキャバレーでいいかな。
ああなるほど、キャバレーですかね。
本来の意味ね。
なるほどなるほど。
その例えば映画館がああいう本当にもう斜行場というか、
一大娯楽ですよね。
着飾って、まあその男女で連れ添っていく場所みたいなものとして、
ドーンとサンダーボール作戦の看板が飾ってあってっていう。
あれって本当に60年代、まだ映画はねなやかかりし頃の勢いのある感じだし、
映画に限らずあらゆる娯楽っていうものが、
現実とは上のフェーズにあるものとして、
存在できてた時代の夢。
まさに夢のような世界観っていうものがあそこに現れてて、
やっぱそのあそこに対する憧れってめちゃくちゃあるよなってすごいわかるんですよね。
あの世界に生きたいっていうのはすごいわかるなと思って。
でもまああの世界には行きたいけど、
あの時代には行きたくねーなーみたいな、
そういう話ではありましたよね。
そうですね、ほんとね。
ちょっとじゃあもう後半の方に触れていこうと思うんですけど、
話の後半の流れとしては、
エロイズが見てた幻想の側の住人であるサンディ、
過去の60年代のロンドンに来ていた女性っていうものが、
家主として体制してスターになれることを夢見てたけれども、
実際には半分丈夫のような生活をさせられて、
働かされていると。
そこで消水しきって搾取されているわけですよね。
それを見て、
エロイズはサンディをそこから救わなければならないっていう風になっていくっていう話かと思うんですけれども、
まずあの女性に対する搾取っていう話になっていくことで、
今年こういう映画何回見たよなっていうのがあそこでちょっと思うところはあって、
このポッドキャスト内でもプロミシングヤングーマンであるとか、
最後の血統裁判であるとか、
その辺りの話は何回もしてるわけですよね。
あの子は貴族であるとか。
やっぱそれを一連の流れで思うところは、
やっぱあってしまうっていうのはあったかなとは思ったんですけど、
ちょっとこの文脈、
女性に対する力発っていう文脈でこの映画を捉えようとすると、
ちょっと飲み込みにくいなっていう部分があって、
直接的に性行為のシーンがあるのが、
15:03
僕は結構嫌だなと思ったんですよね。
その文脈で見るとね。
その一等値のキャバレーじゃなくて、
下のグレードの店からサンディは働いてそこから成り上がっていこうってなるわけですけど、
実質的にその半分付属店みたいな店だったわけですよね。
そこで裏側ではもうそういったセクシャルなサービスが行われているっていうのが描かれるんですけど、
それに関してやっぱその行為自体を見せちゃうと、
それを見せるのが目的の映画になっちゃうと思うので、
やっぱなんかそういう女性の欲圧良くないですよみたいな話にはのめないなと思ったんですよね。
この点に関してはやっぱり今年もプロミティング・ヤングーマンがあったので、
その視点の高さっていうのに比べると、
やっぱちょっとその文脈で見れる映画ではなかったのかなと思ったんですよ、僕は。
そうですね、それもだし、あとやっぱりオチというかことの真相に関わりますけど、
結局サンディは生きてたわけですよね。
生きてて、むしろエロイーズが住んでるアパートの公屋さんというか。
彼女はそういう自分に性的な行為を求めてくる男性をどんどん殺してたっていうのが明らかになっちゃうわけですけど、
今なんかそういう女性がそういう知りたけられてるっていうそういう文脈を描こうとしてる割に、
結局女の敵は女みたいな感じになっちゃうのとかもちょっとあれみたいな、
なんかそこも飲み込みにくいなってちょっと感じたポイントだったんですよね、それでいくと。
なんかその鈍然返しはいるのかなっていうのはちょっと思ったりはして、
けどなんかそれ通常のそのよくあるサイコスリラーの文脈でいくと、
それは結構よくあるフォーマットというかテンプレートというか、
だからそっちの方に寄せたんだなって感じにやっぱしてて、
自分の好きなサイコスリラーをやろうとしているのか、
そういう女性のそういう今の文脈で女性を描こうとしているのかの2つ柱があって、
どっちに触れるかみたいなのをめちゃくちゃ多分江戸川ライトは迷いながら作ってるというか、
いうふうにやっぱ思ったんですよね、すごく。
そうですね、最終的にコテコテのスリラーになるなと僕は思ったんですよ。
そこが江戸川ライトの結論だなと僕は思ったんですよね。
江戸川ライトなりの良くない過去であるとか、
現代の女性の描き方をどうすべきかっていうものに対する江戸川ライトなりの結論が、
あの展開なのかなと思って、やっぱりその序盤から終盤手前ぐらいまでにかけて、
女性が夢を見て都会に出てきても男性社会の中で搾取されて、
なりたいものにはなれないことってありますよね。
18:00
しかもその中で性的な搾取もされることもありますよねっていうものを描くと。
それで自分が好きだったものもそういう側面であったっていうことに対する向き合ってることだなと思うんですよ。
自分が好きだった60年代の映画って、
そもそもが作詞的な業界だったし、女優に対してはよりひどい扱いだったしとかっていうのもあるけど、
やっぱり好きなんだよな、ああいうのっていうのが、
足掻いて足掻いても最後にボンって出ちゃうっていう。
でもやっぱりこういうコッテコテのスリラ俺好きなんですよっていうのが最後にボロンって出されるっていうのが、
過去の負の側面とかありますと。
現代もその覆面はあります。
ただ、それでも俺はそれと向き合って、それでもやっぱああいうのって好きなんですよって。
見てください、俺はこういうのが好きなんですっていうのがあふれ出してるなと思って、
ラストの展開は。
サンリーが男たちを殺してたんですね。
で、お前も殺してやるって。
昔のスリラ映画だなって思うんですよね。
あんたが殺人犯だったのか。
そうだ、お前も殺してやるぞみたいな。
あそこの展開すごい無邪気だなと思って、
なんか今までの展開の繊細さに比べて一気に大味さが増すんですよね。
そこにこそ何かね、あるなと思うんです、僕は。
そういうスリラとかサスペンス、やっぱ好きだなって僕もやっぱ思うんですよね、やっぱり。
さっき言ったパーフェクトブルーにしろブラックスワンにしても、
あれもなんかある種の、女性が精神的におかしくなるのを下世話な感じで楽しんでるような不死の映画でもあるじゃないですか、やっぱり。
けど好きなんだよなーっていうこの気持ちみたいな、
この複雑な感情っていうのはすごくよくわかるというか。
いろいろ試行錯誤して、自分の中の正しさと正しくない部分で揺れるエドガーライトっていうのが、
なんかすごく僕は本当に、映画に出ててその子がやっぱ面白かったなという感じですね、本当に。
でも私結構この作品に関しては、演出によるところが大きいと思うんですけど、
あんまり女性が搾取されてるみたいな部分、
なんて言うんですかね、実際そういう表現は多かったんですけど、
もっとばっくり言うと、きもいおじさんが皆殺しにされる話みたいな。
それを最終的に最後の最後で正当化するわけじゃないですか。
主人公も結局そのおばあちゃんがそれをやってたってわかって、
最後そういうおじさんたちの霊が見えちゃうわけですけど、
助けてくれみたいな言われるけど、お前らは死ねよみたいな感じで。
21:03
なんかどっちかというと、そこかなっていう、そこの方が描きたいところだったのかなっていう印象は受けますね。
きもいおじさんは死ねと。
死んでくれと。
別に男の人がどうこうっていうよりも、ちょっとかわいそうだなって一瞬思ったりはしたんですけどね。
あのおじさんたちはおじさんたちで、当時はそういう価値観の中で、
そういうサービスを受けに来た人たちみたいな認識だと思うんで、本人たちからしたら。
それで殺されちゃうわけなので、
普通に考えたら殺されちゃう方がダメなんですけど、
それを思いっきり最後で正当化しちゃうっていう潔さがいいなと思って。
あそこはいいなと思いました。
でもなんか、あの表現本当に顔がぼやーっとして、いろんな人が移り変わりするシーンとかは本当に嫌で。
監督女性の気持ち、女性になったことあるのかっていうぐらい上手い演出だなと思いましたね。本当に。
でも最近、それこそ、それが男性女性って関係ないかもしれないですけど、
やっぱり男性の監督が女性目線でここまで描けるんだっていうのは結構不思議な感覚というか。
だってそんなの女性でも思いつかないと思う、ああいう表現って。
ああいう表現をされて初めて、その感覚が具現化されてるところを見たっていう感じというか。
へー、なるほどね。
なんか私、いかにもああいう経験あったみたいな話し方してしまって。
ちょっと僕、今ちょっと心配してました。
そういうわけでは全くないんですけど、
あの感覚の描き方ってすごいな。
わかるって感じはするんですね、やっぱりね。
なんか一人一人に対する殺意じゃなくて、
集合体、それが社会なのか当時の。
集合体に対する殺意っていう描き方も上手かったですし、
そんな中で唯一、なんていうんですかあの人。
あのボーイみたいな。
ポンピキみたいな。
ポンピキみたいな。
だから唯一あの人だけは許せなかったんでしょうね。
顔がずっと鮮明に残ってる人っていう。
でも刑事と間違えちゃったところ、めっちゃショックじゃなかったですか。
ああ、間違えちゃったっていうね。
ちょっと確かに顔の掘り具合がちょっとっぽいなって感じがしたから、
ああ違ったってなりましたよね。
24:00
なんかああいう時いつも思うんですけど、
映画の中の人って、なんではっきり伝えずに
どうとでも取れる表現をするんやっていう。
もっとちゃんと会話してくれって思って。
確かに確かに。
僕は昔警官だったんだよって言えよ。
そうそうそうそう。
僕はこの街の女性たちのこと何でも知ってるみたいな、
誤解を生む表現やめろ。
大汗ぶりなこと言うなよっていう。
あの辺りもすごい懐かしいなと思って。
思わせぶりなことを言うためのセリフじゃないですか。
あれもはや。
しかもエロイズとやり取りする中で交通事故に遭うわけじゃないですか。
あれも半分ぐらいエロイズのせいだと思うんですけど、
結構その辺りあんま触れないまま話どんどん進んでいくんですよね。
結構あそこまで問題が脇にどけられたまま最後のエンディング迎えるのって、
結構久しぶりに見たぞと思ったんですよね。
あの人の精神もはっきりせんままやったじゃないですか。
まあさすがに死んでないとは思うけど、
そこにも触れないっていう。
あれも主人公がミスディレクションされるためだけの存在だから、
彼の登場シーンはもう終わりました、されるまで触れないですっていう感じでしょうあれは。
あそこの終わりきり、ちょっと僕最近の映画あそこまで終わりきれないと思うんですよね。
そこもやっぱ懐かしいスリラー映画。
ちょっと懐かしいなと思って。
確かにな。
あと音楽結構ね、印象的なのが多かったですよね。
多分、役とか調べてればちゃんとなんかこう、この場面で流れてた曲はこういう意味があってとかっていうのが多分言えるんでしょうけど、
普通になんか、僕でもやっぱ聞いたことあるなこの曲みたいなのも普通に流れるし、
エンディングでこの映画のタイトルになったラストナイトイン奏法って曲流れますけど、いい曲だなって思って結構ヘビーロテしてますね今。
めちゃくちゃレコード欲しくなりますよね。
その前に流れてる曲がエロイースっていう曲をやったりもしますよ。
そうそうそうですね。
多分サンディって名前も多分歌詞かな、前だと思うんだよな。
なんかサントラのトラックリストとか見るとサンディショーの曲とかが多分何曲か入ってるんで、そこから多分名前つけられてるんじゃないかなって気がしますけどね。
やっぱあれですね、エドガー・ライトは耳のセンスのいい映画監督の一人ですよね。
やっぱいろんな音楽知ってる人ってすごいですよね。
音楽の引き出しが多い人ってやっぱなんかちょっと憧れます。
パッと思いつくんだとエドガー・ライトとジェームズ・ガンは耳のセンスいいよなって思いますね。
まあ一応劇班の方もスコアの方も結構良かったかなって感じでしたね、個人的には。
もうほんとそのスコアの方もやっぱりなんかちょっと昔懐かしい感じのちょっと王業な感じのスリラーに流れてそうな曲だったんですよね。
27:08
やっぱそういうとこもちょっとこうにっこりしちゃいますね。
私あのスコアの方もやっぱりスリラーに流れてそうな曲だったんですよね。
やっぱそういうとこもちょっとこうにっこりしちゃいますね。
私あの昨日、猿学長でアイマショーを見たんですけど、なんかテーマというか話、ジャンルは全然違うんですけど、女性の描き方の部分で言ったら結構似てるなと思ってて。
あーなるほどね。
なんかね、サックスという、まあサックスと言ったらそうなのかもしれないですけど、女性、何もない女性がそういう芸能の道とかそういうことを志すときにそういうふうなトラップが多いっていう。
でもなんかまあちょっとこの言い方は語弊を生むかもしれないですけど、ある意味選択するのは自分じゃないですか。
それしかそこに行く道がないっていう状態がおかしいんだけど、それで夢を諦めるっていう道もあるわけじゃないですか。それをしたくない。
それをするぐらいの夢を諦めるっていう方向性もあると思うんですけど、そうはなれないっていうところちょっと似てるなと思いましたね。
確かにそうですね。やっぱサル学長で会いましょうも確かにそういう芸能界に憧れる女の子の話でしたねっていうのを言い返しましたね。
あーそうなんですね。
そうなんですよ。それで上挙してきてみたいな話なんで。
だいたいクズな男に引っかかってみたいな話なんですよね、そこからね。
そう考えたら現代あんまり変わってないんじゃねっていう。
変わってないですよ、そこは。悪い男はいくらでもいますからね。
昔よりは選択肢がもちろん増えてる部分もあると思うんですけど、やっぱりなんていうのかな、自分が強くないとというか自分の弱さの部分がすごく引きずられてしまう都会の怖さみたいなところもちょっと似てるというか。
確かにね、都会って怖いねみたいな映画でしたよね、どっちもね。
どっちも都会って怖い。
東京もロンドンも怖いわっていう話っていうのは確かにそうですね。
いまだに東京怖いですもん、私。
東京は怖いですよ。
いろんな意味で。
僕は青春18切符で旅行してた時に東京を歩いてたらベンツみたいなでっかい車が後ろからシューって走ってきて、お兄ちゃんこれあげるわって言ってなんかちっちゃい箱を渡そうとしてきたんですよ。
怖い。
で、初めやったらただや貰えろって言って貰おうと思ったんやけど、なんかこれヤバそうやなと思って結局貰わなかったんですけど、いまだにあれ何やったんやろうって思ってます。
あれを貰ってたら自分はどうなってたんやろうって。
30:02
箱の中身は家にわからないシュリニンガーのなんたらみたいなね。
シュリニンガーの猫的なやつだっていう。
後々なんかインターネットで調べたんですよ、そういう。
なんか物渡してくる、車で後ろから来て物渡してくるみたいなのを調べたら、やっぱなんかそういう詐欺があったっぽいんですよね。
怖。
怖いですよ。
ただそういう系は大阪の方が多そうではある。
そうですね。
いや大阪はもっと直接的じゃないですか。
なんか思ってる東京の怖さとちゃうやつ来ました。
夢破れるとかじゃなくて。
でも江戸川ライトってホットファズでは田舎怖いねみたいな話してたの。
今回は都会怖いねって話になるんだなっていうのはちょっと思いましたね、そういう。
この作品で唯一変わっているのは双方というものの在り方は変化をつけているのかなと思うんですけども。
そもそも市販行った時に双方っていわゆるニューヨークの双方のことをイメージしてたんですね。
それは僕も思ってました。
最近は双方っていうのはスモールオフィスホームオフィスのあのノリだと思って見に行って。
これちゃんと調べたらいわゆる60年代のイギリスの双方って今でいうと銀座と歌舞伎町が隣り合わせにある街。
恐ろしい街ですね。
華やかな銀座にちょっと裏の通りに入るとそういういかがわしい店から並んでるっていう場所。
それが60年代のイギリスの双方でだんだんと浄化対策が行われて今はいわゆるショッピングストリート色が強い方に変わっていったと。
エロイズもあそこに進めるようになったみたいな話ではある。
そこに何があるか怖いけども場所の変化はちゃんと見せつけてるかなっていうのは見てから調べておいて発見をしました。
なるほどね。しかし彼氏の伊達男感、そしてピンプ感、ポンビキ感ヤバいっすよね。もう完璧やんって。
いい顔してましたね。
めちゃくちゃいい顔してた。こいつ絶対ピンプやわって。
マットスミスね。いい特徴的な顔してますもんね。
ちょっとスイングしながら踊ってる時の伊達男っぽいのもこれはちょっと目の前でやられたら食らってきちゃうわって思いましたね。
確かにかっこいいねってなるもんね。
その後最悪なんですけどね本当に。
そういえば江戸川ライトのみんな江戸川ライトの先にどんぐらい見てるんですかみたいな話とかそういえばしなかったですね。
33:00
そうですね僕はショーンオブザジェットとホットハズとベイビードライバーですね。
同じくでーす。
私も同じですね。
そうなんですね。
なんでみんなワールドエンド見てないんだろうってちょっと思ったんですけど。
ワールドエンド結構大事な作品ですか?
やっぱ江戸川ライトとサイボンペックとマットスミスね。
あのトリオのね、名前どう忘れしちゃった。
ニックフロストね。ニックフロストのトリオの三部作なんでやっぱり。
ワールドエンドはこれでいいの?みたいなところまでいっちゃうので面白いですそういう意味では。
お前それでいいのかみたいな。
サブタイトルが酔っ払いが世界を救うやからそういう作品じゃないの?
まあね酔っ払いが世界を救うんですけど果たしてその世界は私たちにとっていい世界でしょうかねっていうね。
彼が救うことになる世界ってどんな世界なんでしょうねみたいな。
めちゃくちゃ皮肉たっぷりって感じですけどね。
ホットファズの延長戦にはあるんやだから。
まあワールドエンドに何が敵として描かれてるかって要は巨大なフランチャイズみたいな存在ですよね。
スタバとかそういう均一化されたもの。
そんな話なんだ。
かつての街が別の何かに入れ替わってるんですよ。
宇宙人に。
で、住人の顔を殴ったら空っぽなんですよ本当に。
何て言うんですかね。陶器の人形みたいな感じで顔が割れちゃうみたいな。
かなり不気味な映画になってて。
そこってもう本当に均一化されちゃってるっていう世界ですよね。
イオンボールが溢れてる社会だ。
すごいですね。ホットファズも大概映画の表面上から想像できない展開になるけどちょっとそれと近いですね。
そうなんですよね。
もっと酔っ払い映画と思ってた。
まあ酔っ払い映画ではありますよ本当に。
バカだなーって感じの映画ではありますけど。
当時ね、アクトオブキリングと迷ってアクトオブキリングを見たんですよね。
すごい見たくですね。
見たくですね。
全然経路が違う。
あとあれ忘れてましたね。スコット・ピルグリムvs邪悪な元カレ軍団とかも見てましたね。
ちなみにエレドガーライト次回作は1987年のバトルランナーをリメイクした作品、ザ・ランニングマンとのことです。
ゴリゴリジャンルが来たんですよやっぱ。
やっぱね。いいですよやっぱり。
そういうとこがやっぱ好きなんだな僕たちっていう。
やっぱね、ベイビードライバーでちょっとゴージャスな方向行くのかってなったけど、今回ラストナイジン総補でやっぱこのテーマとか映画作家になっていくのかと思ったら、やっぱり俺ジャンルだーってなったから。
36:00
俺ジャンルの人だーってなったから。
なんかねそこはね、やっぱそっち側なのかっていう感じはありましたね。
そんな感じですかね。
はい、ではそんなところでラストナイジン総補の話は終わろうかなと思います。
お知らせになります。リスターの皆様より2021年のベスト映画を募集いたします。
いただいたベスト映画の投票を集計して、年末のベスト映画界にてランキングを発表いたします。
作品はベスト1本のみ、作品名または作品にコメントを添えてお送りください。
投票のみで番組内で取り上げるのはちょっとっていうのはあまり希望されない方は投票のみと書き添えてお送りください。
またベストの投票以外にも番組の感想や取り上げた作品の感想などもお送りいただけると嬉しいです。
メール、ブログのお便りフォーム、ツイッターへのダイレクトメッセージのいずれかより受け付けております。
詳しくはポッドキャストの番組説明文をご確認ください。
僕個人からもお知らせありまして、僕が映画上映会の企画を持ち込みをしている兵庫県の淡路島にある
住元オリオンにて年末年始、バイオレットエヴァーガーデンの上映を予定しております。
劇場版バイオレットエヴァーガーデンとバイオレットエヴァーガーデン外伝ですね。上映を予定しております。
詳細なタイムスケジュールと住元オリオンのツイッターをフォローいただくか、住元オリオンのホームページを検索いただいてご確認いただけたらなと思います。
はい、それでは映画の話したすぎるラジオ第42回ラストナイトイン双方の回を終わりたいと思います。
それではまたお会いしましょう。さよなら。
38:12

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