1. 映画の話したすぎるラジオ
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2021-12-20 37:06

第40回『ディア・エヴァン・ハンセン』孤独なボクらのズルくてやさしくない嘘

『ディア・エヴァン・ハンセン』の話をしました。良い話のような外面とは異なる「正しくない」物語、皆さんは上手く飲み込めましたか?

■メンバー ・山口 ・原口 ・まえだ ・マリオン

■映画の話したすぎるBARのお知らせ 2021年12月18日(土) OPEN~ CLOSE ※アルコール提供あり https://virtualeigabar.com/2021/12/03/eiga-bar_2021-12

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00:12
はい、始まりました。映画の話したすぎるラジオ、第40回になります。
この番組は、大阪の南森町にある日刈店長によるイベント、またカフェバー、週刊まわりにて映画トークバーイベント、映画の話したすぎるBARを月1ペースで開催している店長メンバーによる映画トーク番組です。
私、映画の話したすぎるBAR店長の山口です。
はい、関西の映画シーンを伝えるサイト、キネボーズを運営しています。代表の原口です。
前田です。
マリオンです。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。すいません、前回に続きちょっとまだ喉が全開しきってないです。
はい、今回はですね、久々に4人そろってですかね、DI版ハンセンの話をしたいと思っています。
じゃあ、原口さん、解説お願いできますか。
はい、映画.comよりですね。
から始まる手紙を同級生のコナーに持ち去られてします。
後日、コナーは自ら命を断ち、手紙を見つけたコナーの両親は息子とエヴァン・ハンセンが親友だったと思い込む。
悲しみにくれるコナーの両親をこれ以上苦しめたくないと、エヴァンは話を合わせ、コナーとのありもしない思い出を語っていく。
エヴァンの語ったエピソードが人々の心を打ち、SNSを通じて世界中に広がっていく。
という話で、エヴァン役をミュージカル版でも主役を演じたレム・プラットが演じるほか、ケイト・リン・レバー、ジュリア・ムーア、エイミー・アダムスラが動きを固める。
といった作品となっております。
はい、ありがとうございます。
じゃあ、さわりの感想入っていこうと思うんですが、原口さんいかがでした。
これ試写でと見て、もう一回作品を見たんですけど、どうしようかな。結構賛否分かれるところではあると思うんですけど、個人的に言うと、僕もいじめられてた経験があるので、
割と正直主人公を共感してグッとくる作品ではありました。
ただちょっと、いときいい感じになって、ちょっとなりすぎてないかっていうのはあるんですけど、基本的には何か楽曲も多いので、いい作品だとは思っております。
まずはさわり。
前田さんいかがですか。
私、こういうこの手の映画がすごく苦手で、あんまり見たくなかったんですけど。
03:09
最初から言っちゃう。
実際見てみて、いいなって思う部分もあったんですけど、全体的にうーんって、いい話かこれみたいな。なんだこれって感じでしたね。
マリオンさんいかがですか。
この映画で描かれているテーマとかはすごく僕はいいなと思っているというか、SNN時代に生きるティーンたちのメンタルヘルスンっていうのがすごくテーマだと思うんですけど、その辺のテーマはすごく彼らが感じる孤独とか葛藤っていうのはすごく共感するところがあるんですけど、
ただいかんせんこの嘘から始まる物語自体がすごく飲み込みにくいっていうのが正直な感想で、やっぱりこれちょっと最後はなあなあなまま終わってしまってないかなという気がどうしてもしてしまうのと、
あとこの映画で描かれている善意っていうのにもちょっと僕は違和感とかを感じたりしてしまいますね。ちょっと煮え切らない映画だったなって感じがしました。
僕はですね、結構良かったと思いました。これは自分でも意外で、僕何やったら嫌いな映画なんじゃないかなぐらいに思って見に行ったんですよ。そうしたら事前の期待値結構下げてたっていうのもあったかもしれないですけど、良かったかなと思って。
正直僕エマの反省のことはそこまで他人とは思えなかったですね。彼そのものみたいなことは言わないですけど、あの立場になったらああなるなとは。優しい嘘の話では全くないですね。もう英語の話だとは思います。
その英語にクソ僕は結構良さというか思ってたほど悪くないなっていうふうには思ってたし、むしろちょっといいなぐらいに思いながら見てました。いいですね。この対立軸、あんま見たことない対立軸やからちょっと楽しみですよ。
どう持ってこかなぁもてんきょうな。
じゃあここからネタバレ入っていきますので、ご覧になる方いらっしゃったら見てから聞いていただけたらなと思います。じゃあどっから行きますかね。前田さんとマリオンさんが引っかかってるとこって具体的にどうとかってありますか。
そうですね。これは嘘から始まる話ですよね。まず友達じゃないのに友達だっていうふうなことに図らずもさせられてしまい、それにどんどん話を合わせないといけなくなっちゃったみたいな話だと思うんですけど。
その中で描かれる彼の孤独な気持ちとか、それによってある種の解放されていくみたいなところは僕もそこはすごく共感するというか、僕もどっちかっていうとああいうナイブな方なので気持ちはすごくわかるんですけど、彼のそういうナイブな面がどんどんすごく大きな輪としてなっていくっていうのはいいんですけど、
06:06
けどやっぱりこれ始まりは嘘っていうのがどうしてもずっと後を引いていってるなっていうのがあって、なんかどんなに彼にとってある種の救われていくような感覚になっても、でもこれ嘘なんだよなっていうの。
この嘘の行き着く先っていうのがどう考えても破滅しかないっていうのがずっと見る前からわかっちゃうので、見てる間すごく最後までちょっと飲み込みにくいなっていうふうになってしまったんですよね。
で結局その嘘が破滅を迎えた後の、じゃあ破滅しましたと、全部バレてしまいましたと、じゃあその後どうするんだよっていうところがやっぱりちょっとあっさり片付いたなっていうか、なんかもっとそこはちゃんと嘘と向き合ってほしいというか、
そこでやっぱこう傷ついたりもしたし、傷ついたりもしたしっていう中で、じゃあどうこれから自分はもっと生きていくのかなっていうのをやっぱもうちょっとちゃんとやってほしかったなっていうのがあるのと、あとなんか僕は引っかかったそのある種の善意みたいなところなんですけど、
彼の亡くなったコナーの名前を使った基金みたいなのが立ち上がりますけど、でその基金で何するのかなって思ったら、彼の思い出のリンゴ園を復活させる、彼の名前をつけてみたいな、ふうなことを企画するじゃないですか。いやなんかおかしくねってやっぱ思うんですよ。
せっかくそういう名前基金作るんだったら、例えばそういうティーンのメンタルヘルスを傷ついている方とかすごく不安な気持ちで、今にももう本当自殺してしまうんじゃないかってぐらい不安に苛まれている、うつ病とかになっている子とかの支援としてそういう支援をやっている団体とかに寄付をするとか、そういう講演、自分たちも同じように苦しんでるしみたいなグループセラピーじゃないけど、そういう不安とかを共有できる場とかを作るとか、
そういういろいろやり方とかいうのをもうちょっと考えつくんじゃないかなっていうのがあって、あくまで象徴としてそういうのをやりましたっていうのが本当に形だけの善意っていうか、ある種本当に偽善的ですらあるよなっていうのはどうしてもそこは引っかかってしまうんですよね。
もっとやれることあるし、なんかもうちょっとちゃんとそういうとこ向き合っておかないと、この映画で描くティーンとかのメンタルヘルスとか不安とかっていうのはちゃんと描いたことにならないんじゃないかなっていうふうに思ったんですよね。
おっしゃる通りですよ。おっしゃる通りですよ。
他に関してはもう僕なんとなく楽しめたってだけでしかないので、それはもうおっしゃる通りですね。
特にやっぱりキキンの話をしたときも前田さんめっちゃもうわかるわみたいな感じで言ってましたけど。
本当上映中にそこかよって思いました。リンゴ園どうでもいいやろっていう。
そこに関してはね、僕むちゃくちゃ狭い話だなと思ってて、もうエヴァンハンセンだけの話でしかないぐらいの勢いで見てたんですよ。
09:01
優等生の女の子いるじゃないですか。彼女もすごい前向きにやってるけど、実はメンタルヘルスに苦調があるっていうのを語るシーンがあって、
なんかあそこでバランス取ってる感じになってるけど、なんかね彼女の存在浅いんですよね。
描き方が。それを言ったから誰しも悩んでるって話になってますよねっていうアリバイみたいな存在だなと思ったんですよ、彼女が。
わかりやすいクラスの隅にいるような子だけじゃなくて、真ん中にいる子にも孤独があって精神の不安があるって。
まあおっしゃる通りだけど、彼女しか描かないじゃないですか。
例えばコナーをいじってたいじめっ子みたいなやつとか、他者として描かれてきた生徒たちのことも描かないとちゃんと相対化したことならないと思ったんですよ。
エヴァンハンセンの逆側にいる明るい子だけを取り上げて、彼女も不安あります。だからみんな不安ありますよね。
じゃなくて、でもあの状態だとコナーに縦乱射すんなよみたいな最悪のいじりしてたやつらにも何かあるかもしれないよねみたいなところを描かないから、
結局エヴァンハンセンの鏡写しのためだけに彼女が存在してるなと思ったんですよね。
それをやったってみんなの話を相対化したことにはならないと思ったんですよ。
じゃあ何かって言ったら、もうとことんエヴァンハンセンのエゴの話だなと僕は思ったんで、本当に周囲の存在は他者、本質的に中身には踏み込んでない話。
ただエヴァンハンセンが自分が嘘をついて、自分の罪に追い詰められて、自分で勝手に納得して終わる話だなと思って。
僕は別にそれでいいかぐらいには思いながら見てました。
エヴァンハンセンの冒頭の立場はめちゃくちゃしんどいからです。めちゃくちゃしんどいからどこまでエゴイズム貫いても話に正当性はあるなと僕は思ったんですよね。
人から受け入れられてないっていうことはこの世で最も苦しい地獄だなと僕は思ってるんです。
そこの地獄を抜けるためだったら人間は何だってすると思ってて、あそこで嘘もつくさ、そりゃ。
それぐらいのことは人間はすると思うし、そこまで自分に正直に自分に都合よく世界を捉えて、嘘をついて、自分が罪悪感を抱えたら勝手に納得して謝って。
そのずるさが僕、エヴァンハンセンの刺さったところだなと。
僕も近しいぐらいずるい人間だなと思うので、彼がどんなに自分に甘くてもそういう話として飲み込めるなと思いました。
なるほど。
なんでそんなあれでした?
私が一番この映画が嫌だなと思ったところが、エヴァンハンセンがああいう嘘をきっかけに、ああやって彼を取り巻く世界が変わっていって、
これまでにないような心の成長があったりなかったりみたいな話なのはわかるんですけど、結局その中心にあるのって全部コナーの妹だと思うんですよ。
あの話で私、コナーの妹と結ばれるっていうくだりいるの?って思っちゃうんですよ。
12:03
それはそう。
結局そうなってくると、しかもその話の中でもね、あの妹といい感じになった瞬間にクラウドファウンディングが出えへんになったし、
結局彼が認められたいのって世界じゃなくて、自分が好きな女の子だけやんっていう。
結局最後までその他の人に心、別に大して開いてないし、何やったら炎上しても、あの彼女のことが心配なだけで、どうでもいいみたいな節あったなと思ってて、
最初からあの嘘をついたのも、コナーの妹が自分がもともと好きな子だったからっていうのもあるし、そこに全部帰結してるのがすごい嫌で。
それはそう。それはそうですね。
それやったら私ね、ちょっとこの言い方はあれかもしれないですけど、コナーの妹がもっとエヴァンハンセンと同じくらいイケてない子やったら、もっといい話だなって思えるんですよ。
自分を理解してくれる人がいるっていう、自分を必要としてくれたり理解してくれる人がいるっていうところに恋が芽生えるのはいいなって思うんですけど、
めちゃめちゃイケてる子好きやんみたいな。結局。自分も他人のことをそういう感じで好きになるやんみたいな。
そこが結局、彼自身も世界のことを無視してるところがあるんじゃないかなって思っちゃうんですね。
おっしゃる通りですね。
うん、確かになって思ってしまったというか、結局そうやな。彼女の目を引きたかっただけやったみたいなのはな。
なんかね、話できすぎやんって思ってるけど。
大事な点として、僕、エヴァンハンセンのことをいいやつだなんて身心も持ってないですからね。
そうなんだよな。
今日なんか、エヴァンハンセン4人揃ってるみたいになってますけど、イケてますか?
でもまあまあ、その上であいつ嫌いってなるか、別れてなるか、それぞれスタンスですね。
僕別に、どっちかっていうとこの映画あんまり良くなかった派ですけど、別にエヴァンハンセンのことは別に彼の悩みみたいなのを結構共感してる方なんですよね。
だからさっきの結局お前、コナーの妹に付き合いたかっただけじゃねえかぐらいの感じの言った時に、すげえ、うってなったんですけど。
なんかその辺の気持ちなんか、僕も一緒か?とかちょっと思ってしまったので。
というか、そういう気持ちは絶対あったと思うし。
彼自身の孤独っていうのが単純に好きな女の子から目を向けられたいとかっていうのだったかもしれないし、本当にそれ以外にも家族との関係性とかもすごくありましたけど、
いろいろそういった不安とかがあった上ですごく彼自身が苦しんでるし、薬にも頼らなきゃいけないって状態になってるので。
私もあんな言いましたけど、泣きましたからね。
なんかエヴァンハンセンが最後いろいろバレた後かな、なんか彼の中で彼だけで振り返るところで木に登って落ちたっていうのは、実は飛び降りたっていうシーンあるじゃないですか。
15:02
なんか私あそこですごいこう、自分がイケてない人間というよりも、イケてるかイケてないかって社会的な評価じゃないですか、ある意味。
表面的な。でも彼自身がそれよりももっと深い部分で、自分が本当にどうしようもない人間だってわかってるからこそしんどいっていう、その気持ちはすごい共感して、
だから自分でもわかってる自分の性もなさというか、それがもう嫌でしかないっていう。
それで人の気持ちを引きたかったのか、もう全部が嫌だったのか、いろんな感情で飛び降りたと思うんですけど、ああいう風になる気持ちはわかるなと思って、なんかあそこは結構泣きましたね。
この映画のいいところというか、誠実かなと思うところは、エヴァンハンセンを善人にしてないところだなと思ってるんですね。
善意から嘘をつきましたと、善意から謝罪しました、善意から真実を打ち明けましたとかじゃなくて、自分がその方が楽だからっていうのを基本的に選んでいくんですよね。
彼自身がメンタルヘルスに不調があって、うまく生きられてないと、でも優しい心を持ってますみたいな話じゃないのは、いいんじゃないかなと思ったんです。
本当にずるい。タイミングとかいろんなものを使って、なんか今までとは違う自分になろうとしてる。
それは全然善良さからじゃなくて、なんかいろんなものが重なって、なんか自分がいい思いできそうっていうのであったんじゃないかなっていうふうに僕には見えたんですよ。
そこがいいなと思うし、わかるなと思って。
この話ってやっぱり若者の、若者というかもう人類のって言っていいと思うんですけど、承認されたいって思いに紐づいてる話だと思うんですよね。
バズるわけじゃないですか。バズって世界に認められていって、好きな子と一緒にいられるようになるし、周りからも一目置かれるようになると。
そのために嘘もつきますよねっていう。嘘ついても大丈夫なタイミングになったら嘘つきますよねって。
で、SNSにアップして、動画アップして、ライブ配信して、承認されたいですって。正直みんな心当たりないですかって僕は思うんですよ。
昨中のエヴァンハンセンのやったことはめっちゃ悪いことですよ。
でも大なり小なり、そういう嘘をつけるタイミングにその嘘を利用して、今いる場所とは違う場所に行きたいって、結構みんなしてないですか?したいと思わないです?
僕はやれるんやったらすると思いますよ、僕は。そこがね、わかるなと思って。
そこがやっぱり今のSNS時代のリアルというか。
人と繋がることっていうのがすごく簡単になってはいるけれども、それによってやっぱりすごく対人関係でのストレスとかもめっちゃ増えるし、
繋がらなきゃみたいな不安にもやっぱりめっちゃ苛まれたりするし、
そういう繋がりたいのと結局自分は一人だっていうのが、だから今紙一重で自分の中に存在し得るなっていう時代っていうのになりましたよね、すごくそういうのは。
そういうのはやっぱりすごく出てたし、人と繋がるツールっていうのがどんどん進化していってるのに、
18:04
人との距離感ってどんどん途方もなく遠いものに思えちゃうっていうのが今のティーンのリアルというか、今の社会のリアルだなっていうのを思います。
そういう意味でみんなから思ったのが、結局はシェアが狭い意見ではあるんだけれども、
その個々人の世界から必要とされていないっていう孤独を感じたことがある人には共感できるんかなって思いながら見てて、
それこそ俺が学生時代、SNSがない時であっても、春休みとか冬休みに誰からも着信がならず携帯の充電が切れたことを知った時の孤独感が結構近いものがあるなと思って。
一切アラームが鳴らずに電話の電池が切れたアラーム音が流れた時の孤独っていうのがすんげえ思い出した。
僕が大学時代に12月に半袖で大学行ったり、一人で公園で雪だるま作ってたのもそれなんですよね。
何の覚悟を暴露大会にしたんですか、今。
いやごめんなさい、原口さんに釣られて変なこと言っちゃったんですけど、見ろと。
俺は別にアピールしてないけど見ろっていうのが、かつては自分はもうこぼれを出してたなと思って、誰も見てないけど見てくれって言ってたわって。
やっぱあるやんか、そういうかまってちゃって。
今もそうですよ。今も超かまってちゃうんですよ。
誤魔化せるようになっただけで超かまっちゃうんですよ、ほんとに。
それとなくやりすぎないようにアピールするみたいな術を身につけていってるだけであってっていうことですよね。
やり方わかってないかったら。
誰しもがインフルエンサーになれるわけでもないので。
でもやっぱこの話の中で描かれてるSNS感ってめっちゃ浅いなと思って。
こうやってみんなバズりたいと思ってますよね、おぞましいですよねみたいなのって。
しかも作中ではさも良きことであるかのように拡散していくんですよね。
逆に怖いですよねみたいななってるけど、みんな知ってるやろうとは思ってそこは。
そこの怖さって知ってるよねみんなとは思って。
今更言われなくても正直今のSNSってそういう自意識ってグロテスクですよねみたいな。
承認欲求って危険ですよねみたいな。もはや内包したまま出発してると思うんですよね。
言われなくても。自覚したまま出発してて。
俺分かってるけどみたいなことを身にまといながら承認欲求バシバシ出すみたいなのが多分現代SNSだと思うんですよね。
その前段階でみんな孤独でみんな認められたいと思ってるんですとかって前提条件かなと思うんですよ。
その上で何をするかっていう感じになってるかなと思って。
この元のミュージカルって確か2016年上映なんですよね。
ちょっと古いんですよ。多分2021年の今とはSNSがラグがあると思って。
やっぱなかなかSNS時代を映画に使うって難しいですよね。
21:03
SNS時代の移り変わりが激しすぎて映画にする頃には古くなっちゃうみたいなことって結構多いと思うんですけど。
本当そういうので失敗しちゃってる映画って結構たくさんあるし。
そこは正直めちゃくちゃ難しいなと思うんですよ。
そこを完璧に捉えるのって難しいし多くの人には伝わらない可能性も高いと思うんですよね。
そこまでSNSの本質的なメンタリティーみたいなものを射抜いた作品って正直カット映画にしかならない気もするんです。
だからみんなわかってますよねSNSってこういうもんですよねって。
でもそれでもやっぱり何か良くなりたいですよねみたいなレベルの話だからこそ割と
万人が見てまあまあいいんじゃねえぐらいには思えるような話になってたのかなと思って。
正直SNSがそういうもはや毒を喰らわさらまでみたいな勢いで
どんどん自家中毒を起こしながらもどんどん回っていってしまってる状態になってるって
相当表現しにくいことかなと思うんですよね。
なんやったらエンターテイメントにならないし。
だからまあそこはねSNSというか普遍的な承認欲求自意識の話をしようとしてるけど
やっぱり最終的にエヴァンハンセンの話にしかならないかなっていうふうには僕は見て
だからこそ多少感情移入もしつつただエヴァンハンセンって人間に距離も取りつつ
ちょっと上ってならない距離感で見てたっていうのがありましたかね。
この話が等身大のエヴァンハンセンのずるさを描いてる話っていう前提だったら
もっと飲み込みやすかったと思うんですけど
この予告といい全体から醸し出されてる雰囲気が
例えるならチョコでコーティングされてるの中身カレーやんみたいな
そういうちぐはぐさがあって
それはその予告とかポスタービジュアルが悪いのかもしれないんですけど
すんごいいい話やからこれみたいな感じで見させられてる感がすごいあったんで
どうしてもそこに対するそれ前提で見ちゃうとそうかって思っちゃう部分はあって
例えとしてあれかわかんないですけど
なんかこれディズニー制作の映画っぽいなってちょっと思ったんですよね
なんかすごくそのSNS時代のティーンたちのメンタルヘルスみたいなテーマって
海外ドラマとかでもやっぱりユーフォリアとか十三の理由とかめちゃくちゃ素晴らしい作品めちゃくちゃあったりとかするし
そういった作品ってやっぱすごくドロドロしてるというか
ちゃんとその辺のリアルを反映させようというやっぱり強い意思が感じられる作品なんですけど
そういうのとかを知ってる身からするとやっぱり二階版ハンセンっていうのはなんかその辺の上すくみじゃないけど
万人にこれをちゃんと見れるようにしましょうねみたいな感じの
均一化、間口広くしたら結局あんまり深くは描けなくて
ちょっと浅めになっちゃったみたいなテーマの掘り下げ方としてっていう風なので
なんかちょっとディズニーっぽいなというか
ディズニーだともうちょっとそこ掘ってほしいけど
ディズニーだとそこちょっと掘れないのかなみたいな風になっちゃうみたいなのにちょっと近いような感じでちょっとしましたね
そこはねオブラート包みすぎやろみたいなとこありましたかね
24:00
あと嘘を持っていくシーンでコナーが生き返ってイメージ出てくるじゃないですか
あそこ結構怖い場面やなと思って個人のエピソードが上書きされていくの怖え
善人であったと上書きされていくの
それをイメージ映像を使って本人が生き返ったかのように描かれるの
コナーっていうのが生き返って善人としてリライトされてるの結構おぞましいよなとか思って
ただ同時にそういうもんかなと思いました
基本的に人の死って他者にとっての物語でしかないよねっていうのはそれはそうだなと思って
最終的にその物語ってどんどん拡大して消費されていくわけじゃないですか
それは言い悪いというか
人の死は基本的に他者には物語としてしかキャッチできないよなっていうのは思って
怖いなと思いつつそうだよなって感じで見てましたね
コナーに一体何があったのかみたいなのはあんまりよくわかんないじゃないですか
なんかそこもちょっと怖いなというか
彼には彼なりの何か孤独があったはずなんだけどそこってやっぱりあまり出てこない
まあもちろん死んでしまってる以上わからないって空白っていう部分になってるからしょうがないんでしょうけど
それをなんかどんどん大きく膨らましていくのはなんかすごく何だろうこれはっていう風な気持ちはやっぱちょっとなるのはわかるというか
なんか空白として描ききったらそれは空白に対する空想で物語が広がるってなると思うんですけど
結構その上重ねしていくじゃないですかコナー像を
やっぱそこはちょっとねその中心の空白としてはあんまり見えにくいっていうのはあった気がしますね
そうなんかコナーの家族が結構複雑な思いをトロする歌のシーンとかあったじゃないですか
彼が死んだけど別に涙なんて流したくないとか
ああいうあたりの複雑さみたいなのがどんどんなくなっていくのって
なんかちょっと何とも言えない気持ちになるというか
いろんな側面がどんどんなくなっていっちゃってるなっていう風に思えてくるんですよね
あそこも何とも言えない気持ちになるなあというか
あそこいいシーンですよね
アイルシングのレクイエム家族3者それぞれが歌うシーンすごいいいシーンだなと思って
あの結構あの家のお父さん割といいお父さんだなと僕は思ったんですけど
そんなことないです結構頑張ってるなと思ったんですけどね
うん僕も思いましたけど
このお父さんなんかパンフレット見るとミュージカル版ではコナーの実の父親っていう設定やったけど
映画では義理の父ステップファーザーになってる
そうなんだ
なんか正直コナーちゃんと映画描いてへんけど想像の範疇でいくと結局ステップファーザーとうまいことできなかったんかなっていう
で妹の方がこのお父さんコナーでできた子供の方やからで葛藤があったんかなコナーっていう想像があるかなと思い
かなと思ったりする今のエモジョン聞きながら思ったのは
結構頑張ってましたけどね本当に
で後々当初泣けなかったお父さんが後で泣くシーンは僕すごいいいシーンだなと思って
咀嚼できなかった悲しみを咀嚼できるようになるって僕ものすごいいいことだなと思うんですよね
27:00
実際身内なくした時って結構ピンとこなかったりするんですけど
いたはずのものが今抜け落ちてるわっていうのを実感した瞬間に悲しみが襲ってくるって結構理解できるなと思って
あのシーンめっちゃいいなと思ったんですよね
かなり頑張ってたと思いますあのお父さん
逆にお母さんはコナーをどこかでいいこと信じてたと思うんですけど
基本的にコナーってやっぱ乱暴者だし嫌なやつだと思うんですよ
なんかそのコナー自身の嫌なやつ性をお母さんはどこまで受け止めきれてたのかなっていうのはちょっと思ったりはしました
結構母親って家族ってそれぞれがそれぞれに対する感情って違うじゃないですか
だからコナーって妹から取ったら兄やしお母さんから取ったら息子やしっていうところで全然違うと思うんですけど
結構母親っていう存在って子供の時のイメージがすごい強いのかなって思うんですよね
長くいますからね
そう自分の子供が小さかった頃の記憶っていうのがすごく強いと思うので他の人よりも
だから果樹園にずっとこだわったというかあの思い出のこともずっと思ったのお母さんやし
なんかそういう意味で大きくなって荒れていったコナーよりもというかあんないい子だった時もあったっていうところが
だから根はそうなんだっていうのをずっと信じたいっていうのはあったんですよね
ゾーイと二人で写ってる幼い時の写真が飾ってあるのとかもやっぱグッとくるんですよね
ゾーイも兄の死を痛めるようになるわけじゃないですかいろいろ経て
何かに被害に遭った時に許さなくてもいい権利があると思うんですね被害に遭った人は
でも許さなくていいと同時にその人を何か不幸があったりした時に痛む権利もあると思うんですよ
両立していいなと思って
やっぱりコナーは今のとっては暴君だし加害者だったとは思うんですけど
それでも良かった時代っていうものを思い出してそこを痛む気持ちを持つっていうことは
両立するよなと思ってあそこも何か良かったかなと思ったんです
あとエヴァンハンセンのお母さんですねがの描き方は僕結構好きで
十分に息子に時間と労力を注げてないけれどもできる範囲で良き親であろうとしてる
で正直あれが現実で存在できる良い親の上限ぐらいかなと思って
十分良い親だと思って見てたんですよね
あれ以上望むのはちょっと無理じゃないかなと思って
エヴァンハンセン自体はそれ不満には思ってたわけですけどね
やっぱりそのエヴァンハンセンの罪を聞いてそれでもそれを受け入れて一緒にいてあげるっていうので
あそこでお母さんにとってもエヴァンハンセンにとっても人生の転機になった会話だったかなと思って
結構僕あそこ泣いちゃったんですよ
ちょっともう親目線も入ってて自分がコナーの親だったらとか
30:03
自分がエヴァンハンセンの親だったらとかって気持ちで見てたんですよ
自分がエヴァンハンセンの親だったら自分はどうするかとか
自分がコナーの親だったらとかそう思いながら見てて
やっぱりあのエヴァンハンセンにかけた言葉っていうのは
親としてできる全力だったんじゃないかなと思って
あそこはね僕泣いちゃいましたね正直
結構あの雑なとこが雑なのはリアルだなと思いました
家事やりきれてないとことか
お金払ってんだからちゃんとセラピー行ってよみたいな
もう言いたくなるよねっていう
全然その完璧な優しいお母さんじゃないとこが良かったかなとは僕思って
あとラストの展開なんですけど
エヴァンハンセンが本当のコナーのエピソードを探しに行くっていうの
あそこでエヴァンハンセンがああいうことしようって決意できる時点で
都合のいい話だなって気持ちもあるんですけど
エヴァンハンセンって人間が成長するために
都合よくエヴァンハンセンの決意が決まるっていうシーンだなと思って
ご都合主義だなとも思いつつ
嘘で上書きして物語として消費してしまった人に対して
真実を見に行くっていうのは
人の成長の在り方としてすごくいいなとは思って
ただ最後コナー結構優しい歌歌ってたじゃないですか
で家族がみんなで
コナーにもこんな側面があったんだって喜んで終わるんですけど
あそこで優しくない歌
例えばですけど
パンクとかデスメタルとかギャングスタラップとか歌ってても
それでもこんな側面あったんだって受け入れられたら
ほんまにいい話だなと思うんですよね
要はめっちゃ泳ぎの良くないことをやってても
でも息子にもこういう側面あったって思えたら
ほんまにいい話だなと思うんですけど
やっぱあそこってやっぱりコナーって優しい側面あったんだって言って終わるじゃないですか
そういうことだと思うんですけど
やっぱコナーが優しくなくても
生きていてくれた証を見てよかったって思えたら
すごくいいなと思うんですけど
あそこって優しい歌に呑まれて
なんかいい感じに終わっちゃうんですよね
ちょっと半分いっちゃうもんですけどそう思ったりはしました
あと一応ミュージカルですけど
ミュージカルとしては結構地味な方だと思うんですよね
けど結構ミュージカルというか歌の本質として
言葉にならない思いが溢れてくるみたいな演出として
今回のミュージカルの歌ってめちゃくちゃすごく機能してたなって思って
冒頭であのすごくエヴァン・ハンセンが歌い上げるシーンとかって
誰もその声を聞いてないみたいなシーンとの対比とかもあって
すごく彼の叫びみたいなのがめちゃくちゃ出てたりもするし
あとコナーという存在を借りて
自分のコナーの妹にぶつけるみたいなのも
すごく良かったなっていうかエモーショナルなシーンだなって思った
そういう結構いわゆる華やかなミュージカルじゃないけど
すごく歌本来の気持ちの発露としての歌っていうのが
めちゃくちゃ印象的なミュージカルとしてはすごく良かったんじゃないかなとは思いました
33:03
冒頭ほんと良かったですね
ミュージカルなのにエヴァン・ハンセンしか歌わないっていうのがすごく良かったですね
ただスピーチのところはどっちが現実なのかよく分かんなくなっちゃいました一瞬
でもあれ後々録画されたものを見ると単なるスピーチだったっぽいんですよね
結構全体的に歌良かったくないですか
歌いいなと思いました
なんか普通にサンテナが欲しくなってんけどね
結構僕ほんと事前の期待値低かったのもあって全然楽しめましたね
良い映画じゃないぐらいには思いました
無理な人がいるのは全然分かります
そんな感じで丸く収めときますか
ってな感じで
じゃあエヴァン・ハンセンの話は終わりたいかなと思います
マリオさんお知らせお願いしていいでしょうか
それではお知らせ読ませていただきます
12月も映画の話したすぎるバーの開催を予定してます
場所は大阪の南森町にある日替わりイベント型のカフェバー
週間曲がりにて
日時は12月の18日の土曜日
オープンが19時クローズが23時となってます
今回テーマは2021年ベスト映画という風になってます
皆さんの今年のベスト映画とかをはじめ
最近見た映画とか
いろいろ自由に映画の話をしていただける場としてお待ちしてますので
よかったらぜひいらしてください
あと今回は年末特別進行という形で
2021年ベスト映画投票っていうのを行いたいと思ってます
入店時に投票用紙とかを渡しするので
その用紙に皆さんの2021年度のベスト映画を1本書いてもらって
ラストオーダーの後に集計結果を発表しようという風な企画を用意してますので
そちらも映画トークと合わせて楽しんでいただけたらなと思います
またこの番組でもリスナーの皆さんからの
2021年度の映画ベスト1というのを募集したいなと思ってます
いただいたそのベスト映画というのを集計して
年末の2021年ベスト回を収録する予定なんですけど
それでランキングを発表したいなと思ってます
作品はベストの1本だけを選んでもらって
その作品名のみまたはコメントを添えて一緒に送ってください
投票のみで番組内で取り上げるのを希望されないという方は
投票のみと書いてくださると助かります
あと今回の2021年度ベスト以外にも
番組の感想とか取り上げた作品の感想なども随時お待ちしてますので
お送りいただけると嬉しいです
これらのメールとかブログのお便りフォーム
ツイッターへのダイレクトメッセージとかの
いずれかで受け付けてますので皆さん気軽によろしくお願いします
詳しくはPodcastの番組説明欄等をご確認ください
はいありがとうございます
あとすいません僕個人からもお知らせさせてください
映画の話したすぎる場とは別で活動している
兵庫県の淡路島にあるスモトリオンという映画館で
36:01
映画上映会企画の持ち込みをやってるんですけど
年末年始に上映の企画があります
作品がヴァイオレットエバーガーデンですね
ヴァイオレットエバーガーデンの劇場版と
ヴァイオレットエバーガーデン外伝
永遠と自動式人形の上映をいたします
12月31日から1月10日成人の日までですね
上映を予定しております
はい
次回ってラストナイトイン双方でよかったですかね
はい
はいラストナイトイン双方ではい
それでは映画の話したすぎるラジオ第40回
ティアイバンハンセンの回を終わりたいと思います
それではまたお会いしましょうさよなら
さよなら
さよなら
37:06

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