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2023-04-28 27:22

第113回(2)『聖地には蜘蛛が巣を張る』その蜘蛛は世界のいたるところに

前半は『聖地には蜘蛛が巣を張る』の話をしました。

連続殺人犯だけに限らない、社会全体が持っている女性蔑視の構造などについて話ししています。

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00:00
では、今日のテーマとか言っていこうかと思うんですけども、どっち先行きます?
いや、重い方先行きましょうよ。 じゃあ、蜘蛛の巣から行きましょうか。
じゃあ、1本目は、聖地では蜘蛛が巣を張るの話、いこうかと思います。
ちょっと時間ないので、もう解説なしで、最後の感想を早速いこうかと思いますので、ここからネタバレ入りますんで。
はい、じゃあ、まゆさんいかがでした?
うーん、なんて言うんですかね、なんか、私たぶん参加できてないんですけど、
前も、なんでしたっけ、牛?牛の話。牛じゃないな、なんでしたっけ、前もこういうテーマ取り上げましたよね、みたいな。
何やったっけ?
まあ、しょっちゅうやってますよ、この番組。最後の血統裁判だの、プロミシングヤングーマンだの、とかですかね。
英雄の証明?
あ、英雄の証明、なんで牛って思ったんやろ、牛出てきますっけ?
いや、出なかったんじゃないかな、出たっけ、たぶん。
たぶんなんとなくですけど、白い牛のバラットって映画もイラン映画じゃなかったっけ、たぶんそっちじゃないですか。
あー、そっちと混ざってる。
ちょっと待って、混ざってるかもしれない。
それイラン映画じゃなかったっけ、違ったっけ、思い出。
よくわかりましたね、しかもどっちがどっちかもわからなくなってきた。
なんせ、国が違って、しかも正直私にとってあまり身近じゃなくて、文化も違って宗教も違ってってなったときに、
安易に批判することができないっていう気持ちと、そんなこと関係あるっていう気持ちが、この2つの気持ちで苦しくなるんですよね。
やっぱり、女性が女性として生まれただけで決められていることがありすぎて、だからちょっと正直重たかったですね。
重たいというか、話の中で起こっていることよりも、実際にこういうこと、こういう価値観が存在しているっていうことがしんどいなっていうふうに思いながら見てました。
マリアさんいかがでした?
そうですね。まあ確かに本当に文化とか全然違う国の話ではあるんですけど、やっぱり根っこにあるものは多分どこの国でもあり得ることかなぁみたいなふうにはやっぱり思いましたかね。
潜在的になんかそういう女性に対する嫌悪とか、下に見たような感じっていうのが、どれだけ表に出てるか出てないかっていうだけの差みたいな、いうふうなぐらい根っこは変わらないのかなっていうのが、今作を見て思いましたかね。
本当にまあ酷い事件だなっていうのもあるし、それを起こした犯人の背景みたいなのとか、じっくり考えれば考えるほどなんかすごいこれ、どんどん闇はどんどん濃くなっていくなぁみたいな感じに、ラストとか本当にちょっとこれは重すぎるわというふうに思うぐらいだったので、そういう意味ではかなり強烈な映画だったなというふうには思いましたね。
03:10
僕は見てて、ちょっと語弊のある言い方かもしれないですけど、面白かったです。すごい面白い映画だなぁとは思って、確かに他所の国の文化になっているものを批判したりするのってすごく難しいというか、本当にやっていいんだろうかって思う部分もあるけど、それはそれとして酷いじゃんっていうのもあるんですけど、
これ結構イランがどうこうというより、これ制作ヨーロッパじゃないですか。ヨーロッパの国複数の協力で作っている映画だったと思うんですけど、わりとイランだとかイスラムだからとかじゃなくて、もっと全般的な女性の置かれている状況を描こうとしているなとは思ったんですよ。
だからイスラム教のことわかってなくても、イランのことわかってなくてもわかるように作られているし、やっぱり国自体が厳格な分、すごく酷く見えるんですけど、程度の差こそあれどこにでもあることですよねっていうふうにも見えるようになっているから、特に強烈な事例としてこの話があるだけで、もっと程度の軽いものはこの国にもあります。もちろんヨーロッパにもあります。
で、日本にもありますっていう見え方をするような話になってたんじゃないかなと思って、結構上手いなと思いました。そこは。っていう感じですね。じゃあ掘り下げていこうかと思うんですけれども、まずオープニングの導入の部分めっちゃ上手くなかったですか?引き込まれるなと思いました。
待ってください、前もちょっと言ったと思うんですけど、私の中で映画好き絶対オープニング覚えてる説。私本当に覚えてなくて、オープニングどんな始まり方でしたっけ?
始めに殺される人が身じったくするとこから始まるんですよね。服を着て化粧をして、あと子供に挨拶してから出て行く。起きる頃には帰ってくるねって子供に声かけて出て行くんですけど、出かける時の服装と出かけた後で仕事に外でさらに化粧とか服装を変えるんですよね。
だから出かける時は化粧も薄いし、ヒジャブもしっかり被ってて、言葉適切じゃないかもしれないけど、プレーンな格好してるわけですけど、家の外に出てから公衆トイレで正服としての格好になるんですよね。化粧も派手になるし、ヒジャブから髪の毛を出すようにしてるんですよね。
06:00
髪の毛を見せるようにしてて、あと靴を平べったいスニーカーみたいな靴からハイヒーローに履き替えるんですよ。そこであんまりわかってなくてもわかるなと思って、イスラム教のこととかわかってなくても、より派手になるしより露出するようになってる。
いわゆるコケティッシュというか、女性の性的な魅力を強調するようにもう一段階、装いを変えてるっていうのがわかるようになってて、そこがすごく丁寧だし説明的だし、そこがどの文化圏でもわかるようになってるシーンだなと思うんですよ。
だからそこまでは母親としての装いだったものが、丈夫としての装いに変わるっていう。それは女性が持ってる役割の2段階としてあって、この人はその2つを必要だから使い分けてますっていう。
これはイスラム教だからとかじゃなくて、女性がそういう2連性を強制させられてる側面ってどこの国でもあるでしょっていうふうに上手いこと語られてたんじゃないかなと思うんですよ。だからどこの国の人が見てもわかるような感じの、非常に説明が上手い導入だったんじゃないかなと思って。
で、そっから実際に殺されるシーンまでの流れも非常に上手いなって、もうほんと殺されるって嫌だなっていうのがよくわかるんですよね。死ぬ瞬間子供のこと考えてたんだろうなとか思うとほんと辛くなるんですよ、あそこ。
そうですね。結構ガッツリ殺害シーンやるじゃないですか、何回も。結構単純に見てて辛いなっていうのはあって、しかもなんかちゃんとなんか一個ずつになんかその人のなんか人間らしい一面というかそのなんかその人の人生あってみたいなのとかが描写されたりとか冒頭のとか、
あとは主人公とちょっと関わりがある人がその何日か後に死体になってるとかっていうのとかを見た時のなんかもうショックで結構辛いなと思って、あそこ本当にちょっとそういう最近やっぱそういう暴力を見るの結構いざちゃんと見せられると本当に辛いんだなっていうのは最近やっぱ映画とか見てて思うようになったので、あの辺は本当に辛いなと思いました。
殺すの丁寧ですよね。殺すことを描くのが丁寧だなって思いました。主人公めっちゃかっこよくないですか?
主人公誰ですか?
いや、一応あのジャーナリストの女の人なのかなと思ったんですけど、まあある意味ダブル主人公ですけどね。
確かに主人公、そうですよね、なんか主人公は都会の方から来たみたいな感じなんですね。
確かイランの首都だったと思います。
結構首都と田舎の方で結構違うんだなと思って、なんか私それこそ多分白い牛のバラッドの方だったと思うんですけど、
09:10
女性が配偶者がいない女性が一人でホテルに泊まれないとか、家を借りられないみたいな下りがあるんですけど、それがなんかこう地味にすごいショックというか、なんだろう、あの辺がね、なんか結構きつかったんですよね。
なんかどこまでも女性が単体の人間として成立できない感じが、なんかあのホテルにチェックインできないっていう、あのシーンがね、なんか地味に一番きつかったかもしれないですね。
あれもう、なんでそんなことがまかり通ってんだって感じでしたね、ほんとに。なんかすっげーなんか不適切な感じで、なんかシステムの不調でとか言ってるけど、うつつけって感じじゃないですか、あんな見え見えな感じでやるのとか。
ほんとひっでーなこいつっていうもん、なんか思いましたけど、やっぱり実際にあることなんですねっていうことですよね。
ああいうのがイランではまだそういうのがあるっていうのはちょっとショッキングやなっていうのが思いましたけど。
僕、宿泊医療を勤めてたから、未成年の子供が子供だけで宿泊するときとかは保護者の確認とか取ってたんですよ。
それってだから、自立してないからっていう意味じゃないですか、責任取れないからっていう。
女の人は自立してないし、責任を負えない存在っていうことですよね。だから、お前一人ではこの社会に存在してはないよっていうことじゃないですか。
つらい。ひどい。つら。
そういう辛さがすごい散りばめられてるから、殺人そのものよりもそういうやっぱり空気感の方がこの映画ってつらいなと思うし、
逆にそれをちゃんと作り出してるというか、映し出してるのが素晴らしいなとも思ったんですけど。
この実際にあったスパイダーキラーっていう殺人鬼のことって、他にも映画とかドキュメンタリーとかも作られてるみたいなんですよ。
それこそイラン制作の映画もあったりとか、割と事件起きた直後にドキュメンタリーとかもあったらしいんですけど、
ただ本作の記事見てたら、やっぱりそのこの事件がとかを描いたわけではないっていう風な記事も見かけました。監督の人としては。
やっぱりその周囲の状況とかっていうのが描きたいこと。これがあったからこういうことが起きることもあるでしょうさっていう風に作ってるっていうのはよくできてたかなとは思って。
もう警察署長が部屋来たシーン怖すぎてちょっと。
いやー怖い。あそこ怖い。は?って感じでしたけどなんで来てんのっていう。
怖すぎますよねあれ。
絶対に訴えられないじゃないですか。警察に助けを呼べないわけだからっていうのと、
12:05
あとなんかその本当にもうイラついたのが、100歩譲って女性にそういう厳格な戒律とかを求めるのであれば、自分たちもそうであれよっていうところは無視してくるっていうのがイライラするわーって。
あのシーンは結構思いました。
ほんまムカつきますよねあのシーン。
あと直接このメインの登場人物たちのエピソードではないけど、ジャーナリストの主人公がなんかバイクに追いかけられるシーンってあるじゃないですか。
あれって特に何かとかわかんないけどすごい重要なシーンだと思うんですよね。
だから女性一人で歩いてたら何されるかわかんないっていうシーンじゃないですか。基本的に下に見られてるから、落ち送ってもやり返されないみたいな。
わかってやってるわけですよねあそこって。
実際どこまでやるつもりだったかもわかんないですしね。落ち送るつもりだったのかそれともひったくりなのかそれこそ合間しようとしてたのかもわかんないんですよね本当に。
ただ追っかけてくるという状況があるっていうのが恐ろしいっていうのがあって。
僕妻と一緒にいてあるんですけど例えばバスが混んでる時に後から乗ってきた人がちょっと寄ってくれっていうのって女の人というか妻にだけ言ってて
妻と男の人が並んでる時に妻に対してちょっともっと寄れって言われたことがあったんですけど、それって男に言うとめんどくさいから女に言ってるわけですよね。
もっとどけーとかって。
あと子供の声でご近所トラブルになりかけた時があったんですけど、その時に妻に言われたのがもう基本的に男の人が感情的になって向かってこられたら怖いっていう。
それはそう。
それはどっちがいいとか悪いとかじゃなくて、いざとなったら絶対に勝てないっていうのが大前提にあるっていうのがむちゃくちゃ怖いっていうので、
結構そのご近所トラブルの時、家庭内はピリついてたんですけど、大前提としての不均衡、何よりも腕力の差があるっていうところの恐怖感って正直男のがあってあんまわかんないんですよね。
まあまあどんだけ力強い男の人だろうがある程度はまあまあなんとかって感じあるけど、男女って差になると本当に勝てないっていうところでこのパワーガランスの不均衡が大前提としてあるし、さらに社会的なパワーも違うわけですよね。
それがやっぱりあのバイクに追いかけられるシーンとか、所長が部屋に来るシーンとかに現れてるなと思うんですよ。
根本的に下に見られてるっていうのがやっぱり怖いんですよね本当に。
改めて言葉にされると本当につらいんだよな。なんか僕は男性側ですけど、なんか見てて本当にこの映画つらかったので。
15:06
セックスワークを受けてるのはお前たちの側だろうがってなるじゃないですか。
それ、なんかそれなら両方取り締まってくれよっていう思いもあるし、ただなんか私、実はこの話ってそれこそちょっと前に話になったミドルエイジクライシス、ちょっとミドルエイジかどうかは去っておき、実はそういう話なんじゃないかなって思ってる部分もあって、
主人公の、主人公じゃないか、男性、犯人というか、あの人は神のためにっていうふうなことを言ってたけど、実はそうじゃなくて自分の存在意義みたいなものを探してたんだろうなって思うような描写も入るじゃないですか。
その辺がすごい上手いなと思って、だから私は何でもかんでも宗教が悪いっていうことじゃなくて、結局人が何にすがっているかというか、それを理由にしたり縦にしたりしているだけで、本当は全く違う部分に問題があるっていうこともあると思うんですよね。
それを見逃したらいけないなというか、だからなんか、あの犯人の男性のキャラクターは結構興味深くはありましたけどね。
本当に一見すると普通のお父さんみたいな感じじゃなかったですか。家では普通で子供とも遊んだりとかしたりとか、休みには家族で出かけたりとかしたりとかっていう感じなんですけど、
奥底にめちゃくちゃ自分の存在意義みたいなものが満たされてないみたいな感じのが抱えていて、それを満たすかのように罪を重ねていくっていうのがあり得る話だよなっていう感じはすごくしちゃいましたね。
その原因というかなんかそれはありましたけど、戦争に行ってそこで聖なる死を遂げられなかったというかいう感じのことを言ってたと思うんですけど、そこに対するひけ目みたいなのが多分彼の中ではめちゃくちゃ大きかったんだなーみたいなのだけは描写されてましたけど、
それが本当にどんどんこじれていってしまってみたいな感じなのは本当になんかだから中年の危機っぽい感じなのは本当にそうだなというふうに思いましたよね。
中年の危機で何か成し遂げたいって思いで、その宗教的なことの拡大解釈みたいなのが混じってああいうことをしちゃうっていうふうに描かれてて、実際その捕まってからもういやあいつのやってたことは正しいみたいなので民衆が支持したりしているじゃないですか。
で、そこで刑務所の中で奥さんと話してるときに、民衆は支持してるから大丈夫だよみたいなことを言ってて、みんながどうとか関係ないじゃんみたいに奥さんが怒るじゃないですか。
18:05
だからあそこをすごい象徴的なシーンだなと思って、だからみんなが支持してるからいいんだっていう承認欲求になってるんですよね、あそこで。
ただ奥さんはもう自分の家庭を守ることだけなんですね、逆に奥さんは。そこだけを考えてて、だから主人公のやったことは良きことだっていう取引に乗っかっていくじゃないですか、奥さんは。
でもそれはあくまで家庭を守るためにやったっていうのもちゃんと描かれてますよね。だから女性がそういう娼婦の女性を下に見てるっていう、女性もまたミソジニーに加担しているみたいな描き方もできたと思うんですけど、
実際元のこの事件って、自分の奥さんが娼婦に間違われたっていうことが動機としてあるっていうものらしいんですよ。
ただそこがちょっと解釈が変わってますよね、本作でいうと。だから奥さん自体は自分からは社会的構造のミソジニーには乗っからないように描かれてるというか、あくまで自分たちを守ることで必死なんです。
だからみんなが夫のやったことは正しいって言うんだったら、それには乗ります。ただ本当はそれどころじゃないんですよねっていうスタンスとして奥さんが描かれてたけど、主人公はやっぱり俺のやったことは正しいんだ、だってみんなが認めてるもん、みんなこれを支持してるもんみたいな。
あのギャップってむちゃくちゃグロテスクだなと思います。そして現実によくあります、あのギャップ。
実際途中まで式宴にせずに助けてやるよって言って、結局式宴になるじゃないですか。
あの辺を見てると、もしかしたら民衆も本当に正しいこととか、実はみんなどうでもよくてガス抜きがしたいというか、何かそういうふうに叩けるものとか憎めるものとか、自分たちの夫の感情をぶつけられる対象を探しているだけで、
実は本当のところで道徳的な正しさだったり、モラル的なことだったり、犯人男性を支持してるっていうことって、実は本当はどうでもよくて、みんながよくわからないものに飲み込まれてるだけなんじゃないかなっていうふうにも思えたんですよね。
だからそこら辺が、そういう意味では国とか関係なく、社会に複雑にはびこっているものというか、遺体の知れないもの、単純にそこの一つの価値観を正せば治るようなものじゃなくて、たまたま国のその場所ではそれが勝負だったっていうだけで、結構そういう空気があるんじゃないかなっていうのを、実際式宴が執行されたときに思いましたね。
あ、式宴執行するんだと思って。
ざまあってなるシーンであるし、結局あいつも切り捨てられただけでしかないっていう見え方もするんですよね。
21:05
だから、例えば、勝負の人たちであるとか、今回の殺人鬼のサイイドでしたっけ、あいつとかも社会の歪みをどんどん沈んでいって、それを受け止めてしまった人たちだと思うんですよ。
だから、いや俺、軽健なイスラムでありたいのに、むちゃくちゃ暴力的な性衝動があるんだみたいな思いがあって、それをじゃあ勝負にぶつけますと。
いやでも、俺の暴力的な性衝動が存在していること自体から目を背けたいってなったら、じゃあ勝負って奴らが穢れてて、そいつらが死んでくれたらいいよねってなるっていう。
そういう権威とか強い方じゃなくて、弱かったり孤立してる方に社会の歪みがどんどん溜まっていって溜まっていって、いざとなったら直近って切り離されちゃうんですよね。
そんなものはなかったってしちゃうっていう。それは勝負は殺されるべきだとか、あるいは結局あいつも汚れ仕事をしたような感じだと思うんですよね。
民衆が勝負って死んでほしいよねって思ってる。でも実際に誰も手はかけないじゃないですか。それをやってくれた。
でもそれはそれとして、まあ法律としては悪だから、まあ死刑ですよねって丸く収まったような不利を社会がするっていう。
めちゃくちゃ恐ろしいなって思います、本当に。
最後がそういった勝負って、いなくなった方がいいよねみたいな価値観が、やっぱり伝播するかのようなラストだったじゃないですか。
怖いと思ったんですけど、犯人の子供がキックとして父親のやった悪行をカメラの前でやるっていう、全く悪びれた様子なくっていうのが、あれは怖すぎるんですよね。
本当に犯人が亡くなればこれが解決することではないっていうことのもっともたることでもあるし、
やっぱりそういう勝負なんて本当に不条なるもんだよねみたいな感じで言っている世間の偏見みたいなのが、どんどん奥底にどんどん闇の中に紛れていって、
また同じようなことが起こるんじゃないかみたいな風なのをどんどん予感させるような感じになってて、
本当に事態は本当に深いし、おぞましいっていう風に思っちゃいましたよね、ラストを見て。
僕はあのラストシーン、誇張抜きで吐き気を覚えたんですよ、本当に。おぞましすぎると思って。
ちょっと思い出したのが、アクトオブキリングっていうドキュメンタリー映画なんですけど、
1960年代にインドネシアで、サハの人たちをミンペイみたいな奴らが虐殺したっていう、その虐殺した当人たちに取材して、
当時のことを再現してくださいよって言って撮影するっていうドキュメンタリーなんですけど、自分たちは正しい側だから危機としてやるんですよ、それを。
24:00
子供とか孫とかも、自分の父親とか自分のじいさんはサハを滅ぼした英雄だからっていうので、嬉しそうにそれを演じたりするんですよ。
それを見てるこっちのなんというか、自分の暴力性を全く認識してない人たちが危機としてそれをやるっていうのが伝播していってるのを見せられるグロテスクさって、
本当に気持ち悪くなるんですよね。すごいなぁと思って。
一応これ現実の事件を元にしているっていうので、実際に犯人のお子さん、ああいう考えになってたみたいなんですよ。
そうなんですね。
自分の親を否定できないっていうのも正直あるじゃないですか、子供には。否定できないというか、否定したくないっていう、それがさらに重なってしまうのかなっていうのは。
あの子役の子が、演技ですよね。演技だって言ってください最後にっていうぐらい。
あのうつろな瞳からの初めて人生に意味を見つけたみたいな目の奥の輝きみたいな。
あの子の演技がすごすぎて、本当に大丈夫ですかってなりました。
僕、あのシーン一番きつかったの、殺される側を妹にやらせるとこなんですよ。
ああ、あれはエグい。子供ってそういう純粋さゆえにそういうこと考えてないよなみたいな、しょうがないとこあるけど、それをまざまざと見せられてるこっちはすごくもう言葉にできないぐらいちょっと辛いって感じになっちゃいましたね。
今回殺された丈夫の人たちもかつて少女だったんですよね。誰かの子供だったり、誰かの妹だったりしてたと思うんですよ。
そういうの重ねるとね、ちょっとしんどいなんてもんじゃないんですよね、あそこ本当に。
いやもう、絶妙なタイミングで嫌なこと言ってきますよ、山口さんって。
この映画の肝ですよ、あそこが。結局兄のあんたが将来的に妹を抑圧するような社会に加担してるんだぞっていうことじゃないですか、あそこって。
あの映画で一番大事なシーンだと思います、あそこ。
それをね、最後にしれっと見せてくんなよっていうね。
こっちはなんかちょっと一段落ついたみたいなテンションで見てるわけじゃないですか、映画を。
あーみたいな、まだあったみたいになりますね。
一番しんどいシーンでしたからね、最後が。
でもすごい映画だと思います、本当に。興味深いし面白いなと思いました。
よくある話ってよくある話だと思うんですよ。
勝負を殺す殺人鬼って、起立作ジャックをはじめよくある話だし、それに性衝動が絡んでるとかっていうのもよくあるよなっていうふうな解釈になってしまってるかなっていう気はしました、そこは。
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でもまあ社会情勢みたいな、今の時代を言い抜く作品としては結構よくできたんじゃないかなとは思いましたかね。
じゃあまあそんな感じで聖地に悪魔のガスオオハルの話は終わっておこうかなと思います。
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