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2023-11-16 22:44

16:【読む回】“実際の設計”を読む(1/n)

読み比べシリーズ第2弾
今回は「実際の設計」です。
改訂前と改訂後を比較しながら読んでいきます。
今回は第1章から第3章まで。

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サマリー

デザインレビューFMの16回目では、実際の設計に焦点を当てています。工業製品やそれに関わる出来事についてのデザインレビューを行なっています。具体的には、自動回転ドアの安全設計や車椅子の階段登攀を目指した設計プロセスについて説明しています。

実際の設計を読む
こんにちは、ツネゾーです。
デザインレビューFM第16回目になります。
このデザインレビューFMは、世の中の様々なもの、
主に工業製品や、それに関わる出来事について、
私の主観で、デザインレビューをしていこうという番組です。
ということで、前回はですね、
そろそろタイヤ交換の季節ですね、ということで、
タイヤのデザインレビューをしてみました。
結局ちょっとまだ、タイヤ交換できていなくてですね、
また今日やろうかなーと思ってたんですけど、
雨が降っちゃったんで、悩み中です。
今回はですね、読み比べシリーズ第2弾ということで、
実際の設計を読むをやっていきます。
はい。
ストランドビーストの紹介
ちょっと前なんですけど、11月3日にですね、
千葉県立美術館で開催されている、
テオヤンセン展に行ってきました。
皆さん、テオヤンセンって人知っているでしょうか。
オランダの芸術家って言うんですかね、
発明家とか、科学者とか、いくつかの顔を持ってるらしいんですけど、
このテオヤンセンっていう方が制作した、
ストランドビーストっていう作品を見てきました。
多分見たことある人多いと思うんですけど、
このストランドビーストっていうのはですね、
簡単に説明すると、
オランダ語で砂を意味するストランドと、
生物を意味するビーストをつなぎ合わせた造語らしいんですけど、
ストランドビーストっていうのは、
風を動力源とした作品で、
その作品っていうのはプラスチックのチューブだったり、
ウレタンチューブだったり、
櫛とかヘッドボトルとか、
結束バンドなどの軽い素材で作られています。
風で動く作品なんですけど、
本当に生きているような動物のような動きをして、
歩いたり、方向転換をしたり、
危険検知をするっていうような機能を備えられていて、
作品の大きさとしては、
人間の等身大から体長10メートルを超えるようなものまであります。
なんでこういうものを作者のヤンセンは作ったのかというと、
故郷のオランダっていうのは、
国土の半分が海抜1メートル未満という、
風車で水を上げているのが有名ですけどね、オランダっていうのはね。
そのオランダの特徴というかですね、
海より低い領土を守ろうと、
オランダの国民っていうのは、
風車とか堤防とか、
こういう手段を講じて守ってきたそうです。
偶然その海水が漏れている堤防を発見したオランダの少年がですね、
自分の手で一晩中その穴を塞ぎ続けて、
堤防の決壊を防いだという物語もあるそうです。
そういう逸話もあったので、ヤンセンもですね、
このストランドビーストで水の決壊というものを検知、
危険検知させて、
オランダの海岸線を守る生き物として考え出したそうです。
このストランドビーストは私とっても好きでですね、
無機質なもので作られているのに、
有機物的、生物的であるというところ、
特に歩くというところに魅力を感じています。
私、大学で歩くこと、歩行について研究していたので、
そういうのもあるかもしれませんね。
なかなか言葉だけでは伝わらないと思うので、
ぜひYouTubeで検索して動画を見てみてください。
いろいろ動画が出てくると思います。
ということで、ちょっと長くなってしまいましたが、
今日はですね、読み比べシリーズ第2弾、
実際の設計を読むです。
では本編をどうぞ。
はい、本編です。
改訂前後の内容の比較
今日はですね、実際の設計という本を読んでいきます。
ちょっときっかけがあるんですけど、
Twitterでフォローしているフルさんという方がですね、
この実際の設計の改訂前が好きなので、
買い直しましたというツイートをしているのを見ました。
私もですね、技術士の勉強のために、
実際の設計という本の改訂後、
新しい本を持っていましたので、
何が違うのかなと思ってですね、
フルさんにコメントして聞いてみたんですけど、
そうするとですね、次のように教えてくれました。
この実際の設計というのは、初版が1988年なので、
改訂前後ですね、思想がかなり異なるように感じますねと。
改訂前の方がとどくさく、
改訂後は一般の人、
一般向けにわかりやすく書かれていますと、
という風に教えてくれました。
じゃあちょっと読んでみたいなと思ってですね、
私も改訂前のバージョンをですね、買ってみましたので、
ちょっと読み比べしてみようと思います。
この実際の設計はですね、
どちらも畑村陽太郎先生の編著になっております。
この畑村先生はですね、
デザインリビューFMの第14回、
機械設計者の未解決問題という回で紹介した、
失敗額を提唱した方ですね。
出版社はですね、改訂前後どちらも日刊工業新聞社。
私が持っているのは、
改訂前が1994年の初版第7刷り、
改訂後はですね、2022年改訂新版の10刷りですね。
改訂前が363ページ、
改訂が411ページ、
50ページぐらい内容が増えているのかなという感じです。
では早速ですね、章立てから見ていきましょう。
どちらもですね、第1章から第12章まであるんですが、
改訂前はですね、第1章が設計の意義。
設計とはどんなものか。
第2章が設計のプロセス。
どんな手順で行われるか。
第3章がですね、設計で決めること。
何を決めて伝えるか。
第4章がですね、設計に伴う作業。
具体的にどうするか。
第5章が設計の手段。
どんな手段があるか。
第6章が設計に不可欠な知識。
どうしても知らないといけないこと。
第7章が設計に不可欠な材料。
必ず使う材料についての知識。
第8章が設計に不可欠な部品。
必ず使う部品についての知識。
第9章が設計の具体例。
例えばこうなる。
第10章が設計の生かし方。
参考になること。
第11章が設計の周辺。
様々な視点から見た設計について。
最後の第12章が付録として使うと便利な資料。
というのが、改定前の実際の設計の承立ですね。
これが改定後になると、
順番が変わってたり、
8割ぐらいは同じような内容があるんですけど、
違うところだけ紹介すると、
改定前になかった章として、
改定後の第3章がですね、
設計の構想を作る。
考えをどうやって作るか。
改定後の第4章が、
機能と機構の実現ということで、
その考えをどう具体化するか。
というようなお話をしています。
あとはですね、改定後の第12章。
技術の将来と設計。
技術と設計者は今後どうなっていくかというところも、
改定後に新しくできた内容になっております。
逆にですね、改定前にはあったのに、
改定後にはなくなってしまった章というのもあって、
章によってはですね、完全になくなったのではなくて、
他の章の内容と合体していたり、
すごい記載としては簡単にまとめられたというか、
少なくなってしまったようなところもあるんですけど、
具体的に言うとですね、
改定前の第4章、設計に伴う作業というところの内容、
場所が改定後にはなくなっているというのと、
あとはですね、改定前の10章、設計の生かし方、
11章、設計の周辺、第12章の付録というのが、
改定後にはなくなっています。
そこらへんもちょっと順番で話していこうかなと思っています。
では1章ずつ見ていきましょう。
第1章ですね。
これはですね、第1章は改定前も改定後も、
設計の意義と題して話をしています。
改定前は18ページ、改定後は36ページを使って、
設計の意義という話をしていますね。
倍近いページに増えています。
改定後に追加された内容としては、
設計の過程というところで、
大きく分けてですね、
1番目として、新しいものの装を着装するまでの過程、
2番目として、構想したものを具体化するまでの過程、
というところを振り下げて、ページを使って説明しています。
例えば具体的に言うとですね、
新しいものを構想着装するまでの過程として、
現状の問題、問題というのはですね、
これも技術史の勉強の時に出てきますけど、
問題というのは、
理想と現実の違い、
というところですね。
あとニーズ、
そして新しい知識、
というところからあるテーマを分析して、
そこからその設計対象の具体的な目標を決めていくと。
例えばですね、最初の現状の問題にいじったところが
少子高齢化というところであれば、
そこからテーマとして、
高齢化に対応した炎上機器をテーマとしましょうと。
そこから具体的な設計対象を決めるとすると、
設計プロセスと安全設計
例えばその階段を登ることができる車椅子を
具体的な目標にしようと。
こういう風にですね、
こういう過程で決めていきましょうと。
その階段を登る車椅子という具体的な目標ができたとすると、
そこから開発の基本構想、
主要を決めていくんですね。
どういう機能が必要かなというところを考えて、
その機能をメカと、
エレクトロニクスとソフトというところに分割していって、
それぞれ組み合わせながら考えていくと。
そういうメカだけじゃなくて、
エレクトロニクスとソフト、
相互的に捉えることが大切であるよという話を
ここではしています。
あとはですね、また改訂後に追加されたような内容としてはですね、
安全防災への心構えというところがですね、増えてますね。
フレールセーフ、フールプルーフなどの安全設計についてですね、
自動回転ドアでの事故を例に挙げて、
説明するようなページが追加されています。
機械の製作と構想設計
はい、次は第2章ですね。
こちらも改訂前後共に設計のプロセスと題して、
どんな手順で設計を行っていくか、
どんな手順で決めていくかを説明する章となっています。
改訂前は43ページ、改訂後は39ページを使って説明しています。
ほぼ同じ量ですね。
ここではですね、設計のプロセスとして、
計画から設計、製作、あと工程まで、
その全体のプロセスの流れを説明しているんですけれども、
改訂前ではですね、その規格、製品の規格については述べていませんでした。
改訂後ではですね、この規格の部分も10ページぐらいかけて説明しています。
どんな説明が追加されているかというと、
改訂後ではですね、改訂後の第2章では、
その規格としてですね、
良い製品を作るために、規格段階が一番大事ですよと、
それが後々の工程まで大きく影響するからです。
だから規格段階にしっかり注力することが大事だよと、
設計プロセスのフロントローディングが重要ですという話をしています。
そのためには、規格から設計はもちろんですね、
調達・生産・品賞・保守サービスという他部署、関連部署と協力した
デザインレビューを行うというコンカレントエンジニアリング体制が必要であるという内容が追加されています。
改訂前では、その設計の具体例としてですね、
ワークの旋回装置を取り上げて、
ポンチエイでの検討や、そこから計画図で検討する内容にページを割いて説明しています。
その後の部品図・組立図・部品表の作成・検査・試運転の後の工程については、
改訂前後で同様な内容を説明していました。
次はですね、第3章に行きましょうか。
ここからですね、改訂前後で性立てがちょっと変わってきちゃうんですけれども、
改訂前では、第3章では設計で決める内容ということで、
寸法・材質・加工法について説明しているんですけれども、
改訂後では寸法は第6章、材質は第7章にそれぞれ分かれた感じで、
加工法は第9章の機械の製作というところで説明するという風に項目を分けてですね、
少し内容を増やして説明するように改訂後では変わっています。
では改訂後の第3章は何かというとですね、
設計の構想を作る、考えをどう作るかというですね、
改訂前にはなかった構想設計のやり方にフォーカスした章となっています。
ここではですね、思考展開図というものを使った考え方や、
ポンチエの書き方、
括弧構想モデルの作り方と書いているんですけど、
ポンチエイコール構想モデルの書き方、
この時ですね、メカだけではなく、
エレクトロニクスとソフトの最適な組み合わせというのも一緒に考える必要がありますよという話だったり、
思考展開図と対応させながらポンチエを作っていきましょう。
この思考展開図というのは、
お客様が求める機能を実現する機構構造の構成をですね、
言葉で表したもので、
例えば車が走るということを実現するためには、
前進・後退する機構が必要ですよと。
そのためには、車が走行する力を発生させるエンジンが必要だよねという風に展開させていくという図になります。
という感じで考えたポンチエ構想モデルを評価してですね、
課題を探して改善していく、PDCAを回していくというデザインレビューが必要なんですけれども、
この評価する手法としてですね、
FMEA、フェーラーモード&エフェクトアナライシスがありますよと。
またその過去に起きたトラブルのリスト、
トラブル事例から逆算して、それを予防する設計を盛り込んでいきましょう。
という手法として、FTA、物理アナライシスを活用しましょうねという紹介があります。
あとはね、ちょっと感覚的なものですけど、
よくできた機械は美しいものだとかですね、
広い視点で設計を見ましょうと。
その時有効な視点というのは、
人、物、金、時、気、気持ちかな、気持ちの6つですよ。
これはその技術士の試験でですね、
よく多面的な視点で課題を抽出しなさいというのが問われるんですけども、
その多面的な視点というところで使えるものですね。
というのは、海底語の第3章でした。
今回は実際の設計を読むということで、
海底前と海底語を比較しながら読んでいます。
ちょっと長くなってしまったので、第4章からは次回に続くということで、
今日はこの辺でおしまいにしたいと思います。さようなら。
22:44

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