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オンライン精神療法に初診566点|令和8年度改定で要件はこう変わる
2026-08-03 05:29

オンライン精神療法に初診566点|令和8年度改定で要件はこう変わる

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「情報通信機器を用いた精神療法の適切な実施に関する指針」が新たに策定されました。この指針は、一定の条件を満たす場合に初診のオンライン精神療法を可能としています。しかし現行の診療報酬は、初診のオンライン精神療法を評価の対象としていません。そこで令和8年度診療報酬改定は、個別改定項目「Ⅲ-5-4-⑱ 情報通信機器を用いた精神療法の見直し」で、指針に沿った初診を新たに評価します。本記事は、この⑱の改定内容を、点数・施設基準・維持される要件・実務対応の4点で整理します。

今回の見直しの柱は、初診に対する評価の新設と、施設基準への時間外対応要件の追加です。第一に、通院精神療法「1のロの(1)」について、情報通信機器を用いた場合の566点が新設されます。第二に、施設基準に「休日及び保険医療機関の表示する診療時間以外の時間の対応等が可能な体制」が追加されます。第三に、3種類以上の抗うつ薬等を処方した場合の算定不可などの取扱いは、これまでどおり維持されます。

1. 初診のオンライン精神療法に566点を新設

改定案は、情報通信機器を用いた精神療法の対象に初診を加え、566点を新設します。現行の注12は、対象を「1のハの(1)の①又は(2)の①」に限っています。改定案の注12は、対象を「1のロの(1)若しくはハの(1)の①又は(2)の①」に広げます。この結果、算定できる点数は、それぞれ566点、357点、274点の3区分となります。

566点の対象となる「1のロの(1)」は、初診に係る評価区分です。現行の対象である「ハ」は、点数表上「イ及びロ以外の場合」に当たる区分です。したがって今回の追加は、初診に対応する区分そのものを新たに対象へ加える見直しといえます。

対象範囲を読む際は、次の3点に注意してください。第一に、注12が対象とするのはいずれも「1 通院精神療法」の枝番であり、「2 在宅精神療法」は対象に含まれません。第二に、現行のオンライン評価は「ハの(1)の①」のように枝番の①に対応しており、精神保健指定医による場合を評価する構造です。第三に、通院精神療法の区分そのものが同じ改定の「⑪ 通院・在宅精神療法の見直し」でも見直されるため、「ロの(1)」が具体的にどの類型を指すかは、改定後の点数表で確認する必要があります。⑱だけを読んで枝番を推測せず、⑪とセットで確認してください。

566点は、対面で行った場合の所定点数に代えて算定します。この「代えて算定する」という構造は、現行の357点や274点と同じです。つまりオンラインで実施した場合には、対面の点数ではなく、置き換え後の点数のみを算定します。届出を行った保険医療機関でなければ算定できない点も、現行と変わりません。

初診の対象患者は、指針が示す条件を満たす患者に限られます。指針は、オンライン初診精神療法の実施を、オンライン再診精神療法に十分な経験がある医師が診察することを前提としています。その上で対象を、行政が対応を行っている未治療者、治療中断者、ひきこもりの者等としています。さらに実施の条件として、医療機関と行政との連携体制の構築、診察時に患者の側に保健師等がいる状況、患者自身の希望を挙げています。どの患者にもオンライン初診を行えるわけではない、という点が最大の注意点です。

ただし、ここで紹介した指針の内容は、中医協資料に添付された案(令和7年12月1日時点の未定稿)に基づきます。診療報酬上の対象患者や算定要件は、改定に伴う留意事項通知で確定します。実際の運用に当たっては、確定した指針と通知の双方を必ず確認してください。

2. 施設基準に休日・時間外の対応体制を追加

改定案は、施設基準を2項目に整理し、休日及び診療時間外の対応体制を追加します。現行の施設基準は、「情報通信機器を用いた精神療法を行うにつき十分な体制が整備されていること」の1項目だけです。改定案は、この1項目を(1)として維持します。その上で(2)として、「休日及び保険医療機関の表示する診療時間以外の時間の対応等が可能な体制が整備されていること」を新設します。

追加される(2)は、指針が求める急変時の対応体制を診療報酬上の要件としたものです。指針は、患者が希望した場合や緊急時に、実施した医師自らが速やかに対面診療を行える体制を求めています。あわせて指針は、時間外や休日にも医療を提供できる体制での実施を望ましいとしています。ただし指針は、自院での時間外・休日対応が難しい場合の代替も認めています。地域の精神科病院と平時から十分な連携体制を確保し、その精神科病院が時間外・休日の対応を担う場合には、体制が確保されているものとみなされます。

この施設基準の追加は、届出の実務に直接影響します。現行のオンライン精神療法は、届出医療機関数も算定回数も限定的な状況にあります。届出医療機関は、令和7年11月時点で病院と診療所を合わせて約150施設にとどまります。今回の見直しは、初診という新しい評価を用意する一方で、体制面の要件を1段階引き上げる内容といえます。

3. 処方制限と加算の取扱いは変更なし

改定案は、算定を制限する既存のルールを、そのまま維持します。第一に、1回の処方において3種類以上の抗うつ薬又は3種類以上の抗精神病薬を投与した場合は、算定できません。第二に、注3から注5まで及び注7から注11までに規定する加算は、別に算定できません。第三に、算定には地方厚生局長等への届出が必要です。

これらの制限は、いずれも現行の注12から文言が変わっていません。多剤処方に係る制限は、指針が「向精神薬等の不適切な多剤・大量・長期処方は厳に慎む」と求めていることと対応します。初診が評価対象に加わっても、この2つの制限は初診にも同じように及びます。

4. 医療機関が今から準備すべき3点

医療機関は、届出・連携・体制の3点を確認しておくと、改定後に円滑に対応できます。第一に、施設基準の追加に伴う届出内容を確認します。第二に、行政との連携ルートを整理します。第三に、休日及び時間外の対応体制を確保します。

第一の届出では、追加される施設基準(2)を満たせるかどうかを点検します。既に届出を行っている医療機関も、体制要件が2項目に増える点を踏まえた確認が必要です。これから届出を行う医療機関は、(1)の体制整備とあわせて(2)の対応体制を用意します。具体的な届出様式や経過措置は、告示・通知の発出後に確認してください。

第二の連携では、保健所や自治体のアウトリーチ支援との接点をつくります。オンライン初診の対象は、行政が対応している未治療者、治療中断者、ひきこもりの者等です。この対象に届くためには、行政側から医療機関へつなぐ経路が欠かせません。診察時に保健師等が患者の側にいる状況をどう作るかを、事前に取り決めておくことが実務上の鍵になります。

第三の体制では、自院対応と連携対応のどちらを選ぶかを決めます。自院で休日・時間外に対応できる医療機関は、その体制を明文化します。自院での対応が難しい医療機関は、地域の精神科病院との連携体制を平時から確保します。いずれの場合も、急変時に対面診療へ速やかに切り替える手順を、あらかじめ院内で共有しておきましょう。

まとめ:条件付きの初診評価と体制要件の追加がセットで進む

令和8年度診療報酬改定の⑱は、指針の策定を踏まえ、オンライン精神療法の要件を見直します。見直しの第一の柱は、初診に係る566点の新設です。第二の柱は、施設基準への休日・時間外対応体制の追加です。一方で、3種類以上の抗うつ薬等に係る処方制限や、加算の算定不可の取扱いは維持されます。初診の評価は限られた条件の下で認められるものであり、体制面の責任も重くなる改定である、と押さえておきましょう。



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サマリー

日本でオンライン精神療法の初診が解禁されましたが、その条件は非常にユニークです。患者の自宅に保健師などの公務員が同席することが必須とされ、一見するとデジタルの利便性と矛盾するように思えます。しかし、これは引きこもりなど孤立した人々を救うため、アナログな人間的サポートとデジタル技術を組み合わせた、利便性と安全性のバランスを追求する最前線の試みです。

オンライン精神療法の矛盾と深掘り
あの皆さん究極のデジタルヘルスケアってちょっと想像してみてください なんかスマホのアプリ一つで誰とも顔を合わせずに完結するって普通思いますよね
ええまあ現代の感覚だと当然そう考えますよね でも今回日本で新しく解禁されたオンライン診療にはちょっと驚くべき条件があるんですよ
なんと患者さんが自宅で受診するとき横に公務員の方が座っていなきゃいけないんです はい一見するとそれってデジタルの利便性と完全に矛盾しているように聞こえますよね
そうなんですよというわけで今回の深掘りへようこそ 今日ベースにする情報ソースは厚生労働省の令和8年度診療報酬改定に関する資料です
えーとテーマはズバリオンライン精神療法の初心解禁ですね はい一見するとちょっと退屈な医療制度のニュースなんですけど今日のミッションは明確です
このお堅いルールの裏にある社会が孤立した人々にどう手を差し伸べるかという最前線の試みをひもといていきます
そうですねあの表面的なオンライン解禁っていう言葉だけでは絶対に見えてこない すごく奥深いシステム設計がここにはあるんですよ
初診オンライン精神療法への評価新設
さて早速資料を見ていくと今回の改定で初心のオンライン精神療法に新しく566点という点数がつきました
リスナーの皆さんにちょっと補足すると医療の1点は10円なのでつまり5,660円の評価がついたってことですよね
ええ対面診療の代わりに算定されるんですがまあつまり国として正式に予算をつけてこの仕組みを本格的に動かし始めたっていうことになります
厳格な対象者とアナログな同席要件
ここからが本当に面白いところなんですけど私たちが仕事とかでストレスを感じた時に家のソファーからスマホでサクッと受診できるっていうわけではないんですよね
そうなんですよ残念ながら誰もが恩恵を受けられるわけじゃなくて対象者はあの未治療の方とか治療を中断してしまった方あるいは引きこもりの方などに厳格に限定されているんです
なるほどまあ新しい特急レーンが開通したけど乗れる車が極端に限定されているようなものですね
まさにその通りですさらに驚くべき最大の条件としてオンライン診察の時に患者さんの自宅に保健師などの行政スタッフが同席しなきゃいけないんです
えっとちょっと待ってくださいそれ物理的に隣に人がいるんですか
はい隣に座るんです
いやそれってオンラインのメリットを完全に潰してませんかね
だって保健師さんがわざわざ家に来てるならそのまま車に乗せて病院に連れて行けばいいんじゃないですか
いやあの普通はそう思いますよねでもここが重要でして長年引きこもっている方にとって家の外に出るっていう心理的そして物理的なハードルって
私たちが想像する以上に高いんですよ
あーなるほどもう家から一歩も出られない状態ってことですね
そうなんですだからこそ行政のアウトリーチ支援として保健師がまず自宅という安全な空間に入るそこから画面越しにお医者さんとつなぐんです
へーこのすごくアナログな接点があって初めてオンラインという窓が開く仕組みなんですね
そういうことです
医療機関への厳しい施設基準と処方制限
でも一つ疑問なんですけどもし画面越しに話している最中に患者さんがパニックを起こしちゃったらどうなるんですか
お医者さんは画面の向こう側ですよね
鋭いですねえーとまさにそこが一番の課題でしてだからこそ提供する病院側にもかなり厳しいルールが追加されたんです
厳しいルールっていうのは具体的にどんな
施設基準として休日や時間外の対応体制が必須になりました
24時間みたいなことですか
そうです万が一急変した時に速やかに対面診療へ切り替える責任とか地域の精神科病院との連携が義務付けられているんです
なるほど完全なデジタルじゃなくて実はアナログな人間のサポートとのハイブリッドなんですねお薬とかも制限はあるんですか
はい不適切な処方を防ぐために3種類以上の抗鬱薬などの多剤処方制限も厳しく維持されています
7月時点でこのオンライン精神療法の届出をしている医療機関が全国でたった150施設ほどしかないんですね
そうなんです普通の小さなクリニックがそこまでのバックアップを用意するのはまあコスト的にも負担が大きすぎますからね
デジタル化社会における利便性と安全性の両立
これを聞いている皆さんもなんでそんなにもっとルールを緩くして普及させないのって思うかもしれません
でもこれって単なる医療制度の話じゃなくてデジタル化が進む社会で利便性と安全性とか
乱用防止のバランスをどう取るかっていうあらゆる業界に通じる究極の設計モデルなんですよね
本当にそうですあの無制限に解禁すれば必ず歪みが生まれますから
ただデジタルツールを入れるだけじゃ本当に救うべき人には届かないし安全も担保できないんです
確かに利便性だけ追い求めると本当に守るべき安全が崩れちゃうんですね
今回の初心オンライン精神療法は解禁されたとはいえ限られた条件と重い体制責任というセットで初めて成立するわけだ
まさにその通りですね現実の難しさを見事に表していると思います
今日の話を振り返るとなんかすごく感慨させられます
テクノロジーを駆使して引きこもりっていう最も孤立した人々にリーチしようとする最先端の医療がですよ
皮肉なことに隣に座る保健師さんという極めてアナログな人間の存在を必須としているんです
本当に非常に興味深いパラドックスですよね
デジタルヘルスケアが究極的に行き着く先って結局のところ人の物理的なオノモリに依存し続けるんじゃないでしょうか
皆さんはどう考えますかぜひこの問いをご自身の日常に引き寄せて少し考えてみてください
05:29

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