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がんゲノム検査のエキスパートパネル省略要件を新設|令和8年度改定の算定要件を解説
2026-07-11 05:20

がんゲノム検査のエキスパートパネル省略要件を新設|令和8年度改定の算定要件を解説

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がんゲノムプロファイリング検査(以下、CGP検査)は、がんに関わる多数の遺伝子変異を一度に調べ、患者ごとに適した治療薬を探す検査です。従来、CGP検査の結果を評価するがんゲノムプロファイリング評価提供料は、多職種の専門家による検討会(エキスパートパネル)で検査結果を検討することを算定の要件としてきました。しかし、投与できる薬が見つからない症例まで一律にエキスパートパネルを求めることが、効率的な提供の課題となっていました。本稿では、令和8年度診療報酬改定によるエキスパートパネル省略要件の見直しを解説します。

今回の改定は、投与できる薬が見つからない症例でも、エキスパートパネルを省略してCGP検査と評価提供料を算定できるようにしました。エキスパートパネルを省略するには、ア・イ・ウの3つの要件をすべて満たさなければなりません。この省略要件のうちウでは、投与可能な薬が臨床試験や治験を含めても存在しない場合まで対象に含めた点が特徴です。あわせて、CGP検査の区分は「固形腫瘍」と「造血器腫瘍又は類縁疾患」の2つに整理されました。

見直しの背景と趣旨

今回の見直しは、質の高いがんゲノム医療を効率的に提供することを目的としています。この目的の背景には、エキスパートパネルを省略できる症例に関する知見が集積したことがあります。

エキスパートパネルは、CGP検査の結果を医学的に解釈する多職種の検討会です。この検討会には、がん薬物療法や遺伝医学に関する専門医、遺伝カウンセリングの技術を持つ者などが参加します。多くの専門家が関与するため、実施には相応の時間と体制が必要になります。

こうした体制の負担を踏まえ、今回の改定では、一定の要件を満たす症例でエキスパートパネルを省略できる規定が新たに設けられました。省略できる症例に関する知見が積み重なったことが、この規定を設けた背景にあります。

エキスパートパネル省略の3要件

エキスパートパネルを省略するには、ア・イ・ウの3つの要件をすべて満たす必要があります。このうちイとウの判断には、がんゲノム情報管理センター(C-CAT)の調査結果を参照します。

要件アは、固形腫瘍を対象とするCGP検査を実施した場合です。造血器腫瘍などを対象とした検査は、省略の対象になりません。

要件イは、C-CAT調査結果において、二次的所見を疑う病的変異が検出されない場合です。二次的所見とは、本来の検査目的とは別に偶然見つかる、遺伝性疾患などに関わる変異を指します。二次的所見が疑われる場合は、専門的な検討が必要になるため、省略の対象から外れます。

要件ウは、投与可能な医薬品の有無に関する2つの場合のいずれかを満たすことです。この2つの場合を、次の章で詳しく説明します。

見直しの中心となる省略対象

要件ウは、投与可能な薬の有無に応じて①と②の2つの場合を定めており、いずれも今回新たに設けられた規定です。このうち、投与可能な薬が存在しない場合(②)まで対象に含めた点が、今回の見直しの中心にあたります。

①は、検査で得られた遺伝子変異に基づいて投与可能な薬が存在する場合です。ただしこの場合は、検査に用いた体外診断用医薬品や医療機器の薬事承認・認証された使用目的に従うとき、または関連学会の指針に従うときに限られます。

②は、投与可能な薬が臨床試験や治験を含めても存在しない場合です。この判断には、C-CAT調査結果を用います。薬が見つからない症例まで省略の対象に含めたことで、エキスパートパネルを求めずに算定できる範囲が広がりました。

検査区分の整理

あわせて、改定案ではCGP検査の区分が2つに整理されました。区分は「1 固形腫瘍を対象とする場合」と「2 造血器腫瘍又は類縁疾患を対象とする場合」であり、いずれも44,000点です。

従来のCGP検査は、区分が分かれていない単一の項目でした。今回、対象とする腫瘍の種類に応じて2つの区分に整理され、造血器腫瘍を対象とする区分が新設されました。

この整理に伴い、がんゲノムプロファイリング評価提供料の適用範囲も明確になりました。評価提供料は、区分「1 固形腫瘍を対象とする場合」を行ったときに算定できます。

まとめ

令和8年度診療報酬改定は、投与できる薬がない症例でも、エキスパートパネルを省略してCGP検査と評価提供料を算定できる規定を設けました。エキスパートパネルを省略するには、固形腫瘍を対象とすること、二次的所見がないこと、投与可能な薬の有無に関する要件を満たすことという、ア・イ・ウの3要件をすべて満たす必要があります。今回の見直しは、質の高いがんゲノム医療を効率的に提供するための一歩といえます。



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サマリー

令和8年度診療報酬改定により、がんゲノムプロファイリング検査(CGP検査)におけるエキスパートパネルの省略要件が新設されました。これは、データ蓄積により最適解が出せる症例や、有効な薬が存在しない症例において、専門家会議を省略し、医療リソースを最適化することを目的としています。固形腫瘍であること、二次的所見がないこと、そして投与可能な薬の有無に関する特定の条件を満たす場合に省略が認められ、質の高いゲノム医療の効率的な提供を目指す前向きな決断であると説明されました。

がんゲノム検査におけるエキスパートパネル省略の背景
あの、すねての交通違反の切符を、いちいち最高裁判所で審議している状況を、 ちょっと想像してみてほしいんです。
いや、それはもうあっという間に裁判官もシステムもパンクしちゃいますよね。 そうなんですよ。一つ一つの判定の質は間違いなく高いでしょうけど、非現実的というか。
いつも聞いてくださっているあなた。今回の深堀りへようこそ。 実は日本の最先端医療であるガン・ゲノム・プロファイリング検査、 いわゆるCGP検査の現場で起きていたのがまさにこれだったんです。
すごくわかりやすい例えですね。 これまでは、あのCGP検査を受けたすべての患者さんに対して、多職種の専門家が集まる大規模な会議、 エクスパートパネルを開くことが必須ルールだったんですよ。
全員必須だったわけですよね。でも今回の令和8年度の診療報酬改定で、 その会議を省略できる要件が導入されたと。
なぜ会議をスキップすることが医療の質とスピードを上げるのか、 そこを解き明かすのが今日のミッションです。
データ蓄積と検査区分の整理
はい。長年にわたってデータが蓄積されてきて、 あ、この遺伝子変異のパターンなら、わざわざ全員で議論しなくても最適解が出せるなという知見がそろってきたのが背景にあります。
それに合わせて検索文も固形腫瘍と白血病などの増血器腫瘍の2つにすっきり整理されました。
えっと、どちらも医療の評価基準となる点数が44,000点に明確化されたんですよね。 データのおかげで全体が効率化されたわけですが、誰でも一律に会議を飛ばせるわけじゃないですよね。
エキスパートパネル省略の要件(固形腫瘍と二次的所見)
省略が認められるのは固形腫瘍だけってことですが、なぜ血液のがんである増血器腫瘍はダメなんですか?
いい視点ですね。増血器腫瘍ってこのゲノム医療の枠組みの中では比較的新しい分野なんです。
それに全身性の疾患なので、局所的な固形腫瘍ほど会議なしでも判断できるっていう過去の明確なデータパターンがまだ十分に蓄積されていないんですよ。
ああ、なるほど。まずは実績が豊富な固形腫瘍から省略を適用していくという、ある意味安全策なんですね。
その通りです。さらにですね、C-CATと呼ばれる国のがんゲノム情報管理センターがデータを解析したときに、本来のがん治療以外の、例えば遺伝性疾患のリスクといった、予期せぬ二次的証券が見つからなかったことも省略の絶対条件になります。
予期せぬリスクが見つかったようなイレギュラーな事態なら、やっぱり人間の専門家がしっかり話し合う必要があると、そこまではすごく腑に落ちます。ただ、ルールを読んでいて、どうしても引っかかる部分があるんです。
薬が見つからない場合の省略と医療リソースの最適化
はい、どの部分でしょうか。
エキスパートパネルを省略する条件の3つ目なんですけど、既に承認されている薬がある場合に会議を省略するのはわかります。でも今回の改定って、治験を含めて探しても使える薬が存在しない場合、これでも省略の対象になってますよね。
ええ、対象になっています。
これ、ちょっと待ってって思っちゃったんですが、薬が見つからなかった患者さんを見放して、もうサジを投げているように聞こえちゃいませんか?
ああ、その疑問を持つのは当然だと思います。一見するとすごく冷たく聞こえるかもしれません。でもこれは、医療リソースの最適化という全体像で捉えてみてほしいんです。
全体像ですか?
はい。世界中の最新データベースと照らし合わせても、現時点で有効な薬が存在しないという事実がデータ上明らかである場合ですね。そこにトップレベルの専門医が20人集まって数時間議論を重ねたからといって、魔法のようじ新しい薬が急に生まれ出されるわけではないんですよ。
ああ、そういうことか。薬を新たに作り出す会議ではないですもんね。
そうなんです。結果がデータで見え勝手な症例をあえて一律の会議から外すことで何が起きるか。先ほどお話しした、予期せぬ遺伝的リスクが見つかった患者さんのような、専門家の知恵を相動員して真剣で議論すべき複雑なケースに対して、リソースの100%を集中投下できるようになるんです。
なるほど。無駄な議論を避けることで、他の場所にエネルギーをフルに使えるってことですね。
ええ。ですからこれは、患者さんを見放すどころか、本当に専門家の目を必要としている人へ質の高いゲノム医療を迅速に届けるための極めて前向きな決断なんですよ。
単なる手抜きなんかじゃなくて、専門家の頭脳の最適配置だったわけですね。
効率化された医療システムの価値とAIの未来
リスナーのあなたが将来もし医療を受ける際にも、裏側でこうやってシステムが効率化されていることで、より的確でスピーディな治療方針が出せる。
ルール変更の裏にある本当の価値に気づかされました。
本当にそうですね。データが人間の限られた時間を守り、結果として医療システム全体の質を引き上げるという非常に素晴らしい高齢だと言えます。
さて、今回は知見の蓄積によって人間による会議を省略できる基準が作られたというお話でした。
ここで最後にあなたに一つ考えてみてほしいことがあります。
今後AIがさらに進化して、この省令は人間の専門家が議論すべきか否か、それすらも瞬時に自動判定するようになったとき、最先端の医療において人間の意思にしかできない役割とは果たして何になるのでしょうか。
ぜひご自身でも考えてみてください。
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