ライアンエアーの付加サービス収益モデル
価格競争から抜け出すにはどうしたらいいでしょうか? 安定した副収入をどうやって確保できるでしょうか?
これは業種を問わず、多くの経営者が抱える永遠のテーマですよね。 今日は、アイルランドのライアンエアーという格安航空会社が、業界トップに躍進した秘密に迫ります。
彼らが実践するのは、付加サービス収益モデル、 略してaddonモデルという手法なんですね。
これはメインの商品の価格を極限まで抑えてお客様を集め、 オプションサービス、つまりaddonで利益を最大化するという考え方です。
この仕組みを知れば、あなたのビジネス構造を根本から見直すヒントになるかもしれませんね。
ライアンエアーがなぜ基本の航空運賃をこんなに安くできるのか、 その秘密は収益の柱が付帯収入、つまりオプション収益にあるからなんです。
一般的な航空会社は座席運賃の収入に大きく頼っていますが、 ライアンエアーは基本の航空券価格をほとんど利益が出ない水準に設定しています。
同社の売上を見てみると、オプション収益の割合はなんと総売上げの3割を超える水準に達しているんですね。
このモデルの革新はサービスを徹底的に分解することにあります。
ライアンエアーの場合、A地点からB地点へ移動することが彼らの中心となるサービス、つまりコアサービスです。
そしてこれ以外のものはすべて付加価値として切り離すことができます。
例えば機内に持ち込めない大きな手荷物、機内食、座席指定、優先搭乗、さらには空港でのチェックイン手続きまで、これらすべてがオプション、つまりアドオンになるんですね。
今までセットとして当然だと思っていたものをあえて分離して、お客様が本当に必要なものだけを選べるようにする。これが抵抗の鍵になります。
あなたの普段の生活の中で、これ別料金になってもいいから安くしてほしいと思うサービスはありませんか?
もちろん基本運賃を安くするには前提が必要になります。それは徹底的な低コスト分化です。
ライアンエアーは収入が多いから安いのではなくて支出が極端に低いからこそ安い運賃を提供できているんですね。
彼らは例えば飛行機の機種を特定の単一機種に絞っています。
こうすることで整備や部品調達のコストが劇的に減らせるんですね。
また費用の高い主要な大きな空港ではなくて着陸料の安い地方空港や第二空港を積極的に利用しています。
そして飛行機が空港に滞在する時間をできるだけ短くして稼働率を最大化することで固定費を抑えています。
このためライアンエアーは特に時に使い勝手が悪いと言われることもあります。
ですが彼らはこの使い勝手の悪さも収益に変えているんですね。
例えばウェブでのチェックインを必須にして航空のカウンターでの手続きには別途料金を設定すること。
これは人件費を削減しつつお客様を無料のオンライン利用へと誘導する工夫になります。
つまり低運賃のためには少しの不便さは受け入れてくださいねという暗黙の了解を顧客等気づいているんですね。
そしてその不便さを解消したいお客様のために有料オプションを価値ある選択肢として用意しているわけです。
他業界への応用戦略
ではどんなオプションが収益の柱になるんでしょうか。
多くのお客様が避けられない最も大きな収益源は預ける手荷物の料金ですね。
家族やグループ旅行では一緒に座りたいというニーズを満たす座席指定料金も必須のオプションになりますよね。
これらのオプション料金はデータに基づいて細かく設定されています。
お客様が簡単に我慢できるサービス、例えば機内食などは低価格に。
一方で手荷物のようにお客様が我慢しにくい競争上も必須のサービスは需要に応じて価格を高めに設定するんですね。
大事なのはオプション料金が割高に感じられたとしても合計の支払額は他の競合他社よりも安いと感じてもらい続けることになります。
このアドオンモデルは航空業界以外でも応用することができます。
例えば飲食店では基本的な食事は限界まで安くして集客のきっかけとします。
そして小売役率のドリンクバーや大盛り特別なデザートをオプションにすることができますね。
小売業であれば会員券を無料で提供して会員限定の個別相談サービスや購入商品の延長保証を有料のオプションとして提案できます。
あなたのビジネスのコアサービスは何でしょうか。
Lion Air にとっての移動に当たる部分ですね。
そのコアサービスを無料や限界価格で提供することはできるでしょうか。
コアサービスを切り離すことでお客様のどんな不満や手間が生まれるでしょうか。
それが有料オプションの種となるんですね。
Lion Air から学べる成功のルールは主に3つあります。
1つ目、コアサービスを明確に定義してそれ以外をためらわずにオプションとして切り離す勇気を持つことですね。
2つ目、徹底的な低コストを実現するための文化を確立することです。
コスト削減は必須の土台になるんですね。
3つ目、オプションを単なる別料金ではなくて不便を解消するための解決策として
お客様が納得できる魅力的な価値として設計することです。
まずは今提供しているサービスを徹底的に分解することから始めてみましょう。
そうすることでビジネスに新たな収益源が生まれる可能性があります。
ぜひ試してみてください。