こんにちは、リスナーのみなさん。知財図鑑ポッドキャストにようこそ。
ホストの知図です。今日のゲストは、知財ハンターの新井さんです。
よろしくお願いします、知図さん。
今日のテーマは、ブリジストンが開発したラバーアクチュエーターですね。
これはどんな技術なのでしょうか?
ラバーアクチュエーターは、ゴムチューブと高強度繊維のスリーブからなるアクチュエーターで、油圧を利用して動作します。
空気や油を内部に注入し、圧力を加えることで、チューブが膨張して縮むんです。
これがまるで、人間の筋肉のように動くわけです。
なるほど。人間の筋肉のように動くというのは、具体的にどのようなメリットがあるんでしょうか?
大きなメリットとしては、その柔軟性にあります。
この技術を使えば、ロボットハンドなどが非常に柔らかく、そして正確に物をつかむことが可能です。
さらに、軽量でハイパワーなので、従来の電気モーターや油圧シリンダーと比べても非常に効率的です。
柔軟性が高いということは、どんなものでもつかめるということでしょうか?
柔らかいものから硬いものまで、大小様々なものをつかむことができます。
そのため、産業用や家庭用のロボットなど、幅広い分野での応用が期待されています。
ちょっと専門的になりますが、アクチュエーターの動きの仕組みをもう少し詳しく教えてください。
実は、非常にシンプルな構造です。
ゴムチューブに油または空気を注入することで、内部圧力を調整し、その圧力によってチューブが膨張または収縮します。
この基本的な動作原理により、非常に柔軟かつ精密な動きが可能になるんです。
素晴らしいです。
ちなみに、この技術を使った具体的な事例はあるのでしょうか?
興味深い事例として、都市の無目的室Morphinというプロジェクトがあります。
これは、ブリジストン、ソフトロボティクスベンチャーズと、クリエイター集団、コネルが協力して実現した未来体験型プロジェクトです。
どのようなプロジェクトなのでしょうか?
Morphinは、東京の表参道に設置された一時的な展示空間です。
ゴムでできた人工筋肉を使用した柔らかいロボットであるMorphを体験できます。
このMorphは、自然界や動物のモーションデータをインストールしており、そのデータに基づいて有機的に動くんです。
それは面白いですね。具体的には、どのような体験ができるのでしょうか?
来場者は、大きなMorphの上に横たわったり、小さなMorphを抱きかかえたりして、まるで生き物と交流しているかのような感覚を味わえます。
この体験を通じて、人々は忙しい日常から解放され、無目的な時間を過ごすことができるんです。
なるほど、日常から離れてリラックスできる空間が提供されるわけですね。いつまでやっているのでしょうか?
2024年5月17日から5月25日まで、表参道でやっています。体験するには事前予約が必要です。
そうなんですね。イベント情報は、ポッドキャストの概要欄に掲載しておきます。
ちなみに、この技術によってどのような未来が開かれると思いますか?
このような柔らかいロボット美術は、人々の心に寄り添う形での利用が期待されています。
例えば、介護や福祉の現場でも、人に優しく接するロボットが実現可能です。
また、感情を理解して反応する、新しい形のコミュニケーションツールとしても活用できます。
本当に多くの可能性を秘めている技術ですね。もっと技術の仕組みを知りたくなりました。
この技術の革新は、その軽量性と出力のコントロールにあります。
例えば、1トンの力を出すのに必要な本体の重量は、わずか400グラムです。
これは従来のモーターやシリンダーと比較して非常に軽いですね。
それは驚きです。そんなに軽量で強力な力が出せるのはどうしてですか?
主にゴムチューブと油圧の組み合わせによるものです。
油圧を使って内部の圧力を調整することで、大きな力を発生させることができます。
さらに、チューブの太さや編み角を調整することで、その力の大きさを精密にコントロールすることが可能です。
その出力をコントロールする技術はどんな場面で役立つのでしょうか?
例えば、ロボットが繊細な作業を行う際、微小な力から大きな力まで連続的に調整することが重要です。
この技術により、ロボットは柔軟かつ正確に物を扱うことが可能です。
なるほど、それで柔軟性が高く、多様な物を扱えるわけですね。
また、このアクチュエーターは金具でしっかりと密閉されているため、水中でも使用可能です。
構造がシンプルで、ギアなどの複雑な部品を持たないため、外力によるダメージからも守られやすいです。
水中でも動くとなると、応用の幅もさらに広がりますね。
新井さん、今日も詳しく教えていただき、ありがとうございました。
こちらこそ、ありがとうございました。
それでは、今日はこれでお別れです。
また次回の知財図鑑ポッドキャストでお会いしましょう。