【再】#657. バイユーのタペストリーと英語史
2026-05-08 14:44

【再】#657. バイユーのタペストリーと英語史

#heldio #英語史 #英語教育 #英語学習 #hel活 #英語史をお茶の間に
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日曜日です。いかがお過ごしでしょうか。 本日お届けする話題は、【バイユーのタペストリーと英語史】です。
どうぞよろしくお願いいたします。 本題に入る前に、今日は急著のお知らせです。
この【heldio】でご案内するのは初めてかと思うんですけれども、 2018年に朝倉書店より出た本の紹介です。
歴史言語学というタイトルの本で、 編者は、服部義弘・小間治という行先生なんですけれども、
その中で、私が担当している章が2つあります。 この本はですね、歴史言語学というタイトルなんですが、
シリーズの一つでですね、朝倉日英対象言語学シリーズ 発展編の第3巻目という位置づけで、
要するにですね、英語史と日本語史ということを念頭に、 歴史言語学という分野を紹介するという、そういう趣旨の本なんですね。
私が担当したのは第5章、初期体系の変遷ということで、 要するに書き言葉の歴史ということですね。
日本語と英語、両方の歴史をたどっています。 この初期体系の変遷という観点からですね。
それから第8章、意味変化、語用論の変化と題して、 英語における意味、語用論の変化の歴史であるとか、
なぜ変化するのかというメカニズムのようなことを書いています。
他にはですね、他の執筆者ですけれども、 日本語史外観、英語史外観というところから始まり、音変化、音の変化ですね。
因律論の歴史、形態変化、語彙の変遷、統合変化、 言語変化のメカニズムといった風にですね、かなり網羅的です。
しかも英語史のみならず、日本語史にも常にですね、目を配って、 いわば連動して、連携して記述が進んでいくので、
発展編というシリーズなんですが、実際にはですね、 少し言語学関係をかじったという方であれば、入門的に読むことはできると思います。
日本語の話題も豊富なので、そこを足掛かりにして、 英語の歴史を踏み入ってみたいなという方には、
おそらく非常に合っている本になるのではないかと思います。
こちら、2018年に朝倉書店より出版されました、 歴史言語学というタイトルの本です。
その一部、私も出筆しているということで、こちらご案内いたしました。
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このチャプターに本書に関係するリンク貼っておきますので、 ぜひ詳細はそちらからご確認いただければと思います。
ということで、9丁の紹介でした。
今日の本題ですけれども、バイユーのタペストリーと英語史です。
先日ご質問いただきまして、このヘルディオのトップページっていうんですかね、 私のチャンネルのページの上の方にですね、
画像がありまして、これは何ですかという質問をいただきました。
これ実はですね、このヘルディオのみならず、私のツイッターのアカウントだったりノートのアカウントだったり、
そうしたもののロゴとかトップ画像、バナーっていうんですか、に統一的に使っているものでですね、
このヘルディオでもそれを掲げているんですけれども、
これはですね、英語史と非常に関連の深いバイユーのタペストリーと呼ばれる非常に有名な綴れ織りの一部ということなんですね。
西洋美術史上、そして西洋史上、そして英語史上、非常に名高いタペストリー、綴れ織りということでですね、
私が英語史の象徴として、バナー、ロゴとして用いていると、そういう次第なんですね。
なぜこのタペストリー、綴れ織りが有名かと言いますと、
1066年、イギリス史上最も重要な年、事件なんですけれども、
1066年のノルマン征服、英語ではNorman Conquestと言いますけれども、
これを詳細に絵で綴った、いわば絵巻物、漫画のようなものなんですね。
非常に横長でですね、高さ、縦の幅はですね、49.5センチということなんですが、
この幅で横に70メートル、非常に横長の絵巻物ということになって、
小回りというほどの明確な切れ目はなかったりするんですけれども、
一連の物語になって描かれているということなんですね。
1066年のノルマン征服に連なる事件、これがですね、活写されているということなんです。
そしてもちろん、非常に美しいです。
私、バイユーで直接目にしてきましたけれども、
これも長くてですね、館内をうねうねと蛇腹のように70メートルですよね、幅を取るわけなんですが、
一つ一つの絵が細かいのでじっくり見ようとすると、これ数時間以上かかるというものなんですね。
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おそらく、このノルマン征服とその直前の様々な出来事ですね、
歴史的な背景をここまで雄弁に図示した、表したものというのはないのではないか。
文字テキスト以上に非常に詳細に当時の様子が活写されているということで、
歴史的にも一級の資料というふうにされているんですね。
様々な日常風景もその中には入り込んでいまして、
例えばですね、ローストチキンみたいなすごく美味しそうなチキンが焼かれているシーンが見えたり、
それからですね、裸の男が下半身を興奮させながら女の尻を追っかけているシーンがあったりとか、
色々と見どころ満載ということなんですけれども、
私が選んだシーンですね、このバナーとかロゴのために選んだシーンというのは、
これは私の好みでもあるんですけれども、一つ象徴的なコマということで、ここを抜き出してるんですね。
これ何かと言いますと、時は1066年4月24日のことだと判明しているんですけれども、
破雷彗星が現れたんですね。
そしてそれを人々が不吉な予兆だということで指差して眺めているっていうシーンなんです。
このシーンの右側には当時のイングランド王ハロルド2世がついていまして、
このハロルド王こそがですね、約半年後に行われますヘイスティングズの戦いにて、
ノルマンディー公、ギヨーム、後のウィリアム1世征服王です。
彼に倒されるというんですけれども、
人々はですね、この半年後に起こるこのハロルド王が殺されるということを、
この破雷彗星が予兆していると。
そういうものとして破雷彗星が描かれている、そういうシーンなんですね。
その意味ではある意味1066年のノルマン征服のシンボルで、
このシーンなり破雷彗星なりを捉えるという意味で、
私はシンボリックな意味でこのシーンが好きなんですね。
そしてその1066年のノルマン征服という事件は、
まさに最も重大な事件であることは間違いないんですね。
このバイユーのタペストリーに綴られている破雷彗星なんですけれども、
ここだけアップしてみるとですね、タコクラゲにしか見えないんですけれども、
どうも破雷彗星であるということになっているんですね。
このならぬ破雷彗星、注目していただければと思います。
これがバイユーのタペストリーということなんですが、
バイユーというのは市の名前ですね、都市の名前ということで保管されています。
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そしてタペストリーというのは一般名詞で綴れ織りということなんですけれども、
この単語自体はですね、フランス語から15世紀にだいぶ後になって入ってきたものなんですけれどもね、
フランス語では綴れ織り、このカーペットのようなものタピストリーという風に、
タピストリーのTの部分、フランス語では抜けてます。
もともとはなかったんですね。
現在のフランス語のようにタピストリーという状態で英語に入ってきたんですけれども、
そこにTが挿入された。この理由はよくわからないんですけれども、
chemistryとかregistryという風にhistoryという語尾を持つ単語っていうのがいくつかありますので、
それに引っ張られて、引っ張られてタピストリーのようなT挿入に至ったのではないかという風に考えられます。
さらにこの単語を遡り言いますと、やはりどこまで行ってもだいたいカーペットみたいな意味になってくるんですね。
あるいは絵が刺繍された布みたいな意味にたどり着いて、究極的にはどういう語源なのかっていうのはよくわからないところはあります。
引用祖語のテンプという語根、引き伸ばす、ストレッチぐらいの動詞語に遡るんではないかと言われています。
さて、バイユーのタピストリー、特にその中のハレー彗星のシーンというのが、
1066年のノルマン征服のいわば象徴と捉えることができる。
そしてこのノルマン征服というのは英語史上最も重要な事件だったということなんですが、どういう点で英語史上重要なのか。
これはですね、挙げ始めるとキリはないんですけれども、ここでは3点のみ厳選して示したいと思うんですね。
歴史的に重要だというのは、このウィリアム一世が、もともとノルマンディー公、ウィリアム一世がイングランドを征服したということですね。
これがまあいうことになるんですが、英語史上、英語の歴史上何が重要か。
1点目です。この事件によって英語は国語の地位から引きずり落とされたということが一つです。
フランス語がこのイングランドの、いわば外向きの公用語になったっていうことです。
そして英語はあくまで人々の話し言葉として使われる言語、書くにはふさわしくない言語というレッテルを貼られたっていうことです。
以降3世紀くらいですね、英語はいわば地下に潜ったことになります。
人々の口から出るのはほぼ常に英語だったんですね。
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その意味では1066年以前と変わらないといえば変わらない、つまり実質的には英語国であり続けたんですが、
今やフランス語を喋るノルマンディーの王公貴族たちが国を統治することになったわけですから、英語は国語の地位から引きずり下ろされたということになります。
2点目、1点目と関係しますけれども、標準的な英語というのがなくなったんですね。
そもそも国語ではなくなりましたし、標準的な、いわば元締めとなるような英語がないということは、各種英語方言が展開したということになります。
とするとですね、元締めがないっていうことはある意味自由です。
解放されているので言語変化が著しく進行します。
こうしてこれ以降の中英語の時代は言語変化が非常に激しい、そんな言語となるんですね。
そして最後に3点目、このヘルディオでもいろいろな形でお話ししてきましたが、
フランス語の語彙が大量に英語の中に流れ込んだということです。
これ以降英語はフランス語っぽい見栄えになっていきます。
エンディングです。
今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。
今日はバイユーのタペストリーと英語史ということで、
このチャンネルヘルディオのバナー、トップ画像になっているバイユーのタペストリーからの一コマ。
ここから解き起こしまして、ノルマン征服、そしてその英語史上の意義。
3点に、最も重要な3点に絞ってお話ししました。
関連する話題はいろいろなところでこのヘルディオでも話していると思うんですが、
とりわけ250回、ノルマン征服がなかったら英語がどうなっていたでしょうか。
こちらをお勧めしておきたいと思います。
ぜひ合わせて聞いていただければと思います。
このチャンネル、英語の語源が身につくラジオヘルディオでは、
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それでは今日も皆さんにとって良い日曜日になりますように。
ほったりうちがお届けしました。
また明日。
14:44

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