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裾野を広げるべく、毎朝6時に配信しています。 本日は4月2日、日曜日です。いかがお過ごしでしょうか。
本日は、五所万実さんとの対談 商標の記号論的考察、です。
五所さんには、先日、水曜日の回ですね、668回で、五所万実さんとの対談 商標言語学とは何か? というお題で、まず第1回、商標言語学の基本中の基本、ですね、基本にも入らずに終わってしまったかもしれませんけれども、第1回対談をお届けしたんですね。
そして、今日は第2回対談ということになります。 今回から少しですね、踏み込んで商標とは何か、特に今日はですね、商標の記号論的考察という理論的な商標の考え方に迫っていきます。
前回のように非常に入れの良いテンポでですね、対談形式で商標言語学について導入していますので、ある意味ですね、これほど分かりやすい商標言語学入門っていうのはないと思います。
私が素人の一人として、この分野の素人の一人として、商標言語学の専門家である五所さんに、ある意味インタビューする、お話を聞くというような形をとっておりますので、きっと分かりやすいんではないかと思います。
ちなみに五所まみさんは、この数週間の間、井上一平・ほったりゅう一英語学言語学チャンネルというYouTubeチャンネルにて、やはり同じ話題でですね、井上一平さんと私と3人で飲み会トークを繰り広げています。
関係する話題ということで、あわせてそちらもご覧いただければと思います。
この後続くチャプターに、いろいろとリンクを貼り付けておきますので、ぜひそちらから訪れていただければと思います。
では対談第2回ということでお聞きください。
今日の本題なんですけれども、五所まみさんとの対談、商標の記号論的考察と題しまして、前回に引き続き、五所さんにお越しいただいています。おはようございます。
おはようございます。
今日もよろしくお願いします。
よろしくお願いいたします。
前回の対談の終わりで、わからなくなったんですけど、商標というものと、これがメインのトピックで語ってたんですが、著作権という話が出てきて、ぱっと見似てるんですよね。
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これ、違う言葉ですし、法律上、権利上もいろいろ違うんだろうなという気がするんですが、これどういうふうに違いを理解すればいいんでしょうか。
著作権というのは、何か創造されたものすべてが、著作権が自動的に発生するというふうに考えられてますね。
著作権というのは何かが、例えば、最近ではフラダンスの振付っていうのも著作権として認められたという話題がありましたけれども、とにかく何かしら、そういう創造力を持って作られたものが生まれた瞬間、著作権というのは発生しますね。
商標権というものは、何か記号、あらゆる文字だけではなく図形とか、前回もお話ししましたけれども、音とか匂いとか、何か近く知るものすべての形ですね。
それを特許帳に登録申請をして、それが認められたら初めて商標権というのが発生する。そういうところでまず大きな違いがあります。
【佐藤】法律上の違いですね。そこはよく分かりました。
【河村】守られる期間もですね、商標と著作権では違いますね。著作権は60年で、商標は基本的には10年で更新すれば永遠に。
【佐藤】そうなんですか。
【河村】はい。知的財産権の中で唯一商標だけが永遠に、更新さえすれば永遠にその権利を守ることができるとされているんですけれども、そういう意味でも商標は特殊なんですけれども。
【佐藤】特殊ですね。確かにね。
【河村】じゃあ具体的に実際に違いがありますって説明してもやっぱりわからないと思うんですけれども、ちょっとそこで記号論の枠組みで2つを区別していきたいと思うんですけれども、まず著作権というのは記号って形式と意味の2つの対でなっているという考え方がありますね。
【佐藤】最も古くはソシュールですね。ソシュールのシニフィアンとシニフィエというものですね。表現、形式と意味、意味内容のことですけどね、それぞれ。
【河村】そうですね。簡単に言うとその表現ですね。その表現の部分を守るのが著作権というふうに考えていただいて、商標の方はその表現とその表現が意味する内容、意味内容のこの結びつき関係性を守るっていうのが商標だっていうふうに捉えると、わかりやすいかなと思うんですけども。
【佐藤】ちょっと待ってくださいね。著作権の方は表現を守る。内容は守らないってことになるんですか?
【河村】もう表現しているものが何かっていうのは関係ないんですね。とにかくその表現されたものっていうものを守る。商標というのは、例えばその商品名にその商標をつけますね。その商標が取る形の方を表現って言いますね。ロゴであったり文字であったりっていうのが表現の部分になります。
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その意味内容っていうのは、誰がどこが提供しているかっていうものを意味している。それが意味内容になるんですね。
そのサランラップっていう商品があったとして、そのサランラップっていう言葉、文字は表現の方ですね。そのサランラップを作っているその会社っていうのと、そのサランラップっていう言葉を結びつけているもの。それが関係性ですね。
【佐藤】ここの繋がりを侵害されないように守ってあげるというような発想ですね。
【河村】そうですね。なので、ちょっと似ているんですけど、想像物っていう意味では、あの著作権も商標も似ているんですけれども、その意味されるものとその意味するもの、形の部分のその結びつきを侵害した場合には、その商標権侵害ってなったりとか。
【佐藤】そういうことですね。ちょっとわかってきました。記号論的に考えると、そういうふうに区別できるっていうことですね。
【河村】そうですね。商標ってよく言葉の独占とか、言葉を独占していると言われることがあると思うんですけど、決してそうではなくて、その言葉、その表現を独占しているんではなくて、その言葉とその言葉が意味する内容、つまり商標の場合はその提供者っていう、その言葉とその意味する内容の結びつきを守る。
これを独占というか、それを占有する権利が与えられているというだけなので、必ずしもその言語表現の部分をですね、独占しているということにはならないのかな。
【佐藤】なるほど。これ今すごくよくわかりました。通常ね、イメージとしては、ロゴなり表現なりっていう、外に見える部分、あるいは音声化される部分っていうのに付属しているものかと思っていたんですけど、それとその指し示している内容、意味内容とのこの連携というか結びつき自体を守っている。
【上杉】もっと言うと、その商標は何に使うのか、何に付すのかっていうのがあって、例えば何でもかんでも使うってなったらば、全部の商品を指定して登録する必要があるんですけども、例えば車だったら車だけ、車っていうその使用域っていうんですかね、その中で独占する権利を得ているっていう考え方なんですね。
なので、先ほど表現とその表現が意味する内容の結びつきっていうふうにお話ししましたけども、実はそれを使う場面というか対象物ですね。それとの三角関係で表されますかね。それを守るっていうのが商標ということになりますね。
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【佐藤】車の世界では、これは侵害しては1回定まった関係だったら、侵害してはいけませんよというか、されないように守ってあげるという感じですかね。ドメインっていうかなんかフィールドみたいな。
【森】そうですね、ドメインとかフィールド。だから極端な話、Appleっていうパソコンのメーカーで、Appleありますけれども、パソコンっていう使用ドメインの中で使うと、それは商標権侵害とかになってしまうんですけども、もちろんリンゴにAppleなんとかって付ける場合は問題ないわけですよね。
なので、やっぱり何が商標権として守られているのかっていうのを考えた時には、その言葉表現だけではなくて、その関係性が守られているという考え方になっています。
【佐藤】なるほどね。面白い。
【森】ありがとうございます。
【佐藤】これで著作権と商標の違いについてはだいぶわかってきましたが、記号論的考察ということでもう一つ今日はお題継ぎたいと思います。
次にですね、考えたいのは商標の機能っていう問題なんですけれども、商標って何をするものなんだろうみたいなところですよね。
【森】そうですね。ちゃんと役割があってですね。
これね、先にいいですか。聞いちゃう前に、機能という言われ方をすると、他の商品と区別するためということですよね。
いわゆる固有名詞なんかもそうで、他の人と自分自身を区別するために固有の名前が付いているっていう、それの商品版ぐらいの感覚でいるんですけど。
基本的に商標もその機能を有していると。
【佐藤】それでいいんですか。
【森】それが一番本質的機能と考えていいと思います。専門的に言うと、自他商品識別機能というふうに呼ばれているんですけど。
そのまんまですね。自分の商品と他社の商品を区別する、識別する機能。これが商標の本質的機能というふうにされている。
でもそれ以外にも実はありました。皆さん身近にあるブランドロゴとかを見て思い浮かべるものって、決してその自他商品識別機能だけではないと思うんですよね。
例えば、ソニーの商品だから品質がいいであろうとか。
そういった、もともとブランドっていうのは、どこが作っているから安心できるっていう、品質を保証する機能っていうのが大きかったと思うんですね。
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【佐藤】ブランドってそういうことですもんね。
【森】そうですね。なので、商標の機能、本質的機能はその商品を区別するっていう機能なんですけども、その次に大きいとされているのが品質を保証する機能。
ちょっと今思ったんですけど、例えばある製品が、例えばウォークマンとかがソニーと結びつけられているといった場合に、ロゴなり商標でソニーを思い浮かべるわけですよね。
だから品質保証だという。この理屈はすごくよくわかったんですけど、それは商標に付随している機能なんですかね。
商標と、確かに分かちがたく結びついている、ソニーが持っている機能っていうか価値みたいな考え方はできないですかね。
【佐藤】これ難しいんですよね。ソニーっていろいろな商標を持っているんですよね。ウォークマンとか、ソニーっていう、それをちょっと専門的用語で言うとハウスマークって言ったりするんですね。
例えばトヨタだったらトヨタの下にいろいろカローラとかいろいろなブランドがあると思うんですけども、そのソニーとかトヨタっていうブランドが持っている機能がその下にある。
例えばそのソニーだったらウォークマンとかその他のブランドにも継承されるっていう、そういうこともあり得るので、その商標自体が、例えばウォークマン自体が持っている品質機能かというと、もしかしたら厳密には違うかもしれない。
【佐藤】なるほどね。そこもまた専門的な議論があるわけですね。他に機能っていうのは商標にはあったりするんですか。
出書表示機能と呼ばれる、これはかなり難しい言葉なので一つ一つ説明していきますと、出書っていうのが出るところですね。どこが作っているのか、どこから来たものなのかっていうのが出書ですね。それを表示する機能、これを出書表示機能と言います。
それって最初の自他商品識別機能とはやっぱり別立て。
別立てになっているんですけれども、やっぱり出書表示機能っていうのと名前が分けられているんですね。自他商品識別機能。多くの学説で考えられているのは、自他商品識別機能から出書表示機能とか品質保証機能っていうのが生まれるっていう。
根本には自他商品識別機能っていうのがあって、それがあってこその出書表示機能とか。
やっぱり一番大元って感じはしますよね。その後の発生物というか付随して出てくるものみたいなイメージは確かにありますね。
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ちょっともう少しその出書表示機能についてお話しすると、例えば、どこが作っているって厳密にその会社名とか言えなくてもいいんですね。
どこか同じ同一のところから来ているものっていう匿名でも大丈夫なんですね。
なので、その同じところから来ているものっていうその同一出書っていうのが分かればその出書表示機能が果たされているっていう風に。
それ例えばちょっと思い浮かんだのがロゴなんかで形は同じだけどカラーを変えてみたりとか。
例えばそんなイメージ。
そうですね。まさに何かちょっとその多分同じところのだろう。
なるほど。
分かるじゃないですか。
はいはいはい。
なのでその決してどこが作っているって具体的な名前とかわかんなくても、おそらくここから出ている商品だろうとかっていうのが分かればその商標としての出書表示機能が果たされているっていう。
なるほどね。
このボイシーのヘルディオもブログのヘログも僕がやってるんでロゴ1個作ってカラー変えようかなとか考えてたんですよ。
まさにその。
それ同じ人がやってる。
同じ人が。
誰か知らないけどもっていうことも含め。
そうですね。そしたらもうそれは出書表示機能。
そういうことか。違い分かりました。自宅商品識別機能と出書表示機能ですね。
分かりました。あと品質保証機能っていうのがありましたね。
やっぱり大きく商標件って言ったときに保護すべき対象の機能はやっぱりその3つ大きく3つって。
で実際にはもう1つあって広告機能ですね。やっぱりその商標ってちょっとスローガンっぽいところもあると思うんですけど。
なのでこのロゴを見ただけでそのもちろん品質を保証されるっていうこともあると思うんですけれどもその商品を宣伝していることにもなるんですよね。
そうですね。
なので広告宣伝機能っていうのもその商標が持っている機能の1つに加えられています。
それもなんか派生物やっぱり派生物なのか。
として多くの学説では言われていますね。
製造者であれば普通それがまず最初に頭に浮かびそうっていうか知ってもらいたいっていうか広告ですよね。
知ってもらうためにインパクトのある標語もそうだしロゴもそうだしみたいな発想からの入りっていうのもありそうですよね。
この商標が持っている機能っていうのの考え方もやっぱり国によって実は違うところもあって
でも基本的にこの先ほど挙げた最初に挙げた3つはどの国でもこの商標ってこういう機能を持っているよねとか果たすべきだよね。
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それを持っていないと逆に守るに値しないよねっていう風には言われています。
なるほどね。
メーカー側の立場からとかあるいは保護されるべき消費者の側の立場だったりあるいは両方から超越した法的に何を守るべきかみたいな立場。
いろいろありそうな気がしてきましたね。
商標法の最初に商標法の目的って書いてあるんですけどその中で言われているのがまずその消費者を守るっていうところ。
やっぱり同じ商標だったら毎回同じ品質が保障されていないと困っちゃうっていうのもありますし
あとは競争とか産業発展っていう観点からもやっぱり同じ商標とか似た商標が使われると結局フリーライドとかって呼ばれてしまったりとかで
その商標を守るための商標法の目的はそういった消費者を守るっていうのと産業発展というかその商標権者を守るっていう目的のもと。
話を聞いてきて前回も含めてすごく思うのがやっぱり法律という立場からすべて組み立てられている商標言語学なるような分野。
従来のというかいわゆる学術的な言語はプロパーっていうんですか応用でないものって人間でどう言葉を使いこなしてるんだろうみたいなところのディスクリプションとかでそれを裏付ける理論みたいなことを立てたりするんだけども。
商標は何を法律上守るかとかそういうことを考えた上でトップダウンで理論を作っていくみたいななんかそんな方向性なのかなと思ったりします。
エンディングです。今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。
御所さんあの今日もあの前回に引き続き商標についてお話しくださいましたがこの商標そもそも目的何のためにあるんだっけみたいな気になってきちゃいましたね。
何のために守るのかっていうところを抑えておく必要があると思うんですけども。
まさに商標法の第一条に書かれているんですけどもその商標を保護することにより商標の使用するものの業務上の信用の維持を図りつまりその商標を使って自分たちのブランディングですね。
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押して築き上げてきたその先ほど挙げた品質保証であったりそのここが作っているから大丈夫みたいなその信用ですねその信用の維持を図り持って産業の発達に寄与し合わせて需要者の利益を保護することというふうに規定されています。
このやっぱり商標保護って言った時にはその商標権利者の業務上の信用を守るという側面と合わせてそれを使う消費者需要者の利益を保護することということですね。
その商標を信用して買ったのに全然違う品質保証だったっていうことだとその需要者にとっては損になってしまいますのでその利益を保護するというところで商標を守る保護するっていうのは大事だというふうに。
なるほどねそうすると商標言語学なるものもそこからある意味引き出されるような形で自然なこの方の目的に沿うような商標の言語の理論と言いますかそういうものを組み立てていこうとご承知してるわけですよね。
商標言語学っていうのはあるんですかそもそも。
これはもう私が作ったって言ったらちょっと大こがましくなってしまうんですけどもでも元々トレードマークリングウィスティックスっていうふうに英語でちゃんとタイトルがあってやっぱりアメリカを中心にですねイギリスアメリカを中心にあるので新しい用語ではないんですけれども
あえて私はその例えば商標ってあのいろんな角度から分析されるのであのそういう法的な文脈に限らずですねその商標暗出っていうブランドネーミングですねそういった分野も含めながらも商標にかかるものすべてを言語学的に分析したり提案したりっていうそれを大きく含めていきたいなと。
はいもうねあのなかなか野心的なっていうか積極的なこう営みっていうことでねはい応援したいと思っておりますけれども非常にここまで2回ですけれども勉強になりまして英語の商標法のね第一条なんかもなんか比べてみたくなっちゃったし今。
この辺もね含めていろいろとあの関心が広がってきましたが御所さんの本当におかげということでありがとうございました。
それでは今日も御所さんありがとうございました。
ありがとうございました。
すみません最後に補足と訂正です。
まず今回のチャプター2において書評と著作権の違いはというお話をしたんですけれども著作権の説明のところで保護期間は対談の中では60年というふうに述べておりますが正しくは70年。
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死後70年というのが正しい年限ということになります。
こちらですね収録後に御所さんからですね訂正の旨ご連絡がありましたのでこちらでお伝えしておきます。
それからチャプター3第3章のところで最後の方ですねちょっと収録の都合で音が乱れてしまったんですが内容には差し支えありません。
そしてエンディングチャプターでも述べ忘れたかもしれませんけれどももう1回対談があります。
御所さんとの対談会ですね水曜日に配信予定となっています。
こちらにもどうぞご期待ください。