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おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語史ブログの管理者、英語のなぜに答える初めての英語史、英語語源ハンドブック、言語学ですっきり解決英語のなぜの著者の堀田隆一です。
英語の語源が身につくラジオheldio。英語史をお茶の間におもっとうに英語の歴史の面白さを伝え、裾野を広げるべく、毎朝6時に配信しています。
本日は、2026年3月24日火曜日。 皆さんいかがお過ごしでしょうか。
さあ、今日の話題なんですけれども、比較級-er と最上級-est の語源的関係です。 どうぞよろしくお願いいたします。
現代英語で形容詞副詞の比較級といえば-er ですね。 そして最上級といえば-est というふうに習うわけなんですね。
これ比較的短い音節の単語には直接この設備字をつけるわけなんですけれども、長い場合にはむしろですね、その形容詞副詞の前に-more,-most という一つの単語ですね、副詞、比較級、最上級を作る副詞を置くということになっているわけなんですが、
この-more,-most にしてもやはりですね、要素として-er それから-est に近しいものが入っているわけですよね。
-more の re というところであるとか、-most の st ということですね。 つまり比較級には-er、最上級には-est というのは語源的には一貫した伝統があるわけなんですよね。
さあでは、この-er と-est の関係、つまり比較級設備字と最上級設備字の関係というのはどうなんでしょうかということなんですね。
細かく言うと込み入った事情は結構あるんですけれども、まずですね、比較級設備字の-er の起源から見ていきたいと思います。
こちらは、ゲルマン祖語では-is であるとか、あるいは-ose という語尾だったと考えられています。
ゲルマン祖語というのは文献上存在しませんので、比較言語学の再建によって見出された、いわば理論的な形ということなんですね。
表記上は星印、アステリスクをつけるという習わしになっているわけなんですが、現代の-er に相当する部分は、-is あるいは-ose だったということなんですね。
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-is あるいは-ose この2つのタイプがあったと考えられているんですが、それぞれタイプA、タイプBというふうに呼んでおきましょうか。
-is の方がタイプA、そして-ose の方がタイプBということですね。
これが小英語までにおおよそ融合して、結局ですね、後の-er という一本化された設備字へと発展していくということなんですね。
大元の-is あるいは-ose この-s の音なんですけれども、通常ですね、この後に屈折語尾などがつきまして、-s の音が母音に挟まれるという環境に置かれることが多くなるんですね。
そうするとですね、ゲルマン語ではロータシズムというんですけれども、-s の音が-r の音に変わっていくという変化を遂げました。
こうして、現代の-er の-r が出てくるということなんですね。
小英語でもすでにラという語尾になっていました。
-ra だったんですけれどもね。
このロータシズムについては、このヘルディオでもいろいろなところで触れてきているんですけれども、
例えば、b 動詞、過去形の-was と-were の関係。
一方は-s なんだけれども、一方は-were というふうに-r が出てきますよね。
他には、-we, our, us, ours という-we の活用の中で、-us と、これは-s が出てくるわけですよね。
小英語学の場合は、-our というふうに-r が出てくるわけですよね。
この辺とも関わりがあります。
他にも、ゲルマン語、英語のいろいろなところに、このロータシズムの効果というものが垣間見ることができるわけなんですが、
今回取り上げている比較急接尾字-er の-r も、もともとは-s だった。
これがロータシズムによって-r に化けたんだということになります。
-is に遡るタイプ-a と、-ose に遡るタイプ-b というふうに、後に融合してしまうわけなんですけれども、
この2つを分けて考えておくということは、ちょっとした効果がありまして、
タイプ-a の-is の方は-i という母音が含まれていたんですね。
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これがですね、i-umlaut、i-mutation という効果を後に引き起こしまして、
このタイプ-a がついた比較急ではですね、語幹の母音が本来のものと変わるんですね。
現代に残っているものはそれほど多くありませんが、例えば old に対して elder というのがありますね。
このようにゲルマン語まで遡ると、状況はややこしくはなるんですが、
現代の一見不規則に見えるような現象がきちんと説明できるということになるんですね。
さあ、ここまで比較急設備字-er の起源を見てきました。
では、次に最上級設備字-est なんですけれども、
これもですね、基本的には比較急のタイプ-a、タイプ-b に関係するんですね。
関係するといいますよりも、この比較急設備字に t という音ですね。
ゲルマン語の方言によっては t だけではなく th みたいな形が出ていて、
英語の最初期でもこの th の音になったりしているんですけれども、
比較急語尾に dental suffix と言われます。この t に近い音が付け加わったもの。
これが最上級語尾なんですよ。
つまりですね、is、ose という2つの比較急のタイプがありましたが、それに t を付けたわけですね。
そのままですと is-to とか ose-to となるんですが、これが
ズが無声音化してですね、後ろの t の無声音に引っ張られるかのようにして、
声の同化と言うんですけれどもね、こうして ist とか ose という形が生まれた。
なぜ t を付けると最上級になるのかというのは謎です。
ある種の音象調、サウンドシンボリズムかもしれませんね。
歯音、歯の音ですね。
特に閉鎖音、これで閉鎖することによって極大と言いますか、最高調という雰囲気を伝えたのかもしれませんし、
ここはよくわかりません。
ゲルマン語の特徴なんですけれども、この dental suffix を比較急設備時に加えることで
最上級設備時となったということなんですね。
そうしますと is と ose となって、このもともとズだった部分は
母音に囲まれることがなくなりますので、むしろ後ろに t という声音がきますので、
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ロータシズムを起こす機会を失ったということで、ここは r にはならないんですね。
ただですね、比較言語学的に比べると er の r と est の s というのは起源が一緒ということになります。
比較急設備時の場合と同じように、最上級設備時でも is というタイプ a と ose というタイプb がありまして、
est、タイプ a の方はやはり i 生むらうと i ミューテーションを引き起こすことになります。
先ほどの例を続ければ old に対して elder、そしてさらに eldest というように
o に対して e が比較急最上級で用いられているのは、このタイプ a の is, east この辺りの i が効いているということなんですよね。
他には一番目の o 意味する first、これ first ということで、この st がまさにタイプa の east に遡るものなんですね。
なので、語幹母音も fir のように i になっているんですね。これもともとは for,before の for、つまり前っていうことなんですよ。
それに est、英語の場合この e までも消えてしまったので、直接 st をつける形になりますが、
語幹母音が for ではなく fir のように fir となっているのは、これは a タイプですね。
east に遡るからというふうに説明することができます。
ということで、比較急設備時 er と最上級設備時 est はやっぱり語源的につながっていたという結論になります。
エンディングです。今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。いかがでしたでしょうか。
比較急 ER と最上級 EST が関係しているということなんですが、それだけでなく、タイプ a, タイプ b というふうに、
ゲルマンソ語の段階で実は2つの異なるタイプがあって、それが後に融合してしまったんだけれども、
もともと2つのタイプがあった。そしてその一方の方は i ウムラウと i ミューテーションを引き起こすものだったということで、
少数ではありますが、現代残っているちょっとひねくれた比較急の形、最上級の形をもきちんと説明できるという
比較言語学の醍醐味、こちらをご紹介いたしました。
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