世界のニュースを見ていると、ときどき、どうしてこんなに話がややこしいんだろうと思うことがあります。国と国、お金とお金、人と人。その関係を、子どものころの空き地に置き換えてみたら、少しだけ見え方が変わりました。ジャイアン、スネ夫、しずかちゃん、そして少し離れたところにいるあの子たち。さて、いま空き地では、何が起きているのでしょう。
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サマリー
世界情勢とグローバル金融の関係を、漫画の空き地にたとえて説明する。アメリカは腕力で場を仕切るジャイアン、日本や韓国は資金面で支えるスネ夫、欧州は規範を唱える静香ちゃんや出来杉君、中国などは別の関係を広げて主導権を狙う豚ゴリラたちとして描かれる。アメリカがインフレや財政難を抱え、同盟国の円安や経済構造に口を出し始めた背景には、日本の低金利資金への依存があるという。円キャリーが解消されれば世界市場から資金が引き上げられるため、相互依存する国々の一方的なルール変更は広い影響を及ぼすとまとめている。
空き地にたとえる世界の力関係
こんばんは、ひとりごとの時間です。 今夜は、世界情勢について話そうと思います。
世界のニュースを見ていると、時々なんだかややこしい話になっているな、と思うことがあります。
国同士の力関係や、お金の動きなんて、聞けば聞くほど難しくなってきます。
そんな話を、子供の頃に見ていた漫画の空き地に置き換えてみると、ちょっと面白く感じたりします。
この空き地で一番大きな顔をしているのは、圧倒的な腕力を誇るガキ大将のジャイアン、つまりアメリカです。
俺のものは俺のもの、お前のものも俺のもの。 そんな具合に、空き地のルールを決めるのはだいたいジャイアンです。
自国の安全保障や経済利益を最優先に振る舞うところも、まさにガキ大将らしい。
ところが最近、このジャイアンには一つ困ったところがあります。
どうもお小遣い事情があまりよろしくないらしいのです。 これまでずいぶん豪快に遊んできたので、自分のお小遣いだけではどうにも足りなくなってきたのです。
そんなジャイアンのそばに、いつもいるのがスネ夫です。 日本や韓国といったアメリカの同盟国にあたります。
スネ夫はジャイアンの腕力を頼りにしています。 いざという時に守ってもらう代わりに、
自分のお小遣い、つまり低金利の縁資金や国債の買い支えなどを通じてジャイアンを支えているのです。
何かあればジャイアンの背中に隠れるスネ夫ですが、よく考えてみるとジャイアンもスネ夫のお小遣いをずいぶんと当てにしています。
腕っぷしの強いジャイアンとお小遣いを持っているスネ夫。 どちらか一方だけでは、今のアキチの関係はうまく成り立ちません。
欧州と中国などの対抗勢力
そこに静香ちゃんや出来杉君のような子たちもいます。 欧州などがこの辺りに近い存在です。
それちょっとやりすぎじゃない? みんなで使うんだからちゃんとしようよ。
そんな具合にアキチの端から声をかけてきます。 言ってることはキレ事なんだけど、
揉め事になった時に先頭に立って止めに行くわけでもありません。 アキチを実際に仕切っているのは結局のところジャイアンの腕力だったりします。
そんなこんなで静香ちゃんや出来杉君はいつもちゃんとしようよと言ってるくせに、 いざアキチで大きな揉め事が始まれば少し離れたところからちょっとやめなさいよというくらいのことです。
そしてそんなグループから少し離れたところから アキチの様子をじろりと見ているのがキテレツ界隈の豚ゴリラたちです。
中国などの対抗勢力にあたります。 豚ゴリラたちは自分たちのお小遣いでやりくりしているし、
ジャイアンとは別の友達付き合いをしています。 別にジャイアンのところに遊びに行かなくてもいいもんね。
そんな具合に自分たちの付き合いを少しずつ広げながら アキチの主導権を狙っているのです。
豚ゴリラたちもジャイアンが強いことは知っています。 でもジャイアンだけがアキチで威張り続ける必要もないだろうと、
そんな風に少し離れたところからじわじわと存在感を増してきているのです。 それではここで一曲
見えない糸
アメリカが日本の円に口を出す理由
そして今、このアキチで起きている大きな問題は、お小遣いに困り始めたジャイアンがスネ夫のお小遣いにまで口を出し始めたことです。
アメリカの政策当局が自国のインフレや財政難を抱えながら、 円安や同盟国の経済構造を批判しているのも、
アキチのお話に置き換えてみるとこんな感じなのかもしれません。 先日ベッセント財務長官が市場に対して
同盟国は私だという趣旨の発言をし、 円を売るなら売ればいい、ただしその先は知らないぞという形で円安を牽制するとともに、
日銀の利上げのペースについてもアメリカ側の思惑を感じさせる発言をしたのです。
ジャイアンがスネ夫にお前もうちょっとお小遣いの使い方考えろよと言っているようなものです。
ところがこれはちょっと妙な気もします。 スネ夫のお小遣いはもちろんスネ夫のものです。
ただアキチのみんなもこれまでずっとスネ夫にはお小遣いがあるという前提でやってきました。
だからスネ夫がジャイアンに言われた通りお小遣いの使い方を変えてしまったら困るのはスネ夫だけではありません。
ジャイアンも困ることになりそうです。 そしてスネ夫のお小遣いをあてにしてきたアキチのみんなも困ってしまいます。
円キャリーと相互依存する世界市場
円キャリーというのもこれと少し似ています。 低い金利の円を借りて世界の様々な市場で運用することがこれまで当たり前のように行われてきました。
つまり日本の円を使っているのは日本だけではありません。 世界のあちこちが金利の低い円をあてにしてきたのです。
だから円キャリーが大きく解消されれば世界の市場からは多くの資金が引き上げられることになります。
ジャイアンとしてはスネ夫にもうちょっとちゃんとしろと言いたい。 けれどスネ夫が本当にちゃんとしてしまうとそれはそれで困る。
自分のお小遣い事情を何とかしようとして頼りにしているスネ夫のお小遣いにまで口を出す。
なんともちょっとややこしい話なのです。 アキチで一番威張っているジャイアンもよく見ると自分だけの力でアキチを動かしているわけではありません。
ジャイアンはスネ夫のお小遣いをあてにし、スネ夫はジャイアンの腕力を頼りにする。
静香ちゃんたちはどっちつかずで少し離れたところでは豚ゴリラたちがじっと様子を伺っている。
みんながそれぞれ別のものを頼りにしながら一つのアキチに集まっています。
だからそのうちの誰かが自分の都合だけでルールを変えようとすると思わぬところまで話が響いてしまう。
現代のグローバル金融と知性学の緊張感とは案外そんなアキチの出来事を大人たちがずいぶん難しい言葉で話しているだけなのかもしれません。
もちろん現実の世界にはドラえもんはいません。
困った時に4次元ポケットからちょうどいい道具を出してくれる人はいないのです。
今夜は世界情勢について話しました。 それではまた次回。
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