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白い海、宵の終りを告げる頃、うねりは白く、しんしんと。
季節も時も飲み込んで、それはきっと白い海。
夜のまどろみ明ける頃、うねりは白く、しんしんと。
空と大地を飲み込んで、あれはきっと白い海。
気づいたものは私だけ、浮かぶように飛び出した。
たり、わずかに冷たい水の粒。
鳥は滑るように魚になった。
石はキラキラ波に尖りをけすられて、
白い海を泳ぐ私は自由だ。
うねりは限りなく、どこまでも。
滑るように、輝くように、空を飛ぶように。
ああ、もう間もなく太陽が天使を連れてやってくる。
空と大地の境を告げる、白明光線。
それは、白い海を照らし出し、
眠っていた呼吸を呼び覚ます。
重い音を鳴らし、鉄の乗り物が動き出す。
始まりの音、焦げたパン屋の香りが風に乗る。
カラン、カラン、誰かがその音を叩く音。
白い海はうねりを忘れ、私を残し消え去った。
ひたり、ひたり、素足で歩く。
けれど私は自由になった。
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右手に握るこの粒は、白い海のお裾分け。
気づいたものは私だけ。
朝の始まり告げる頃、白いうねりは眠りについた。
あれはまどろみに広がる白い霧。
あれは私を自由にする白い海。