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地方創生が始まり10年
2024-10-30 12:51

地方創生が始まり10年

長崎県立大学教授エコノミスト 鳥丸聡
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この時間は、Zoom Up。毎週水曜日は九州経済です。
長崎県立大学教授の鳥丸聡さんです。Zoomをつないでいます。
鳥丸さん、おはようございます。
おはようございます。よろしくお願いします。
さあ、今日はどんな話題でしょうか。
今日は、地方創生10年というテーマなんですけど、
与党過半数割れとなった先日の総選挙ですけれども、
与野党問わず地方経済活性化とか、共通する日本の課題に掲げられていました。
そこで、今日はこの地方創生について、原点が10年前にありますので、
ちょっと振り返ってみたいと思います。
2014年の5月に、日本創生会議が、消滅可能性都市っていうのを、
全国の896市区町村、49.8%に当たるんですけれども、
消滅しますよっていうのでランキングして、
日本中が大騒ぎになったのを受けて、
あの年に当時の安倍政権が、ちょうど今から10年前の11月に、
町人仕事創生法っていう法律を制定したんですね。
そのときの初代の地方創生担当大臣が、石場茂さんだったっていうことです。
あれから10年経って、地方こそ成長の主役っていうスローガンは、
石場政権が掲げた公約の中の一つの文なんですけれども、
あっさりと与党過半数割っていうふうになってしまったと。
この点だけ切り取っていってしまえば、この10年の地方創生政策っていうのは、
ある意味失敗だったっていうことになるんじゃないかなっていう気もするんですよね。
最大の頑目っていうのは、人口減少の克服だったんですけれども、
この10年で真逆の人口減少に拍車がかかるっていうふうになっています。
10年間で日本全体の人口どのくらい減ったかっていうと、
355万人減っています。
この減少数っていうのは、
10年前の佐賀県と長崎県と大分県の人口を合計したのに匹敵しますので、
この10年間で日本からこの3県分の人口が消滅したっていうことになってて。
それを聞くとやっぱり大きいですね、インパクトが。
ある意味ですね、静かな有事ですよね。
有事と言ってもいいくらい危機的な状況だと思います。
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10年の歳月費やしたにもかかわらず、
この地方創生が成果を上げられなかった理由として、
地方創生の交付金、要するにバラマキが不十分だったんじゃないかっていう声も一部にあるんですよね。
自民党の今回の政権公約にもはっきりと書かれてるんですけれども、
地方創生交付金の倍増を目指すっていうふうに書かれています。
しかしこの10年間の地方創生絡みの交付金総額、
計算するのなかなか難しいんですけれども、どれが地方創生関連かって、
コロナの対応だとか岸田政権のデジタル田園都市交付金なんかも含んでみると、
60兆円以上になるんじゃないかっていう試算もあるんですよね。
果たしてそれだけのコストに見合った効果がどれほどだったのかっていうことです。
10年で60兆円っていうのは1年で6兆円っていうことですから、
消費税率1%っていうのはざっくり3兆円程度なので、
計算上は毎年消費税率2%分は地方創生に配分されてきたんだなってことになるんですよね。
このあたりをちゃんと検証しないと、
地方こそ成長の主役とか地方創生交付金の倍増を目指すっていうスローガンを掲げられても、
ちょっと腑に落ちないなっていう有権者は少なくなかったんじゃないかなっていうふうにも思います。
もっともこの地方創生の10年間で人口を増やした自治体っていうのは確実に存在するわけですよね。
なんだけど全体のパイが減少していると。
九州7県の人口も2000年ピークでもずっと減少しているっていうんですね。
その中でどっかが増えてるっていうことですから、
マイナスサム社会の中で移住者の争奪戦があって勝ち組みになったところが人口を増やしているっていうことですよね。
一応国のほうも、地方創生10年の取り組みと今後の推進方向っていうので整理はしてるんですよ。
その報告書の中の1ページ目を除くと、
地域間で人口の奪い合いになっているっていうのが1ページ目に明確に書かれているっていうので、
地方を煽ってどうするんだっていう話もありますよね。
さらにこの地方創生10年で出生率、合計得出生率が上向いた自治体も確実にあります。
よく知られているのが長崎県後藤市なんですけども。
直近5年間の後藤市の合計得出生率1.88あるんですけれども、
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さらにその5年前の出生率は1.76ですので、
0.12ポイントも出生率上昇してるんですよね。
これぞ地方創生成功事例みたいなふうに見えるんですけど、
じゃあ出生数、赤ちゃんの数ってどのくらい増えてるんだろうと思って、
直近5年間とその前5年間の出生数を比べてみたら、
意外や意外、113人減少しているって言うんですね。
出生率は上がってるのに出生数は減少しているっていう。
どういうことですか。
何々率っていうのは分数ですよね、割り算。
分子の出生数が増える場合だけじゃなくて、
出生数若干減っていても分母の方の若い女性の数、
出産的領域の女性の人口数が大きく減少すると、
分子がちょっと減少しても全体は上昇するっていうことになるんですよね。
なるほどね。
なんか数字のマシックみたいな。
ご当地の出生率上昇の要因は、
若い女性が当該に転出していったっていうことによるものだっていうことですので、
注意が必要ですよね。
それと今回の総選挙を見ていて、
中小企業を元気にすることが大切だっていうのは、
どの政党もおっしゃってるんですよね。
中小企業っていうのは一般に企業数でいうと、
全体の99.7%占めていますよと。
で、従業員数でも70%を占めていますよって言われてるんですけれども、
ほとんどその数字だけが一人歩きして、これが中小企業って言われてるんですが、
都道府県ベースで見ると、地域差が結構大きいんですよ。
企業数の割合って九州7県でも99.8%で、東京都でも98.9%ですから、
中小企業の数の割合っていうのは変わらないんですが、
従業者数の割合は全国は70%なんですが、九州7県は85%もあるんですよね。
特に長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島っていずれも9割超えているっていう水準です。
ちなみに東京都の場合は、中小企業で働いておられる方は44%。
なんでそんな差が出るんですかね。
大企業が集中してますから、東京都。
だから56%働いてるのに、
東京都で中小企業の振興が大切ですって言われても、
国を違いという方が結構おられるんじゃないかと思うんですよね。
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だから中小企業振興策こそ地方創生の本丸だっていうふうに、
我々考えるんですけれども、地域によって実情が大きく異なるんですよね。
ですから地方創生交付金の総額を増やしていただくのは、
くださるものは多いに結構ですので、たくさん出していただくんですけれども、
その使い道っていうのが、今まで見てみると、
例えば商店街を活性化させようっていうので、
プレミアム付き商品券っていうのは、
政府は必ずしもこれに使いなさいなんて、交付金ですから補助金とは違いますので、
自由に使えるんですが、地方自治体は何に使えばいいんだろうって見ると、
政府の書類にちっちゃい字で書いてあるんですよ。
例えばプレミアム付き商品券などにお使いくださいみたいな。
これプレミアム付き商品券だったらこの交付金満額出るんだっていうので、
日本中のすべての市町村がそれ申請しちゃったっていうこと。
だから地方自体もあんまり良くないんですよね。
温泉旅館が多い地域もあれば、自動車部品の下請け企業が多いところもあれば、
食品加工業が盛んなところもあれば、さまざまですから、
もうちょっと政策立案能力を高めて、権限と財源だけ下ろしてくれと。
あとは地方でやっていくから、ネクスト地方創生10年は任せてちょうだいって、
あんまり地方のほうから声が上がってきていない地方創生10年間だったのかなっていう感じがするのも、
ちょっと残念っていう感じですね。
やっぱりその地方にもそれぞれ武器というか長所っていうのが違いますから、
そこをしっかり見つめて、それを自分たちの発展に生かしていけような政策を出してほしいですね。
なんかでも中央政府に依存しすぎみたいな感じになった10年だったんじゃないかなっていう気がしますね。
これからの10年に期待したいですね。
大いに期待したいと思います。
鳥丸さんありがとうございました。
ありがとうございました。
この時間はズームアップ、長崎県立大学教授の鳥丸さとしさんでした。
バッテン少女隊の春野きいなと、
青井りるわです。
RKBラジオでお送りしているガールズパンチ。
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