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2023-03-01 11:45

鳥丸聡のZoomUp

長崎県立大学教授エコノミスト 鳥丸聡

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この時間は、ZoomUp 毎週水曜日は九州経済です。 長崎県立大学教授でエコノミストの鳥丸聡さんです。
鳥丸さん、おはようございます。 おはようございます。よろしくお願いします。さあ、今朝はどんなテーマでしょうか。
ロシアのウクライナ侵攻から1年ということですね。 ロシアって言ったら、天然ガスの生産量が世界第2位。
原油が3位っていうことなんですけど、1年前の今頃、私たちはどんなことを考えていたかというと、
天然ガスや原油がの一大産地だとは言っても、日本の輸入にはあんまり影響しないんじゃないかっていうので、
ちょっと鷹をくくってたところがあるんですけれども、あるいは小麦の生産量がロシアが世界3位ですけれども、
小麦っていうのは日本はカナダ、アメリカ、オーストラリアでほぼ100%調達していましたから、
まあまあそれほど大きな変動はないんじゃないかと安心してたんですけれども、あっという間に輸入価格が高騰して、
円安も加わって激しいインフレに見舞われて現在に至るという感じになっちゃってるわけですね。
この1年経て、日本あるいは九州とロシアの貿易がどんなふうに変化したのかっていうのを、貿易統計から調べてみました。
もともと九州とロシアの貿易額って、ウクライナ危機の前から小さくて、九州の輸入に占めるロシアの割合って3%。
九州からの輸出に占める割合は0.7%ですから、多少変動したところで大きな影響はないんじゃないかって思っていたわけですけれども。
昨年の貿易統計を調べてみると、輸出は前年比6割減っています。
全国は3割減なんですけれども、全国より九州の落ち込みが大きい。
ただ6割減ったとはいえ、まだ4割は輸出が続いているっていうことですよね。
あと一方の輸入のほうを見ると、どの程度減ってるんだろうかと調べると、4割以上増えてるっていうことですね。
輸入は増えてる?
増えてるんです。
輸出と輸入を合計した貿易額っていうのは、2021年が3,050億円だったのが、22年は3,710億円。
貿易総額はむしろ増えてる。
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経済制裁っていうのは掛け声だけに終わっちゃってるっていう。
全国の場合だと貿易総額は5%だけですけれども減ってるんですけど、九州の場合は増えてるんです。
経済制裁が掛け声だけに終わっていることを最も端的に示すのが話題になっている、
ロシアへの中古車の輸出と。
中古車?
中古車ですね。
もともと日本からロシアへの輸出で、ウクライナ侵攻前に最も多かったのは自動車なんですけれども、
あんまりこれが減ってなくてですね、台数で7%、金額で9%しか減ってないんですよ。
なんで経済制裁を課しているにも関わらず減っていないのかっていうと、
新車の輸出っていうのは去年の6月からゼロが続いています。
ですから中古車が増えた。
台数で3割増えて、金額ベースでは2.5倍に増えてる。
だから中古車の輸出単価っていうのがものすごく上がっていて、
ウクライナ侵攻前の中古車1台64万円平均価格だったのが、
昨年1年間通すと122万円倍増してるっていう。
なんでそんなふうになるのかっていうと、
ロシア国内だとトヨタ、日産、マツダっていう日本の大手が現地の生産を中止して、
浜不足になっているので、どうしても中古車頼みにならざるを得ない。
そうなると、私なんかが思うのは、
中国のお友達から新車を輸入すればいいんじゃないかと思うんですけれども、
中国の新車ってEV、電気自動車が中心ですから、
ロシアのインフラにうまくマッチしないっていうところがあるんですよね。
それからもう一つの理由っていうのは、
昨年極端な円安だったと。
ロシアの有力銀行の多くはスイフトから占め出されたんですけれども、
制裁の対象外になっている小さい銀行ですよね。
そういったところを通すと、普通にドルや円での決済ができちゃっている。
なるほどね。
もう一つ、これが一番でかいんですけれども、
日本政府は対ロシア制裁っていうのを課してるわけですけれども、
輸出を禁じますよっていう乗用車は、
600万円を超える高級車だけなんです。
意外とあんまりこれ知られてなくてですね。
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大半の中古車っていうのは対象外になっている。
なるほどね。
要するに贅沢品の輸出をやめて、ロシアのオリガルフィーという振興財閥ですね。
そこにプレッシャーをかけるっていうのが目的なんだっていうこと。
だから経済制裁なんかは骨抜きになっている感じですよね。
それだけ中古車の輸出が増えると、
当然維持管理するために自動車部品の輸出も増えてるのかなって思うと、
自動車部品とかタイヤの輸出っていうのは7割減少してるんです。
いずれはやっぱり補修しなきゃいけなくなりますので、
ロシアにはそのうちには効いていくんだろうと思うんです。
九州からロシアへの中古車輸出台数どの程度かっていうと、
今から5年前が2,700台だったのが、
21年は1万2,000台に増えて、
ロシアのウクライナ振興の昨年っていうのは、
その前の年よりほんのちょっとだけ減少はしてるんですけど、
1万2,000台近くっていうことで高止まりしたまんま。
ところが輸出金額は6割増えて過去最高になっている。
どこの港から九州から輸出されているかっていうと、
ロシア向けの中古車の輸出っていうのは、
1位今利港、2位唐津港なんです。
え、佐賀から?
文字港とか博多港とかあんまり出てこない。
そうなんですね。
ところが昨年の一番の輸出港っていうのは文字港っていうことになってて、
やっぱり金になるぞっていうふうになると、
お金にならなかったから今までは唐津や今利のほうまで流れていってたんですけれども、
これはもういけるぞってなると、文字港あたりからの輸出がうんと増えて、
1台あたりの平均単価が114万円っていうことですね。
なんか文字港がおいしいところを取っていったっていうような感じ。
でもそうやってまた増えていくと、
ますます経済制裁って名ばかりっていう感じが深まってくるんですね。
輸入のほうも4割増えてるんですけれども、
これはもう3つの品目で説明がつきます。
石炭と天然ガスと魚介類。
石炭って輸入量は15%減ってるんですけど、輸入金額が2.6倍に増えてる。
天然ガスも輸入量は42%減ってるんですけど、輸入金額は43%増えてる。
魚介類っていうのは、単価はちょっとしか上がってないんですけど、
輸入数量、輸入金額ともに6割増えてる。
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だからなんか効いてないんですよ。
私たちはガソリンスタンドでガソリン入れるときに、
ロシア産の原油なんて使ってないよねって思ってるんですけれども、
実は日本が輸入する原油って、1位サウジアラビア、2位がUAE、アラブ主張国。
UAEの原油ってクオリティがあんまり良くなくて、
そしてロシア産原油ってクオリティ良いらしいんですよ。
ロシアからUAEが輸入したのをブレンドして日本に輸出しているってことですから、
実は私たちも間接的にロシアに金払ってるっていう悔しい状況になっててですね。
そうっすよね。
だから僕は1日も早く停戦、休戦も持っていきたいところなんですけれども、
経済制裁っていうのが実は効いてないっていう。
なんかこっちが制裁受けてるぐらい、今物価高が進んで苦しいですもんね。
そうですよね。
このあたりもうちょっと政府の方にも厳しくやってほしいかなっていう感じです。
わかりました。
鳥丸さんありがとうございました。
長崎県立大学教授、鳥丸さとしさんでした。
11:45

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