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スピーカー 2
SCP テイル JP ねえ、先生
先生、おはようございます。 私と先生が会ったのはいつでしたっけ?
そうそう、高校2年生の4月。 まだ受験のことなんて考えてなくて、みんなどこかウキウキしていたあの春の日。
先生は若くてかっこよくて、教室に入った時からみんなキャーキャー言ってましたよね。
でも私、先生の顔よりも先生の授業の方が好きでした。 先生は社会科の先生だったけど、それだけじゃなくていろんなことを教えてくれましたもんね。
スピーカー 1
私たちがなぜこの社会という構造を作ったのか、 その社会の不安定さ、法律の存在意義、そして歴史を学ぶ意味、
スピーカー 2
とても楽しかったんですよ。 ホームルームの教室も、受験勉強の苦しさも。
スピーカー 1
先生がいたから私は頑張れたんですよ。 私が噂話で山口とくっつけられそうになった時も、
スピーカー 2
先生は勇めてくれましたね。 修学旅行で迷子になった時も助けてくれましたね。
私ね、いつからか先生のことずっと見てたんです。
スピーカー 1
でも先生は私たちのことなんか本当は見ていなかったんですよね。 先生が興味あったのは私たちの学校にいた何か。
大きくて赤くて骨張っていて、 黒板を爪で引っ掻くような音をさせて、
文化祭の模擬店のゴミ箱みたいな匂いがしてた何か。 私を噛み殺して、
スピーカー 2
ちぎり切った何か。 先生、聞きたいことたくさんあるんです。
先生、あれは何なんですか? 先生、なんで私を助けてくれなかったんですか?
先生、先生、先生、先生、先生、
先生は食い殺された私を見て、どこかへ電話をかけて、 先生の呼んだ誰かがそれを捕まえて、
そして私は事故で死んだことにされました。 ねえ先生、
あれは私を殺したのに殺されちゃいけないんですか? 先生は死刑についても語ってくれましたよね。
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スピーカー 2
予防説 殺すことによって犯罪の抑止となる。
でもあれはそんなものの外にありますよね。 法律に縛られないそれを先生はなんで殺さないんですか?
先生、私ね、 あの化け物に殺されるとき、
先生に会いに行ってたんですよ。 先生に合格の報告がしたくて、
合格証書を持って夜の学校に向かって、 そして職員室の前で殺されました。
私、まだ女子高生だったんです。 これからずっと女子高生のままなんです。
スピーカー 1
死んでからなぜか私はここにいます。 幽霊でもない、
スピーカー 2
生きているものでもない。 先生が収容する異常になったんです。
ねえ先生、私の名前を覚えてますか? 忘れていますか?
スピーカー 1
私ね、 って言うんです。
スピーカー 2
でもね、この前から番号で呼ばれることになりました。
スピーカー 1
scp jp 私の名前です。
スピーカー 2
私を呼んでくださいね。 私の名前を呼んでくださいね。
先生、私、先生のこと好きだったんですよ。
だから先生、私を呼んでください。 scp jp
そのために私ずっと女子高生でいますから。 この学校にいますから。