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2022-09-28 12:24

Webデザイン分野には弱いAdobe(第582回)

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本来Adobeが強いのは印刷物のデザイン分野で、Webデザイン分野では苦戦していた印象があります。Photoshop、IllustratorのWebデザイン機能を強化しますが、SketchそしてFigmaが台頭していった話をしました。

=== 目次 ===
本来Adobeが強いのは印刷物のデザインツール
Adobeが扱ってきたWebデザインツール
Photoshop、IllustratorでのWebデザインの問題点
WebデザインツールSketchの台頭とAdobe XD
そしてオンラインツールのFigmaが人気に
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アドビのフィグマ買収に関連して、
実は、AdobeはWebデザイン分野がもともと弱い弱点だという話をしたいと思います。
そもそも、Adobeが天下を取れたのは、印刷物のデザインツールの分野なんですね。
パソコンでデザインをしても、画面上で見られるだけではそこが完結ではなく、
最終的には印刷されないと意味がない。
チラシだったり、カタログだったり、本だったり、印刷されて初めて完結する。
そのためのツールを提供することで成功したんですね。
印刷するという最終段階に対応できるツールというのが当時はもう決まっていて、
Adobeのツールであることが必須だったんですね。
印刷する工場、印刷屋さんが、
アドビのツールで作ったデータでないと印刷はできませんよと、
そういう決まりで、それが当たり前で、そういうものだという時代だったんですね。
そしてそのDTPの最初の頃は、
MacでしかAdobeのソフトは動かなかったので、Macを使うことも必須だったと。
印刷する時に対応しているフォントも決まっていたので、
森沢のフォントじゃないとダメですと。
すべてが決められているので、印刷物のためのパソコンでのデザイン、
DTPを行うにはAdobeのツールを使うしかなかったんですね。
で、その後パソコンでのデザインという分野が広がって、
マルチメディア、アニメーション、3Dグラフィック、動画編集など、
いろんな分野が生まれてきます。
Adobeは印刷物作成ではないこの辺の分野では大体苦戦してるんですね。
動画編集のPremiere Proやアニメーション作成のAfter Effectsはかなり使われてますけども、
圧倒的なシェアというわけではないです。
3Dに関してはもともとそんなに戦ってない印象はありますが、
オートデスクに完全に負けてますよね。
そしてウェブサイト制作の分野においても、
Adobeは苦戦してるというか、迷走してる感じもありました。
ウェブオーサリングツールという、なるべくHTMLとかCSSとかそういうの書かずに、
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デザインツールのようなものでウェブページを作りたいと、
そういうツールもAdobeは出しています。
今はそういうツールはオンライン上のサービスになっていて、
ジンドゥとかWixとかノーコードツールという言い方が今っぽいですね。
ウェブオーサリングツールとしては、
AdobeはPageMirrorというものをまず出していたんですが、
サイバースタジオというソフトを出していたGoLive社を買収して、
Adobe GoLiveというツールを出して、PageMirrorの方は開発終了します。
私はこのGoLiveが買収される前からすごく好きで、
Adobe GoLiveになってからもしばらく使っていました。
その後、Adobeはマクロメディアを買収して、
Dreamweaverというツールを手に入れるので、
今度はGoLiveの方が開発終了になってしまいました。
Dreamweaverは今でもクリエイティブクラウドのツールの一つとして提供されています。
ただ、あまり今ウェブデザインのプロで
ウェブオーサリングツールを使っているという人はいないと思います。
ウェブサイト全体の制作ではなく、
ウェブデザイン用のグラフィックツールとしては、
PhotoshopをベースにしたImageReadyというツールを作っていました。
その後、マクロメディアを買収したことで、
Fireworksという結構人気のあったウェブデザインに特化したグラフィックツールを手に入れます。
ただ、ちょうどウェブデザインの手法も変わっていく時期で、
Fireworksを使ったウェブデザインの作り方が古くなっていったんですね。
そこで、AdobeはFireworksを強化していくこともなく、
あまり使われないツールになっていってフェードアウトした感じです。
どちらかというと、AdobeはPhotoshopイラストレーターを機能強化して、
ウェブデザインにも使えるようにしていきたいという考えだったと思います。
Photoshopイラストレーターをウェブデザインに使う時の問題点として、
一つはツールが重たいバージョンを積み重ねていって、
機能も豊富なソフトウェアなんでしょうがないんですが、
起動するのにも時間がかかるし、
機能が豊富な分、処理も遅かったり、あまりサクサク動いてくれない。
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ハイスペックなパソコンを必要とする。
パッと立ち上げてサッと使えない。
機能も豊富すぎるということで、重たいツールだと言われています。
そして一つのツールで印刷物のデザインも作れるし、
ウェブデザインも作れるしということなので、
どっちを作るかによって設定を変えるとか、
いろいろ調整しないといけないんですね。
なんでいろんな知識が必要になってくる。
それを知らないことで変なことになってしまったりすると。
両方やる人にはその辺の知識はあったほうがいいんですが、
どっちかだけしかやらない人には、
本来覚えなくてもいいような知識まで必要になってしまうと。
高機能なゆえの弱点とも言えますね。
アドビのツールでのウェブデザインに不満を持っている人も多い中、
ウェブデザインに特化したツールとしてスケッチというのが人気になります。
ウェブデザインに特化して機能が限定されている分、
アドビのツールの重たいの反対で軽いサクサク動く。
ウェブデザインに特化しているのでかゆいところに手が届く。
スケッチを開発しているところはスケッチしか作ってないんですが、
Mac用のアプリしかないにもかかわらず、
ウェブデザインツールとしての定番になるんですね。
これ日本ではちょっと事情が違っていて、
日本語化されてないというのも大きいと思うんですが、
日本でのシェアは世界でのシェアから見るとちょっと低めだったんじゃないかと思います。
そしてスケッチがウェブデザインの事実上のスタンダードのツールになったことで、
エコシステム的なものが生まれます。
スケッチのプラグインがどんどん開発されていったんですね。
そしてスケッチと連動してプロトタイプを作るツールも登場します。
ウェブデザイン、ウェブサイトを作るという時代から、
ウェブサービス、ウェブのツール、スマートフォン用のモバイルアプリを作るという時代に変わってくるんですね。
そうすると実際にコーディングをするプログラムを作る前に、
動きを確認するためのプロトタイプを作るツールのニーズが高まってきます。
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例えばアプリの場合、このボタンを押したらこっちの画面が開いてとかは、
最終的にはプログラムをする人が作るんですが、
その前のデザインの段階でただの静止画だけではなく、
こっちのボタンを押したらこっちが開いてと、
そういうのをプロトタイプと言ってテスト段階で作れると議論もしやすくて、
しっかり構成を考えてから実際の開発にバトンタッチすることができますよね。
このバトンタッチについても専用のツールが登場します。
スケッチと連動して仕様書みたいなものを自動生成するんですね。
作ったデザインのこのパーツの色のカラーコードがこれですとか、
サイズは何ピクセルかけ何ピクセルですとか、
パーツのCSSのコードを生成するとか、
そういうツールも出てきたんですね。
この引渡しのことをハンドオフと呼ぶそうで、
ハンドオフのツールという言い方ができます。
Webデザインだけでなくアプリの開発とかにも使われるので、
ユーザーインターフェースのUIからUIデザインツールと呼ばれるようになっていきます。
そしてスケッチに対抗して、
AdobeもAdobe XDというUIデザインツールをリリースします。
デザインだけでなくプロトタイプ作成、ハンドオフまでできるツールです。
どっちかというとプロトタイプ作成に特に力を入れているツールのように感じます。
素材の作成はPhotoshopやイラストレーターでやってほしいということもあるんでしょうね。
しかしここでスケッチではなく新たなライバルが登場し、
一気にこの分野のシェアを奪うんですね。
それがFigmaです。
Figmaもデザイン、プロトタイプ、ハンドオフすべてができるツールです。
スケッチ XDとは違い、
Figmaはオンラインツールでウェブブラウザ上で使えて、
リモートでのコラボレーションが前提になっています。
これが新型コロナのパンデミックの時期にちょうど合っていて、
2020年にスケッチを逆転してシェア1位になるんですね。
スケッチもプロトタイプ機能を標準で搭載はしたんですが、
Figmaに追い抜かれてしまいます。
そして今度はFigmaのエコシステムが出来上がっていくと思われた中、
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なんとAdobeが買収という新展開になったというのが今の状況で、
さて、これからどうなるんでしょうというところで今回は以上です。
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