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ここは、八ヶ岳三陸のアートカフェ・ブルーテラス。
今日も、マスター夫婦とゲストの皆さんが、アートと音楽に包まれ、何やらワイワイ楽しそうに盛り上がっていますよ。
この番組は、大きな暮らしができる小さな家。
小沢スタンダード、株式会社小沢建築工房の提供でお送りします。
皆さん、こんにちは。ブルーテラスマスターの伊藤です。
いかがお過ごしですか。今週も、美術の話で一時をともにお過ごしください。
さて、今日は山梨県立美術館にお伺いしております。
現在、山梨県立美術館で開催されています企画展。
日本画の挑戦者たち、それぞれの葛藤と探求という作品展が開催されているんですが、
今日はこの作品展を担当されました、山梨県立美術館画家の伊沢さんにお話をお聞きしたいと思います。
改めまして、こんにちは。
よろしくお願いいたします。
大変魅力的で、私4回も見てしまっています。
そんなにありがとうございます。
本当に圧倒されて、12月にもこの番組の中で作品展に触れさせていただいたんですが、
ただ、すごいすごい、面白い、あれがいい、これがいいという、勝手に話を盛り上がっていたんですが、
やはりここは担当の画家の伊沢さんにお話を聞かなければと思いまして、
今日もお願いしたわけです。よろしくお願いします。
よろしくお願いいたします。
12月から始まりました、この作品展ですけれども、
1月2日からは展覧会のちょうど前半、後半、お正月のところから始まっておりますけれども、
まずずばり、この作品展の比較された狙いとか、こんなことが伝わるといいなとか、
という思いをお聞かせいただければと思います。
今回、日本画の挑戦者たちというタイトルがありますけれども、
何に挑戦して、何を悩んできたのかというところ、
画家一人一人の作品にかけた思いとか、そのあたりが伝わればいいなと思ったところなんです。
その上にどうして日本画を選んだかなんですが、
そもそも日本画という言葉が明治に西洋絵画の油絵が入ってきて、
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それと区別するために日本画という言葉が生まれたので、
実は150年づらい前にできたばかりの新しい言葉なんですよね。
西洋美術が入ってきて、日本の画家たちはそれの影響も受けながら、
革新と伝統の間を揺れ動くんですね。
そういった挑戦しながら格闘している、そのあたりが大変面白いなと思ったものですから、
それを皆さんにもお伝えしたいなと思ったところなんです。
もともと日本の美術というのは、明治だけではなくて、
古代からずっと中国の文化を取り入れて、模倣して、
そしてそれを昇華して、自分の国の新しい文化を作るというのをずっと繰り返してきましたので、
近代の西洋美術との出会いというのが、より記録なども残っていますので、
具体的に見えてくるところもありますので、今回その日本画というものを取り上げたというところがあります。
あとは今回見ていただきたいのは、その中で山梨ゆかりの作家がとても魅力的な仕事をしていますので、
それをきちんと皆さんにご紹介したいなと思ったところが、一つの願いになっています。
そうですね。今お話の中で、150年前に日本画が、名前がついたということですね。
今ではもう絵画として、当然長い伝統を持っていたわけですけれどもね、
それがやっぱり西洋が現れることに対比することで日本画ということができたというところですね。
そうしますと、今回の構成の中でも第1章のところでは、
まさしく西洋の絵画と、本当に国が開国されることによって向き合った時に、
日本の画家たちが葛藤したといいますか、驚きと同時に葛藤して向き合ってというところがあると思うんですけれども、
今回最初の第1章、第2章、第3章、第4章という、普通に章立てがされていますけれども、
やはりそういうところで順序立ててその変化を伝えるということに、
それでも非常に分かりやすくなったかなという気もするんですけれども。
そうですね。やっぱり時系列に沿ってというのは1つありまして、
というのは今回1900年から1980年、約80年間にわたっての日本画の変遷をやはり知っていただきたいなと思いまして、
その時代その時代にやはり課題があって、その時代その時代で画家たちはすでに取り組んでいるというのがありますので、
その朝鮮の歴史と日本画の歴史というものをお伝えできればなと思ったところですので、
基本的には時系列になってはいますね。
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やはり日本西洋絵画というのは大量に明治期になって入ってくるわけですよね。
あるいはそういう情報が一気に増えるわけですよね。
そうするとやはり画家たちは最初は圧倒されたのでしょうかね。
そうですね。ただ今のように入ってくる絵画というのは大変少なかったですし、
情報もですね。例えばもうちょっと後には白川という雑誌なども出てきますけれども、やはりモノクロの図版なんですよね。
ですから実物の色、それから筆色というものに触れるのはなかなか難しかったと思うんです。
海外に行って西洋美術を持ち帰った人がいて、あるいは浮遊層ですときちんとした複製が手に入りましたから、
そういったものを通じての理解ではあったようなんですね。
でもとにかく新しいもの、今までの日本になかったものに出会うわけですから、それはびっくりしましたし、
それに反発する人もいればそれに傾倒していって、なるべくそこに近づきたいと思った人もいたというところですね。
そうですね。そうすると第一章にある横山大館、巨匠ですけれども、やはり大きな色々なものを学んだというか、
大きな変化がそこで生まれたんじゃないかなと思うんですけれども。
そうですね。横山大館などは昭和まで活躍された館なので、とても長くにわたって、
皆さんが知っている大館を思い浮かべると、今回の明治の最初の頃の作品というのはこんな絵も描いていたのかと思われる方もいらっしゃるかと思います。
びっくりしました。
そうですね。これは最初、日本画の画材というのは輪郭線で形を描くというのが一つ。
これは東洋絵画の特徴でもあるんですが、これに対して西洋は色で陰影と立体感を表す。
これに日本画の画材で挑戦した。これが大館と、それから名優である石田俊夫のお二人なんですね。
ですから輪郭線を街内で描いてみたんですが、最初からなかなかうまくはいかなくて、
暗くてうすらぼんやりとした、曖昧もことした作品になってしまったので、
当時は猛狼隊というふうに悪口を言われまして、大変苦労するんですね、この二人も。
そういった最初の挑戦がこの猛狼隊になるかと思うんですが、
やがて二人はいろんな挑戦をして研究をして実践をするんですが、
さらにはアメリカにも行って、実際の西洋の風景も見てくるし、絵画も見てくる。
その中で東洋、あるいは日本の美術というものにかえって意識するようになるんですね。
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戻ってきて、西洋と日本の良いところを融合させて新たな空間表現というものを見出すということになるんです。
今回はどちらの作品もご覧いただけるので、猛狼隊の頃と解決した一つの答えのようなものがご覧いただけるかと思います。
第2章へ進んでくると、やはり日本画というイメージではなく最初に洋画をやっていた方が日本画の方へ転向されていったという。
近藤光一郎の油絵は私本当に驚きというか、本当にちょっとそうかという声にならなかった時間だ。
でもそれがまたモノクロの作品につながっていくというか、それがまた本当に同時に光を感じる作品だったんですけれども。
先ほど今のような印刷技術もないし、それからいろいろな情報もないわけですから、聞く話とかあってもかすかに。
それから一応、模写されたものがあったとしても本物ではないかと言ったりする。
そして画家たちは海外に行ってそれを見たいという、そういう気持ちというのがすごく強くて。
それが横江の大画も含めて皆さん海外に、特にヨーロッパに行く、アメリカに行くというようなことが随分されて。
外国に行くと日本の良さがよくわかるということはあるわけですけれども、そういうものが画家たちの中に大きな変革のきっかけになったということも言えるんじゃないかなと思います。
第2章というのは大章から昭和の始めなんですが、この頃になりますと実際にヨーロッパに行く画家というのは随分増えてきます。
また東京美術学校ですとか、京都の美術学校ができて、そこでは実際に良い複製であったり、実物などもある程度見るような機会もあったようなんですが、
今回の第2章の画家にはやはり洋画が出自、もともと洋画家だったという画家も結構いらして、近藤光一郎もそうですし川端隆史もそうなんですが、
西洋画の先ほど言ったような陰影法とか立体感というものを西洋絵画で勉強して、それを日本画の中にうまく混ぜ込んで、光一郎などはそのいい例ですけれども、
それまでの墨の絵画というのはもちろんずっと伝統としてあるんですけれども、大章になっての近藤光一郎の墨というのはやっぱりそれまでの墨とは違う。
空気とそれから光、それから水の反射の表現などがやはり西洋絵画を勉強したから見えてくる視野があるのかなと思っています。
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晩年の作品というか、本当にどんどん光がすごく強くなって、まるでターナーの作品を見ているような、その辺のところちょっと年代が少し違うんだけど、
なんかそんな方向に行って、とても魅力的な空間を作ってくれているなという。
でも水墨画って感じさせない。そうなんですよね。水墨画ですよね、これみたいな感じで。びっくりしました。
本当にその光の使い方がすごくきれいで、白と黒だけで表現するってすごいですよね。
この風景を私も見たことがあるって思わせる力があって、風とか空気とか感じられるんですよね。
かえってこの水墨画だからそう感じるのかなっていう感じですね。
そうかもしれませんね。自分たちの記憶とか体験が注ぎ込むことができるっていうのがあるかもしれませんね。
でもその空間の広がりも感じました。この空と田んぼ、果てしなく続く田んぼ、分かりますっていう。
だから自分の中にある風景がこんな感じで。
この方、南部町出身ですよね。この時代にこれだけの方が南部町なんですね。山の中って私のイメージがあるんですけど、
これだけの方を出す、どういう文化で育ったんだろうってすごくまた興味が。
そうですね。そういう点では近藤小一郎の作品は山梨県立美術館にたくさんありますので。
これから楽しみです。
この近藤小一郎にスポットを当てた作品というのはぜひやっていただきたい。そんな思いがありますけど。
あと日本の画家の中でも27人の作家さんの作品のうち7名が山梨県にゆかりのある作家さんということですので、そこのところは後半によろしくお願いします。
それではフローラさん、今日の音楽をお願いします。
本日の曲は三階さんのさよならを止めてです。
二人を切り裂くよう
あなたの胸の鼓動
強く激しくなる
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Stay with me
二人若すぎて
いたずらに傷を付け合った
その瞳は誰を見つめてたの
真夏が照りつける
炎の群れ焦がしながら
あなたに見せたい
あげる鼓動
Don't go
Stay with me
二人寂しくて
わけもなく
瞳探り合った
その心は何を持って今
悩み直せる
まだ決まってなどいないから
今二人は
見つめ合う瞳
動けない風よ
雨よ船
嵐になって
全てよ舞い上がれ
本日の曲は西野幸さんのさよならを止めてでした。
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前半は作品展の経緯を聞いてきました。
最後のところで山梨にゆかりのある作家さんがいるということで
先ほどは近藤浩一さんに触れたんですけれども
この作家さん素敵ですよという方がいましたら
後の作家も本当に素敵で
この機会にたっぷりと味わっていただきたいんですが
一つ日本画という時に面白い画家かなと思うのが
穴山翔導という画家がおりますので
三鷹町の出身になりますけれども
新興大和絵という活動をしました。
大和絵というのは古代からある
大変色彩の鮮やかな日本古来の絵なんですけれども
その色彩を新しく解釈して
今の現在の風景を描いたというのが
穴山翔導の作品になるんですけれども
専門家の間ではこの新興大和絵という活動は
とても注目されてはいるんですが
一方でこの穴山翔導は後半でもガラッと変わって
とても面白い作品がありますので
その大秘も味わっていただければなと
会場でそれを感じました
この作品を描いた人が
あの作品になるのっていうのはね
まずは海を描いた作品がありますよね
この色がすごく鮮やかですよね
黄色でしたね。グリーンとブルーが
これは大和絵の群青と六象という宝石
鉱物を砕いて砕いて粉にして
それを二皮で貼り付けて描いているんですけれども
油絵と全く違いまして
例えば緑を使おうと思うと
黄色と青を混ぜて作ることはできないんです
粉色にしたものが絵の具であるんですけれども
比重が違うので混ざらないんです
だから緑を描きたいと思ったら
緑の絵の具を持ってこなければいけないんです
ですのでもう一つ秋の風景を描いた作品がありますけれども
すごくたくさんの色が使ってあるんですが
これだけの絵の具を全部用意しているということなんですね
そして乾くと重ねることができるので
乾かして重ねることでこんな色んな色彩も表現している
日式の見事さ、素晴らしいです
一つ一つ重ねて出しているんですね
色を塗ってそして乾いてそしてまた色をそこに重ねて
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それをやっていくわけですね
油絵のようにパレットで混ぜたり
画面の絵で混ぜたりなんてことはできないわけなんですね
すごく時間がかかっているということと
それぞれの色が本当に鮮やかに出されていて
パーって明るくなる
あの鮮やかさがね
目に焼き付いています
一方でとても自然で穏やかな日本の風景が広がっている
そこも魅力だと思います
そうですね
本当にこの作品も大きいんでしょう
大きな作品で今お話し聞いたように
色をのせてそして乾かして
本当に根気よく向き合っていくというね
ちょうどこの展覧会が始まった頃がまさに季節だったので
この絵をご覧になって東京から来るときにこの風景見ました
という方がいらっしゃって
富士山に似ているようなんですけど
富士山じゃないという
そこが憎いな
どことも言えず
でもどこでもあるという感じですよね
本当に日本人が持っている風景という
そんなイメージですね
阿波山賞文は一方
一方で動きというものにものすごく興味を持った方なので
例えば白壁に描くという作品は
ドーンと白壁があるんですけど
そこに木の葉っぱの影が映って
そのまま風で動いているようなその動きを感じさせるんですよね
そうですよね
白壁に映っている木
モノクロの木
そしてこちら側にはまた色のついた現実の風景というか木があったりとかして
すごく不思議な幻想的なんだけれども
現実があっての不思議な世界だなって思って
そしてその白壁に一つ赤い柿が描いてある
なんとも可愛らしい
本当に絶妙な
よく考え込んだ作品だと思うんですけどね
何よりもね
態度が白壁に描く
その描くというのがね
やっぱり生活の中
様々な自然の中で自然が描いているという
この影があるってことですね
白壁を描くというか
白壁に描かれているものを描いたということですね
だからそれを映っているものを描くとして捉えて
そして自分の中にそれを取り入れて作品にしていくという
すごい感性ですね
どんなことだったんでしょう
その考え方がとても面白いのが
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今度は自分がすごいスピードで動いた時の表現ですとか
あるいはすごく速く動いているものを眺めた時の表現
とにかく動くものに興味を持っていたということで
他にも大変面白い作品があります
そうですね
踏切を通過するというね
時代感じの煙草を揺らしながらね
そして車窓の風景が人物ですよね
ここの電車の中に入っているこのお茶の
なんか懐かしいね
これある世代に出ないとわからない
そうですね
いやいや
この辺のところもね
本当に全く同じ人が描いたのっていう
時代の流れの中で
そしてその作家の視点がこんな風に変わっていくというね
そうですね
今回はそのあたりで若い頃から少年まで
常に挑戦をし続けていたんだということが分かるようにですね
キャプションに年齢が入っていますので
この年齢でこんなに挑戦しているんだとか
この挑戦だから若い時の挑戦だね
って思えるかと思いますので
そのあたりも楽しんでいただければなと思っています
そうですね
ですからそういったキャプションをね
見るとあんまりね
ちょっと縛られてしまうことはあるんだけど
かえって今回はキャプションを見ながら
作品の流れを見ながら
その作家の思いの変遷というか
視点の変遷というものを楽しむことができるかな
という気がするんですね
その他にもね
山梨に愉快な方というと
持続春光さんもありますし
この作品もですね
なかなか山梨県立美術館には出塁されていますので
割と見る機会もあるんですけど
改めてこういうふうに見ると
またその立場というのがね
そうですね
これまで実は近藤浩一さんも
持続春光さんも特別展で
一人だけの個展もやっているんですが
今回みたいに他の作家といることで
むしろその良さが際立ってきたりしますので
27人の画家と一緒に比べながら
その作家一人一人の個性を
見ていただければなと思います
そうですね
あと私は近藤健年
いやもう本当に美術館の中に
森があるのかというようなね
近藤健年という画家は
疎開してきて住んだ方なんですけど
とにかく絵が上手いんですよね
どの作品も画風も違うし
描き方も違うんですけど
この画家は本当に
ご紹介したいなと思った作家の一人ですね
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どの作品もそうなんですけど
特にこの岩つばめ
これちょうど奥
距離をとってみるような
配置だったんですよね
離れて見てるとね
大きい作品でしたよね
中島
山梨の石澤渓谷とか行くと
こういう木ってあるあるって
書いてありました
苔虫って
そこにねすごい古い
これ何ですか
こうレースのように
苔の類のたくみなんですかね
寒いところですと
木にくっついて生えてくるらしいんですけど
これも桃山絵画の
大木をバーンと上下を切ることで
大きさを表すというものの伝統を実は踏んでるんです
でもそれをとても写実的に描いていて
全く独自の世界観を作ってるんですね
何しろですね
前回の放送のところから
すごいすごいっていうことを
もうそれしかないなと思うんですけど
何しろ圧倒される
作品の密度と大きさ
これは本当に
ぜひ多くの方に味わってもらいたいと思いますので
まだしばらく
ぜひ多くの方に
見ていただいて楽しんでいただければなと
そんなふうに思います
今日はどうもありがとうございました
ありがとうございました
美は見る人の心の中にある。マスターの伊藤でした。
この番組は
大きな暮らしができる小さな家
小沢スタンダード株式会社
小沢建築工房の提供でお送りしました