反抗期の息子との悪循環
扉を開けて、夕方、玄関のドアが開く音がした。 母のミカが、「お帰り。」と声をかけると、
中学2年の息子、リクは、何も言わずに靴を脱ぎ、 ドスドスと足音を立てて、自分の部屋へ直行した。 バタンと力任せにドアが閉まる。
ちょっとリク、ただいまぐらい言いなさい。 部屋にこもってないで手伝うとか。
ミカは閉じたドアを見て、それ以上言うのをあきらめた。 最近のリクは、いわゆる反抗期真っ只中。
声をかけても、無視か、別に、うるさい、の二言だけ。 その態度にミカが説教を始めると、
リクはさっさと部屋に閉じこもる、という悪循環だった。 でも、怒ったところで誰も幸せにならない。
関わり方の見直しと新しいアプローチ
ミカは一呼吸を置いて考えた。 関わり方を見直してみようか。
リクの無視やぶっきらぼうな態度に怒るのをやめて、 静かにスルーする。
その代わり、リクがほんの少しでも答えてくれたら、 その瞬間を逃さずキャッチしよう、と決めたのだ。
翌日の夕方、リクが帰ってきた。
おかえり、やっぱり無言で部屋に入ろうとするリクに、 ミカは料理をしながら明るく言った。
リク、今日のご飯、唐揚げとハンバーグ、どっちがいい?
リクは足を止め、ドアノブを握ったまま、ぽそっとつぶやいた。
ハンバーグ、ぶっきらぼうだったが、ミカの心は躍った。
答えてくれた。
ミカはリクの部合操作には一切触れず、明るく言った。
オッケー、ハンバーグね、ありがとう。
リクは、フッと鼻を鳴らして部屋に入る。
閉まるドアの音はいつもより静かだった。
それからミカは対応を徹底した。
リクが無言だったり不機嫌な態度の時は、追求せずスルー。
逆に、うん、いや、わかった、など一言でもまともに返してくれた時は、
オッケー、ありがとう、と明るい笑顔ですぐに返した。
関係改善の兆し
数週間がたったある日の夜、リクが冷蔵庫のお茶を飲んでいた。
ミカが、今日部活暑かったでしょ?と声をかけると、リクは目をそらしながら言った。
うん、めっちゃ汗かいた。
久々に会話が繋がった。
ミカは嬉しさをかみしめながら、
お疲れ様、シャワー浴びておいで、タオル出しておくね、と優しく返した。
扉の向こうに閉じこもっていた息子の心が少しずつ開いていく。
正しさで追い詰めるのをやめて、できた瞬間を温かく受け止める。
それが、思春期の息子と自分をつなぐ、新しい架け橋になっていた。
行動分析学における消去と分化強化
MRD、マンスリーリーディングデイの企画に参加させていただきます。
今回も対話型AIにテーマを渡して作ってもらったストーリーを、
ところどころ自分好みに修正しています。
先月は行動分析学で言うところの行動の消去、そこからの消去バーストがメインでした。
大変だけど一貫性が大事なんですよね、ということをお話ししたかったので。
そして今回のストーリーでも、リク君のぶっきらぼうな態度、
あえての反抗的なリアクションみたいな態度を減らしたいと思って、
ミカさんはぶっきらぼうさにはスルーを貫くことにしました。
だけど実は不適切な行動の消去というものを考えるとき、
このスルーだけを意識することってほぼありません。
というかスルーだけ意識するとどうしても冷たくなっちゃいます。
相手からしたらですね。
それにあくまで相手にとって手応えのある反応を返さないのが消去であり、
だから強化しない、無強化なんですけれども、
スルーしようとしたらいつの間にか冷たい目線を送ってしまってたり、
態度が明らかにやれやれ呆れたみたいになってたりします。
こうなると相手にとってはもはや嫌味なんですね。
嫌味という反応を返してしまっています。
バトルの予感です。
なのでこれを避けるためにも今回のストーリー、文化強化があります。
漢字は分ける、化ける、強化です。
文化強化は特定の行動だけを強化し、それ以外の行動は強化せず消去する手続きのことで、
文章にするとなんかすごい操作しようとしている感じがするかもしれないんですが、
でもそうでもなくて困るなぁと思う行動には
あ、ふーんと思うだけで
嬉しい行動にはありがとうとしっかり伝える。
そういうことだと私は思ってます。
だから消去は単独で行われるものじゃなくって、
いつも文化強化、消去と強化のセット。
そう設定しておくことで、いつの間にかこちらの側が嫌味を発揮して
上に立とうとしたり、コントロールしようとしたり、
その結果困った行動をかえって強化しちゃったりすることも防げるのではないかなと思います。
コントロール欲ではうまくいかない。
愛情と素直さでうまくいく。
そういうふうにABAはなっているんですね。
ABAで広がれ、シンプルで楽しい生き方。
今日も大事なものを大事にできる一日を。
まとめとメッセージ
あきねでした。