オリンピックが出れるか出れないかと決まるのって、本当にギリギリにならないと決まらなかったので、ソルトレイクでオリンピック出れるって決まってから、そのオリンピックに配りに、僕たぶん1週間もなかったと思うので。
そんな短いんですか。
BUILD UP LOCAL!!
BUILD UP LOCAL!!番組ナビゲーターの常田幸永です。
この番組は、30年のスポーツ界でのキャリアを経て、現在は地域金融機関に勤務している私が、スポーツを通じて、街を豊かにしようという番組です。
さて、今週もリュージュの元日本代表選手で、オリンピック3大会連続出場経験もあります。
現在は、特定比営利活動法人、日本オリンピアンズ協会理事長でもある大口隆久さんにお越しいただきました。
大口さん、どうぞよろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
今週はですね、先週に引き続きリュージュということなんですけども、
今週はですね、トレーニング環境について、そしてまた当時のですね、3大会オリンピック出場ということなんですけども、
オリンピックについてもお話を伺いたいと思っております。
まずですね、大口さんのトレーニングなんですけども、国内、それから海外も含めてですけど、
どういったところで練習をやられるんでしょうか?
はい、冬場の滑走は基本的にはヨーロッパとアメリカが中心になりまして、
一番早いところですと大体9月ぐらいから、遅いところだと3月ぐらいまで氷の上で滑れますので、
海外に行ってそれぞれコースを回りながら氷のコースを滑走するということをしています。
反面、夏場は実はスキーと違いまして、南半球に実はコースがないんですね。
なのでヨーロッパの選手もアメリカの選手ももう夏場は滑れる場所がないので、
あとはもう陸上選手と同じような形で走ったり筋肉トレーニングをしたりしながら体を作るということを主にします。
なるほど。主に冬場は9月から3月ぐらいまで、北米内市はヨーロッパということなんですね。
なるほど。アジア、特に日本とかはどうなんでしょうか。
日本ですと長野オリンピックの頃の長野のコース、あとは1972年の札幌オリンピックの札幌のコースということで、
日本に2カ所コースがあるんですが、寒い長野と北海道とはいえ、なかなか氷を作れるのは12月、1月ぐらいが限界ですので、
その時期は氷の上で滑れますが、あとはもう陸上で練習をしたりということがメインになっています。
なるほど。ということは、メインで練習をしなければいけないという時は海外に行って活動していくしかないということなんですね。
そうですね。いかに海外に出て日本でも活動する本数を稼ぐかというのが一つ大事なところかと思います。
もちろんトレーニングだけではなくて、大会に出場したりとか、連戦をしていく、転戦をしていくということをやりながらトレーニングということなんでしょうかね。
リュージョンはワールドカップがありまして、サッカーのワールドカップと違うんですけど、サッカーは4年に1回ワールドカップなんですけど、
リュージョンは毎年だいたい7戦ぐらい各コースを転戦しながらワールドカップがあるんですが、それが1週間ごとに開催されるので、
1週間ごとコースを転戦しながら、日曜日に試合が終わったら月曜日に移動して、また次のコースに移動して、繰り返しの大会の中で練習もして試合に臨むというような形になります。
そうなんですね。ということはナショナルの選手は9月ぐらいからはずっと海外で拠点を転々としながら過ごされるということですか。
そうですね。ヨーロッパのシーズンに合わせまして、年末少しだけオフシーズンが入りますので、例えば12月の中旬ぐらいからは日本に帰ってきて、今度は日本に帰ってきたら日本のコースが開いてますので、
例えばそこで全日本選手権とかを開催して、海外だと年始はあまり関係がないと言いますが、日本だとお正月って盛大にやるんですけど、
ヨーロッパとかアメリカってそれほどメインではないので、逆に正月の1週目にワールドカップが入ってくるんですね、毎年。
なので年末年始に空港行って海外飛んで練習をするというのはスケジュールでやってました。
そうですよね。クリスマスは外しますけどね。
そうですね。そこは外れるんですけどね。
そうですね。お正月はあまり聞いたことないですもんね。
そうですね。だから何度正月をヨーロッパで過ごしたとか。
確かにそれはもうちょっと選手としてはつらいところかもしれないですね。
そうですね。
なるほど。日本国内での留守を続ける難しさっていうことがポイントとしてありそうなんですけども、練習環境の差っていうのがまず大きな違いにありそうですね。
そうですね。やはりどうしても氷の上でいかに滑れるか、本数を稼ぐのかっていうのはやっぱり一つ大事な要素になりますが、
やっぱり日本国内にコースがなかったり、氷の上で滑れる時間が短いっていうのはやっぱりヨーロッパとかアメリカと比べるとどうしてもハンデになりますので、
そこをいかに埋めていくか、そこがやっぱり一つ大事なところになりますね。
そうですか。わかりました。それではですね、用具についてちょっとこれもお聞きしたいなと思ってるんですが、
ソリということですけども、まずちょっと構造についてお聞きしたいんですけども、
普通、人が乗るソリって、何て言うんでしょうか、貸車というかですね、
人が乗って、誰かに引っ張ってもらうっていう、そういうような構造も結構思い浮かべるんですけども、
リュウジの場合のソリってスピードも出ますし、そんな簡単な作りではないとは思うんですけども、
あと重さとかですね、その辺はいかがですか。
作りは非常にシンプルでして、いわゆる冬場プラスチックのソリに乗って遊んだことがある方もいらっしゃると思うんですけど、
あれにちょっとクーヘと呼ばれる2本の木の棒を取り付けるんですけど、
ちょっとイメージが一番近いとするとサンタクロースがトナカイに引っ張って乗ってくるソリってあると思うんですけど、
あれに結構近くて、2本の角みたいな木の棒があって、そこの上に座るところがあって、というような本当にシンプルな作りになってます。
ただその木の棒にはスキーのエッジのようなものがついているので、きちんとシャープなと言いますか鉄製のエッジがあるので、
そこが氷に刺さりながらコースを滑走していく、滑っていくというような作りになっています。
なるほど、木製の上に金属製の刃がついているということなんですね。
そういうイメージですね。
なるほど、わかりました。
あとこの調整ですか、ソリの調整。
よくスキーでもエッジを削ったりとか、ワックスをかけたりとか、そういう細かい調整でスピードを競う競技ってあると思うんですけども、
リュウジの場合の調整ってどんな調整をやられているんですか。
ソリ自体の重さはもうルールで決められてしまっていて、例えば一人乗りだと23キロって決まっているので、そこを重くすることはできないんですけど、
まさにスキーと同じで、その金属部分のエッジをどうやって研ぐか。
あとはワックスみたいなものはあまりつけないんですけど、例えば雨が降っている時とか雪の時にどういった調整をしようかというところが主なメンテナンスになっていきます。
なるほど、基本的にはスキーと似ているところがあるわけですね。
そうですね。
その調整はどなたがやっているんですか。
基本的には選手自身がやります。
そうなんですか。
多分スキーもそうだと思うんですけど、実はソリの金属部分も錆びるんですね。
なので練習が終わってちょっとほっとくとすぐ錆びが出るので、必ず選手は皆さん紙ヤスリで磨いていくんですけど、
次の日の天気とか気温とかを見ながらそのエッジの部分をほんの少しなんですけどね、丸めるといいますか、
あまり氷に刺さらないようにするのか、もしくはすごく寒くなると逆にシャープにしていかないと、尖らせないと氷に刺さらないので、
どうするかというのは微調整をかけています。
なるほど、当然コースの氷の質や状態、温度というか、それによって調整が繰り返されるということなんですかね。
はい、そうですね。
だからそこの経験も結構大事で、もちろんコーチが見ながらこれぐらいにしたらほうがいいってアドバイスはもらえるんですけど、
でもやっぱり基本的に調整は自分たちでかけながらしますし、
特に試合の前とかは、普段は例えば紙ヤスリの400番とか600番という結構粗めのもので削ってはいるんですけど、
試合が近づくとやっぱりそこの差で、例えば本当に1,000分の1秒、100分の1秒のタイム差になるので、
それこそ1万番の紙ヤスリですとか、もうちょっと上のダイヤモンドペーストといわれるダイヤモンドの粉を入れたペーストで磨いてピカピカにしながら滑ったりもしています。
なるほど。ということはそのサンドペーパーとかそのヤスリというか、それもやっぱり持っていかなきゃいけないわけですね。
そうですね。現地でも買えるんですけど、実は結構日本のもの、品も番数も結構揃っているので、日本から持ってきながらやっています。
そうなんですね。1回滑走すれば、なんとなくちょっとこうやろうとかっていうことがもうだんだんイメージできるわけですか。
そうですね。本当の試合ですと1本滑って少し間が空きますので、その間に再調整をかけて2本目に臨んだりもします。
普段の練習だとそこまでちょっとできないので、1本1本滑りながら、もうちょっとこうしてもよかったなとか、もうちょっと足が丸くて大丈夫そうだなとか、そんな感覚を使っていきます。
なるほど。やっぱりね、1000分の1秒を競うわけですからね。
そうですね。
それだけのやっぱりシビアな調整必要ですよね。
はい。どこまで影響するかというのはすごく見えづらいですけど、でもほんのちょっと手を抜いて、今日は400でいいやとか、もうこれぐらいでいいやってやったその次の日の試合が、例えば1000分の1秒で負けたら本当に悔しいので、
まず道具はきちんと仕上げるというところはベースにしています。
なるほどですね。本当に気がとなり合わせですよね。分かりました。さて、オリンピックについてちょっとお聞きしたいと思っているんですが、ソルトレイク、それからトリノ、バンクーバー、3大会連続で出場されていると思うんですけども、このオリンピックに出場するプロセスって言うんでしょうね。
どうやったらこのリュウジでオリンピックに出れるんでしょうか?
リュウジでオリンピックに出るためにいくつかルールがあるんですけど、一つは世界ランキング、いわゆるそのワールドカップとかでポイントがたまっていくんですけど、一番最後の大会において、例えば男子一人乗りだと40位以内に入っていることといった基準があるので、そこを目指してみんなポイントを取っていく形になります。
なので、いかに大会に出てポイントを稼げるかというのが一つの基準かなと思います。
やっぱり怪我は終えないですね。
大会に出続けてポイントを稼いで、どんどんポイントを増やしていかないと、その頂点であるオリンピックにつながっていかないということですね。
そうですね。出ないとポイントはゼロなので、出れば少しでもポイントを稼げるので、まずは出るというのが前提かなと思います。
なるほど。初めてオリンピック出場が決まった時の気持ちって言うんでしょうかね。ソルトレイクシティ、この時はどうだったんでしょうか。
今のポイントが決まるというところもあるんですが、だいたい冬のオリンピック2月ぐらいから開催をされるんですが、実はリュージョンのオリンピックが決まるワールドカップの最後の大会って1月中旬ぐらいまでやるんですよ。
だから本当にオリンピックが出れるか出れないか決まるのって本当にギリギリにならないと決まらなかったので、ソルトレイクでオリンピック出れるって決まってから、そのオリンピックに配るに1週間もなかったと思うので。
そんなに短いんですか。
なので、コーチから出れるぞって言われて喜んだんですけど、そこから先、全てのスケジュールが詰まってて、バタバタでわたわたしながらあっという間に海外に行った記憶はあります。
なるほど。出場が決まった瞬間、その1週間後に本大会。それは結構短いですね。
そうですね。夏とかだと例えば1年前とか半年前とかに決まって準備ができる方もいらっしゃると思うんですけど、やっぱり冬の競技、これは多分リュージョンだけではないかもしれないんですけど、他の競技もギリギリまで決まらない選手結構多いと思うので。
だから意外と余韻に浸れないというか、本当だったらやっぱり決まって、例えば母校に報告に行ったりとか、いろんな人にご挨拶してってしたかったんですけど、する暇はほぼなかったですね。
なるほど。そうか。決まった瞬間にね。やったぞハートは。一息つく暇もないわけですね。
そうですね。ただもちろん嬉しかったですし、特に初めてのオリンピックは1回目のオリンピックは自分の力で初めてつかめたオリンピックだったので、嬉しかった記憶はもちろんありますけど。
なるほど。
その後のバタバタ具合の方が上でしたかね。
なるほど。3大会連続なんですけども、最も印象に残っているオリンピックって、そのうちのどれなんでしょうか。
そうですね。一番やっぱり印象に残っているのは2回目のイタリアで開催された鳥のオリンピックかなと思います。
一番成績が良かったのもありますし、2回目なので1回目の経験を踏まえて、自分がこうするべきとかこうしたら良かったということをすごくやれたオリンピックだったので、一番記憶に残ってますし、
実はその前のアメリカのソルトレイク、そしてそのもう1個前の長野オリンピック、すごく観客が入っていたんですね。
どちらもおそらくコースびっちり埋まるぐらい、それこそ長さ1キロ半ぐらいあるんですけど、もうみっちり人が立っていて、それこそ何万人の方々に応援されるというコースだったんですけど、
実はイタリアのトリノのコースは鳥のオリンピックなんですけど、実は会場はトリノから1時間半か2時間ぐらい離れた山の中にあったので、観客が少なかったんですね。
そういった意味であれオリンピックだよねって思ったのもすごく印象に残ったオリンピックでした。
なるほど。2回目ということと、あと例えばコンディショニングとか、あとそれからソリの調整も含めて、やはり1回目の経験がすごく生きた上での成績っていうことだったんですかね。
そうですね。やりたいことが本当にやれて、なんか自分の目指す順位が一つ取れたオリンピックだったなと思います。
なるほど。その中でですね、やはり世界トップとの差っていうのをやはりご経験されたと思うんですけども、それやはりどんな差が感じられたんでしょうか。
そうですね。今、やれるだけのことをやれて取れたトリノオリンピックという話をさせていただきましたけど、それでも20位だったんですね。
なので自分の上には19人いますし、タイム差で見ると、それこそその千分の1秒とかの差ではなくて、本当に何秒の差なので、もっともっと詰めなきゃいけないものはいっぱいあるんだなと思ってましたけど、
やっぱりオリンピック選手といろんな方々と一緒に練習する中でやっぱり感じるのは、やっぱりその一本に対するストイックさといいますか。
日本選手はもともと日本国内で滑れる本数って限られるんですけど、ヨーロッパの選手であっても、それこそやっぱりシーズンは決まってしまっているので、滑れる本数には限りがあるので、やっぱり一本一本の滑走をどれだけ質を高めるか。
というのが大事だと思うんですけど、やっぱりその一本に突き詰めるその集中力もそうですし、考え方、あとは用具の取り組み方。
そういったところやっぱり上に行けば行くほど選手考え方やっぱり違うなぁとは思いました。
なるほど。やはり3大会連続出場されている大口さんの言葉は重みがありますね。
すごく今でも印象に残っているのが、ある時イタリア選手と一緒にホテルに泊まっていたんですけど、本当のトップを走っているイタリア選手が夜2時間ぐらいずっとソリを眺めていて、
何しているんだろうこの人って思っていたんですけど、やっぱりソリの形とか乗った時の自分のフォームとかのイメージを2時間ぐらいずっとしていたみたいで、
そういうのを見た時に片谷は僕端っこで漫画本を読んでいたので、そういうところを詰めなきゃダメだなと思った記憶があります。
まだまだやっぱりやらなければいけないこと、できることっていうのがありそうだなっていう印象ですかね。