ワールドカップと権力者の介入
この時間は、日替わりコメンテーターが独自の切り口で、多様な視点を提案するCatch Up。 水曜日は、スポーツ文化評論家、玉木正之さんです。
玉木さん、おはようございます。 はい、おはようございます。
えー、ワールドカップ、面白いですね。 ねー、ほんとに。 やっぱり、あのー、試合、サッカーの試合っていうのは、興奮してしまいますというか。
なかなか面白い試合がどんどん続いてますが、その中で、救われましたね。ベルギーが勝って。
あー、確かに。アメリカのチームってことですよね。 ベルギーが4対1でアメリカに勝ちました。
アメリカの選手もなかなか走れなかった。なんだ、今回は力がないなぁと思っていて、やっぱり走りにくかったんじゃないですか。
うーん。 というのは、あの大統領の言葉で。 そうですねー。
やっぱりね、あのー、スポーツの世界の中に、この権力のある人がね、口挟んじゃダメですよ。 ダメですよね。
あのトランプ大統領っていう人は何年ですかね、あれは。
おまけに、それがフィファのインファンティの会長に電話をして、あの判定は違うんじゃないかと言ったということなんですよね。
これはね、やっぱり権力者がやることじゃないですね。 スポーツの独立を犯してますね。 そうですね。
これは本当に、ただその中でベルギーが4対1で勝ったのは、まあ救われたというか、スポーツが救われたと思うんですけれども、かわいそうだったのはアメリカの選手ですよね、逆に。
そうですね。彼は別に悪くないですもんね、選手もね。 そうなんですよ。
ですから試合が終わってから、そのレッドカードを前の試合で出されたバローグン選手ですが、
彼がベルギーの監督のところへ行って握手したらしいですね。 そしたらベルギーの監督は君のせいじゃないというふうに言ったのは、僕は正しかったと思うし、そこで救われたと思いますね。
ただこれ面白いんだって言い方はよくないかもしれないですけれども、
判定に抗議する時っていうのは、必ず自分たちが負けた時なんですね。
要するに自分たちにとってマイナスになる判定には必ず文句を言うんですね。
自分たちに有利になった判定には文句を言わないですね。
ですからフィファがトランプ大統領の意見に従ったわけじゃないと言いながら、自分たちでそのバローグン選手のレッドカード退場に対して、
1年間の猶予を取ったというのに対して、アメリカのサポーターでたくさんの人は喜んでるわけですよね。
これはやっぱりアメリカの中にも大統領のやったことがいけないっていうことを言ってる人いるんですけれども、
やっぱり無条件に喜ぶのはよくないですよね。
いやその通りだと思いますね。
レフェリーの役割とスポーツの原則
この番組で私は説明したことあると思うんですが、
レフェリーというのはリファー、仲介をする人なんですね。
それを受け負った人なんですね。
誰が受け負うように頼んだかっていうと選手たちなんですよね、基本的には。
基本的には選手たちが自分たちで判定ができないから。
昔は自分たちでやってたんですよ。
キャプテン同士が話をして、このボールはどっちのボールだよねとか、あるいは今のは反則だよねっていうのはキャプテン同士で話していたと。
ところがそれでは話がつかないんで、仲介をする人を呼んでこようと。
そして頼んだら仲介を受けます、リファーされるっていうのでリフェリーって言うんですね。
そのレフェリーが入ってきたって、その人の判定に対して第三者の人が、それも権力を持った人が何かを言うっていうのは、これはスポーツ的なことではないですね。
ロサンゼルスオリンピックへの懸念
ですから今回の事件で一番心配になるのは、再来年ですね。
オリンピックですね。
オリンピックですね。ロサンゼルスオリンピックですね。
これの開会宣言をするのがドナルド・トランプという人物なんですね。
世界平和のためにこの大会をやるんだというようなことをきちんと言えるかどうかということですね。
そうですね。
大まけに昔とか前にアメリカのソルトレイクシティで長野の次に会ったときに、グラウンドゼロ、要するにテロで倒れたニューヨークのビルですね、世界貿易センタービル、そこにあった旗を持ってきて出したんですね。
すごい政治的なことをやったということで、一般的なニュースからは無視するような形で、それがありましたというだけで終わったんですけれども、アメリカはアメリカのナショナリズムを高揚させるためにかなり利用したんですね。
今度は再来年にトランプ大統領が一体何をするのかっていうのは、これはちょっと心配になってきましたね。
かつて1936年にナチスドイツのヒットラーが主催といいますか、開会宣言をしたベルリンオリンピックがあったんですね。
この時にアメリカ選手団が全員ボイコットしようという動きもあったんですけれども、試合に出てなんとかそこで頑張ろうということになったんですね、結果的には。
そのときIOCの会長がベルリンを訪れて、街の中にユダヤ人と犬は立ち入り禁止とかっていうポスターがあったんですね。
それを取ってくれというふうにヒットラーが言ったわけですよ。
そしたらヒットラーに対してゲッペルスに言ったんですけれども、宣伝大臣ですね。
ゲッペルスが、ここはドイツだからそんなことは言われられないと言ったんですね。
するとIOCが、ここはオリンピックの期間中はオリンピックの街だと。
だからIOCの言うことを聞いてくれっていうので、そのポスターを全部剥がしたんですよ。
へー。
だからそういうことがあったのが、再来年のロサンゼルスオリンピックでどこまで徹底されるかどうかというのは、これには注目したいと思いますね。
それぐらいの気概を今回のFIFAのインファンティーノにも見せてほしかったですね、会長にもね。
いやいやいやいや、スポーツをね、スポーツを守ってる人っていうのは、スポーツが独立しているものだっていうことをきちんと言うべきですよね。
へこへこするものじゃないですよね。
こういうことですね。
敗北からの抗議とスポーツマンシップ
ただこれ情けないことにね、例えばフランスに負けたパラグアイでは女性議員がね、フランスのエンパペ選手をものすごい人種差別で非難したりしてるんですね。
負けたハライセかもしれませんけれども、フランス語も喋れない人が何やってんだというようなことを言って。
エンパペ選手はなかなか大人の対応で、女性議員の言うことなんか、そんなこと相手にしないと言ってるんですけれども。
丸い意味で考えてみたら、韓国の作法騒動ですね。
これも国が言ってるんですね。
国が言っていて、金がもう少しきちっと……。
ちょっと今音声が乱れてる。玉木さんちょっとすいません。音声が乱れてしまいまして。
今ちょっと整えてると思うんですけども、韓国の話からお願いできますか。戻りました。
そうですね。韓国の大統領までが、韓国のサッカー協会を非難してますよね。
それに対して、韓国は税金をたくさん出してるんだからというふうに言ったんですけれども。
これ面白いですね。おかしいですね。
というのは、税金出す前にその組織がきちんとしてるかどうかは、税金出す人がきちんと調べるべきでしょう。
だからこれもまた、韓国がワールドカップで負けたから文句を言ってるみたいなところがありましてね。
だからアメリカの大統領が言うのも、それからパラグアイの女性議員が言うのも、みんな負けたから言ってるんですね。
これはスポーツに対してあまり良いことじゃないですよね。
そうですね。本当に。スポーツ知らないのかな。やってきてないのかな。
もうちょっとね、スポーツマンシップにのっとった行動とは思えないですもんね、発言ともね。
再来年のロサンゼルスオリンピック、これに向かってアメリカという国がどう変わっていくのか、変わらないのか、そのあたりをきちんと見てみたいですね。
またアメリカ国民の人にも、スポーツを自分たちの利益だけに使わないでほしいというふうに思いますね。
そうですね。オリンピックの数ヶ月後に大統領選挙があるというタイミングではあります。
まとめ
ということで、この時間はキャッチアップをお送りしました。
玉木さん、ありがとうございました。
はい、どうも。
スポーツ文化評論家、玉木雅之さんでした。