ピッチコム導入の概要と疑問
この時間は、日替わりコメンテーターが独自の切り口で、多様な視点を提案するCatch Up。 水曜日は、スポーツ文化評論家、玉木正之さんです。玉木さん、おはようございます。
はい、おはようございます。今日はプロ野球のことをしゃべりたいんですけれども、NPBプロ野球連盟が来年からですね、ピッチコムを導入するというのを決めました。
ピッチコムというのは、バッテリー間の電子機器ですね。 ピッチャーとキャッチャーでやり取りできる?そうです。キャッチャーとピッチャー、実はそれだけではなくて、ピッチャーとキャッチャー以外に3人の野手も装置をつけることができるんですよね。
ですから、セカンドとかショートですね。これは要するにサイン、ピッチャーに送る、保守がピッチャーに送るサインによって守備位置を変えるという。 そういうこともできるという。それで二類種と遊撃種以外にセンターが持つ場合もあれば、一類種が持つ場合もあると。
持つというのは、耳に受信器を入れるということですけれども、これはまあいいでしょう。ルールですからね。WBCなんかでもOKになってるんですし、大陸はずっと使ってますから、やるのは当たり前ですけれども、何のためにやるんですかね。
何のために。これまではサインでやってるわけですからね。サインでやってるわけですから。時間短縮とか。そういうことですね。時間短縮のためにやっているということがわかってるんですかっていう風にプロ野球の人にはちょっと聞きたいところがありますね。ほうほうほうほう。要するに時間短縮のためにやるならば、時間短縮しなきゃいけないという意識があるはずですよね。
そうですね。
スポーツにおける「間」の文化的背景
要するにスポーツとして選手が困っているときに、コーチがスポーツの現場に歩いていって助けるというのが果たしてスポーツの行為として正しい行為なのかどうかね。これなんかもすごい考えるべきだと思うんですよね。
なんでこんなことになってるのかっていうと、以前話しました。アメリカ生まれのスポーツには間を取る場合が多いと。時間を取る場合が多いと。時間を取ってる間に観客もいろいろなことを考えると。
ピッチャー困ってるんだな、バッタがここで打つかな、どうかな、ドラマを考える時間があるんですね。それを考える時間を取るというのがアメリカのスポーツで、野球だけではなくてバスケットボールでもいっぱい作戦タイムが取られますね。アメリカのフットボールでしたらもう1回ずつハドルを組みますね。
その間に観客は考えるわけですね、ドラマを。というのはもうアメリカの西部開拓の時に劇場を建てる暇がなかったから、スポーツにドラマを求めたと。
ヨーロッパのスポーツというのは、ドラマが流行している時に生まれたものですから、スポーツはどんどん早くやっていこうと。だから絶対に止まらせずにやるというのが、ヨーロッパで生まれたサッカーとかラグビーとかホッケーのルールなんですよね、基本的には。
だから今年のワールドカップのサッカーでは、飲水タイムとかっていうタイムを取ったっていうのは、あれは確かに熱いと水を供給するっていうのは必要なんですけれども、そこで平気でストップを入れるっていうのはアメリカ的な発想だったんですね、すごく。
日本のプロ野球における中途半端な姿勢
まあそういうところがあって、今の日本のプロ野球は野球を短くしたいんですかということを改めて聞きたいですね。短くしたいならばもっと他にやることもあるだろうと。
そうです。どっちなんだいっていう、ちょっと中途半端な感じでは逆を調べることがあったりしてね。
そうですね。おまけに例えば選手がバッターが出てくるときにテーマソングがありますよね。いろいろ流れますよね。あれメジャーリーグでもあるんですよね、テーマソング。ところがメジャーリーグはルールが決まってるんですね。5秒以内。
短いんですね。音楽5秒ですよ。この人だって分かる音楽が流れるっていう。要するにそんな長くやるなっていうことなんですよね。誰が出るかが分かればいいって感じなんですかね。それだけです。それだけです。それに対して日本の場合はちょっとして長くやりたいんじゃないかっていう。
要するに応援団の人がトランペットを使って音楽をやるっていうのも前奏曲のようなものが流れる場合ありますよね。そうですね。メインのメロディーが来る場合にパンパンパンパンとか言いながらバンバカバンバカバンバカって速くなるという。
やっぱり日本の昔の歌謡曲とかも含めてイントロ好きですから。そうですね。盛り上げるためのね。盛り上げるための。あれ歌謡曲の場合なぜあるかご存知ですか。何でですか。司会者が喋るためですよ。なるほど。向上というか。
昔は司会者がいたんですよね歌詞が出てくる時に。その時に司会者が喋るために前奏曲を必ずつけたっていうのがあるんですけれども。そういう長さを短くするかどうか。短くしたいんですかっていうのを逆に聞きたいですね。楽しい面白い空間ならば長くってもいいじゃないかっていう考えもあるんですよね。
アメリカのベースボールMLBメジャーリーグベースボールの場合はなぜ短くするかというともう長いのに飽きられかけていると。おまけにアメリカのフットボールもあればバスケットボールもあればアイスホッケーもあれば対抗するスポーツがすごくあってスピーディーにものが運んでいると。野球はちょっと間延びしすぎて人気が落ちてきているんじゃないかというので短くしようと。
1試合3時間というのは長すぎると3時間以内にしようというので出てきたのがピッチコムなんですよね。そうしたら日本の場合はなぜ使うのかっていうときにアメリカがやってますからやりましょうっていうようなだけでは本当の意味のピッチコムにはならないはずなんですよね。
ピッチコム開発の歴史と日本の判断
ここは非常に難しいところですね。それに以前お話ししましたけれどもこのピッチコムという装置一番最初に開発したのは日本ですから。1980年頃に日本の大手のスポーツメーカーがキャッチャーに押しボタンをつけてピッチャーに受信器をつけてサインを出すというのを売り込もうとした。
私その売り込んでいる最中にちょうど春のキャンプの時にその様子を見たことがありましてそれは高知県でのハンキューブレイブスの春のキャンプでしたけれどもそこにその装置を持ってきた人がいたんですね。当時ハンキューブレイブスは上田監督でした。
上田監督はそれを手に取って見たんですよね。こんなサインの装置があるのか押しボタンできるのかって言いながらダメだこれやって投げちゃったんですよね。なぜかというと妨害電波でダメになるっていう。妨害電波つけられたらサインが送れなくなるじゃないかと。
それでもう全然無視したというので日本ではそれの開発が止まってしまったんですよね。そこにあるのは何かっていうと自分のチームが勝つためにどうしたらいいかっていう時にこれは敵に邪魔される装置だっていう判断だったんですよ。
それは今のピッチコムでもある意味では条件は一緒なんですけれどもメジャーリーグの場合はなぜピッチコムを使ったかっていうと全体のプロ野球をどのように面白くするか時間を短くしなきゃ他のスポーツにファンが取られるぞっていうので成り立ったんですよね。
日本の場合は何か決める時にうちのチームに有利かどうかを判断しちゃうんですね。
プロ野球全体の発展に向けた提言
資座が違いますね。
だからそこでうちのチームが勝つために何しようかっていうような問題ではなくてプロ野球全体を一体どのようにすればより面白い野球を見せることができてなおかつ野球人口の増加につながるんだと。
そういう考えでないと今野球人口が本当に減ってますからね。
高校野球がどれだけ盛り上がろうがプロ野球がどれだけ盛り上がろうが野球をやる青年がどんどん減ってきてる。
これを何とかしなきゃいけないっていう気持ちがプロ野球にあればこのピッチコムの使い方もこれ考える時にはピッチクロックも一緒に考えなきゃいけないですよね。
投球するまでの時間ですね。
何秒以内に投げるっていう。それにストライクボールの判定の抗議のビデオ判定ですね。それなんかもどうするかっていう。
もう全部一緒になって考えなきゃいけないけど何しようアメリカが変えましたから変えますだけではちょっとプロ野球の将来がやばいなって感じがするんですけどどうですかね。
おっしゃる通りですね。
確かに合わせて検討しないと。やっぱりちょっと膝を高くしないといけないなって思いますよね。
野球をどのように面白くするかっていうのを考えてほしいですね。
そうですね。
エンディング
玉木さんありがとうございました。
はいどうも失礼しました。
この時間は玉木雅之のキャッチアップをお送りしました。