エンハンスト・ゲームズの概要
この時間は、日替わりコメンテーターが独自の切り口で、多様な視点を提案するCatch Up。
水曜日は、スポーツ文化評論家・玉木正之さんです。玉木さん、おはようございます。
おはようございます。スポーツ界、いろんなことがありましたけれども、今日取り上げるのは、エンハンスト・ゲームズです。
はい、はい。
ご存知ですよね。
記事でちょっと見てびっくりしました。
ラスベガスで行われたんですけれども、アメリカで、とにかくドーピングの薬をですね、どれだけ使っても構わないと。
いろんな競技連盟のルールがありますけど、それを省いてやってみようということですね。
それで、またこれすごいのは、水泳競技と陸上競技とウェイトリフティングの3競技しかないんですけれども、
水泳は100メートルと50メートルの自由形とバタフライ、それで陸上は100メートルと110メートルハードルですね。
水泳競技での世界新記録と賞金
それとあとウェイトリフティングがあったんですけれども、水泳で世界新記録が出たんですね。
みたいですね。
ギリシャのゴルメーフという選手が出したんですけれども、優勝すると25万ドル賞金が4千万円ですね。
世界記録を新記録を出すと100万ドル、これは1億6千万円ですから2億円手にしたということですね。
このゴルメーフ選手っていう人は50メートルの自由形で世界新記録で優勝したんですが、
それまでの世界新記録が20秒88だったんですね。それを20秒81にしたと。
0秒07縮めたってことですかね。
そういうことですね。32歳の選手でパリオリンピックでも5位で、世界選手権でも2位になったことがある。
かなりの実力のある選手なんですけれども、この人がどういう薬を飲んでたかというのはわからないんですが、
ただスイムスーツが上まであるものですね。男性はパンツ型になってますけれども、
上まであるのは禁止されてるんですけれども、この大会では構わないと。
ですからそれが効果を発したのかどうかわからないんですけれども、それで2億円を手にしたということなんですけれども、
ドーピング容認への反応と背景
これはどうですかね、禁止薬物の、医者の管理のもとでやっているので安全だというようなことを主催者は言ってるんですが、
世界アンチドーピング機構は激怒していますね。こんな危険なことはないし、責任であると。
アンチドーピング機構って和だと言われてる団体ですけれども、ここが一番怒っているのはアメリカのアンチドーピング機構、USADAという団体なんですけれども、
これが一言も文句を言ってないと。要するに黙認しているということに対して怒っているんですね。
なんで黙認するのかというと、このエンハーストゲーム、ラスベガスで行われたゲームなんですけれども、
運営にトランプ大統領の長男が関わってるんですね。相当の資金援助もして、これだけの賞金も出ているということなんですね。
政権に配慮して黙認って感じなんですかね。
それがなきにしもあらずということなんですけれども、アメリカの考え方っていうのも中にはあって、ハリウッドのスターで誰とは言いませんけれども、マッチョマン多いですよね。
この人たちは薬を使っているというのはほとんどみんなの分かっていることになっているというようなところで、この強いものを求めるというようなところがあるみたいですね。
ですからエンハーストゲームという、そのエンハーストという言葉も強化されたというような意味で、人間の肉体をどこまで強化できるかということで争うんだから、これも一つの道だという言い方があるんですね。
若者への影響と過去のオリンピック
これに対していろんな批判も出ているんですけど、中で全く言われていない批判を私は言いたいんですけれども、
要するに若者への波及ですよね。
要するに若者への波及ということは子どもへの波及ということもあるんですよね。
それは絶対に避けないといけないことなんですけれども、この大会がもしも毎年行われて、優勝して世界記録したら2億円だというので、これを目指す若者たちが現れてきたら怖いですよね。
そこが一番の問題だと私は思うんですけれども、そこを指摘する人は意外といないという感じがするんですけどね。
ただ非常に興味深いのは、例えばもう古い話ですが、1964年の東京オリンピック、有名な市川根さんの東京オリンピックという映画があります。
これを皆さんもちょっとDVDで見てもらいますので、もしも見たら、一見してびっくりするのは何かというと、気の違いですね。
今のアスリートたちと、1964年の選手たちの体つきの違い。
要するに筋肉のつき方の違いですね。
特に女性なんかはね、女性の選手を見たら、これは表現が難しいんですけれども、市川根さんの映画を見ますと、まるで町のおばさんたちがやっているという感じがしますね。
普通のおばさんたちが走っているというようなスポーツだということに思うんですね。
今のアスリートたちを見ると、鍛え上げられた肉体で競っていると、そこはかなりの違いがあるというふうに思うんですね。
これを押し進めたら、エンハンスドゲームになってしまうんじゃないかということが言えるんですね。
大会参加選手と人体実験の側面
今回、ラスベガスで行われた大会、先ほど水泳と陸上とウェイトリフティングだけだと言いましたけれども、出場した選手は42人全部で、そのうち29人がオリンピックにも出場したことのある選手たちですね。
ただ、どこまで薬物を使っているのかということは、まだはっきりとはわからないので、オリンピックに出ていた選手がエンハンスドゲームに出たからといって、もう一度オリンピックに出られないということはないわけですね。
ただ、この賞金額の大きさですよね。それと薬物を使ってもいいということで、アンチドーピング機構は危険で無責任だというのと同時に、人体実験であると、これは。
そういう見方もできますよね。
要するに、人間がどれだけ進化するかというような言葉を使いながら、人体実験をしているだけで、これが5年後、10年後、体にどんな影響を与えて出てくるのかまで調査するというような保証はどこにもないということですね。
それを見せ物にしているわけですしね。
そういうことは、競技を辞めてからそれを外部から入れなくなると、内部でホルモンを作る力がなくなって、人体が故障するという割合が多くなると。
怖いですね。
ドーピング検査と薬物開発の複雑さ
そういう研究が進んでいて、今、オリンピックなどでは、ドーピングの禁止薬物が100種類以上あって、おまけにここで大問題なんですけれども、
ドーピングだと言われている薬物を隠す薬物、要するにそれが使っているのをわからなくする薬物もあるんですね。
それを検査する薬物もあるわけですね。
3つの薬物を全部薬のメーカーが作っているんですね。
中には同じメーカーが作っているのもあるんですね。
それは他の目的で本来使用されるものをこういう競技を持ってきているということなんですかね。
そうです。
ですから病気を治すための薬というものが禁止されているのは中にはあるんですね。
だからそこのところは非常に難しいんですけれども、さてさて、ドーピングについてこれだけ過激な大会が行われたと、
大会の結果と今後の展望
これが毎年行われるのかどうかわかりませんけれども、どうなるのかというのはちょっと見てみたいですね。
ただ42人が参加して世界記録が出た、新記録が出たというのが1つだけだというのもある意味では、
これはちょっともうこんな大会やっても仕方ないじゃないかというような意見も出てくるとは思いますね。
そこもびっくりしました。こんなに記録が出るわけじゃないんだと思ってですね。
そういうことです。
むしろベストよりも低い記録のものもありましたしね。
そうなんですね。薬を使えば全部記録が出るんじゃないかと思っていたら、たった1つしか出なかった。
おまけにそれもスイミングウェアの働きじゃないかと言われているわけですね。
ですからドーピングを考える上である意味1つの面白いデータが出たという言い方もできるかもしれないですね。
使うのもバカバカしい。やめようという方向になればいいですね。
はい、そういうことですね。
田北さんありがとうございました。
ありがとうございました。
はいどうも失礼しました。
この時間は田巻雅之のキャッチアップをお送りしました。