「なぜこのアニメは『ゲームの宣伝』で終わらなかったのか。」
ゲームを原作にしたアニメには、当然プロモーションとしての役割があります。ゲームの世界を映像で見せて、新しいプレイヤーに届ける。IPの拡張としてまっとうな設計です。『サイバーパンク エッジランナーズ』は、その宣伝としての役割を果たしたうえで、独立したアニメ作品としても成立しました。両方を同時にやれた稀有な事例です。
Season 2の公開がこの秋に控えています。公開を前に、制作陣のインタビューや制作ドキュメントを改めて見直していたのですが、ずっと引っかかっていた疑問がようやく腑に落ちました。わたしもIPを外部のクリエイターに渡す判断をしたことがありますが、何を握って何を渡すかの設計が甘いと、世界観が崩れます。
CDPRの『サイバーパンク2077』のIPを、日本のStudio Trigger(キルラキル、プロメア)に渡す。アニメ放映後、ゲームのSteam同時接続はおよそ7倍に跳ね上がり、1日100万人以上がプレイヤーとして戻ってきた。Crunchyrollアニメアワード2023で最優秀作品賞も受賞。この『両方』が起きた理由は、クオリティではなくIPの渡し方の設計にありました。
今回は、CDPRが具体的に何を握って何を渡したのか、その基本設計を整理しました。世界観は握る、表現は渡す、共有はマニュアルではなく体感にする——この3原理と、S2の監督交代、そしてRiot Games×Forticheの『Arcane』まで、IPを強くする『握る力ではない』ものの正体を掘ります。
▼話したこと
・アニメ企画は2020年6月発表・ゲーム発売より前——最初からIPの別表現として設計されていた事実
・同じナイトシティで『選択と自由のRPG』と『少年デイビッドの暴走と喪失』という別の感情の層が生まれた理由
・『委ねる』と『丸投げ』は違う——CDPRとTriggerの20ヶ月以上に及ぶ共同ストーリー開発
・世界観は握る/表現は渡す/共有は体感にする——今石監督が開発版をプレイした3原理の設計
・S2で今石監督を続投させず五十嵐海を新監督に据えた、勝ちパターンを繰り返さない選択の意味
・Riot Games×Forticheの『Arcane』——Emmy4部門・Annie9部門受賞に共通する同じ設計原理
・IPの強さは『握る力』では決まらない——境界線を正確に引く設計力こそが想像を超える場所へ運ぶ
▼note記事
ゲームの「宣伝アニメ」で終わるものと、世界観を拡張してしまう作品の差。
https://note.com/keke_ent/n/n80f446b8579e
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