葵帖までを読み進める最中、私はある盛り上がりを感じておりました。それは「源氏は次の賢木で痛い目を見ればいいのだ」というムーブメントです。わがままとゲスの限りを尽くした様子を都度都度湧き出る怒りとともに友がたりしてまいりましたが(もっと平和なはずのつぼねでした…)、そろそろ痛い目を見て女君の苦しみを感じてほしいと、つぼねに集う女房・公達の皆様は思っておいでだったのではと推察いたします。
賢木といえば「野宮の別れ」が最大の山場ではありますが、それ以外にもたくさんのあれこれがぎゅうぎゅうにつまった帖でございます。どうぞ今宵も几帳の向こうの友がたりに耳をそばだてておきあいくださいませ。
<マラソンの心得>
1)どの現代語訳、原文を読んでいただいてもOKです。
2)途中参戦、途中離脱、出戻り、つまみ食い、OKです。
3)最後までご自分のペースでのんびり完走を目指しましょう!
※自由気ままな古典愛トークですので、学術的・歴史的に正しいものとは限りません。おぎたまの妄想は、決してテストに書かないようご注意ください。※内容は諸説あります。※源氏物語を新鮮な気持ちで味わいたい方は、先に書籍を読むことを強くお勧めします。
<おぎ流あらすじ~賢木~>
光源氏23歳から25歳ごろのお話。六条様との野宮の別れ、そして桐壺帝の崩御、藤壺の出家、朧月夜との密会の露見と、イケイケどんどんだった源氏の人生に少しばかり陰が出始めます。
<時のしおり>
() 源氏くんの人生に陰りが
() 賢木は榊ですね
() 六条様、遂に別れを決意
() 別れなくちゃいけない理由
() 源氏くんのお気持ち
() 立入禁止!だからこそ燃えちゃう
() 恋の手練れ、ハイレベル贈答歌
() タイミングが合わぬ二人
() 六条の愛娘は当然美少女
() 斎宮に心乱れちゃう朱雀帝
() 別れを惜しむ男がもう一人
() あの子も神に仕えることに!
() 桐壺パパ最後のお願い
() 物語の潮目が変わった瞬間
() おぎポイント①「殿方は会いにくる」
() おぎポイント②「殿方は会いたがる」
() 投票結果&コメントご紹介
<今回ご紹介した和歌>
●六条様より源氏へ
:神垣はしるしの杉もなきものをいかにまがへて折れるさか木ぞ
おぎ訳:目印もないのにどうやってここまで来たの?榊で通せんぼしてたはずなのに。
元歌:わが庵は三輪の山もと恋しくはとぶらひ来ませ杉立てる門(古今和歌集より)
●源氏より六条様へ
:少女子があたりと思へばさか木葉の香をなつかしみとめてこそをれ
おぎ訳:斎宮のいらっしゃるあたりにいらっしゃると思って。榊の葉の香りをたどって参りました。
元歌①:少女子が袖振る山の瑞垣の久しき世より思ひそめてき(拾遺和歌集より)
元歌②:榊葉の香をかぐはしみとめ来れば八十氏人ぞまとゐせりける(拾遺和歌集より)
<おぎ注>
潔斎(けっさい)
:斎宮として伊勢に下る前に、身を清め、清らかな生活の準備をするために、一定期間を隔離された空間で過ごすこと。
野宮神社
:斎宮が伊勢へ下る前に身を清める場ために1年間を過ごした場所。京都市右京区に今もあり、重厚感のある黒い鳥居が迎えてくれます。https://nonomiya.com/
斎宮と別れの櫛の儀
:帝が斎宮の頭に櫛を挿して代替わりによる交代が早くに為されないように祈る儀式。
斎院
:京都の賀茂神社に奉仕する未婚の内親王、または女王。男性との面会等は禁忌であり、手が届かない存在である。
<出典>
「源氏物語」岩波書店 新日本古典文学大系
https://www.iwanami.co.jp/book/b285392.html
「全訳 源氏物語」與謝野晶子/訳 角川文庫
https://www.kadokawa.co.jp/product/200801000436/
「あさきゆめみし 完全版(2)」大和和紀/著 KCデラックス
https://www.kodansha.co.jp/book/products/0000190131
「あさきゆめみし 完全版(3)」大和和紀/著 KCデラックス
https://www.kodansha.co.jp/book/products/0000190132
「源氏物語 2」角田光代/訳 河出文庫
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309420127/
「ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 源氏物語」紫式部 角川書店/編 角川ソフィア文庫
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