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詩吟の魅力を発信する、【詩吟ch】
おはようございます。こんばんは。【詩吟ch】のheyheyです。
このチャンネルは、詩吟歴の長い長い私、heyheyによる、
詩吟というとてもマイナーな日本の伝統芸能の魅力を、分かりやすくお伝えしていくチャンネルです。
ということで、今日もいつも通り、漢詩や俳句、和歌など一つご紹介して、
吟じていくというスタイルで進めていきます。
この前までは、三国詩、三国詩関連のものをご紹介していったんですけれども、
今回はですね、日本の戦国時代、安土桃山あたりですね、
一番面白い、その頃の時代に関わるものをご紹介していこうかなと思っております。
ということで、今日ご紹介するのはですね、室町幕府最後の将軍、
足利義明、本人が作ったと言われる漢詩をご紹介します。
乱を裂け、船を豪州の湖上に浮ぶ。
こちらの詩をご紹介させていただきます。
足利義明というとですね、もう織田信長をひたすら嫌がらせをするというか、
途中まで持ち上げられたにもかかわらず、裏切って嫌がらせをしまくる。
武田信玄と組もうとしたりしていくわけなんですね。
すごくいやらしくて、ずる賢くて貧乏なとか、
そういうすごいマイナスなイメージが多い方ではあるんですけれどもですね、
それまでの生涯を紐解いてみると、
30歳まではですね、仏教の道の方に進んでいたわけですね。
そこの方に進んでいたにもかかわらず、
仏教とちょっと違うか、お坊さんの方に進んでいたわけなんですけれども、
そこからですね、お兄さんが暗殺されて急遽将軍になって、
しかもすぐそこで織田信長に担ぎ上げられて、かと思いきやすぐに捨てられると。
それでも私は諦めないぞというふうに嫌がれそうし続け、
今日追い出されてもそれでも生き延びて、最後は畳の上で61歳で亡くなったということでですね、
ものすごく精神的に強い、メンタル的に強い、
一人でも自分の力でも、自分一人では何もできないけど、
人をちゃんとしっかりと頼ってやることはやるぞという、
凄まじいメンタルの持ち主なんじゃないかなというふうに感じております。
なかなかいないタイプの人かなと思いますので、面白いですね。
ではどういう詩を作ったのか読んでいきたいと思います。
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まれむやいなや、月は白し、ろかせんすいのあき。
江湖に落白はして、杏に憂いを結ぶ。
都から京都から南を逃れて、さすらい落ちぶれて、
人知れず憂いに心が塞いでしまっているという状態です。
古宗一夜、思い悠々たり。
船がたった一隻ですね、夜に琵琶湖の方に浮かべて、
胸の内をですね、思いを語りかけるような相手もいないまま、
思いに暮れていると、一人暮れているという状態です。
天皇又、我が生を憐むや、いなや。
帝様、まあ神様と言いますか、天帝様というのかな。
でも、私の寂しい生涯を憐んでくれるのであろうか、わからないな。
月は白し、ろかせんすいのあき。
折から秋の夜は月が高高と冴え渡っていて、
浅瀬の足の花が冷たく照らしているばかりであるということですね。
もう自分一人なんだと、一人になってしまった孤独だな。
果たして神様は見てくれているだろうか。
なかなかここまで一人ぼっちになったことはないので、本当にわかりません。
わかりませんが、寂しさの中に力強さを感じるのかなと思います。
吟じていく際にはですね、こちら特に難しいような節回しはありません。
ただまさしくそういうような寂しさが入っていますので、
なかなか元気に吟じるのは間違ってますね。
力強く堂々とやるのもちょっと違うんですけれども、
しっかりとだけれど寂しさを織り混ぜてという風にやれれば僕はいいのかなと思っております。
そうですね、これもう難しいな。
どんな気持ちを込めればいいのかわかりません。
わかりません。
僕のスタイルは吟じながら思想を想像するという風にしているので、
感じ取ってくれれば幸いです。
では吟じていきます。
乱を裂け船を豪州の湖上に浮かぶ
足利義明
高校に落伯して
案に憂いを結ぶ
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一夜思い
ゆいたり
天候
また我が生を憐れぬや
気は白し
ろ過
潜水の秋
いかがでしたでしょうか。
難しいですね。これも難しい。
どんな気持ちを込めればいいのか。
本当に詩をしっかりと口に出して味わう。
それしか僕はできないかなと半分開き直ってみました。
ということで足利義明本人が作った詩をご紹介させていただきました。
詩吟の魅力を発信する詩吟チャンネル。
今日は以上です。どうもありがとうございました。
バイバイ。