第二十四話『切り込む力』-随筆家・白洲正子-
2016-02-13 09:51

第二十四話『切り込む力』-随筆家・白洲正子-

名門『軽井沢ゴルフ倶楽部』に、「PLAY FAST」と書いたシャツを着て現れる、伝説の男、白洲次郎。
その妻、白洲正子もまた、伝説の女性でした。
伯爵家の次女として生まれた正子は、ある意味で、夫次郎に負けるとも劣らない行動力と、強いプリンシパルを持ったひとだと言えるかもしれません。
正子の父方の祖父は、薩摩出身の軍人にして政治家、樺山資紀。
戊辰戦争や台湾出兵に参加し、警視総監や陸軍大臣を歴任した生粋の薩摩人でした。
ここに一枚の写真があります。
永田町の自宅の庭で、祖父、資紀の膝に抱かれる5歳の正子が写っています。
軍服にサーベルを下げ、椅子に座る祖父。
彼の帽子を手に持ち、カメラをにらむように見据える、白いワンピース姿の正子。
その真っ直ぐで大人びた眼差しは、後の正子の運命を暗示しているように思えます。
正子はおそらく、薩摩人である自分を意識していたのでしょう。
彼女にはただ単に、勝気、負けず嫌いでは片づけられないひとつの流儀がありました。
決めたことをやりぬく。欲しいものには粘り強くくらいつく。
その壁が高ければ高いほど、挑む。誰も入ったことのない場所に切り込む。
だからこその、伝説。それゆえの、唯一無二。
ただのお嬢様に留まらなかった彼女を突き動かした、心の中のyesとは?

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